知らないとまずい?産業用ARの最新トレンド【K17-10C #5】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

知らないとまずい?産業用ARの最新トレンド【K17-10C #5】

Pocket

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

「ポストスマホ!AR時代を大激論!」【K17-10C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その5)では、ARがB to Bのケースでどのように使われているのか議論しました。ARとAIによって人間の仕事はどのように変化するのでしょうか?ぜひご覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、レノボ・ジャパン株式会社>様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 10C
大激論 ポストスマホ!いよいよAR時代到来!
Supported by レノボ・ジャパン

(スピーカー)

荒木 英士
グリー株式会社
取締役執行役員

國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役社長

横山 直人
Facebook Japan
執行役員 新規事業開拓 兼 パートナーシップ事業部

(モデレーター)

尾原 和啓

「ポストスマホ!AR時代を大激論!」の配信済み記事一覧

連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
【新】ポストスマホ!いよいよ到来するAR時代を大激論!【K17-10C #1】

1つ前の記事
「VRもARもMRに行くためのプロセス」gumi國光氏が語る複合現実への道【K17-10C #4】

本編

國光 コンテンツが多かったらハードが売れるし、ハードが沢山売れていればコンテンツを作る人が増えるという、この「鶏と卵の関係」からARが抜け出すことは難しいと思われていました。

ただし、先ほど話したとおり、iPhoneが対応してきて、このスマホでARができるようになってくるというのは決定的です。

スマホでのARがどういうものか考えるには、スマホ時代のサービスの変化を考えてみれば良いと思うんですね。

スマホ時代には全く新しいサービスが出てきた訳ではなく、元々あったもののUI、UXをスマホファーストで再構築したに過ぎないんですよね。結局、「スマホファースト」、「UI、UXの再構築」というのが一番大きかったのかなと思っています。

AR時代にも、UI、UXが結構大きく変わるでしょうね。

尾原 そこは先ほども申し上げましたが、UIが「目」に変わった時の革命ポイントというのは、視線の先に「意図」があるということなんですよね。

言い方を変えると、人がお店を見るのは、お店を知りたいからなのです。

「Google Glass」のユースケースビデオはすごくよくできています。

空を見るのは天気を知りたいということだよねとか、朝起きて壁を見るのは時計を見たいということで、今日のスケジュールを知りたいからだよねというように、実は目の中には「意図」が含まれるんですよね。

それが分かれば、先回りをすることができます。

今までは、目が瞬間的にそこにあるものを認識して思考と紐付くように、この画像認識や位置認識の技術と、認識された場所の情報を紐付けることは難しかったのですが、それも可能になってきました。

AIがAR的なこともできるようになっている

國光 そうですね。

AIが急速に進歩してきて、画像認識や音声認識が進み、AR的なことができるようになってきたのですよね。

更に、それによってロケーションに紐付いた情報を色々な場所で取れるようになってきたので、皆、アプリを使って情報を検索するのが面倒だなと思い始める訳ですよ。

荒木 相当面倒くさいですよ。

國光 そうなってきたら、こういう感じ(メガネ)のものでね。

(國光さんが荒木さんのメガネを取って手に取る。)

尾原 それだけのために荒木さんを使うのはやめてくださいよ。(笑)

横山 (笑)

荒木 (メガネをかけて)食べログ4点、みたいな。

國光 そう。

一部のものがそういう風になってきて、「やっぱりこの方が便利じゃん」という風になって、グラスがどんどん広がっていくという流れになるかなと思いますね。

尾原 そうですね。

尾原 あともう1つ大事な点は、見る風景が一人一人違っていてもよいということです。

今、僕達は同じ風景を見ていますが、横山さんに関心がある人にはそちらの情報が出るし、國光さんが今おっしゃっていることと、以前の発言とに整合性がないのではないかと感じている人にはそれが出るとか。

(会場笑)

そういう風に一人一人の風景を変えることができるというのが、実はARのすごいところです。

そして、そのような世界にどういう順番論でいくかというようなところが面白いところです。

なぜARはB to Bが先行しているのか?

尾原 打ち合わせの時、B to Bはあまり面白くないから好きではないとおっしゃっていた割には語れますね。

國光 今までの話は(B)to Cですよ。

尾原 そうでしたか。

B to B to CはOKなのですね。

國光 そうです。

ちなみに、ARにおいて「Google Glass」は死んでいなくて、「Microsoft HoloLens」も結構活用されています。

面白くないから深堀はしませんが、現在ARが活用されているのは、例えば工場の単純作業時にアルバイトの人に着けてもらって、ここをピックアップしてこれを入れてというようにしてもらうとか。

マクドナルドやコンビニエンスストアの研修では、今では先輩が教えていたところを、グラス着けてもらってシュミレーションで向こう側からお客さんが来ました、受け答えします、レジのどこを押します、そしてピンポンピンポン得点難点です、85点を超えたら…

尾原 具体例が続くので少し割り込ませて頂きますが、結局、今のようなB to Bがどうして先行しているかというと答えは簡単なのです。

つまり、先ほどのメガネのようなものにしようと思ったら、画像認識をするためにかなりのバッテリー量を使うんですよ。

そして重くなるんですよ。

更には、通信をバンバンしますから、通信料を取られるんですね。

これを、外に持ち歩くシチュエーションを想定してコンシューマー向けにやろうと思ったら、今のバッテリーサイズや通信の値段には合わないんですよ。

でもto Bだったら、極端な話、バッテリーを背中に背負ってもいいじゃないですか。

多少不格好でも重くてもいいじゃないですか。

(通信料が青天井にならない)固定のWi-Fiでもいいじゃないですか。

そうなると、先ほどもお話したように、目の前にあるものが何かということを判別して次の指示をもらうことや、自分が見た光景をどこかに送ってそこから指示を仰ぐことは、実はB to Bの方ができているという話ですよね。

そのあたりについて、何かお考えはありますか?

