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ICC KYOTO 2023のセッション「リジェネラティブ社会への変革の取り組み(シーズン2)」、全7回の③は、Sanuの福島 弦さんが登場。登壇者の中で唯一、リジェネラティブを解説できる福島さんの事業は、環境共生型のセカンドホーム「SANU」。そこに込められた自然や環境への想いとは? ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは エッグフォワード です。
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【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 10D
リジェネラティブ社会への変革の取り組み(シーズン2)
Supported by エッグフォワード
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▶「リジェネラティブ社会への変革の取り組み(シーズン2)」の配信済み記事一覧
山崎 では福島さん、お願いします。
リジェネラティブの権威に定義を直接問うてみた、Sanu 福島さん
福島 はい。
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福島 弦
株式会社 Sanu 代表取締役CEO
2010~2015年McKinsey Company, 2015~2019年日本初プロラグビーチーム「Sunwolves」創業メンバー/ ラグビーワールドカップ組織委員会を得て、2019年にSANUを創業。 2021年11月、セカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」をローンチ。現在、11拠点64室を運営。 北海道札幌市出身。雪山で育ち、スキーとラグビーを愛する。
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永田さんが、リジェネラティブについてはまだ分からないと言っていましたが、僕は2カ月ほど前に、リジェネラティブセッションみたいな場に登壇しました。
リジェネラティブの権威のようなイギリスの教授がいたので、目指したいけど意味が分からないので教えてくださいと言うと、「問い続けろ」と言われました。
(一同笑)
権威からそう言われたので、あまり定義は決まっていないのだと思ったのです(笑)。
ですが先月、WIRED Japanが「THE REGENERATIVE COMPANY」という特集号を…あれは良いまとめでしたね。
結局、切り口は色々あるので、何をもっててリジェネラティブとするかについて、松島(倫明)編集長をはじめ、切り口を頑張って考えていました。
彼らは3つ、定義していました。
1つ目はエコノミックキャピタル(経済資本)以外の資本を見ること、つまり地域資本や自然資本など、違う意味での資本形成を追求している要素がビジネス業態にあるかどうかです。
2つ目は、声なき声を聞いているか。
マルチステークホルダー主義のような考え方です。
リージョナリティも自然や環境だけの話ではなく、先住民族にどんな影響を与えながらビジネスをしているのかなどの視点も含めて、将来世代の人間もしくは人間以外の生物の声を聞いているかということです。
3つ目は、システミックチェンジを起こしているかです。
今挙げた2つを行っていたとしても、Wiredの定義した切り口で言うと、資本主義に基づいたレールの完全なる延長線上においては、リジェネラティブカンパニーは生まれないのではないかということでした。
仕組みやガバナンスの有り方にも切り込んでいるかどうかが、定義ということです。
永田 なるほど、ということは、ユーグレナはそれですね。
福島 そうですね(笑)。
永田 なぜかと言うと、我々が「ミドリムシの会社」から「Sustainability First」の会社に変えた時、僕が決めたSustainabilityの定義は、「全てのステークホルダーに対して、二項対立ではないこと」でした。
▶ユーグレナのサステナビリティの歩み(ユーグレナ)
そこには、社会とその成長、世代間、地域も含まれます。
ですから、福島さんの話した1つ目と2つ目の要素を包含しています。
3つ目については、僕は「資本主義をハックしよう」と定義しており、システムを破壊することは不可能ですが、使い方を変えていくことはあり得ると思っています。
自分が今後、どうリジェネラティブを語ればいいのかがよく分かりました。
ありがとうございます。
福島 良かったです。
山崎 ありがとうございます。
今の話を聞いていて思ったのですが、経済合理性ではない目的がまず必要だということですよね。
福島 入っていましたね。
山崎 1つ目と2つ目はある意味、矛盾していると思いました。
どんな資本も、例えば社会関係資本なども、KPIを設定しやすいものです。
でも実は、声なき声は、ダイバーシティが叫ばれる社会においては、すごく重要だと僕は思います。
数値化できない世界にどれだけ耳を傾けられるかは、実はすごく難しいです。
でも、そのKPIを設定したシステムをどう構築していくかです。
二項対立と言いつつも、目的を持たないと、経済合理性の要素が強くなりすぎると思いました。
ということで、SANUについて…。
月額5.5万円のセカンドホーム・サブスクサービスを運営
福島 はい、前置きが長くなりましたが、私はSanuという会社を経営しています。
Sanuは、古代インド語であるサンスクリット語で、山の頂上、太陽、思慮深い人という3つの意味を持つ言葉です。
行っている事業は…携帯で「SANU セカンドホーム」と検索していただければ、3分で登録が終わりますので、1人でも登録いただければと思います。
▶SANU 2nd Home(SANU)
登録した瞬間に、日本中の自然に月額5.5万円でアクセスできます。
いつでも帰ることができる自然の中のもう一つの家を作っている事業です。
VUILDは建築を極めている会社ですが、僕らもオリジナルで木材を組み合わせ、環境共生型の建築を作っています。
こんな感じの空間を作っています。
僕らはリジェネラティブを、すごく平たい言葉で、「SANUが広がれば広がるほど、日本中の自然が豊かになること」と定義しています。
昔、ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』で、開発によってたぬきたちが追いやられているのを見て、嫌だなと思っていました。
でも自分が今、開発と建築を担っており、自分をどう納得させるかと考えたとき、人を自然の中に連れていくことをせずしてリジェネラティブを定義している場合ではないと思っています。
ですから、なるべくダメージを減らしながら、今日ここにいらっしゃる皆さんやその周りにいる人たちを自然に連れ出す行為を、全力で行いたいと思っている会社です。
建築がすごく重要なので、色々なところに色々な建築を作っています。
今、11拠点ありますが、来年は、僕の出身地である北海道のニセコから鹿児島の奄美まで、5.5万円でどこでも行き放題という最高のサービスになります。
▶SANU | 料金プラン詳細(SANU)
自分たちが行きたいと思う自然に、SANUを広げています。
山崎 ありがとうございます。
放置するより人がある程度入る方が自然にとっていい
永田 意地悪な質問をしていいですか?
福島 もちろんです。
永田 最近、一宮の海の前にSANUが建ったのですが、あれは建てば、自然が豊かになるのでしょうか?
福島 海の近くにある、そもそも木が一本もない自然のなかったところでした。
そこに建築を作ることで、海に人を連れてこようとしています。
ただ、その建物自体で自然が豊かになっているかと聞かれると、微妙かもしれませんね。
永田 なるほど。
信念と余白をある程度混ぜながら、拡大成長していくということでしょうか?
福島 そうですね。
海の近くの土地には、既に自然がなくなっているところに建築を作っているので、少し分かりにくいのですが、山の場合、放置されている雑木林になっているところに、適正な間伐を入れて、土壌に対するダメージを最小限にしながら建築を作っていきます。
放置しておくよりも人が一定数入る方が、意味があると考えられます。
また、SANUでは、初期の50棟分に関しては、50棟に使用した木材7500本分を植林する活動を行っています。現在日本には、樹齢50年を越えて、CO2吸収量が提言した伐採適齢期の木々が多く有ります。それらの木々を活用し、新たにCO2を吸収してこれから育っていく若い木を植える活動をしております。
これはオフセットと呼ばれる考え方です。
▶カーボン・オフセット(農林水産省)
永田 なるほど、分かりました。
(続)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成