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「組織のWell-beingとは何か?(シーズン2)」6回シリーズ(その4)は、ベイン・アンド・カンパニー奥野さんが、組織内で行っている驚きのイベントや、ICCサミットでも活用しているNPSスコアについて解説します。モデレーター中竹さんが明かす、日本と真逆の海外スポーツチームのチームビルディングも目からウロコです。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019のプラチナ・スポンサーの日本マイクロソフト様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 5D
組織のWell-beingとは何か?(シーズン2)
Supported by 日本マイクロソフト
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者
奥野 慎太郎
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
マネージング パートナー
佐藤 光紀
株式会社セプテーニ・ホールディングス
代表取締役 グループ社長執行役員
西澤 亮一
株式会社ネオキャリア
代表取締役
(モデレーター)
中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会 理事 /
株式会社チームボックス 代表取締役
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最初の記事
1. 人気シリーズ第2弾!皆さん「組織のWell-being」できていますか!?
1つ前の記事
3.「これだけ聞けば“社員のWell-being/doing”が分かる」2つの質問
本編
中竹 奥野さん、今まで出た中で、サービスとして具体的に行っている施策はありますか?
石川 ベインは毎週金曜に、何かやってませんでしたっけ?
グローバル従業員によるワールドカップを開催(ベイン奥野さん)
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン マネージング パートナー 奥野 慎太郎さん
奥野 毎月月末の金曜には全員で集まって、話しています。
さっきの石川さんのチャートで言うと、ベインは右下の「みんなでBeing」の状態が多いと思いましたね。
ほっとけば左下の「みんなでDoing」、論理的になる人が多いのですが、実際にやっているのは「みんなでBeing」ですね。
石川 この右下の部分は、働き方改革によって削られている部分です。
奥野 うちは絶対に削らないですね、むしろ少しずつ予算を増やしています。
力を入れているのは、社内ワールドカップです。
ラグビーではなくてサッカーなのですが、ベインワールドカップというものがあります。
石川 それはグローバルで行っているのですか?
奥野 そうです。
毎年、ヨーロッパかアメリカのどこかの街で開催されます。
今年はローマでしたが、1,800人が参加しました。
大体、全従業員の1割くらいが参加します。
交通費は自己負担ですが、宿代とご飯代は会社負担です。
佐藤 期間はどれくらいですか?
奥野 2泊3日です。
佐藤 サッカーの大会をするということですよね。
奥野 そうです。
私は日本では代表という立場ですが、サッカーの場では別の国の全く知らない若手にも怒られます(笑)。
何かスキルが上がるわけではないですが、幸せ度が上がるイベントですね。
リーマンショック時にも開催されたイベントです。
石川 予算を削らなかったのですね。
中竹 このご時世、そこを削らないというのはすごいですね。
従業員のNPSを上げる2つのポイント
奥野 我々は従業員NPSを上げるポイントについては、30年くらい分析、研究しています。
石川さんの紹介されていたことに似ていますが、大きく2つあります。
1つは、“Someone senior commits to my success”で、「シニアなメンバーが自分の成功にコミットしてくれている」ということですね。
成功の定義は色々ですが、その人自身の成功です。
もう1つは、“I feel inspired and valued”で、「他人からインスピレーション、良い影響を受けている、価値を認められている」です。
これらが高いと、従業員NPSが高いのです。
会議が多い、ルールが多いなどのこれらを阻害する要因はありますが、それら全てを取り除いたとしても、この2つが満たされていなければ従業員NPSは上がりません。
中竹 面白いですね。
奥野 これは、産業が成長しているからNPSが高くなる、斜陽産業だからNPSが低くなる、という話ではありません。
中竹 ということは、取り組むべきところが明確ですね。
奥野 そうですね。
ただ、結局は内発的なものなので、例えば、成功の定義があやふやな人は値が上がりません。
インスピレーションも、能動的に受けようとしなければ値は上がりません。
ですから他力本願な社員ばかりだと、いくら環境を整備しても意味がありません。
中竹 生産性の研究について、ハーバードビジネスレビューの教授である、テレサ・アマビールの『マネジャーの最も大切な仕事』という本があり、そこに書かれているひとつの考え方があります。
自分の仕事に対してやりがいを感じるのは、マネジャーが自らの価値を認めてくれているかが大事だということなのですが、今のお2人の話に通じます。
例えば、ほとんど仕事してないような、フラフラ現場に行って、ただ喋っているだけのマネージャーがいたとしても、意外とそれが効果的なこともあるのです。
「元気か?」という5分のコミュニケーションのために、わざわざ半日かけて工場まで来るという行為が、相手にとっては「自分に時間を使ってくれた」という思いを生むのです。
末端の社員には、実は大きく作用するのです。
「直観」「大局観」「論理」のバランスは?
