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9. インド、イスラエル、ブラジル…国境を越えて、ともに産業を創ろう!

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「教えてほしい!グローバル市場の最新動向(インド/イスラエル/ブラジル)」全9回シリーズの(最終回)は、会場からの質問にプレゼンターが答えます。現地パートナーの強みを活かした投資事業とは? 日本からブラジルへのオフショア開発は現実的か? リブライトパートナーズ蛯原さん、MAGENTA Venture Partners
竹内さん、ブラジルベンチャーキャピタル中山さん、農業情報設計社 濱田さん、そしてナビゲーターを務めたe-Education三輪さんからのメッセージとあわせて、最後までぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2020年2月18~20日開催
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 12E
教えてほしい!グローバル市場の最新動向 (インド/イスラエル/ブラジル)

(ナビゲーター)

三輪 開人
特例認定NPO法人 e-Education
代表

(スピーカー)

蛯原 健
リブライトパートナーズ 株式会社
代表パートナー

竹内 寛
MAGENTA Venture Partners
Managing General Partner

中山 充
株式会社ブラジル・ベンチャー・キャピタル
代表

濱田 安之
株式会社 農業情報設計社
代表取締役 CEO, ファウンダー

※ 本セッションは2020年2月に開催されました。その後世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、現在の市場動向は異なる可能性がございます。

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最初の記事
1. シリコンバレーの約2割は“実質インド企業”? インド工科大卒の超秀才たちが創る新たなスタートアップ像

1つ前の記事
8. アプリのポルトガル語・スペイン語対応が「AgriBus-NAVI」大ヒットのきっかけに(農業情報設計社 濱田さん)

本編

三輪 それでは、残りの時間では会場からの質問を受け付けたいと思います。

ここまでプレゼンテーションをしていただいた蛯原さん、竹内さん、中山さん、そして濱田さんにご質問のある方は、どうぞ挙手をお願いします。はい、ではそちらの方。

質問者3 弁護士として、日本企業の代理で海外のM&A案件や投資を行っております。

本日お話しいただいた3カ国(インド、イスラエル、ブラジル)の投資案件をお手伝いさせていただくことも多いのですが、現地のパートナーについてお尋ねします。

中山さんはどういう方がパートナーにいらっしゃるのか分からなかったのですが、特にファンドにおいては、インド人やイスラエル人など現地の方々とパートナーシップを組んでやっていらっしゃると思います。

そのような中で、日本と勝手が違うことや、日本人以外とパートナーを組むことで得られる知見などはありますでしょうか?

現地パートナーの強みを活かした投資事業とは?

リブライトパートナーズ株式会社 代表パートナー 蛯原 健さん

蛯原 竹内さんもおそらくそうだと思いますが、我々と彼らでは、ローカルでのディールソーシング(投資先探し)の能力が圧倒的に違います。

我々投資業はローカル産業ですので、そこに根付いて長期コミットメントをしなければ、長い目で見れば儲けることはできません。その前提の上で申し上げますと、現地のパートナーには圧倒的にアドバンテージがあると思います。

ですので、役割分担としてローカルのことは彼らがやり、我々はどちらかと言うとお金を持ってくる、ないしは投資した後その会社にさらに出していただける日本企業を持ってくる等、そういう役割分担が出来るのが最大のメリットだと思います。

MAGENTA Venture Partners Managing General Partner 竹内 寛さん

竹内 私もほぼ同じ意見です。

あとは先ほど申し上げたように、イスラエルはビザの問題があり日本人は5年3ヵ月以上居住できませんので、ずっといる人が継続的にやり、我々法人である日本側が一定スペックの人間を送り続けてパートナーシップを維持していくのが基本形です。

イスラエルはアメリカ、日本、インドよりもかなり小さいので、年間1,000社起業していると申し上げたものの、彼らは大体知り合い同士です。

ですから、我々日本人が新しいディールがあるといって一生懸命持ってきても「その人は昔からよく知っているよ」といったことがほとんどです。

逆に言えばそれが怖いところでもあり、少しでも変なことをするとあっという間に広がる、1つのベンチャーに起こったことが3〜4日するとみんなが知っている、そんな小さな村社会みたいな部分もあります。

そこはローカルの人に思い切り任せてしまい、蛯原さんが言われたように私たちは日本企業さんからお金を引っ張って来る、そんな役割分担が重要です。

それでこそ「日本企業とのアライアンス」という我々の差別化要因が生まれると考えています。

株式会社ブラジル・ベンチャー・キャピタル 代表 中山 充さん

中山 私もブラジル人のパートナーとやっていますが、“行間”を読むところをやってくれるのが大きな利点だと思います。

何か問題が起きた時に、これはどのぐらいタフな問題なのか、よくあることなのかとか、こういう感じでやられてしまったけれども、これはこのまま放っておいていいのか、もしくは釘を刺しにいくべきかとか、その辺は現地の彼らがいないと分からないことが多いです。

あとはやはりレファレンスでしょうか。

デューデリジェンスの中でも弊社はシードステージなので、この起業家は信用出来るのかということを、LinkedIn等を使いながらリサーチいする時に、やはり現地のネットワークがないとどうにも回らないという点があります。

日本からブラジルへのオフショア開発は難しい?

