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「ビジネスのフロンティアはどこにあるのか?(インド/イスラエル/アフリカの投資機会)」【K17-6E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その7)では、参加者からの鋭い質問に登壇者が答えました。中国資本がアフリカをも席巻している等、具体的な現状の事例を基に、知らないことの多さに気付かされる内容です。是非御覧ください。
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【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 6E
ビジネスのフロンティアはどこにあるのか?(インド/イスラエル/アフリカの投資機会)
(スピーカー)
蛯原 健
リブライトパートナーズ 株式会社
代表パートナー
榊原 健太郎
株式会社サムライインキュベート
代表取締役
椿 進
Asia Africa Investments & Consulting Pte.Ltd.
代表パートナー
(モデレーター)
本間 真彦
インキュベイトファンド
代表パートナー
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最初の記事
【新】インド・イスラエル・アフリカ…、ネクスト・マーケットのベンチャー投資家が語るフロンティア【K17-6E #1】
1つ前の記事
インドやイスラエルの起業家、ここが凄い!【K17-6E #6】
本編
本間 時間になったので、会場から質問を受け付けます。どうぞ。
質問者1(岩佐 大輝氏) GRAの岩佐と申します。
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岩佐 大輝
農業生産法人
株式会社GRA
代表取締役CEO
1977年、宮城県山元町生まれ。
株式会社GRA 代表取締役CEO。
日本およびインドで6つの法人のトップを務める。
2011年の東日本大震災後には、大きな被害を受けた故郷山元町の復興を目的にGRAを設立。先端施設園芸を軸とした「地方の再創造」をライフワークとするようになる。イチゴビジネスに構造変革を起こし、ひと粒1000円の「ミガキイチゴ」を生み出す。著書に『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』(ダイヤモンド社)、『甘酸っぱい経営』(ブックウォーカー)がある。
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岩佐 榊原さんに質問なんですけど、イスラエルとパレスチナ、たとえばヨルダン川西岸とかガザのヒト・モノ・カネの交流やベンチャーのスタートアップ的な関わり方というのは今どうなっているのか、パレスチナも今後チャンスがあるのかということをお聞きしたいと思います。
パレスチナにビジネスチャンスがある
榊原 良いご指摘ですね。
榊原 僕がイスラエルに行ったのは、日本が持つ、GDP3位・平和な国であるというノウハウを持って行きたいなと思ったからです。
彼らは0から1は得意なんですけど、1から100にして雇用を作るのはあまり上手くないと思います。紛争とかが起きてしまう。
テルアビブの若者たち、僕らが投資している方たちはすごくニュートラルです。
社員にパレスチナの方やアラブの方を入れても、会社として収益が上がっていて雇用があれば(組織は)安定するというのを証明したいと言っています。
そういった彼らのニーズに対して、日本のノウハウを持って行きたいなと思っています。
ビジネスフロンティアで使われている言語とは?
質問者2 検索エンジンを作っているビジネスサーチテクノロジの吉田と申します。
初歩的な質問になってしまいますが、お三方それぞれのエリアでコミュニケーションに何語が主に使われているか、現地のコミュニケーションで使われていてニーズが高い言語をお聞かせください。
皆さんがお仕事をされる時は英語だと推察していますが。
椿 アフリカであれば7割は英語です。
旧フランス植民地ではフランス語になりますけれど、ビジネスは圧倒的に英語です。
榊原 ユダヤ人はヘブライ語ですね。
仕事は英語でできるんですけど、中に入っていくとかはヘブライ語じゃないとコミュニケーションに入り込めない気がします。
英語よりも文字数が少ないので本音トークがしやすいのはヘブライ語らしいので、ヘブライ語が話せないと本当のユダヤ人のネットワークに入れた気がしないかなと思います。
蛯原 インドは英語ですね。
蛯原 ビジネスは100%英語なんですけど、主要な言葉だけで8つぐらいあるので、その中でも一番大きくて有名なヒンディー語は使います。
インド人もぶっちゃけトークはヒンディー語でやっています。
次の3年・5年で面白くなりそうなマーケットとは?
