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AIによるパーソナライズで基礎学力習得を効率化し「社会でいきる力」を養う時間を増やす「atama plus」(ICC KYOTO 2022)

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ICC KYOTO 2022 CATAPULT GRAND PRIX(カタパルト・グランプリ) – 強者が勢揃い – に登壇いただき3位に入賞した、atama plus 稲田 大輔さんのプレゼンテーション動画【AIによるパーソナライズで基礎学力習得を効率化し「社会でいきる力」を養う時間を増やす「atama plus」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。

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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX(カタパルト・グランプリ) – 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

稲田 大輔
atama plus株式会社
代表取締役CEO

東京大学大学院 情報理工学系研究科修了。三井物産で教育事業を立ち上げ、海外EdTech事業責任者等を歴任。基礎学力の習得にかかる時間を短くし、社会でいきる力を養う時間を増やすことを目指し、2017年4月にatama plusを創業。一人ひとりに合わせた自分専用カリキュラムを作成するAI教材「atama+」を全国の塾3100教室以上に提供。


稲田 大輔さん 初めてICCサミットに参加します、atama plusの稲田と申します。

よろしくお願いいたします。

最初に、少し変わった写真を持ってきました。

左側が、150年前、当時最先端と言われていた会社の写真です。

富岡製糸場です。

右側が、今、最先端と言われている会社の写真です。Googleです。

150年間で、最先端と言われる会社の様相はずいぶん変わったのではないかと思います。

こういう会社で活躍する人を輩出する役割は教育が担っていると思いますが、教育は150年間でどれだけ変わったでしょうか。

左側が150年前の中学校、右側が今の中学校です。

何も変わっていません。

先生が黒板の前で、一方通行で同じ授業をする。

このスタイルは150年間、ずっと変わっていません。

それが、日本の教育の大半かと思います。

150年間変わらない日本の教育を変えたい

これを大きく変えたい、そんな思いで起業した会社が、atama plusです。

今から5年半前、私が大学時代の同級生たちに声をかけて始めました。

私自身は、大学時代にエンジニアリングを勉強していたのですが、卒業後、三井物産という商社に入社し、そこで11年間働いていました。

その途中、どうしても教育事業をやりたいという思いから、教育事業を立ち上げ、それから約5年間、事業をリードしていました。

起業の原点は国民総笑顔量への想い(先端教育)

創業以来、色々な海外の機関投資家やベンチャーキャピタリストさんに支えてもらいながら、成長してきました。

atama plus、シリーズBラウンドで約51億円の資金調達(PR TIMES) 

今は社員数200名ほどです。

写真にいるメンバーが、「日本と世界の教育を前進させるんだ」という思いで、事業を行っている会社です。

子供たちに必要な“2つの力”

改めて、我々のミッションを紹介させてください。

子供たちに、これからの社会で必要となる“武器”を授けたいと思っています。

武器とは大きく2つです。

これまでと同様、英語ができて、数学ができて、国語ができるという、「基礎学力」はとても大事だと思っています。

でもそれだけではなく、「社会でいきる力」、例えば、仲間と一緒に働く力、コミュニケーションする力、プレゼンテーションをする力。

これら両方が必要なのではないかと思っています。

でも日本の教育を見てみると、ほぼ100%の時間を「基礎学力」の習得に使っています。

「社会でいきる力」が必要なことはみんなよく分かっている、でも先生も生徒も忙しすぎて、新しいことをする時間が残っていないというのが、今の実態かなと思っています。

そこで、「テクノロジーの力」の出番です。

AIを活用して基礎学力の習得をぐっと効率化できないだろうか、そうしたら時間が余るはずです。

そうして新たに創出された時間で、「社会でいきる力」を身につけてほしい。

こんな未来を作りたいと思って、会社を創業しました。

教育改革第一弾は「基礎学力習得の効率化」

とはいえ、atama plusはまだ200名規模の会社で、リソースは限定されます。

いきなり全ては仕掛けられないので、まずは教育改革第一弾として、基礎学力習得をできるだけ効率化することに、200人全員で取り組んでいます。

具体的に何をしているかと言うと、一言で言えば、学習をパーソナライズしています。

今までは、みんなが同じ授業を受けるのが当たり前でした。

そうではなくて、AIが子供たち一人ひとりの、得意なところ、苦手なところ、伸びるところ、つまずくところなどの色々なデータを取得、分析し、一人ひとりに合わせた自分専用のカリキュラムを作成します。

そして、みんなが違う勉強をすることを実現するプロダクトを作っています。

例えば、皆さんは中学2年生の数学で、二次方程式を勉強したと思います。

どのように勉強しましたか?

