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ICCサミット FUKUOKA 2018 スタートアップ・カタパルトに登壇した、カラクリ 小田 志門さんの【「カラクリ」は正答率95%のAIチャットボットで高品質・低コストのカスタマーサポートを実現する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「STARTUP CATAPULT」のオフィシャル・サポーターです。
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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 1B
STARTUP CATAPULT
-スタートアップの登竜門-
Supported by IBM BlueHub
(プレゼンター)
小田 志門
カラクリ株式会社
代表取締役CEO
1980年京都府生まれ。2006年よりサイバーパトロール・インターネットのコールセンターBPOのイーガーディアンにて、取締役として営業部門を統括。インターネットサービスやゲームアプリなどのコミュニティのモニタリング・パトロールや、コンタクトセンターサービスの提供などに従事。その後同社で関連会社の代表や営業を担当し、2017年10月にAIビジネス開発を支援するカラクリ株式会社のCEOに。カラクリではコンタクトセンター向けの自動応答のAIを提供している。
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小田 志門氏(以下、小田) おはようございます、カラクリの小田と申します。
今日は、企業のコールセンターにおいて成果にコミットするAIチャットボット「Karakuri」をご紹介したいと思います。
私は、もともとイー・ガーディアンというコールセンターのアウトソーシングを受託する会社に、立ち上げから約14年間かかわってきました。
つまり、コールセンター業界に14年間かかわってきたことになります。
コールセンター業界が抱える人材不足の課題
突然ですが皆さんは、「コールセンター業界」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
この業界の、ある問題を表す数字として「50%」という数字があります。
何を示すかお分かりでしょうか。
実はコールセンターの現場では、約50%のオペレータが入社したその月に辞めてしまいます。
1年後に残っている割合ではなく、入社した月に辞めてしまう一般的な割合です。
なぜ、これほどまでにすぐに人が辞めてしまうのでしょうか?
理由は色々とあるのですが、そのうちの1つに「辛い」「同じことの繰り返し」というものがあります。
例えばお客様から「ログインできません」という問い合せが来ると、オペレーターはあらかじめ決められたログイン方法の案内を(対応マニュアルから)コピー&ペーストするかのように回答することになります。
そのコピー&ペーストの回答を、1日8時間繰り返す。
2割ほどは高度な質問対応もあるのですが、全体の8割ほどが単純な質問です。
こうした日々の仕事が「辛い」「同じことの繰り返し」という気持ちを生み、精神的に非常に疲れてしまうため、このように離職率が高くなってしまうのです。
こちらは、求人情報検索エンジンのIndeedの検索結果です。
検索ボックスに“コールセンター 未経験”と入れて検索すると、非常に多くの求人がヒットします。
つまり、コールセンター業界は完全なる人手不足なのです。
正答率95%を保証するチャットボットAI「Karakuri」
そうした中、救世主として人工知能(AI)が登場しました。
コールセンター業界においても、Watson(IBM社が開発する自然言語処理と機械学習を使用して、大量の非構造化データから洞察を明らかにするテクノロジー・プラットフォーム)のようなシステムが非常に注目されています。
ただ、実際のコールセンターの現場においては、AIの導入に戸惑いを見せる人も少なくはありません。
実際にコールセンターで働く方は、AIに対してどのような疑念を抱いているのでしょうか。
それはシンプルに、「AIが正しく答えてくれるのか?」という点です。
AIが誤った対応をして、自分たちの手間が増えるのではないか?ということが1つの疑問点になります。
そこで私たちは、その疑問に対する答えを出すために、コールセンター業界・AI業界で初めて、正答率を保証するAIチャットボットサービス「Karakuri」を提供することにしました。
まずはこちらの動画をご覧ください。
Karakuriは、設置すれば24時間365日、人の代わりとなって対応してくれます。
私たちは業界で初めて、正答率95%を保証します。
なぜ、95%の正答率を保証することができるのか。
それは、私たちが「AIをしっかりと育てきること」にコミットしているからです。
しっかりと育てるための要因はいくつかありますが、コールセンターで生じうる問答シナリオを細かく設計しつつ、AIが学習できるようにデータ処理を確実に行い、トレーニングを繰り返す。
そして正答率が95%を超えてテストに合格したタイミングで、AIが“エース社員”としてコールセンターに納品されていく、というような形になっています。
私たちのKarakuriは、よくある他のチャットボットサービスとは違います。
