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2. 社会的事業こそ、スケールを目指すべき(レノバ木南社長)

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『起業家よ、大志を抱け!社会課題を解決するビジネスを創るための「志」とは?』全7回シリーズ(その2)は、再生可能エネルギー事業を手掛けるレノバ代表取締役社長・木南陽介さんの「志」に迫ります。「社会事業であればあるほど、スケールを目指すべき」――そう語る木南さん。環境問題へ興味を抱くきっかけとなった原体験、そしてレノバ創業の経緯とは? ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 ゴールド・スポンサーのクライス&カンパニー様にサポートいただきました。


【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 5F
起業家よ、大志を抱け!社会課題を解決するビジネスを創るための「志」とは?
Supported by クライス&カンパニー

(スピーカー)
出雲 充
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長

木南 陽介
株式会社レノバ
代表取締役社長 CEO

髙島 宏平
オイシックス・ラ・大地株式会社
代表取締役社長

田口 一成
株式会社ボーダレス・ジャパン
代表取締役社長

(モデレーター)

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

『起業家よ、大志を抱け!社会課題を解決するビジネスを創るための「志」とは?』の配信済み記事一覧


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1. なぜ今、起業家に「志」が求められているのか?

本編

再生可能エネルギー事業を創出する「レノバ」木南社長

木南 陽介さん(以下、木南) 初めてお目にかかる方も多いと思います。レノバの木南と申します。


木南 陽介
株式会社レノバ
代表取締役社長 CEO

京都大学総合人間学部人間学科卒業(主専攻:環境政策論、副専攻:物質環境論)。在学中、有限会社メディアマックスジャパンを設立、代表取締役に就任。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンを経て、2000年5月株式会社レノバ(旧社名:株式会社リサイクルワン)を設立、代表取締役に就任。

我々の会社では、いわゆる再生可能エネルギーを開発し発電することを事業としており、太陽光発電、風力発電、地熱発電、そして木質資源や植物残渣などの生物資源を燃料として発電するバイオマス発電などを行っています。

レノバの再生可能エネルギー事業(RENOVA Inc.)

先ほどの話に少しだけコメントさせていただくと、実は10年くらい前から、社会起業の領域の方に呼んでいただく機会が増えてきました。

実は当時、私はそれがとても嫌でした。

なぜかというと、恐らくこれは今日のテーマの一つですが、我々の事業がNPOのように捉えられ、ビジネスでまだ成功していない部分で褒められることに違和感を覚えたからです。

髙島 何だか、「頑張っていて偉いよね」というような感じですよね。

木南 はい。珍しく髙島さんと共感できる部分がありますね(笑)。

髙島 僕たちはマッキンゼーの同期なのです。

木南 我々は確かに環境問題にトライしているのですが、同時にビジネス軸も満たせるように、常に二軸を意識しながら事業を行ってきました。

つまり、縦軸で収益性、横軸は環境価値として、両軸共に高い事業に注力して19年間取り組んできたのです。

今、こういったことを普通に話せる時代になってきているのではないかと、とても嬉しく思っています。

裏表は無く、そこには長期的な収益性もあることを示せる存在になれれば幸いです。

環境問題への関心を生んだ、少年時代の原体験

木南 ここで、この業界に携わった動機についてお話しさせていただきたいと思います。

私は昔から、自然の中で過ごすことが大変好きでした。

ダムが造られて自然が壊されたり、港で遊べなくなったことが、小さい頃の原体験として残っています。

なるべくそのようなことが無くなればいいなと思っていましたが、学生の頃はどうすればよいかという知識や手段も無く、ただ知りたいという欲求に駆られて京都大学で環境政策を専攻していました。

そして研究を進めていくと、規制を作るのか、NPOなのか、ビジネスなのかという三択が見えてきて、どう考えても、スケールをして回転していけるのはビジネスだと行き着きました。

そこでビジネスを始めたのですが、当時は、収益がついてくるかについては自信がありませんでした。

社会的な制度が無いとできない分野だからです。

けれども、先ほど申し上げた収益性と環境価値の二軸が高いところを模索してくうちに、再生可能エネルギーという分野にエネルギー産業全体がシフトしており、収益的にも成長性的にもど真ん中に来ていることが分かりました。

今が大チャンスと思って、全力で取り組んでいます。

ようやく、再生可能エネルギー産業がスケールする時代が来たと思っています。

投資総額1,000億円超、全国12ヵ所の太陽光発電所を整備

木南 こちらは、最近弊社が岩手県にオープンした太陽光発電所(軽米西ソーラー発電所)です。

ピカピカと光っているところが太陽光パネルです。

自然と共生するために、あまり山を切り開かずに斜面なりに太陽光パネルを貼っており、広さは全体で約150ヘクタールです。

まさに社会インフラの開発といえる規模かと思います。

これまで十分に活用されていなかった燦々と降り注ぐ日光を、電気というエネルギーに変えて地域に還元しています。

髙島 どのくらいの費用がかかっているのですか?

木南 ここだけで180億円が掛かっています。

太陽光発電全体には既に1,000億円を超える投資をしており、全国12カ所に計画した発電所はほぼ完成しています。

社会事業であればあるほど、スケールを目指すべき

木南 今日のメッセージとしてお伝えしたいのは、スケールすべきだということです。

私の師匠である千本会長(株式会社レノバ 代表取締役会長 千本倖生さん)が「ビジネスはスケールすべきだ」とおっしゃるように、社会事業であればあるほどスケールすべきだと思っています。

スケールの大きな設備ができればできるほど、環境価値が高い、社会価値が高いということなので、もうやるしかない、ということです。

正忠 お三方とも基本的には、志だけではなくて社会実装していくためにはスケールさせなければならないと考えていらっしゃるのですね。

どんなにピカピカな志でも社会実装しなければ意味が無く、綺麗ごとで終わってしまうので、ビジネスにして拡大していこうということです。

ありがとうございました。

それでは出雲さん、よろしくお願いします。

(続)

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続きは 3. 己の「小欲」を、社会のための「大欲」に変える(ユーグレナ出雲社長) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/フローゼ 祥子/戸田 秀成

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