【NEW】ICC サミット FUKUOKA 2024 開催情報詳しくはこちら

9. 議論で深まる偉人からの学び!予想を超えた盛り上がりでシーズン2決定!【終】

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

「新シリーズ 世界の偉人伝 (シーズン1) 」全9回シリーズの(最終回)は、Part.8から引き続き、楽天セイチュウさんによる福沢諭吉についてのプレゼン。世界のリーダーを作るために慶應義塾を開いたというその目的に共鳴し、ICCサミットの参加者もこれを目指そうと訴えます。知れば知るほど面白く、手応えたっぷりのこのセッションはシーズン2も決定! 最後まで、ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 プレミアム・スポンサーのリブ・コンサルティング様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICC FUKUOKA 2021
Session 12E
Nizi Projectから学ぶ採用と人材育成の仕組みとは?
Supported by リブ・コンサルティング

(スピーカー)

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

深井 龍之介
株式会社COTEN
代表取締役

丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO

(モデレーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
パートナー

新シリーズ 世界の偉人伝 (シーズン1)


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
1. 新シリーズ誕生! 登壇者が選んだ「イチオシ偉人」を語る

1つ前の記事
8. 楽天共同創業者 小林正忠さんが選んだ偉人「福沢諭吉」の功績をどれだけ知っていますか?

本編

人財を輩出し続ける慶應義塾大学

正忠 未来を見据えていた男、福沢諭吉を皆さんにご紹介したいと話をしてきました。

最後に、「死してなお、世の中にインパクトを与え続ける」(Part.8参照)ということで言えば、「人財輩出」があります。

上場企業の社長の中で慶應義塾大学卒の社長が占める割合は非常に高いです。

さらに上場企業だけでなく、売上が50億円以上の会社の社長は、慶應義塾大学卒が最多です。

特別企画:全国社長出身大学分析(2018 年) 社長の出身大学、日本大学が最多~ 上場企業では、慶應義塾大学が最多 ~(帝国データバンク)

100年を超えている会社の社長も、慶應義塾大学卒が1位です。

石川 こんなランキングがあるんですね。

(一同笑)

正忠 ありましたね。もともとのデータは帝国データバンクにあります。

楽天も6人で起業しましたが、3人は慶應出身で、なんと今回参加しているICC FUKUOKAのメンバー全員の出身大学をExcelに入れてカウントしたところ、19%が慶應出身でした。二番手はご存じの東大です。

スタートアップは、偉人から何を学ぶべきか?

正忠 「偉人から何を学ぶか」が、今日のセッションの一番大事なところかと思います。

大きなことを成し遂げるためには、文化の基盤となる言語体系をきちんと整備しないといけません。

石川 「概念」ですよね。文化は文字通り「文字」と「化す」なんですよね。

正忠 そうなんです。そこをちゃんとしないといけません。

スタートアップ企業が本当にことを成し遂げようと思ったら、コーポレートカルチャーをきちんと整備していき、バリューを明示化していき、人を育てないと大きくはなりません。

さらにはそれらが回る仕組みを作っていくことです。

そういうことを偉人から学ばなければいけないと思います。

慶應義塾の目的とは

正忠 最後に、福沢諭吉先生が言っていた、「慶應義塾の目的」の存在です。

われわれ塾で学んだ人間からすると、僕は中学時代に暗唱させられていましたが、ポイントは「気品の泉源」「智徳の模範」「全社会の先導者」です。

「一所の学塾として自から甘んずるを得ず」というのは、今この瞬間学校で勉強するだけではなくて、人生においてずっと人間としての品格を保ち続け、学び続けるということです。

それを評論家よろしくペラペラしゃべるのではなく、ちゃんと、ことを起こせと書かれています。

石川 確かに「之を口に言ふのみにあらず」と書いてありますね(笑)。

正忠 そうなんですよ。

口だけではだめだぞと。「躬行(きゅうこう・自ら行うの意)実践」と「全社会の先導者たらんことを欲するものなり」と書かれています。

深井 「全社会」ということは「世界」ということですか?