業界初の正答率を保証するサービスですので、目標(正答率95%)を設定してその数字にコミットする、コールセンター業界のライザップのようなものです。
納品前に未知の質問でテストを実施して、100問中95問以上を正解してはじめて合格、という形をとっています。
正答率95%という数字がどの程度の精度かと言いますと、中堅スタッフ以上、ベテランスタッフ以下、といったレベル感です。
さすがに大御所のベテラン社員ほど賢くはありませんが、新人レベルよりは遥かに賢く、十分スマートかと思います。
コールセンター業務に特化した「AI育成」のしくみ
他社のAIチャットボットが正答率を保証できない中で、当社が保証できる理由は大きく2つあります。
1つは手前味噌ですが、私のコールセンター業界での長年の経験です。
今までは電話、メールで顧客対応をしていればよかったものが、LINEやチャット等、お客様とのチャネルが増え、問い合わせ内容も複雑化しています。
ある問い合わせに、AIが対応するのか、他のテクノロジーが対応するのか、あるいは人が対応するのか。
その判断を、全体を俯瞰しながら、しかもAIのテクノロジーを理解した上で行う業務設計がキーポイントになります。
また「この範囲はAIで対応する」と決めた後も、データの前処理という非常に重要な問題があります。
他社のAIサービスでよくある事例ですと、大量の過去データをとりあえず学習させて何とかしようとすることがありますが、それでは確実にうまくいきません。
AIが処理しやすいデータの量と質は決まっていますので、それを元にトレーニング、チューニングするということが大事です。
もう1点、私たちはコールセンターのデータに特化した深層学習のアルゴリズムを自社開発しています。
弊社CTOの中山智文が東京大学大学院に在籍しながら、同じ研究室のメンバーとともに今も改善を続けています。
また、他社のAIサービスでは、よくある日本語の自然言語処理をそのまま適用しているのですが、私たちはコールセンターのデータに特化しています。
そこが他社との大きな違いで、そのことにより正答率は10%程変わってきます。
すなわち、「実務経験」と「テクノロジー」が肝になっています。
その「テクノロジー」側を支えるAIエンジニアチームは多くは20代ですが、LINE BOT AWARD(LINE社運営のチャットボット開発の大会)の学生賞を受賞しています。
また実際に95%を保証できるのかという点ですが、テストでは平均正答率を98%まで向上させることができています。
オンライン英会話のレアジョブさんや、ネットメディア運営のGMOメディアさんに導入させていただいたAIチャットボットが、まさにこのレベルに達しています。
その他にも様々な企業様への納品に向けて、それぞれのコールセンター業務に特化したAIをトレーニングしているところです。
学習データの共通化でさらなる低コスト化を
ここで、Karakuriを導入することのメリットを具体的にご説明したいと思います。
まず、研修時間は人間と比べると圧倒的に短く済み、人が約30日かかるところを、約3日で終えることができます。
しかも、一度教えるだけで大丈夫です。
次にコストです。
顧客対応1件あたりののコストを比較すると、オペレーターによる電話1本が約800円、メール1本が約400円であるのに対して、AIは1件 約20円と圧倒的に低コストです。
次に、Karakuriの料金体系です。
人の代わりにボットが対応しますので、ボットが活躍することによって効率化された部分をターゲットとし、従量課金で料金を頂戴します。
例えば、月間20,000件のメール対応をしているうち、その80%をAIが対応すると、従来は月間800万円のコストがかかっていたところ、AIと人件費込みで200万円程度となり、600万円ほど削減することができます。
次に、私たちがターゲットとしている市場です。
コールセンターのアウトソーシング市場の8,000億円と、内製の1兆6,000億円を足した2.4兆円の10%、すなわち2,400億円をターゲットとしています。
続いて、プライシングと戦略です。
一般的なSaaSは、安く・大量に提供するというところが多いのですが、私たちは正答率コミットのプランを武器に、少数の大企業、有望なベンチャー企業に的を絞って営業活動をしていきます。
現在(2018年2月)の顧客数は13社ですが、9月末までに70社程度まで増やす予定です。
さらに私たちは、実際にサービスを提供する中で、実は(AIの学習に用いる)教師データは業界ごとに共通化が可能であるということに気づきました。
今後、学習済みモデルを開発し、EC業界やゲーム業界等にも安く(月額1万円〜10万円程度)、大量に販売していく予定です。
もう、単純な質問に答えるという業務は、世の中からなくなります。
業界初の正答率95%を保証するAIチャットボット「Karakuri」を、どうぞよろしくお願い致します。
(終)
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/尾形 佳靖/平井 優花
【編集部コメント】
しばしば「AI(機械)には温かみがない」という話題が語られますが、AIに単純な質問への対応を任せることができれば、その分、お客様にとって本当に心地のよいサービスに時間や労力を割くことができるようになるのかなと思いました。(尾形)
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