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ICCサミット KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルトに登壇し、6位入賞に輝いた600 久保渓さんの【「600 (ろっぴゃく)」は、キャッシュレス無人コンビニで、“半径50m商圏”という新産業を創出する】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録はICCサミット FUKUOKA 2019をご覧ください。
ICCサミット KYOTO 2018のプレミアム・スポンサーとして、IBM BlueHub様に本セッションをサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Supported by IBM BlueHub
(プレゼンター)
久保 渓
600株式会社
代表取締役
1985年、長崎市生まれ。高校卒業後、米国Carleton Collegeに進学。政治科学とコンピューター科学のダブルメジャーで卒業。2008年にIPA未踏事業に採択。同年、Webサービス売却を経験。2010年3月にサンフランシスコで fluxflex, inc.(フラックスフレックス)を創業。2012年帰国。2013年5月にウェブペイ株式会社を創業。クレジットカード決済サービス「WebPay」をリリース。2015年2月にLINE株式会社の傘下となる。2015年3月よりLINE Payの立ち上げに参画。2017年5月にLINE Payが国内3000万ユーザーを突破したのを区切りとして退職。2017年6月に600(ろっぴゃく)株式会社を創業。無人コンビニ(自販機)の「600」を提供している。
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▶「ICC KYOTO 2018 スタートアップ・カタパルト」の配信済み記事一覧
久保 渓氏(以下、久保) 皆さん、おはようございます。
600(ろっぴゃく)株式会社の久保です。
僕は今回が4回目の起業で、最初の2回は失敗しました。
前回はウェブペイというフィンテックの会社を起業し、それをLINEに売却してLINE Pay事業を2年ほど担当していました。
4回目の起業で無人コンビニ事業に挑戦
そして2017年6月、新たに無人コンビニの事業を立ち上げました。
「無人コンビニ」という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、それが実際にどういったものなのかイメージが湧かない方もいらっしゃると思うので、まずは動画をご覧ください。
冷蔵ショーケース型になっており、中にはお菓子、カップ麺、お弁当、おにぎり、サラダ、サンドイッチ、ゼリー、飲料、ペットボトル、栄養ドリンク、スムージー、文房具、携帯充電器など、色々なものが置かれています。
使い方をご説明します。
まず、クレジットカードをスワイプすると鍵が開きます。
好きなものを取り出し、ドアを閉めると鍵がかかります。
取り出された商品はICタグで自動検出され、購入ボタンをタップすれば購入完了です。
完全キャッシュレスの仕組みとなっております。
事前にアプリのインストールなども不要で、その場ですぐに使用することができます。
おさらいです。
クレジットカードをスワイプすると鍵が開き、欲しいものを取り出すとICタグで自動検出され、購入ボタンで購入完了です。
このように、全ての商品にシールでICタグが貼られています。
商品の物流の仕組みは、私たち600のメンバーが週2回、商品補充に伺います。
利用者は、それを自由に購入できます。
2つの原体験から得たビジネス・アイデア
なぜ、無人コンビニが世界に必要なのか?
私の持つ、2つの原体験に絡めて説明いたします。
まず1つ目は、日常的に時間の無駄が多すぎるということです。
例えばこの中にも、お昼休憩中にエレベーターを待った経験をされた方は、たくさんいると思います。
私が以前に渋谷ヒカリエオフィスで働いていた時に実際に測ったのですが、コンビニでお弁当を買うだけで、移動時間、エレベーターの待ち時間、レジでの待ち時間など、席に戻るまでに40分もかかってしまいました。
1時間しか休憩がないのに結局休めていないというのは、大変な問題だと思います。
我々600の提供するサービスを使用すると、買って戻ってくるまでにかかる時間は1分です。
ですから、40分の1という圧倒的な時間短縮を実現できるのが特徴です。
すなわち無人コンビニの本質は、「距離の近さ」なのです。
我々は、総合スーパーよりも100倍近い、そしてコンビニよりも10倍近いという、「より身近で、欲しいものが欲しい瞬間に簡単に手に入る、ユーザーのための革命」を起こそうと挑戦しています。
2つ目の原体験について話します。
昨年、娘が生まれたのですが、妊娠中の妻はつわりがひどく、水さえ飲めない時期がありました。
その際、唯一飲めたのが「ファンタグレープ」でした。
買って来てと頼まれ探し回ったのですが、コンビニにもスーパーにもなく、見つけるまでに1時間以上かかったのです。
結局のところ、品揃えがライフスタイルに合わせて最適化されていないと、欲しいものが手に入らないということが起こります。
画一的な品揃えゆえ、コンビニで欲しい商品が手に入らないということが、世界中で起こっているのではないでしょうか。
ライフスタイルに最適化された品揃えを実現
ですから私たちは、先ほど説明した商品補充にあたり、LINE、Slack、ChatWorkなどのコミュニケーションツールを通じて、ユーザーが直接商品リクエストを届けられる機能を設けています。
例えばマスクが欲しい、汗拭きシートが欲しい、スムージーが飲みたい、などの要望に合わせ、コンシェルジュのように寄り添うサービスを提供しています。
これを下支えしているのは、私たちの名前600の由来にもなっている「最大600品を置ける、品揃えの豊富さ」です。
色々なカテゴリーを扱うことができ、自動販売機に比べても約20倍の品揃えを実現しています。
またプライシングについては、2つの収益の柱があります。
1つ目は、月額約5万円のサブスクリプション収益です。
現在、9割以上のケースで、年間一括先払いをして頂いています。
製造代金、マーケティングコストなどを含めても、稼働初月でリクープ(費用回収)できるモデルです。
一方、小売では、コンビニと同じように定価販売をしており、原価率が70%弱です。
最大実績としては、1台で1日1.6万円を売り上げました。
例えば5,000台を設置するとすると、ARR(年間経常収益)で30億円、年商で300億円規模となっています。
私たちは、これを4年で実現したいと目論んでいます。
「半径50m商圏」という新しい産業の創出へ
ただ、これは始まりでしかありません。
国内において、自販機だけでも500万台が設置されています。
5,000台というのはそのたった1%にすぎません。
私たちは、「半径50m商圏」という新しい産業を創出します。
これはコンビニ10兆円、自販機4兆円という規模に引けを取らない市場になると確信しています。
また、物販だけではなく、いつ売れたか、どんな商品と一緒に買われたかなどの購買データを活用し、商品開発メーカーとの取り組みを強化したいと思っています。
2018年6月の正式リリース後、NHKの「おはよう日本」など、多くのメディアに取り上げて頂きました。
リリースから2ヶ月半が経ち、先月の実績としては、サブスクリプション収益だけで単月2,500万円を突破しました。
ただ、今は2ヶ月待ちの状態でして、私たちが1台1台、無人コンビニを製造して、お客様のために届けようとしているところです。
今は設置場所はオフィスに集中していますが、オフィス以外の場所にも広げることができると思っています。
例えば、マンション、駅ナカ、病院、ジム、携帯ショップなど、人が集まる場所ならどこでも設置できます。
我々は、「1分あれば何でもできる」をスローガンに掲げます。
世界ではまだまだ時間の無駄が多く、家族のための時間や、人生の挑戦のための時間などが失われていると思っています。
世界中の「半径50m」に600を置くことによって、人が大切なことに時間を使える世界を実現します。
600をどうぞよろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/上原 伊織/尾形 佳靖/大塚 幸
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