質問者4 ブラジルのことで伺いたいのですが、エンジニアのレベルですとか、その方々が日本語を話されるのかについてお教えいただきたいです。

中山 エンジニアの採用コストは比較的安いのですが、「コストパフォーマンスが高い」と言えるほどクオリティが高いかと言うとそうでもないのが現状です。

ポルトガル語が公用語ですので、日本語はやはり話せません。英語は日本語に比べれば比較的話せるほうだと言えます。

質問者4 そうすると、日本からのオフショア開発などは増えていないものでしょうか?

中山 正直難しいと思います。時差があり、日本とは地球の裏側の位置関係とはよく言ったもので、そのコントロールも含めてなかなか大変かなと思います。

質問者4 ありがとうございます。

E-education 三輪さんによる、バングラデシュへの誘い

特例認定NPO法人 e-Education 代表 三輪 開人さん

三輪 ありがとうございます。

最後のセッションになりますので、少しだけ時間を超過させていただこうと思います。

ICCでももしかしたら海外ツアーが開催されるかもしれないということですが、実は一発目のツアーがほぼ決まっております。

それが私がナビゲーターをしている理由でもあるのですが、遅ればせながら自己紹介をさせていただきますと、私三輪はバングラデシュで教育活動をしております。

私が着ているのも、バングラデシュの民族衣装になります。

そのバングラデシュで今年4月19日、ICCパートナーズ代表の小林雅さんとICCの関係者の方々約30名でのバングラデシュツアーが確定しており、そこで地元のベンチャーの現状を見て回ることになっています。

今回のICCサミットでも登壇されているボーダレス・ジャパンさん、マザーハウスさんの拠点もあるのですが、私が個人的に目玉にしたいと思っているのが、実はバングラデシュはオフショアの開発拠点として非常に優秀な国だという点です。

楽天のプロジェクトでも現地に200人ほどの開発拠点があり、今非常に勢いのある魅力的な国なのです。

しかも私は現地で日本語教育のプロジェクトを行っており、日本への150人ほどの就職実績もありますので、ぜひこのセッションが終わった後も皆さまとそうした話ができればと思いますし、可能であればバングラデシュに来ていただきたいと思います。

▶編集注:三輪さんに紹介いただいたバングラデシュツアーおよび「Society Co-Creation」の開催は、新型コロナウイルス感染症の現状を踏まえ延期となりました。開催時期の決定は、E-educationのウェブサイトのアップデートをお待ちください。

さて、ご登壇者の皆さまお待たせいたしました(笑)。

最後に一言ずついただけますでしょうか。

成長著しいインドのスタートアップとタッグを(蛯原さん)

蛯原 インドはここ2年ほどの間に多くの情報が日本語で手軽に入手出来るようになりましたので、テクノロジー的に重要国家であるということは、ほとんどの方々にご理解いただけていると思っています。

今はむしろ、具体的にどうしなければいけないかという“ドゥハウ”を求めていらっしゃる局面でしょう。

肝心のその部分が今日のプレゼンではスパッと抜けてしまいましたので、今、それを言わせていただけるならば「現地のスタートアップと組みましょう」これに尽きます。

現地の財閥を教えてくださいとか、紹介してくださいという問い合わせが頻繁にあるのですが、これは120%失敗します。

そしてフランスへ行って国際裁判という羽目に陥りますので、絶対に辞めたほうがいいです。

5年後、10年後にその国で大きく成長しているようなスタートアップと組み、出来ればちょっとマイノリティーもいいですので投資をして、優秀な経営者とやりましょうということです。

その時にまさに濱田さんが仰った「決定権を持つ人が行くこと」これは絶対に重要です(本セッションPart8参照)。

これだけは強調させていただきたいと思います。

三輪 蛯原さん、ありがとうございました。

では、竹内さん、よろしくお願いいたします。

まずは、イスラエル人のマインドセットに触れて欲しい(竹内さん)

竹内 イスラエルについて「基本的には安全な国だ」という認識は共有できたと思います。散々安全性を強調しておきながら今さら逆のことを申し上げて何だと思われるかもしれませんが、補足させていただきます。

