Google先生が教えてくれる「未来の食事」と「未来の健康」 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

11. Google先生が教えてくれる「未来の食事」と「未来の健康」

Pocket

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

『テクノロジーによって「農業」「食」「健康」はどう変わっていくのか?』全12回シリーズの(その11)では、テクノロジーの進化がつくりだす「未来の食事」を議論します。長い人類の歴史を経て、飢餓や様々な病気を克服してきた私たちは今、「食」や「健康」に何を求めているのか? ぜひ一緒にお考えください!

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)を募集しています。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 プレミアム・スポンサー Honda R&D Innovationsにサポートいただきました。


【登壇者情報】
2019年2月19〜21日
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 4F
テクノロジーによって「農業」「食」「健康」はどう変わっていくのか?
Supported by Honda R&D Innovations

(スピーカー)
串間 充崇
株式会社ムスカ
取締役/Founder

羽生 雄毅
インテグリカルチャー株式会社
代表取締役

福田 真嗣
株式会社メタジェン
代表取締役社長CEO

安田 瑞希
株式会社ファームシップ
代表取締役

(モデレーター)

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

『テクノロジーによって「農業」「食」「健康」はどう変わっていくのか?』の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1. ライフスタイルの多様化で、農業は「都市部集中」「個体管理」にシフトする

1つ前の記事
10. 工場野菜や培養肉が食卓に並ぶ未来は、“味気ない”と思いますか?

本編

Google先生が教えてくれる「未来の食事」は……

株式会社リバネス 代表取締役副社長 CTO 井上 浄さん

井上 今「未来の農業」を見ましたが、「未来の食事」でGoogle検索したらどんなイメージが出てくるのか、皆さんはどのように想像されますか?

福田 ロボットではないですか?

井上 ロボット? いやあ、僕はこれ、ショックでした。こんなのです。

ビーズですよ、これ。カラフルなブロック状の何かが並んでいたりするイメージです。

3Dプリンターで、自分の好きな食品を出力できるというものもあります。

「未来の食事」はこのような感じらしいです。これは、僕にとってはすごく違和感があります。

Google画像検索で“未来の食事”を検索

安田 「これを食べたいですか?」と言われると…美味しそうではないですよね。

やはり「食」は、見た目、匂い、食感など、五感の要素があって成り立つものです。

これは、どう見ても美味しそうではないなあと感じます。

井上 でも「未来の食事」で検索した結果は、これなのです。

だから、一般的に「未来の食事」と言ったときに想像されるのは、このようなものなのかなと思います。

それが僕にとってはすごく違和感があります。やっぱり美味しいものが食べたいじゃないですか?

もしかしたら、美味しいのかもしれないですけど……。

「未来の食事」のイメージはどこから来るのか

福田 でも味覚などは、変わることもあるのではないですか?

株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO 福田 真嗣さん

それが人間の進化と言えるのか分かりませんが、こういうものしか無かったら食べざるをえないから、美味しいと感じるシステムが少しずつ変わって、人類はそれに適応していくようなことがあるかもしれないですよね。

井上 そのほうがいいのですか?

福田 いや、分からないです……ですがその分、何かの能力が極端に良くなるのかもしれないですよね。

鼻がすごく利くようになるとか、目がすごいことになるとか。

井上 すごいことになる(笑)。

いま「五感」というキーワードが出てきましたが、実は味覚もそれほど解明されているわけではありません。

例えば目を隠したときや鼻をつまんだときでは、感じる味が全然違ったりしますよね。

だから食べるという行為は、味だけを感じているのではなくて、あらゆる感性を使っているわけです。

福田 その点、未来の食事はある感覚だけ強烈に刺激できるようなものが入っているかもしれないですよね。

羽生 僕はこれを見たとき、違和感というよりも、逆説的かもしれないけれど納得感がありました。

やはり「今のままの食生活、資源の消費をしていたらもたないよ」ということを、みんな分かっているから、このようなイメージが出てくるのだと思いました。

井上 なるほど、なるほど。その表れだということですね。

究極的に、人間が「食」に求めるものは何か

羽生 そして、もし我々が食料生産の資源の制約を解決したとしたら、次に出てくるライバルは、おそらくバーチャルリアリティーだと思います。

ただの白い完全培養のものだけど、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のおかげで、あたかも美味しいものを食べているように感じる。

井上 そういうものも、すごく想像できますよね。

株式会社ファームシップ 代表取締役 安田 瑞希さん (写真中央)