質問者3(佐俣アンリ氏) VCを経営しております佐俣です。
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佐俣 アンリ
ANRI
General Partner
1984年生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業後リクルートに入社、デジタルコンテンツ新規事業立ち上げに携わる。EastVenturesにてFreakOut、CAMFIREへの投資及び創業支援を経て2012年ANRI設立。独立系ベンチャーキャピタルとして60社に投資実行。シードファンドとして最大規模となる70億円のファンドを運営中。
主な投資支援先としてRaksul、Coiney、UUUM、Coincheck、SmartDrive、CrowdWorks、mamariがある。
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僕もインドネシアやアフリカ、トルコも投資していたんですけど、色々投資して自分が向いていないなと思って日本に帰ってきました。
皆さんは激しく成長するマーケットを求めて色々な国に行かれたと思うんですけど、今お三方が抱えている専門のマーケットの次に、今後3年から5年ぐらいのスパンで面白くなるだろうなという注目している国を教えてください。
椿 1つだけお見せします。
皆さん知っていますか?アルディという会社。
格安コンビニですけど、全世界で1万店舗あって10兆円規模です。イオングループとかヨーカドーよりもはるかに大きいです。
このモデルを全く真似たのがトルコでやっているBIM(ビム)です。
これも10年で6,000店舗、6,000億円、一気に上場して何兆円。
隣のコバというのがコロンビア、その隣のBBBという会社はメキシコでやっています。
モデルは一緒で格安コンビニなんですけど、すごいのが、まず店から出すのではなくてデポから出す。
1個のデポを出してその周り半径50km内に100店舗作って次に行くというモデルです。
1個1個のデポが会社によって分かれていて、PL、PSを分けて管理する。
デポを出して周りに店を出して超シンプル経営にして、その代わりやっているのは9割はプライベートブランドです。ナショナルブランドの3割から半額以下で売る。
劇的に取っちゃうんです。
こういうのをナイジェリアでやろうと。向こうは2億人いますから。
日本人は一次情報を日本語で取ってしまっているから、こういうの知らないんです。
実はヨーカドーとかよりもはるかに大きいアルディを知らない。
格安コンビニモデルをどんどん横に流していく
椿 同じモデルを次々に出して、次はトルコやろう、コロンビアやろう、ナイジェリアやろうと優秀なやつはできてしまうんです。
すごく難しい技術ではないので、ノウハウパッケージを横展開するというやり方が実はできます。
私の中でナイジェリアは今後くると思いますし、エチオピアは政治が複雑なんですけど、消費マーケットという意味ではどんどん成長します。
(右)Asia Africa Investments & Consulting 代表パートナー 椿 進氏
椿 同じモデルを横に流すだけですから、こういうのができるんだと。
印刷会社ができないかとか色々な議論があります。やり方と、あっという間に広げてしまうスピードがすごいですね。
新興国モデルというのがあって、ウォルマートは終わっていて、完全に中国に負けてしまっている。こちらはECが乗っかってドローンで配るとか言っていて、本当にできるか分かりませんが、こういう状況です。
本間 ありがとうございます。では、榊原さん。
ロシアのシリコンバレー”スコルコボ”
榊原 僕はイスラエルの他にも注目している場所がいくつかあります。
1つはロシアのシリコンバレーになるだろうと言われている①「スコルコボ」という街です。そこにも、世界中のR&Dセンターが集まってきていてスタートアップも始めてきています。プーチン大統領とともに活躍するメドヴェージェフ首相が力を入れている場所です。
あとはアフリカや、ボストンにも注目しています。
蛯原 私は国という単位で言うとあまりなくて、今もアメリカではなくてボストンみたいな感じで、国民国家的な境目よりも都市単位であるべきだろうなと思っています。
明確なのは(インドの)バンガロールと(中国の)深圳です。
経済規模単位とかベンチャーマネーがどこに行っているかという指標を計ると、北京の方が大きいんですけど、グローバルに優位なテックというのは深圳から出ている。
あとは私はシンガポールにいますけど、どうハブ化するか、この3つの都市が引き続き注目なのではないかと思います。
本間 ありがとうございます。そろそろ時間ですね。
アフリカ新幹線が開通!
椿 最後だけ皆さんにお見せしたいのがあって、日本人が知らない、私も乗ってびっくりしたというものです。日本だと中国の「一帯一路」(中国の習近平総書記が提唱した経済圏構想)は悪いイメージがありますけど、アフリカ新幹線が先日開通したんです。
ナイロビからモンバサというところへつながっていて、これが駅です。
こういうふうに女性が立っています。
これは中国が導入した、ドイツ系のものを真似て使用した車両を持って行って作っている。
いわば東京・大阪間の交通を3年半で作ってしまいました。さらに、片道が800円で大人気になってしまいました。懐かしい食堂列車があります。
列車に乗りながらサファリ見学ができて(!)、ゾウが見えたりして!
800円で凄いなと(笑)
(会場笑)
今まで13時間バスに乗って1,300円でモンバサまで行っていたんですけど、3時間ちょっとで快適に行けてしまうので大人気になりました。
しかも、これは85%の資金は中国が国家輸出入銀行からお金を出して鉄道が余っているとかなんとかいって、全部作ってしまう。
イギリスが(鉄道などを)作った後に120年ぶりにこのアフリカの地に新幹線をどんどん作っていて、これがバーっと広がっていくんですよね。
同じように駅の予定地の周りは中国企業と大統領政府が土地を買っていて、「言う通りにしろ」という感じが起きている。
日本語以外の一次情報に当たろう
椿 アフリカも一帯一路でやっていますがどんどんこういう形で投資が出てくる。
我々はこれを使うしかないんですけど、こういうところのベンチャーも出てきてくれないかなと思っています。
向こうはとにかく投資であれば全部ウェルカムなので、今日いらっしゃる日本の投資家の方々に出てきていただきたい。
日本語で入って来る二次情報に騙されず、ぜひ生で見ていただきたいと思います。
新幹線に乗るのは絶対おすすめですよ。
本間 ありがとうございます。
朝から大観衆の中始まったこのセッションもあっという間に時間が過ぎてしまいました。
今日お三方に来ていただいて、本当に現場でやっている日本人はすごく少ないと思いました。
皆さん何らかの興味があってここに来ていただいていると思うので、ぜひ色々な情報交換を今後していただき、我々はどういう関わり方ができるのかとか考えていかねばな、というところで今日のセッションを終わりにします。
ありがとうございました。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝
【編集部コメント】
「自分ももっと世界とつながらなければ」と考えずにはいられなくなる、興奮と危機感を与えてくれるセッションでした!登壇者の皆さま、ありがとうございました。(横井)
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