あまりご興味はありませんか?

横山 いえ、そんなことはないですね。

ニーズとしての強さは間違いなくB to Bの方にあって…スマホもそうでしたよね。

荒木 最初はそうでしたよね。

横山 PDAとPalmがあって、BrackBerryがあって…と。

荒木 衛星電話くらいから、というところからいけますね。

でもやはり小型化するとか安くなるとか不格好なものがまともになるというのは、単なる正統進化なので、待てばいいだけじゃないですか。

今、産業用途で起きていることを見ると、これがコンシューマー向けに小さくなったらこういうことができるよなといったことを想像しておくという、そのリードタイムがあるかなと思っています。

尾原 そうですね。

ARによってAIの学習データが集められる

尾原 B to Bにはあまり興味がなさそうですから、少しだけお得なネタを言っておくと、確かにハードとサービスだけを考えると、時間を待った正常進化なんですよ。

でも、ここにAIが絡むんですよね。

分かり易い例を出すと、ダム検査をするB to Bのツールを先に作ると、画像診断でどこが欠陥かを調べた時のデータを蓄積し、学習データを先に独占することができます。

そうすると、そこが進化して進んでいくことができます。

荒木 ここに産業用途の事例を2つほど持ってきました。

荒木 これはタブレットやグラスでマルチデバイス対応しているのですが、現場の作業員や現場の営業の人達を中央からサポートするために使われているそうです。

例えば、機械のこの部分がこうなっていてこれをこう使うとか、あるいはここをこう修理しなければならないといいったことへのサポートなのですが、こうして現場に派遣されている人達は、皆が皆超プロフェッショナルではありませんからね。

それから、類似例になりますが、全国に数万人いる、ケーブルテレビなどの修理に携わるスタッフのサポートにも使われています。

モデムのどこが壊れていてとか、このシグナルがどう点滅していてといったようなことを、今までは膨大なマニュアルを見ながら現場の作業員が訓練しなければならなかったのですが、ARのグラスで映っているものを中央のコントロールセンターのスタッフが見ながら、これはここを修理したらいいよとか、これはダメだから持って帰ってきてということを指示していますね。

ARが人間をロボット的に使う

國光 皆、AIが人の仕事を奪うとか言うけれど、そこにいくまでは結構時間がかかって、その前にどう考えてもARが先行するだろうと思っています。結局AIが人の作業を奪うためには、仕事・業務内容を定型化した上でそれをAIに食わせていく作業が必要ですからね。

今、日本では、仕事が定型化されていないから無駄な残業が多いので、一旦こういったARを使うことで、それが改善されます。

素人で入って来たばかりの人と組んでもすぐにエレベーターの修理ができるとか、キャタピラの作業ができるなどやっていって、そういう中で業務フローをしっかり定型化した上で、次はそれをAIに食わせてやっていこうといった流れになってくるのだろうなと思います。

尾原 ある意味、ARが人間をロボット的に使えるということなので。

國光 そうそう。

荒木 人間をロボット的に使うというのは言い方が悪いけれども、ポジティブに言うと、誰でも即戦力になれるということですから雇用は拡大しますよね。

國光 だれでも即戦力になれます。

尾原 でも、誰もが即戦力になった先には、残念ながら全てをロボットがやる世界があるかもしれませんね。

荒木 ただ、ロボットの方が高いじゃないですか。

よほどいかない限りは、人間の方が安いんですよ。

横山 かなり先の話ですけれどもね。

荒木 既にGEやボーイングでは、バーチャルマニュアルが使われているそうです。

飛行機って、フライト毎に整備しますよね。

当然、使われているエンジンや部品には色々なバージョンがあって、全てが異なりますが、安全性の面から厳密にチェックしなければなりません。

今までは膨大なマニュアルを見て1個1個チェックしなければならなかったのですが、目の前の機種だったらこのチェックリストの上から順にやるだけでOKよというのをやっているのが、UpSkill社のソフトウェア「Skylight Platform」を搭載したグラスです。

尾原 こういうビジネスの大事なところというのは、結局、これをやっていくと全てのログが貯まるということなんですよね。

國光 そうですね。

尾原 そうすると、どういう時に人がエラーを出しやすいかとか、どういうケースを見誤りやすいかということが分かるから、学習できるんですよね。

だから、例えば今、B to Bでしたら「翼システム」が車の修理パーツの発注系ではナンバーワンかもしれないけれども、こういうARシステムがオペレーターのマニュアルを整備していくと、その整備している先でパーツを発注したほうが自然だから、「翼システム」よりもそちらのシステムを使うようになる。

こういう風に、ARを使ったコントロールシステムがB to Bのマーケットプレイスを上書きする可能性もあるというのは、結構大事な視点なのかなと思うんですよね。

國光 こうして見ていると、産業用ARでは高いものを買えるから「Microsoft HoloLens」や「Google Glass」を使ったりしているようですが、一般の人はさすがに買えないのでスマホARといったように、割とそういう棲み分けになってきているなと思います。

荒木 そうですね。第一世代としては、ハードウエアが小型化するまではそうなりますね。

(続)

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(正社員&インターン)とオフィス/コミュニティマネジャーの募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

次の記事を読みたい方はこちら

続きは ”Web 3.0” 革命が、MRデバイス+IoT+クラウドAIの融合によって起こる(gumi國光) をご覧ください。

平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! ICCのYoutubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/Froese 祥子

【編集部コメント】

ARによる仕事の定型化→定型化された仕事のデータでAIが学習。どうでもいいですけど、ARとAIをくっつけるとARAI(アライ)になりますね。(横井)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。