安全だとは言いましても、イスラエル人は潜在的には何があるかということを日々考えている国民です。

国全体でシェルターの設置が義務付けられており、オフィスも病院もマンションも個人の家も、私の自宅の地下にもシェルターがあり、空襲警報が鳴れば1分以内にシェルターへ避難、警報が止んでも10分間はシェルターの中で待機、そして定期的にその避難訓練が行われているのが現状です。

4月に71年目の建国記念日があり国民が祝っている間に話していたことは、「今年もこの国が存続して良かった。来年もお祝いできることを祈ろう」といったことなのです。

日々存在出来ていることが「当たり前ではない」という環境で生きている人たちで、私自身彼らに物凄く感化されました。

おそらくそこからアントレプレナーのマインドセットと、今自分たちがやれることを真剣にやらなければならない、兵役につく高校生も、両親から将来のためにこの国を残さないといけないからという教えを受け、引きこもっている暇もないような人たちなのです。

限られた人生の中で、本当に自分が何をすべきか、国としても個人としても真剣に考えています。

日本の企業さんで、あえて個別に会社名は申し上げませんが、1年ぐらいのバジェットで若手をイスラエルへ派遣し、何でもいいから現地に行ってビジネスを作って来いといったことをやっている企業が最近出て来ています。

先ほどの数値にありましたように、日本より狭い国土の中で日本を凌ぐお金と色々な技術を持つ会社がひしめいていますので、ここでビジネスを創る価値は当然あるのですが、それにも増して、今申し上げたような「マインドセット」を身に付けて帰って来て欲しいと願う経営者が若手を送るケースが出てきています。

百聞は一見に如かずで、そういう風なことを考えながら生きている人たちと1週間でも触れることで得られることも色々とあるのではないかと思います。

実利と将来のことも含め、ぜひ一度イスラエルへ足を運んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

三輪 ありがとうございます。続きまして中山さん、お願いします。

一度行くととまた来たくなる国、それがブラジル(中山さん)

中山 私もやはり一度はブラジルへお越しくださいということは強調したく、様々なビジネスチャンスも含めてその魅力というのは、インド、イスラエルと変わらないと思います。

ブラジルは一度来るとまた来たくなる国であって、そこで事業進出といった話が出ることも多いです。

ラテンアメリカという遠方に決定権者が何度か足を運ぶことも必要になってきますが、そこから人を派遣してといったことをやらなくても、小さいレベルで少しずつ積み上げるような形でビジネスが出来るようなお手伝いもさせていただいています。

投資もするのですが、そういう他の話も沢山きており、それが人生のKPIを「ブラジルに連れて来る日本人数」に変えたいきさつなのですが(笑)。(本セッションPart5参照)

今日は濱田さんのお話もありましたのでビジネス側の話はあまりしていないのですが、後日資料をお送りする等補足説明が出来るかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

三輪 ありがとうございます。では濱田さん、よろしくお願いいたします。

ドアは世界に向けて開いている(濱田さん)

株式会社 農業情報設計社 代表取締役 CEO, ファウンダー 濱田 安之さん

濱田 弊社は1日3本ぐらいしか飛行機の飛ばない北海道の帯広にありますが、でも、ドアは世界に向けて開いたのです。

インターネットというもののおかげで、そこが凄いなと思っています。言うならば、東京を飛ばして海外へ行っているわけですから。

皆さんのところでも、例えばアプリの英語版を作るだけでもいいじゃないですか。

そのようなところから始めていきなり世界へ進出することも可能ですので、ぜひチャレンジされたらいいのではと思いますし、苦労話も含めて、次はぜひ皆さんが登壇者側となられる番ではないかと思います。私も、ここに座るとは思っていませんでした。

今後、これを機会に皆さんと繋がり、ブラジル、インド、イスラエル進出をご一緒できればと思っております。本日はありがとうございました。

三輪 濱田さん、ありがとうございました。

国境を越えてこそ、本当のCo-Creationに近づく

三輪 最後に私から一言、会場の皆様には、ICCサミットのメインプログラムの最後の最後まで残っていただき、本当にありがとうございました。

私自身、登壇者としてまた運営チームスタッフの立場としても“Industry Co-Creation”という言葉に向き合い、2年、3年と経っております。

Co-Creationがどこで生まれるのかなと思う時に、やはり改めて感じているのが、国境を越えないと本当の意味でのCo-Creationは出来ないのではないか、ということです。

ついにブラジルで中山さんと濱田さんの強力なタッグが生まれ、Co-Creationの扉を開いてくれたというのは、まさにICCならではの本当の意味でのCo-Creationに近づく第一歩になったのではないかと思っています。

ですから、私はこのセッションを何度も何度も続けていきたいと思っています。

それでは、このセッションを終了にしたいと思います。本日は本当にありがとうございました!

(会場拍手)

(終)

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/小林 弘美/蒲生 喜子/戸田 秀成

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