「ポジティブであればあるほどよい」vs「ポジティブ感情はすぐに手放せ」宗教でここまで違う、ポジ・ネガ感情との向き合い方 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

4.「ポジティブであればあるほどよい」vs「ポジティブ感情はすぐに手放せ」宗教でここまで違う、ポジ・ネガ感情との向き合い方

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「人生100年時代の幸せな生き方とは?(シーズン2)」7回シリーズ(その4)では、宗教による感情との向き合い方の違いを議論します。「ポジティブ感情」と聞くと文字通り「よい感情」のように思いますが、仏教ではそうではないようです。そうした考え方の違いは、幸せの感じ方にも影響するのでしょうか?ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2018 プラチナ・スポンサーのクライス&カンパニー様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年9月4〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 5A
人生100年時代の幸せな生き方とは?(シーズン2)
Supported by クライス&カンパニー

(スピーカー)

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

澤 円
日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長

仁禮 彩香
株式会社TimeLeap
代表取締役社長

(モデレーター)

南 章行
株式会社ココナラ
代表取締役社長

『人生100年時代の幸せな生き方とは?(シーズン2)』の配信済み記事一覧


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最初の記事
1.「◯◯をしたら幸せになれる」という思考パターンから抜け出すために

1つ前の記事
3.「修羅場体験」と「幸せ」の因果関係を考える

本編

 日本人がすごく得意なことがあります。

それは「起きてもいない不幸に備える」ということです。

起きていないにも関わらず、「ああなってはいけない」「こうなってはいけない」と考えます。

だからモノづくりにおいても、ものすごく過剰に色々な予防線が張られていて、すごく使いにくい製品が出来上がるといったことがよくあります。

「未来を作る相談事は、明るい未来を作るための会話なのだ」という習慣付けはすごく大事だと思います。

研究者・石川善樹「国民の三大義務」を再定義!?

(写真左)株式会社Campus for H 共同創業者 石川 善樹 さん

石川 「人生100年時代の幸せな生き方」の本質を考えるにあたり、キーワードとして「自由と規律」という言葉を思いつきました。

生き方というのは、自由にしてよい部分もある一方で、規律もあります。

現在の日本において、この規律を規定しているのが「日本国憲法」です。

この日本国憲法が定める「国民の三大義務」をご存じでしょうか?

そう、「教育」「勤労」「納税」です。

面白いことに、このうち「勤労」を義務とする憲法があるのは、世界中見ても日本ぐらいなのです。

 そうなのですね。

石川 日本人は「勤労」が大好きなんです。

しかしこれからの時代を考えた時、どのような自由と規律のバランスを取ることが幸せな生き方につながるのでしょうか?

もし「もう一度日本国憲法を作っていいよ」と言われたら、国民の三大義務を何にするべきか。

最近よくそのようなことを妄想しています。

南さんはどう思われますか?

 そこで振るんですか?(笑)

考えたこともないですよ。

石川 だって南さん、不思議ではありませんか?

日本国憲法には「国民の三大義務」は書かれているのに、その義務を果たすための「三大スキル」(※)は書かれていないのですよ!?

▶編集注:南さんが運営する「ココナラ」は“スキルのフリーマーケット”です。

ですから僕は「国民の三大義務」と「義務を果たすための三大スキル」を次の憲法に書き込みたいと思っています!!

 それで……新しい憲法の案は見つかったんですか?

石川 結構いいものが見つかっていますが、それはちょっと後でお話します。

写真左から、石川さん、井上さん、澤さん、仁禮さん、南さん

(壇上笑)

そろそろ最前列にいらっしゃる村上さんから突っ込みがあるかと思いまして。

 僕もそろそろかなと思っていました。

村上 臣さん (以下、村上) またそうやって雑な振り方をする(笑)。

日本人特有の「未来に対する期待値」とは?

