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「急成長する動画ビジネスの最新事情」【K16-3B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8 回シリーズ(その8)は、会場からの質問を受け付け、各登壇企業のEXITやサービスの黒字化といった経営のブレークスルーをどう考えているか?について議論しました。gumi國光さんの鋭い質問にご注目ください。是非御覧ください。
ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 3B 「急成長する動画ビジネスの最新事情」
(スピーカー)
上坂 優太
株式会社Viibar
代表取締役
小池 政秀
株式会社サイバーエージェント
常務取締役
高松 雄康
株式会社オープンエイト
代表取締役社長 兼 CEO
吉田 大成
株式会社エブリー
代表取締役
(モデレーター)
前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長
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「急成長する動画ビジネスの最新事情」配信済み記事一覧
連載を最初から読みたい方はこちら
最初の記事
急成長するスマホ動画ビジネス-エブリー吉田氏が語る分散型メディアの挑戦【K16-3B #1】
1つ前の記事
スマホ動画広告はテレビCMを置き換えることはできるのか?【K16-3B #7】
本編
前田 時間があと15分ということなので、会場の方からご質問があれば、登壇者の方に伺って頂ければと思います。
質問者1 gumiの國光です。
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國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役社長
私立岡山高校を卒業後、単身、中国へ渡り、上海の復旦大学に入学。
その後、中国・インドなどのアジア諸国・北米・中南米など約30カ国を渡り歩き、2000年にカリフォルニアのサンタモニカカレッジに入学。2004年、株式会社アットムービーに入社。同年に取締役に就任し、映画やドラマのプロデュースを手掛ける一方で、様々なインターネット関係の新規事業を立ち上げる。2007年6月、モバイルを中心としたインターネットコンテンツを提供する株式会社gumiを創業し、代表取締役に就任(現任)。
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すでに上場しているサイバーエージェントの小池さん以外のところで、皆さんいつぐらいの時期にどんな感じでエグジット(IPOもしくはM&A)されるのかイメージを教えて下さい。
(会場笑)
小池さんには、Abema TVの黒字化をいつぐらいの時期に見込んでいらっしゃるのかを教えて下さい。お願いします。
EXITはいつですか? Abema TVの黒字化はいつですか?
前田 すごくダイレクトな質問が来ましたね(笑)。吉田さんどうですか?
吉田 (イメージは)あんまり考えていないです(笑)。
前田 小池さんはいかがでしょうか?結構予算もかけていらっしゃると思うのですが、黒字化のイメージはいつ頃でしょうか?
小池 僕個人的には、2〜3年ぐらいではいきたいと思っています。ただ、毎月のコストがどんどん上がってきてますし、今はメディアグロース最優先なので、どこで折り合いがつくかは難しいのですが、目指すとしたら2〜3年後ぐらいからかなと思います。
前田 目先の黒字転換よりも、中長期の売上や規模の最大化を意図されているということでしょうか?
小池 そうですね。もしかしたら、1−2年くらいでいけるかもしれないですが、2−3年でいけると嬉しいとは思いますね。
吉田 逆に1番最初に売上が7:3くらいになればいいなと言っていたのは、7はどちらなのでしょうか?
小池 広告ですね。ただ、課金が上手くいけば、5:5でもいいかなと思っています。そこはあんまり抑制はしないで、どちらも伸ばしたいと思っています。
前田 個人的には、課金が結構上手くいくと思っています。
先ほど高松さんのお話もあったように、出稿側からすると、やっぱりテレビだよねという感覚はずっと残り続けてしまっていて、深夜番組の2時〜3時台の番組という感覚で出すことはあるかもしれないのですが、とはいえ…という部分も残っていくとは思うので、そこもおそらく乗り越えるくらい強いメディアになる可能性があると思っています。
なので、CM系の戦略もワークすると思っています。
小池 そうですね。課金はサブスクリプション課金をやっているのですが、チャンネルやペーパービューなどで色んなバリエーションを出していくと思っているので、それで伸ばしていきたいですね。
前田 なるほどです。有難うございます。
上坂さんはエグジットのタイミングについて何かありますでしょうか?