西澤 社会をより良くするため、そのための良い会社を作るには、「直観」「大局観」「論理」この3つのモードはバランス良くあるべきなのでしょうか。
これをどう経営に活かせば良いのでしょうか。
石川 会社、人によって違うと思います。
例えば、クリエイティビティを発揮するより、決められたことをきちんとこなすことが重要な仕事は「みんなでDoing」することが求められます。
役職によっても、求められるバランスは違います。
ただ、ICCサミットに来ている経営者の皆さんの場合は、大局観が大事ですね。
西澤 例えば、役員合宿で難しいことについて議論し、1時間ほどの沈黙が続いた後に、結論をようやく出して、そこから生まれる一体感もありますよね。
石川 そうですね!そういう意味でもおすすめは、まず右上「ひとりでBeing」からスタートし、アイデアが出てから左上「ひとりでDoing」に移って個人で考え、その後、右下「みんなでBeing」に移ってみんなでぺちゃくちゃ喋り、最後に左下「みんなでDoing」、みんなで議論するという順序です。
みんながアイデアを持ちよった状態で集まらなければ、みんなで会議をしても何も生まれません。
役員合宿でも、1人の時間を確保するとか、設計の仕方が大事です。
遠征から始まる海外のチーム、チーム作りからの日本のチーム
日本ラグビーフットボール協会 理事 /チームボックス 代表取締役 中竹 竜二さん
中竹 スポーツの世界でも、日本と海外でやり方が違います。
例えば海外のチームは、シーズンの一番最初に遠征をしますが、日本のチームはまずチームをしっかり組んで目標を決めてから遠征をします。
契約をして、これからチームを組むという時、最初の顔合わせが空港ということもあります。
遠征中に、どんな人なのかをお互い知り、チームビルディングをするのです。
試合のときは「みんなでDoing」の時間ですが、それ以外の時間は、チームアクティビティや1人でお土産を買う時間など、バランスよく組んでいます。
石川 面白いですね。
西澤 海外の役員と幹部合宿をした際、クアラルンプールで集まりましたが、まず最初にTシャツを配られて、飛行機を貸し切ってペナンに飛びました。
飛行機を降りてみんなで写真を撮る、というところが合宿の入口でした。
それで、一体感が生まれましたね。
その後の色々なプロセスがうまくいったのは、まさに今お話しされたプロセスがあったからだと分かりました。
石川 クアラルンプールに行くのが、「ひとりでBeing」、Tシャツを着て機内にいるのが、「ひとりでDoing」ですね。
中竹 きっちり組んでイベントをする文化が日本にはありますが、目的なしの、大局観がベースのイベントも面白いかもしれません。
石川 ここにいらっしゃる方は基本的に、Doingが好きなはずです。
結果を出す、前に進むのが好きですから。
だからこそ意識して、ひとりでもみんなででもBeingをしないと、目的に向かって何かをするだけになってしまいます。
西澤 Well-beingがなぜ大事なのか、分かりました!
石川 分かりましたか!
ありがとうございます!
じゃあ今日はもう、これにて終了でいいんじゃないですか(笑)。
中竹 そうですね(笑)。
私たちはもう満足なので、この後の15分間は質疑応答に移りましょう(笑)。
(続)
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続きは 5. 散歩、筋トレ、サウナ……ストレス解消に“ひとりでBeing”が効果的な理由 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成/大塚 幸
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