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なぜファームノートを創業したのか?-農業ICTベンチャーのやりがい【F17-9D #4】

ICC FUKUOKA Session 9D 今、アグリテックが激アツだ!

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「今、アグリテックが激アツだ!」【F17-9D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その4)では、農業のGoogleを目指すファームノート小林さんに事業を始めた経緯を聞きました。世界にいる牛の数は14億頭いることをご存知でしたか。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 9D
今、アグリテックが激アツだ!

(スピーカー)
岩佐 大輝
株式会社GRA
代表取締役CEO

小林 晋也
株式会社ファームノート
代表取締役

前田 一成
アグリホールディングス株式会社
代表取締役社長

安田 瑞希
株式会社ファームシップ
代表取締役

(モデレーター & スピーカー)
高島 宏平
オイシックス株式会社
代表取締役社長

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【本編】

高島 では、次に小林さんお願いします。

小林 はい、北海道帯広市から来ましたファームノートの小林と申します。

我々はビジョンが明確で、「世界の農業の頭脳を作ろう」ということがビジョンです。

農業のGoogleを目指す「ファームノート」

小林 簡単いうと、農業版のGoogleを作ろうということで、とにかくデータを集めれば価値が生まれるという単純な考え方で事業を行っています。

現段階は、酪農・畜産といわれる牛に特化して、クラウド型牛群管理システム「Farmnote」と、牛の行動監視をするためのセンサー「Farmnote Color」というものを販売しています。

▶ 詳細は「農業のGoogle」を目指すファームノートをご覧ください。

高島 なぜ酪農を始めたのですか?

小林 僕の親は継がなかったのですが、代々ずっと農家だったということがあります。

高島 農家とは、酪農ですか?

小林 いえ、畑作農家でした。

とても広い土地で農業をしていて、子どもの頃からずっとそういった場所にいたということがあります。

食の仕事は1回入ると、抜けられない魅力がある

小林 僕は全く関係なく13年前に受託開発のシステム会社を立ち上げ起業していて、今もそのグループ会社(スカイアーク社)を持っているのですが、たまたま農家さんから問い合わせをいただき、Googleで牛の数を検索した所、世界に14億頭いるという結果を見て「これはなんてビッグオポチュニティーなんだ」と思いまして(笑)。

1頭100円ずつお金を取ったらiモードのようなビジネスができるなと「わーお!」と思ったのですが、実は半分以上が水牛であまりお金がとれないと後で分かりました(笑)。

(会場笑)

きっかけは単純なことだったのですが、僕は経営心情として「人のためになる仕事をしたい」というのを一番大事にしているんですね。

食に関することは、弊社が資本を投下し、先に進むことで、例えば消費者の手元に届く時、品質の向上や、価格の改善など、我々が投下する資本に対して効くレバレッジがとても大きいと思っています。

このことには途中で気付いたのですが。

「なんてやりがいがある仕事なんだ」と思い、それに特化した形で事業を進めています。

高島 食の仕事は1回入ると、抜けられない魅力のようなものがありますよね。

小林 ありますね。

高島 良いことをしている実感といったものが、気持ち良くてなんだか抜けられないということがあります。

小林 ええ(笑)

高島 元々システムのチームがあって、新しく別会社を立ち上げた。

これは、資本関係はない?

小林 資本関係はあります。グループ会社になります。

高島 そこの人材はどうしているのですか?

小林 僕と今の技術責任者の2人が完全に前の仕事を抜けました。

前職の社長業もほとんどしないということで抜け、ファームノートに完全に特化した形で立ち上げました。

グループ会社から少しは人が来ているのですが、ほとんどは新規で採用しているような状況です。

ICC FUKUOKA Session 9D 今、アグリテックが激アツだ!

アグリテックはエンジニアには刺さりづらい?

高島 先程、安田さんがおっしゃったように、ITというミーハーな色合いを出すと結構人は集まりますか?

小林 どちらかというと、アグリテックという表現はうさん臭いので、エンジニアには刺さりづらいです。

高島 なるほど。

小林 エンジニアは、やっていることがテクノロジーとして楽しいか楽しくないかしか見ていないので。

今来ている方は「農業に興味あるよ」という方ですが、そういう方は少ないです。

ただ、そこに興味を持って来てくれる方とはビジョンが一致するので、すごくパフォーマンスが出ます。

エンジニアはそことは特に関係がないので、本当にエンジニアが入りたくなるような会社作りは、個別に取り組みをする必要がありますね。

高島 なるほど。それはエンジニアリングの会社をしていたからの視点ですよね。

小林 そうですね。

高島 エンジニア側の気持ちを考えられるという。

小林 逆に営業などのビジネスサイドの方は、スポコン魂のような「農業がやりたい」みたいな方はいるので、そういった方が入ってくれたりはしますね。

ICC FUKUOKA Session 9D 今、アグリテックが激アツだ!

高島 ちなみに、(会場にいるファームノート社員の)下村さんはなぜ入社されたのですか?

どのようなモチベーションで取り組みしているのですか?

小林 記事になるので気をつけてくださいよ(笑)。

高島 ここ(壇上)に社長はいないと思って本音ベースで話していただいて(笑)。

下村 私は、(世界にいる牛の数)14億頭というスケールに魅力を感じたんですが…、入ってみたら、(水牛を除くと)7億頭だったということでした(笑)

一同 (笑)

高島 誇大広告だったと(笑)

ちなみに何をご担当されているのですか?今のモチベーションは何ですか?

下村 私はセールスとカスタマーサポートを担当しています。

アグリテックという分野で大きく成長している企業がまだない中で、私達がどこまでいけるのかということを意識しています。

高島 開拓している感ということですね。

下村 そうですね。

高島 なるほど、素晴らしいありがとうございます。

良かったですね、良い答えで。

小林 良かったです。もう辞めたいとか言われなくて(笑)。

高島 では、次に岩佐さんお願いします。

(続)

続きは 1粒1,000円のイチゴブランドを創った男の創業秘話(GRA岩佐) をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら

【編集部コメント】

もしかすると、新しい事業ってのは、手元のデータを誤解して「この事業上手くいきそう」だと勘違いしないと立ち上がらないのかもしれませんね(笑)。(横井)

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