正忠 はい。世界のリーダー、世の中のリーダーを作るために慶應義塾を開き、結果彼は有言実行であれだけの人財を輩出して、日本という国をここまで近代化させたのではないかと思います。

ICC参加者は「福沢諭吉スタイル」を目指そう

正忠 実は「ICCの目的」に勝手に書き換えようかと思ったのですが、それぐらいICCは近いものがあるなと僕は思っています。

「ICC参加者は何を目指すのか?」、今日の結論は、皆さんは「福沢諭吉スタイル」を目指せばいいのではないかと思います。

人を育てて、国・社会の未来を創っていく、たぶんこれを一番体現しているのが、ICC代表の小林 雅さんではないかと思いますので、僕はICCサミットに参加して、「世界の偉人伝」でこの話をして気持ちいいです。ありがとうございます。

明治時代に「夫婦別姓」の上を行く発想

井上 ありがとうございます。

福沢諭吉の偉人伝を聞いて、改めて私が一つ思ったのは志が素晴らしいということです。

福沢諭吉はあの時代に海外に出させてもらって、情報ギャップをものすごく取れたわけですよね。

正忠 そうですね。タイムマシン経営(※) じゃないですが。

▶編集注:海外で成功したビジネスモデルやサービスを日本でいち早く展開する経営手法のこと。

井上 それを私利私欲に使おうと思ったらいくらでもできたわけですが、最初から『学問のすゝめ』という書物を出版して、慶應義塾の設立もそうだし、全日本国民に対して還元をするという志がすごいなと思いました。

正忠 僕の予想としては、おそらく私利私欲に走ると、賢い連中だけがどんどん富を成して分断が起きることが分かっていたのだと思います。だからこそ民レベルが、ちゃんとそれをやらないといけないと言った。

生まれながらにして不平等だったことに対する憤りがすごく強かったので、そこがずっと人生の中でコンプレックスではないですが、なんとかしたいという思いが強くて、だからこそ官から誘われても政治には行かない、おもねるようなことはしないと生きてきました。

1974年には「男女平等」と言い、小学校を始めるのですが、そこでも女性にも勉強する権利があると主張して、女性も学べる場を作りました。

今、夫婦別姓を議論していますが、彼はあの当時に、結婚したらどちらかの姓を名乗るのではなく、「深井」と「小林」で結婚したら「深林」のように新しい苗字を作るんだと言いました。

(一同笑)

ぶっ飛びすぎていて全く採用されませんでしたが、今の時代でも全然おかしくない、当時からそういう発想でした。

深井 へえ。漢学(中国文化に由来する学問の総称)を極めているところが僕はすごい肝だなと思っていて。

正忠 そうなんですよ! 的確な日本語に訳せているのは、他でもない漢学を学んでいたから日本語に非常に強かったのです。

深井 漢学というオールドスタイルをちゃんと究めつつ、最先端といわれているアメリカまで行った上で。

石川 先ほどのアップデートの話じゃないですか(Part.3参照)。

正忠 そうなんですよ!

深井 しかも夫婦別姓さえも超えた発想にいきます。まさにその話ですよね。

すごいですね。なんでそんなにすごいんですかね?

石川 やはり国を作るというなかなか無いチャンスに恵まれた時代の人であるし、特に開国の危機が迫っていましたから。

深井 それに幕末の志士が死んでいくのを見ていますからね。

石川 そう。こんなチャンスはなかなかないですよね。

正忠 時代感覚が別で語られるので認識しづらいですが、坂本龍馬と福沢諭吉は1つ違いなんです。

龍馬が1つ下で、同じ時代に生きているのです。

井上 ありがとうございます。もうあっという間に残り1分になりました。

今回の新シリーズ「世界の偉人伝」はいかがでしたか?

噛めば噛むほど面白いシリーズに

石川 たぶんこのシリーズは他のシリーズと違い、登壇者を固定しないシリーズだと思っています。

色々な登壇者が出てきて「私の偉人」を話すことになると思います。

井上 それはいいですね。

正忠 予習しに来ている黄緑色のネクタイの人(ユーグレナ出雲 充社長)がいますからね。

半年後にここに登壇しているのでは?(笑)

石川 すごくないですか? めちゃくちゃ面白かったですよね!