上坂 我々も固定的に決めているわけではないですが、2015年5月にシリーズBをやりまして、タイミング的にはそろそろシリーズCなりを考えていく時期かなと思っています。
我々はビジネスとしては、着実に利益を出していけるビジネスではありますので、それに相応しいエグジットをしたいと考えております。
前田 それに相応しいエグジットというお言葉を頂きました。高松さんいかがですか?
高松 シリーズAで8億円を集めたばかりなのですが、すぐになくなってしまったので、考えないとヤバいですね(笑)。
(会場笑)
前田 それは基本的に資金の使途は、ほとんど成長に使われているのでしょうか?
高松 そうですね。人ですね。あとはやっぱりメディアを始めて、メディアはすぐお金がなくなると感じています。
前田 コンテンツを作り続けるところですね。
高松 そうですね。VC(ベンチャーキャピタル)さんも入っているので、エグジットも考えないといけないのですが、それより先にお金がなくなってきたヤバイので色々次を考えないといけないですね。
質問者1 あともう1つ質問です。
聞いた噂で驚いたのが、最近テレビCMをたくさん打っているのは、サイバーエージェントは利益が出て仕方ないから、こんな変な利益の上がり方は嫌なので、平準化するために利益を抑えるように、藤田さんが言っていると聞きました。
小池 それはないです。ただ、他の部門が絶好調なので、この事業でないと使えないねという話なのが、正直なところです。来年も継続するとは思います。
高松 スタジオを見に行きましたけど、すごいですよね。
小池 外苑西通りの建物一棟借りさせて頂いて、スタジオに全部しました。
【参考資料】
・話題のインターネットテレビ局AbemaTVスタジオと機材見せてもらいました
前田 そこが不夜城なんですね。
小池 不夜城です(笑)。
前田 深夜3時くらいまで藤田さんがいらっしゃるという噂もよく聞きます。
小池 そうですね。我が社で初めて仮眠室とシャワー室がオフィスに出来ました(笑)。
前田 本当にテレビ局のようになっているんですね。
小池 はい、なってきましたね。
前田 ご質問有難うございます。あと1つ、2つくらいご質問をお受けしたいと思います。
4名の方の間で、聞きたいことがあれば、ぜひお願いします。
SHOWROOM とAbema TVは競合する?
吉田 前田さんのところは、サイバーエージェントさんがコンテンツ課金をすると、競合にならないのでしょうか?
前田 それこそ、サイバーエージェントさんが類似サービスを立ち上げるたびに、すごくFacebook Messengerが騒がしくなり、「大丈夫?」と言われます(笑)。
LINEさんも個人向けの配信を始めたので、皆さんからよく問い合わせを受けている状況です。
僕らとしては、仮に完全に同質のサービスが出てきたとしても、僕らがやっているユーザーが直接的に課金して、演者に直接還元されるようなビジネスモデルは、あんまりこれまで日本になかったので、市場自体を広げないといけないという考え方をすごく持っています。
なので、ポジショントークでも何でもなく、本音で模倣大歓迎と思っていますね。
小池 アメステという近しいサービスをやっています。
前田 よく存じ上げております。
小池 立ち上げて2〜3ヶ月なのですが、うちの強みになるタレントとの関係性もあるので、やっていきたいと思っていまして、FRESH!(フレッシュ)というニコ生さんのようなサービスもコンテンツ課金をやっていくのですが、どこもかしこもコンテンツ課金が出て来ると思っています。
分散型メディアは課金できるのか
高松 逆に、吉田さんのところは、課金しようと思われるのでしょうか?分散型メディアは出来るのでしょうか?
吉田 いま出していないだけなので、いつかのタイミングでは自社もやっていこうと思ってはいますけれども、さっきおっしゃった通りで、自社メディアを持った場合、動画コンテンツである理由があるかどうかが1番のポイントだと思っています。
そこがちゃんと解決しない限りはダメだなという気はしていますね。
写真テキストでも別にいいというものに関しては、魅力がなくなってしますので、そうならないようにはしたいと思っています。
前田 具体的にはC向けの課金はどういうイメージでいらっしゃるのですか?