村上 今の一連の会話で興味深かったのが「未来の話」です。


村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。その後統合したピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴い、2000年8月にヤフーに入社。一度退職した後、2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月にLinkedInの日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問を務めている。

人は近未来に対して「期待」をします。

例えば「今日はランチで鰻を食べたいな」というのも期待です。

ところが、仕事が忙しくて鰻とは違うもの、もしくはおにぎり1個しか食べられなかったら、僕のハピネスはガクっと下がります。

反対に、鰻よりももっと美味しいものが食べられたら、すごく嬉しいと感じます。

このような「期待とのギャップ」が幸せに大きく影響するのでは? という投げ込みをさせてください。

石川 先ほどの澤さんのお話にあったように、日本人は未来について期待をする時にネガティブに考えがちですよね。

それはつまり「現実においては、ネガティブに感じることが少ない」ということなのだと思います。

でも、それだと「ただネガティブが少ないだけ」であって、村上さんがおっしゃるようにアップサイド、つまりポジティブも多くありません。

村上 それは、日本の土地のせいなのかなと思っています。

今日もここ京都は台風ですが、日本は災害が多いですよね。

備えなければならない自然のインシデントが多すぎて、「まずは最悪に備えて」という考えが昔から続いているような気がします。

宗教によるポジティブ・ネガティブとの向き合い方の違い

石川 仏教のお坊さんである川上さん〔春光院 副住職・川上(全龍)隆史氏) に聞いたんですが、キリスト教と仏教ではポジティブ・ネガティブへの向き合い方に違いがあるということです。

西洋の哲学には「プロテスタントの精神」があり、ポジティブであればあるほどよいとされています。

一方の仏教では「ネガティブ感情は受容せよ。ポジティブ感情はすぐに手放せ」と教えるそうです。

「ゼロに戻る」ということが重視されているのです。

現在国連が出している幸福度の調査では、基本的に「ネガティブが少なくて、ポジティブが多い状態」をよしとしています。

これはいわゆる西洋の哲学に基づいています。

僕は同じデータを仏教的な観点で見直すと、ポジティブも少なくネガティブも少ない日本は、圧倒的にトップに来ると考えています。

つまり、どの哲学の観点から見るかによって、幸せかどうかは異なるということです。

 宗教に関連する話ですが、先日イスラム教の礼拝堂に行ってきました。

それについて妻がブログを書いております。

▶︎参考: ラッパー神主さんに連れられキリストとモスクに行く(COSMIC WHITE | 造形作家 澤奈緒のブログ)

井上 見ました(笑)。

石川 奇跡のコラボレーションですね。

イスラム教の平等主義と寛容さ

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員
マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤 円 さん

 連れて行ってくれたのは神主さんでした。

イスラム教の礼拝堂にはペルシア絨毯が敷いてあって、それが必ずストライプ柄なんです。

ストライプが真っ直ぐに入っているのは、そこにつま先を合わせて皆平等に礼拝をするというルールだからだそうです。

「人類は皆平等」ということです。

「あなたがお金持ちであろうと貧乏人であろうと、アラーの前では皆平等だ」ということを重んじる宗教であり、「平等で幸せということをきちんと考えている宗教だ」ということを、初めて知りました。

石川 ビジネスなどを考えるにあたり、イスラムは外せません。

今後、イスラム教徒は世界最大の人口集団になる (※) ので、イスラム教を知らないとビジネスや政治ができないという世界がすぐに来るんです。

▶︎参照:イスラム教徒、2100年には最大勢力 世界の宗教人口予測(日本経済新聞)

イスラム教のことを、僕らはほとんど知らないですよね。

 イスラム教は実はすごく先進的で、イスラムの教典であるコーランは全部アプリになっているんです。

Quran Explorer」というアプリです。

他にも、YouTubeではコーランを歌う人気シンガーがトップランクに入っていて、それを流しながらお祈りをする、ということもしているそうです。

村上 アプリの中でコンパスで方位が出るんですよね。メッカの方向も分かり、コーランが聞けるし読むこともできる。

しかも、「祈り貯め」ができるんです。

空港にはPrayer Room (礼拝室) がありますよね。

僕がイスラム教の友達に「ロングフライトだと、1日5回もお祈りできないけどどうするの?」と尋ねたら、「だから空港にあの部屋があるんだよ」と教えてくれました。

フライト前に2回〜3回分お祈りし、トータルで1日5回の辻褄が合うから大丈夫だということです。

 意外と寛容的なんですね。

石川 そうですね、合理的ですよね。

(続)

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続きは 5.「新しい知識を得ることで、ハッピーになる」澤円さんが語る人生100年時代の成長とは をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/三木 茉莉子/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子

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