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ICC FUKUOKA 2023 クラフテッド・カタパルトに登壇いただいた、LIBROM柳生 光人さんのプレゼンテーション動画【福岡産フルーツやハーブ×日本酒で人気! 「LIBROM」はイタリアで日本の酒造りに挑戦する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはMakuakeです。
▶【速報】父から受け継いだ育てる漁業で、こどもたちの未来に食をつなぐ「Firesh®」(ふく成)がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by Makuake
柳生 光人
株式会社LIBROM
代表取締役
HP
創価大学卒業後、山口県にある新谷酒造に修行に入り、1年間酒造りを学ぶ。その後石川県の農口尚彦研究所に入社し、農口尚彦杜氏のもとで3年間お酒造りを学ぶ。2020年7月株式会社設立。2021年5月LIBROM Craft Sake Breweryをオープン。
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柳生 光人さん こんにちは、株式会社LIBROMの柳生と申します。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
僕たちは福岡市中央区で、LIBROM Craft Sake Breweryという、酒蔵を併設した飲食店を営んでおります。
酒蔵といっても、スライドの写真にあるように、マンションの1階で作る小さな酒蔵で、作っているお酒も少し変わっています。
早速ではありますが、今日ご用意したお酒を飲みながら、話を聞いていただけますと幸いです。
▶編集注:ここで審査員席にLIBROMの試飲が配布されました。
大好きなイタリアで思いついた夢
お酒の詳しい説明は後ほどいたしますが、まずは私が業界に入った理由と大きな夢について、お話しさせていただきます。
私の夢は、イタリアで日本酒を造るということです。
なぜイタリアで日本酒を造るのか、その理由は単純で、ただイタリアが大好きだからです。
私の日本酒との出会いも、イタリアにあります。
「小さい頃から大好きだったイタリアで、日本人らしいことがしたい」、そう思い、大学4年生の夏にイタリアに行った際、イタリアはヨーロッパ一の米どころであることを知りました。
そこで思いついたのが、日本の伝統文化である日本酒をイタリアで造ろうということでした。
4年間の修行を終えたらイタリアに行こうと決め、大学卒業後、まずはイタリア米で日本酒を仕込んだことのある、山口県の新谷酒造に入りました。
その後、石川県の農口尚彦研究所という、現在90歳の現役杜氏であり、「酒造りの神様」とも称される農口 尚彦さんのもとで、お酒造りに従事しました。
酒蔵修行が終わりイタリアに行くはずが
そして4年後、いざイタリアに行こうと思っていた矢先、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、イタリア行きを断念。
まずは地元福岡でお酒造りをしようと、街中醸造所「LIBROM Craft Sake Brewery」をオープンしました。
なぜ街中でお酒造りをするのか、それは日本酒文化をもっと身近に感じてほしいからです。
背景には、日本酒の国内消費量は年々減少していることと、若者の日本酒離れという問題があります。
一般的に、酒蔵は郊外にあってアクセスが悪く、そもそも日本酒に対するイメージも悪いのです。
実は私も業界に入るまでは日本酒を飲んだことがなく、「アルコール度数の高い、酔っ払うための臭いお酒」というイメージを持っていました。
しかし業界に入ってそのイメージは180度変わり、日本酒の奥深さ、面白さ、そして美味しさに惚れ、日本人として誇るべき産業だと実感しました。
そこで、気軽に日本酒文化に触れられるような場所を作りたいと、あえて街中に構え、福岡市の水道水でお酒を造り、誰もが見学しやすいようなガラス張りの醸造所になっています。
副原料にフルーツやハーブを加える新しいジャンルの酒
そして僕たちの造るお酒は、日本酒ではなく、少し変わったお酒です。
日本酒の製造技術をベースに、発酵途中のタンクへ、副原料としてフルーツやハーブなどを加えて造る、新しいジャンルのお酒です。
▶その他の醸造酒(リブロムのお酒って日本酒ではない?)(LIBROM)
最初は、副原料として花を使用していました。
なぜ花を使用していたかと言いますと、花そのものにはあまり特徴がないからです。
副原料を入れられるのは日本酒にない強み
特徴がないものを入れることによって、味わいは日本酒そのもの、そんなお酒を最初は造っていましたが、結果として全く売れませんでした。
一般的に日本酒は、720mlで1,400円ほどが当たり前です。
そんな中、僕たちの造るお酒は規模が小さいため、500mlで2,500円。
ある酒屋にこう言われました。
「日本酒にはできない、副原料を入れられるという強みを持っているのに、生かせていないのがもったいない。もっと振り切ったほうが、唯一無二の存在になれるのでは?」と。
この言葉を受け、それまでとは真逆の、副原料をふんだんに取り入れるというスタイルに切り替えました。
例えば、仕込み水を全てお茶に変えて仕込む茶醸酒、フルーツのマンゴー、ハーブのレモングラスなど、仕入れる原料は全て福岡県産にこだわり、直接農家を訪問し、その時々の旬のものを自分たちで加工して使っています。
フルーツやハーブなど副原料を生かした酒に高い評価
そうしたお酒造りにシフトしてから、少しずつ知名度も上がり、アパレルブランドのユナイテッドアローズとのコラボも実現しました。
▶日本酒に近い製法で作られた新たな醸造酒「クラフトサケ」福岡県産の桃をふんだんに使用した、夏にぴったりのドリンクが誕生 「LIBROM×UNITED ARROWS『PEACH』」を8月11日(木)発売(PR TIMES)
2022年9月に、東京大手町で行われた日本酒イベント「若手の夜明け」では、全国41の酒蔵が集う中、販売本数1、2位を争うまでになりました。
また、ルクセンブルク酒チャレンジ2022では、夏の定番酒「Mint」を出品したところ、銅賞を受賞。
全国に取引先も増え、香港、台湾、中国に輸出し、今では生産が追いつかないほどです。
立ち上げ当初のお酒造りを振り返ると、自己満足のお酒造りだったと思っています。
消費者がワクワクするような斬新な商品でなければ意味がない、この2年でそう学びました。
現在は毎月2種類の新商品をリリースしています。
気心知れた同級生たちと酒造り
そして今、5人のメンバーでお酒造りと併設するパブの運営をしています。
料理長は高校の同級生で、岡山の日本料理屋で10年間板前を務めた、コテコテの日本料理人です。
しかしお店で出す料理は日本料理ではなく、自家製の酒粕や麹、季節のフルーツなどを使ったオリジナルの一品料理です。
また、醸造責任者は、同じサッカー部で汗を流した中学校の同級生で、ドイツでの3年のサッカー生活を終えた後、私の夢に賛同してくれました。
私たちはそれぞれ別の酒蔵で修行し、今は一緒にお酒を造っています。
イタリアでの酒造りへ挑戦!
そして次のステップは、私の当初の夢である、イタリアでの日本酒造りへの挑戦です。
先日イタリアに行き、フェルトレという小さな町の醸造所の一角を借りて、日本酒を造る機会を持てました。
LIBROMで造ったお酒を持って行き、イタリア人にも振る舞うことができて、大変好評でした。
私は来年にはイタリアに移住し、プロジェクトを始める計画です。
イタリアで日本酒を造るという夢を掲げて8年間、この夢を叶えるためだけに、信念を曲げずに走り続けてきました。
イタリアでの日本酒造りが叶った時には、ぜひ何かの機会で、私のお酒を飲んでいただけますと幸いです。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成