安田 このような議論になったときに考えるのは、人間はどんどん変わるし進化もしていくだろうけれど、究極的には「人間は何を選ぶのだろうか」ということです。

例えば先ほどのビーズのような未来の食べ物も、「これを食べれば若さを保てる」となったらみんな飛びついて食べると思います。

みんなが羽生さんのように素晴らしいお考えで、「これは環境負荷の少ない食べ物なのだ」という基準で選ぶ人たちであれば、人間の進む先は一つだと思います。

しかし大半の人は結局美味しいもの、贅沢なものを求めるのではないでしょうか。

それが人間というものかなと思っています。

そうであるならば、私が関わっている農業としては、そのような欲求に対して「美味しい食」を届けることで応えるべきだろうと考えています。

井上 なるほどね。

僕はこれを見たときに、生きるために必要な栄養をギュッとまとめたようなイメージでした。

でも僕たちがご飯を食べるときは、そこにあるストーリーを感じることも、楽しみの一つです。

このビーズのような食べ物には、そうした点が完全に欠落している感じがしていますよね。

1965年以降の日本の食事を振り返る

井上 未来の食事を想像するためには、やはり過去を見ることが重要だろうと思いました。

そこで、昔はどのようなものを食べていて、それがどのように変化してきているかを調べました。

このグラフは、1965年以降で日本人が食べてきた食材について、1965年の消費量を100%としてその推移を表したものです。

これを見ると、昔に比べて肉は圧倒的に増えていて、ジャガイモ、サツマイモのようなものが減っています。

米の消費も減ってきているようです。

このグラフの延長線上でいくと、例えば2050年には何を食べているのかなと想像力が掻き立てられます。

肉はなんとなく下がり気味、といいうのも面白いところです。

人間の食欲は、腸内細菌に支配されている?

福田 僕らはここに、腸内細菌で介入したいと思っているわけです。

僕の持論ですけど、僕たち人間というのは地球上の生物としては後発で、先住民は微生物なわけですよ。

実はいくつかの研究から、腸内細菌が脳腸相関を介して人間の脳機能に影響することが分かってきています。

Teichman EM et al:Circadian Interactions with the Microbiota-Gut-Brain Axis. Cell Metab, 31:448‐471, 2020

そこで今僕らが研究しているのは、食の好みと腸内細菌との関係です。

皆さんが日々「◯◯が食べたいな」と思う、その「◯◯を食べたい」というのはどのように決まるのか?

例えば皆さんの中にも、アメリカ出張に行って1週間も滞在すると、無性に野菜が食べたくなる経験をした方は少なくないと思います。

これはなぜでしょうか? 野菜というのは腸内細菌のエサ、つまり食物繊維が豊富ですね。

実は腸内細菌が腸内で作った成分が脳腸相関を介して脳機能に影響することは、少なくとも動物実験では分かってます。

そうすると、「自分が何を食べたくなるか」を腸内細菌によってコントロールできれば、肉を食べるようにするとか、野菜を食べるようにするなどの調整ができるようになるかもしれません。

逆に言えば、食べたものが変わっても、微生物が適応していれば同じ栄養素を人間に供給できるということです。

そのようなことができたら、もしかすると食のバランスはテクノロジーで変えられるかもしれない。

安田 人間の食欲が、腸内細菌に支配されているかもしれないということですか?

福田 その可能性があります。それを証明しようと思って、今、研究をしています。

井上 僕らが福岡の夜にどうしてもラーメンを食べちゃうのも、腸内細菌のせいかもしれないですよね!

「食べたいのは、俺じゃないんだ!」と。

串間 いいですね、それ。言い訳に使おう(笑)。

Google先生が教えてくれる「未来の健康」とは

井上 最後に、Google先生が教えてくれる「未来の健康」を皆さんにお見せしたいと思います。

Googleで「未来の健康」と検索すると、なんとトイレが出てきます。

これがトップ10ですね。

Google画像検索で“未来の健康”を検索

ここから僕は、未来の健康について語ろうと思ったのですが、時間の都合上飛ばします。

僕は、皆さんと一緒に色々な研究について考えていると、テクノロジーで世界が健康になっていくのは間違いないなと思っています。

そして世界が健康になった後には、「ポストヘルス時代」が来ます。

今は、病気を予防したり、病気を治すことで健康になるために様々なテクノロジーが開発されています。

しかし誰もが健康を手に入れられるようになった「ポストヘルス時代」に、僕らの食事や農業はどうなっているのでしょうか。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 12. 未来の農業・食・健康をつくるために「さぁ研究だ!!」【終】 をご覧ください。

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友達申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/戸田 秀成

他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

Pocket

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ

ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。