和歌に見る日本文化と「否定の受容」のかっこよさ | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

7. 和歌に見る日本文化と「否定の受容」のかっこよさ

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「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン5 )」全8回シリーズの(その7)は、石川善樹さんによる「日本人とは何か?」の解説です。石川さんによると、和歌の歴史を紐解くことで日本人のメンタリティーが分かるとのこと。古今和歌集から「お~いお茶」の俳句 まで、1000年の時を超えて議論します。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 2C
大人の教養シリーズ
人間を理解するとは何か?(シーズン5)
Supported by ノバセル

(スピーカー)

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

北川 拓也
楽天株式会社
常務執行役員CDO(チーフデータオフィサー)グローバルデータ統括部 ディレクター

福田 真嗣
株式会社メタジェン
代表取締役社長CEO

(モデレーター)

深井 龍之介
株式会社COTEN
代表取締役

「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン5)」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 人気シリーズ第5弾!今回の人間の理解は「ワクワク」の探究から!

1つ前の記事
6. 北川拓也が解説「人生を豊かにする感情の使い方」

本編

石川 人間を理解するのは難しいので、まずは日本人を理解してみようと思います。

僕ら日本人には、「大事なものを○○に置きたがる癖」があるという話です。

古今和歌集に学ぶ「日本人とは何か?」

公益財団法人Well-being for Planet Earth 代表理事 石川 善樹さん

石川 日本人とは何かを考える時、最初に当たらなければいけない原点は『古今和歌集』です。

古今和歌集は「日本にも文化があるんだぜ」「あんたらには唐歌があるけれど、日本には和歌がある」「日本人はこういう人種なのだ」と世界に向けて高らかに宣言したものです。

紀貫之が書いた序文では、すごいことを言っています。

「花に啼く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」

これに世界の人はびっくりするのです。

なぜなら、世界では蛙の声はノイズでしかないからです。

それを声として聞けてしまう、生きとし生けるものについて歌を詠む、つまり、世界を歌として解釈したのが日本人ということです。

井上 なるほど、素敵。

石川 そして、ここからがすごいですよ。

「力をも入れずして天地を動かし」

「男女の仲をも和らげ」

そして「猛き武士の心をも慰むるは」

…「歌なり」と!

すごくないですか!?

井上 すごい!

石川 歌というもので、世界は変えられるんですよ!

そして日本人は、歌を五七五七七の31文字で表現するんですよと。

だから、日本の国歌である「君が代」は五七五七七のリズムで作られています。

日本人は昔から七五調、五七五七七のリズムが好きなのです。

ですから皆さん、ミッションやビジョン、バリューを作る際はぜひ、七五調で作っていただきたい!

そうすると、すっと入ってきますから。

井上 なぞなぞも入れてね。

▶編集注:本セッションの前半では、「人間の行動を促進するワクワク感には“なぞなぞ”が必要である」という議論が交わされていました。

石川 「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」!

福田 それはダメなやつじゃないですか(笑)。

井上 何でそこでそれなの(笑)。

北川 君が代も七五調なんですね。

石川 五七五七七です。あれは色々な理由があって32文字に字余りさせているのですが、基本的には七五調で作ると日本人の中に長く残りやすいのです。

日本人には「否定の受容」がしっくりくる

石川 そして和歌の発展の歴史を見ると、僕ら日本人の脳回路が分かります。

古今和歌集には、こういう歌があります。

「見渡せば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」という有名な歌です。

これに対して藤原定家が「見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ」と詠みました。

花も紅葉も、ないんかい!と思いますよね。

これは、綺麗なものを一度否定して、寂しい風景が広がっていると詠んでいます。

つまり、否定の受容がかっこいいということです。

日本人には、否定を受け入れる癖があるのです。

井上 これが、歌の発展の歴史の1つなんですね。

石川 日本人はこういうふうにできているんですよ。

ですから同じ「自己肯定感」でも、西洋人は「自分がすごい」となりますが、日本人はまず「自分はまだまだだ」と一度、否定するのです。

それに対して相手が、「そんなことないよ」と言うと…。

「そーお?」となる(笑)。

一同 (笑)。

石川 否定の否定で、肯定になると!

井上 めんどくさいやつなんですね(笑)。

福田 これはもう、染み付いてしまっていますよね。

石川 染み付いています。

僕らが一番それを体感できるのが、「お〜いお茶」です。

「お〜いお茶」のペットボトルには、俳句が書かれています。

第二十五回 伊藤園お〜いお茶 新俳句大賞 文部科学大臣賞 より

例えばこちら、「プロポーズ」と始まって、プロポーズされるかと思いきや…。

「されそうなほど 冬銀河」!

井上 なるほどね!

写真左から、Well-being for Planet Earth 石川さん、リバネス井上さん

石川 プロポーズされてないんですよ(笑)!でも、されそうなんですよ!これなんですよ!!

ですから皆さん、会社で何かを掲げる時は、否定してください。否定の受容です。

井上 それが一番しっくりくるということですね。

北川 日本のお笑いもそうですよね。

なんでやねん!って一度否定するけれども、みんながウワーって笑って、それで肯定されるみたいな。

石川 そうそう(笑)。これが僕らに染み付いている脳回路です。

日本人の腸内には「わびさび菌」がいる?

株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO 福田 真嗣さん

福田 でも、なぜ染み付いてしまうのでしょうか?

石川 なんでなんでしょうね。

世界各国の言葉を比べると、日本語では、ネガティブを受け入れる言葉が多いです。

例えば「わびさび」は古臭いものを愛でるということですが、このようにネガティブを良しとする文化があります。

井上 どこから始まったんでしょうか?

福田 僕もそう思うんですよ。遺伝的に日本人とされる人がアメリカで育ったらどうなりますか?

石川 超ポジティブに育つでしょうね。

福田 ですよね。今話した日本人とは違う、わびさびの分からない人間になるとしたら、遺伝的要因ではないということですよね。

井上 ではないですね!

石川 腸内細菌ですかね!?

井上 (笑)。

福田 日本人に特徴的な腸内細菌、わびさび菌もいるってことでしょうかね。

井上 結論が早いよ(笑)。

(続)

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続きは 8. 日本人は、大事なものは奥に置いて隠したがる【終】 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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