従来の勉強法は、まず二次方程式の講義を受けて、例題を解いて、ひたすら演習を繰り返す、というものでした。

これが、当たり前の勉強法でした。

でも、二次方程式の習得の仕方は、本当は、人によって全然違うはずなのです。

ですから、これを大きく変えています。

1人1人に合わせたカリキュラムをAIが瞬時に作成

こんなイメージです。

二次方程式を理解するのに必要な基礎知識には、どんなものがあるでしょうか。

例えば、一次方程式、また、分数や小数などを含めると、たくさんあります。

それらの基礎知識が、それぞれの人にあるかどうかをAIが瞬時に算出し、どこができていてどこができていないのかの診断を行い、習得の順序を並び替え、一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成します。

atama+学習調査:中学生の55%が、小学生で習う単元につまずき(PR TIMES) 

カリキュラムだけではなく、単元ごとに「この教材に取り組んだほうがいい」「動画講義を視たほうがいい」「演習をもっと行ったほうがいい」などのアドバイスを与えます。

難易度も人によってバラバラで、全員が、それぞれの進捗やレベルに合わせた勉強法で勉強できるプロダクトを作っています。

数学だけではなく、小学生、中学生、高校生に、このスライドにあるような教科を提供しています。

実証実験の結果を受けて大手予備校が全生徒に導入

学習効果も出ています。

今から3年ほど前、駿台予備校で約3カ月間、400名の生徒に実証実験に参加してもらいました。

左の棒グラフがatama+を使っていなかった生徒、右が使っていた生徒です。

3カ月間で、英語、数学、物理、化学について、どれくらい学力が上がるかを検証しました。

結果、右側の生徒のほうが、明らかに偏差値の伸びが見られました。

この結果を受けて、駿台予備学校では今、何万人といる全生徒がatama+を使って勉強しています。

駿台予備学校、来年度よりatama+を全生徒に活用へ(PR TIMES) 

塾を通じ生徒にサービスを提供するB2B2Cモデル

ビジネスモデルは、塾を通して生徒にサービスを提供するB2B2Cです。

月額課金という形で、授業料の約5〜10%を頂いています。

おかげさまで、全国の塾・予備校3,200教室に広がってきました。

SaaSビジネスなのでチャーンレートを追いますが、0.07%と非常に低くなっています。

1つの教室で全員が違う学習

黒板があって、みんなが一斉に勉強するというスタイルは、ずいぶん変わってきました。

atama+を使って勉強している教室の様子です。

同じ教室の中に、色々な学年の生徒がいます。

取り組む教科も違いますし、人によって進度も違います。

全員が違う勉強をしています。

atama plusはSaaS事業者として、こんなプロダクトを塾や予備校に提供してきました。

直営教室を開校し運営モデルを塾に提供

もっと教育を進化させたい、プロダクトを提供するだけではなくて教育そのものを見直したい、その思いから、今年(2022年)の6月、新たに直営教室「THINX(シンクス)」を長野県で始めました。

3教室を開校しました。

長野県諏訪市に3校目となる学習塾「THINX(シンクス)」を開校(atama plus)

プロダクトを作るだけではなく、それを取り巻く環境、学びに最適な教室をゼロからデザインしてみました。

今は、この教室運営のモデルごと、塾に届けています。

全国の塾から、長野の教室に見学に来ていただいています。

教育で社会が変わる可能性に賭けて

冒頭にご覧頂いた、150年間変わらなかった教育が、ずいぶん変わってきました。

atama plusが、この新しい学び方を全国に届けていきたいと思っています。

教育を変えれば人が変わる、人が変われば人の集合体である社会が変わるはず。

そんな可能性に賭けて、200名全員で事業に取り組んでいる会社です。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/大塚 幸

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