吉田 例えば、僕らの料理系であれば、クックパッドさんと同じような売上になるかもしれないですし、ファッション系であればECかもしれないです。
どちらかと言えば、マネタイズのポイントを、たくさん作ってあげることがすごく大事だと思っているので、コンテンツに対して課金をするようになれれば1番いいと思っています。
高松 マネタイズの方法は、3種類しかないんですよね。課金かECか広告しかないので、その3種類からしか選べないですよね。
小池 ちなみにうちも、「ぺこり」という料理系のサービスをやっているのですが、再生数はアルゴリズムが変わると少し変動しますよね。
広告だと、それは事故となったりしないのでしょうか。
吉田 ここ1年くらいで、2〜3回変わっているのですが、僕らは幸い再生回数自体は変わっていません。
それはおそらくSEOなども全く同じなのですが、基本的にはユーザーフレンドリーで、需要のあるコンテンツであれば、大きな変動を受けないということで、あんまり大きな変動はなくやっています。
動画ビジネスのこれから
前田 もう残り時間が5分くらいなので、最後にまとめということで、個人的にも伺いたいことなのですが、目先1年くらいのスパンで皆さんが明確に目標とされていること、KPIでも定性的な目標でもいいですので、ここでお話し頂けることがあれば、最後に伺いたいと思います。
吉田 僕らのところですと、いま4つのメディアを運営しているので、これに対してエンタメ系のメディアを仕込んでいるのでそこをしっかり立ち上げたいと思っています。
いまの4つともう1つを加えて、全体として5,000万や6,000万人にリーチしていくことによって、日本の多くの方に対して、僕らの作ったコンテンツを届けられる環境を作るということが、ちょうど僕らは会社を作って2年目にはなるのですが、目標です。
もう1つが、マネタイズのところですね。
すごくポイントだと思っていまして、ウェブの記事に比べると、1本当たりのコストが上がってきてしまう以上、ちゃんとしたマネタイズのモデルというものをちゃんと積み上げていかないと、良質なコンテンツは作り続けられなくなってしまうので、そこを更に作っていけるかが、大事かなという気がしています。
小池 僕のところは、Abema TVをなんとしても来年度ぐらいには、1,000万人単位のメディアに仕立てたいなというのがあります。
あとはFRESH!(フレッシュ)など様々なサービスを立ち上げているので、アメブロに近いサイズのメディアをもう1本なんとか作りたいと思っているので、その3軸でいけるような状態になんとか来年度中に持っていきたいなと思っています。
上坂 我々は向こう1年、勝負の時かなと思っています。地味なビジネスをやっていますので、どちらかと言うと、お客さんの価値にようやく刺さってはまってきたという実感があります。ですので、とにかくこれをどこまで磨き込めるかという1年になるかなと思っています。
我々のマーケットですと、既に上場されている先輩プロダクションもありますし、色んなところが衝突するホットな1年になると思います。ただ、我々にできることは粛々とお客さんに提供できる価値を磨き込んでいくことですので、そんな1年にしたいと思っています。
高松 2つ事業があるので、まず広告の方で言うと、非常に利益率が高い広告の事業が出来ているのですが、規模が出ないので、利益率が多少低くなっても規模が出せる事業、ビジネスモデルをどう組み立てられるかというのが、スマホ動画広告に関する次のステージなので、それが直近の目標です。
2つ目がメディアの方で、先ほど今後と書きましたけど、僕らは明確にターゲットを決めているので、その人たちに対して本当に必要とされるメディアかどうかというのを、この1年できちんと証明出来たらいいなというのを考えています。
前田 有難うございます。セッション冒頭に申し上げましたが、一言に動画ビジネスと括っても、全く異なる多様な商売の仕方が存在していて、奥深いなと思いました。
個人的な感想としては、高松さんのお話にもあったのですが、動画ビジネスにおいて、需要側の変化は結構創れていけているし、デバイスなどハード面の環境も変わっているのですが、供給側に根強く残る政治やプライドが大きな課題だと思います。そこさえ外せていければ、僕らはまだまだイノベーションを興す余地があるかなと思っています。
そこを変えて、動画市場全体を大きくしていけたら、すごくいいなと。引き続き頑張っていけたらと思います。
今日はご清聴有難うございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/藤田 温乃
【編集部コメント】
2016年、ICCのメディアをお読みいただきありがとうございました!2017年は、1月4日より新たな記事の配信を開始いたします。今回の感想はぜひNewsPicks(ICCのNewsPicksページ)でコメントやフォローを頂けると大変うれしいです。
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