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”Web 3.0” 革命が、MRデバイス+IoT+クラウドAIの融合によって起こる(gumi國光)【K17-10C #6】

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「ポストスマホ!AR時代を大激論!」【K17-10C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その6)では、gumi國光さんと尾原さんが、誰もが体験や妄想をアップロードできるAR時代が3年後に来るという話題について議論しました。國光さんによると、SONYのWALKMANは原始的なARだそうです。ぜひご覧ください。

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ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、レノボ・ジャパン株式会社>様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 10C
大激論 ポストスマホ!いよいよAR時代到来!
Supported by レノボ・ジャパン

(スピーカー)

荒木 英士
グリー株式会社
取締役執行役員

國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役社長

横山 直人
Facebook Japan
執行役員 新規事業開拓 兼 パートナーシップ事業部

(モデレーター)

尾原 和啓

「ポストスマホ!AR時代を大激論!」の配信済み記事一覧

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【新】ポストスマホ!いよいよ到来するAR時代を大激論!【K17-10C #1】

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知らないとまずい?産業用ARの最新トレンド【K17-10C #5】

本編

尾原 荒木さんが上手く整理して下さっているのですが、まだ議論していない・スライドで扱っていない領域のものはありますか?

荒木 もう大体使った気がしますね。

尾原 逆に、深堀したい領域というのはありませんか?

荒木 現状についてある程度カバーでき、今年や来年にこういう製品が出てきますねという話もあったと思うのですが、時間軸で言うと3年後とか5年後に何ができるようになっているのでしょうね。

横山 すごくハイエンドなデバイスも含めてですが、そちらに集中して取り組んでいくという一方で、一般の方々にとって身近でカジュアルに使って頂けるようなサービスの展開にも取り組んでいきたいですね。

普及というのはそういうことだと思うので、なるべく体験をして頂けるような枠組みでどういうことができるかということに、一生懸命取り組みたいと思います、

それが段々狭まってくるというか、上の部分と下の部分が重なってきて、多分幅広い、一般的に色々な用途で使って頂けるような感じになるんですかね。

誰もがAR上に情報をアップデートできるという革命

尾原 先見たものと次の行動との距離がどんどん小さくなるということ、例えば「Microsoft HoloLens」で顔を見たらその人のプロファイルが表示されるという話がありましたが、結局人って次の行動をするために何か考えている訳ですよね。

その考えをできるだけ先回りして提示してくれるという体験自体が、次の体験への繋ぎ目をどんどん無くしていくというのが、3年目くらいの面白いところでしょうね。

ネットの革命には一つの法則があるのです。

インターネットは常にダウンロードから始まるんですよ。

つまり、Webというのは、最初は自分でウェブサーバを立てることやコンテンツを作ることが大変だったから、誰かに作ってもらったものを楽しむということから始まっているんですね。

でも本当の革命というのは、アップロードで起きるんですよ。

Web2.0が起きたおかげで、知らない街の初めて行ったレストランでも、安心して楽しめるようになりました。

これは、誰もが情報をアップロードできるようになった時に起きるんですよね。

考えてみると、ARでは体験がアップロードできるようになるし、更に言えば、現実にこういうものを上書きできたらいいなという妄想がアップロードできるようになるんですよ。

こうなったら世界がどう変わるのでしょうね。

國光 そこには2つあって、1つ目には、ARがどういうものかを想像するのに一番分かり易い例が、SONYのWALKMAN(ウォークマン)だと思うんですよね。

WALKMANというのは極めてプリミティブ(原始的)なARです。

WALKMANを着けて少し悲しげな音楽をかけながら歩くと、普段歩いている道も少し悲しげな感じになってくる。昔行った学校で当時付き合っていた彼女と聴いていた音楽を聴くと、その時の思い出が蘇ったりする。

音楽を持ち歩くと、いつも見ている景色が何となく違う景色になりますよね。

WALKMANやiPodは音だけでしたが、今回はビジュアルなので、昔の風景だったら昔のその当時の雰囲気になって、建物もそこにレイヤーを被せていって当時そのままの景色になって…

尾原 お母さんの声が聞こえたりするかもしれないし。

國光 そうです。

僕は大切なプレゼンテーションの前には、いつも「パイレーツ・オブ・カリビアン(Pirates of the Caribbean)」の主題歌を聴くのです。

テッテテレ、テッテテレ、テッテテレテ~♪という感じで自分のテンションを…

尾原 それ以上歌うとJASRAC(日本音楽著作権協会)が入ってきますので。(笑)

▶編集注:尾原さん、ありがとうございます!(榎戸)

國光 …という感じでテンションを上げていく時に、ビジュアルも加わると、周りが完全に「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界になって、僕がジャック・スパロウ(Jack Sparrow)のように歩いて「いくぜ!」となったり、そういった感じで現実空間をどうaugument(拡張)するかということが一つ大きく出てきます。

ですから、そういうフィルターなどが沢山出ますよ。

ハリー・ポッター(Harry Potter)フィルターとか。

尾原 ですから今もLINEスタンプで、音付きなものって完全に体験を編集しているじゃないですか。

あれはもう、現実の環境を編集できるような感じまでいくでしょうね。

ARが各人の興味・嗜好データを吸い上げる

國光 そうですね。

それから、今回、アップロードという意味で大きいのは、結局、Web2.0が終わってWeb3.0になったことですね。Web2.0がスマホ、ソーシャルウェブ、クラウドでした。