井上 最後に一言ずつ感想で、締めましょうか?

石川 面白かったですよ。歴史の面白いところは解釈次第でどうにでも見られるというところです。

だから違う人が諸葛孔明の話をしたら、たぶんまた違う解釈が出てきて、噛めば噛むほど面白いシリーズになりそうだなと思いました。

井上 ありがとうございます。正忠さん、お願いします。

正忠 さっき深井さんが「なぜ(福沢諭吉は)そんなにすごいんですかね?」と言っていましたが、福沢諭吉はヨーロッパに行く時に香港に寄って行っています。

香港でいわゆる帝国主義、植民地主義のえぐい状況を見て、イギリス人が中国人を犬猫レベルに扱っているのを見て衝撃を受けるわけです。

これはいかんと、絶対にやってはいけないことだということがあって、自身も「不平等」のところにすごく違和感があったから、だからこそできたんだと思います。

そういう体験によってガツンと変わるので、スタートアップでこれからやっていこうという方や経営者は、原体験が結果にとってすごく大事なことだなと改めて振り返って思いました。

ありがとうございました。

井上 ありがとうございました。深井さん、お願いします。

深井 丸さんが取り上げたキャリー・マリスさんもそうですし、福沢諭吉さんも「ぶっ飛んでいる」という言葉が出ました。僕は本当はぶっ飛んでいる人が一番好きなんです。

……そういう人にすれば良かったなと思って(笑)。

(会場笑)

ちょっとビジネスに話を寄せてしまったなと思って、ミスりましたね。ありがとうございました。

井上 素晴らしいセッション企画を立てていただいて、ありがとうございました。丸さん、お願いします。

 福沢諭吉のすばらしさは分かるし、偉人なんだけれど、僕の言う偉人は、「時空を越えちゃってる感」がもうちょっとほしいんですよね。

日本の中でもちろん相当有名で、日本と世界をつないだというのは僕もできそうだけれど、マリスにはなれなさそうな気がするんですよ、やばい人だから。

PCRは、キリスト教みたいなものなんですね。

だからキリストが世界の偉人ランキングのナンバー3になって、アリストテレスが出てきて(Part.1参照)、科学者が日本の中で偉人になっていないこと自体が、日本は遅れているなと思います。

石川 学問はやはり、西洋がベースですからね

 だからまだ遅れているんですよ。

(福沢諭吉が)進めてくれて、これから科学者として、本当に偉人になるような丸幸弘や出雲充が出てくるんだろうなと。

それって「あっ、これか!」と全世界の人が大興奮したり、当たり前になったみたいな感じではないですよね。

だから、中国のあの人もすごいけど。名前を忘れちゃったけど……

正忠 諸葛孔明。

 ああ、そうそう。でも諸葛孔明は中国で、PCRは世界ですから。

今PCRは世界だし、キリストは世界ですから。

石川 世界人口の3分の1がキリスト教徒ですからね。

 そこなんですよね、だからちょっと変えなければいけません。

「ローカル偉人」と「グローバル偉人」みたいな感じですかね??

(一同笑)

正忠 それで言えば、確かに宮崎駿さんはグローバルに来ていますよね。

 すごいですよね、「グローバル偉人」ですよね。

石川 それでいうと、松尾芭蕉が一番グローバルです(Part.2参照)。

 グローバルですね。言葉をPCRのように広げたわけだから、「グローバル偉人」としては面白いですね。

「この人が偉人」と言った瞬間に「この人は違う!」と言うとか、偉人審査委員会が開かれないと、いけないんじゃないかな??

(一同笑)

井上 今回の4人で誰が良かったか、会場の参加者の方にアンケートに書いていただきましょう。

 皆さん、「キャリー・マリス」ね!

今日は本当に勉強になりましたので、またよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

井上 ありがとうございました。

スピーカー一同 ありがとうございました。

(終)

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林弘美

最後までお読みいただきありがとうございます!
他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!