Web 3.0がMRデバイス、IoT、クラウドAIという感じでこの大きな革命が起こっていると思います。

この3つは極めて一緒というか、MRデバイスがあって、IoT、クラウドAI。

IoTの本質というのは結構シンプルで、結局Web1.0のウェブサイトの時代から、Googleが勝手にクロールして集めたウェブサイトにある情報やデータだけでは少なくて、より充実したパーソナルデータの方が貴重になりました。

そして、Facebookが承認欲求をインセンティブに、パーソナル情報をどんどん出させました。

國光 でも、今ここ来ているとか、昨日何を食べたといった情報が、Facebook上にそれほど上げられなくなってきました。

理由は簡単で、面倒だからです。

承認欲求をエサに出させるデータや情報の量が減ってきました。

IoTのポイントというのは、自動的・受動的に(情報が)上げられていくところで、例えば「Apple Watch」は着けているだけでヘルスケアデータが集まるし、「Amazon Echo」も置いておくだけで色々なデータが集まります。

その中の究極がARデバイスだと思っています。

自分の見たデータが全て取れると、僕がどこに行って誰に会って何を食べて何をしてという、しかもどこに注目して見ていたかなどのデータが全て取れるようになりました。

尾原 視線の中には「意図」が含まれているので、何を見るかによって、何に興味があるのかという情報を全部吸い上げていくことができますよね。

ですから、今回のICCのセッションでも紹介されていた、博報堂の小野直紀の「ELI(エリー)」という英会話学習に特化した端末は面白かったですね。

襟のところにマイクを着けておくと、彼が喋っている日本語の会話を聞いて、彼に合う英会話はこれですと教えてくれるんですよ。

あなたはやはりtechy(テクノロジーに強い)な言葉が多いですよねとか、こういうnerd(オタク)な単語を覚えなければならないとか、nerdな人にウケるにはこういう言い回しをしなければいけないといった形でパーソナライズしてくれるんですよね。

それと同じで、目の動きのデータを蓄積していくと、例えば、國光さんは表ではこういうことを言っているけれども、実はこういうタイプの女性が好きなのではないかといったことが分かってしまうということですものね。

國光 意図しなくても、僕の好みが次々と分かる訳ですね。

ハックされたら嫌ですよね(笑)

尾原 そうですね。

荒木 でも今、スマホで、どのポイントにいたかというGPS情報を時系列で全て取られているし、その時に何をブラウザしていたかも分かるし、大体のことが分かっているではないですか。

音(情報)も取っているから、あとは視覚(情報)を取られたら、あと守られるのは脳内の考えだけというようなところまでいきますよね。

國光 結構重要なのが、今僕達が話しているようなサービス内容をイメージして言うことは簡単だけれども、実装までするとなるとすごく大変だということです。

見たデータを全て取って、そこからターゲティングした広告をするなんて、どうするんだみたいな。

横山 すごく大変ですよね。

國光 ですから、将来のあるべきユースケースをイメージした上で、それを実行するためにどういうテクノロジーが必要かというところまで分解して落としていくということが重要になってくるのだろうなと思います。

他人から見える風景や情報をARで共有できる

尾原 もう一つ、そういった意味で、皆さんの発想の軸として特に荒木さんにお聞きしたいことがあります。

3年後には、誰もが体験や妄想をアップロードできるAR時代が来ると申し上げましたが、それは國光さん流の言い方をすれば、要はWALKMANとかと一緒で、結局エモーショナルな主観をアップロードできる時代であるとも言えます。

同時に、僕達の視線というインテント(意図)を取られているから、パーソナライズされた情報が勝手にどんどんアップロードされていく社会であるとも言えますね。

もう一つあるのが、途中で話題に上った、同じ風景が見えるとか、同じ情報が見えるアップロードというのは、多分なかなかなかったはずなんですよね。

例えば、國光さんが先ほど話されていた「エモい」状況というのを、僕と横山さんが一緒に歩いていても、4人全員で歩いても共有できる訳じゃないですか。

荒木 「あの時こんな感じだったんだよ、ほら見てみてよ」というのができる訳ですからね。

尾原 しかもそれを2人や3人で同時に体験できる。

横山 先ほどの、テーブル上でゲームができるといったことにしても、今までは「1(イチ)」でしか体験できなかったことが複数でできるようになり、しかもそれが今までと違うインターフェースでできるというところが大きな違いですよね。

尾原 尚且つ、最後は全員が発信者になれる訳ですよ。

横山 ちなみにこの状態で皆さんの役に立っていると理解してよろしいのでしょうかね?

尾原 僕らの方が少し盛り上がり過ぎでしょうか?

國光 役に立っていますか?

尾原 役に立っていると思われる方は手を挙げて頂いてよろしいですか?

(会場に挙手)

國光 よかった。

尾原 あー、よかったぁ。

会場のみなさん、優しいですね。

荒木 今の(挙手)は役に立っているかどうかのバロメーターではなくて、優しさのバロメーターだったのですね。(笑)

(会場笑)

横山 安心しましたね。(笑)

(続)

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/Froese 祥子

【編集部コメント】

このセッションでたびたび出てくる「視線という意図」というキーワードは興味深いですね。自分の隠したい一面が公開されてしまわないよう、視線情報は間違ってもアップロードしないようにしないと汗。(横井)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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