リバネス丸さんが選ぶ偉人は、ノーベル化学賞を唯一2回受賞した「フレデリック・サンガー」 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

2.リバネス丸さんが選ぶ偉人は、ノーベル化学賞を唯一2回受賞した「フレデリック・サンガー」

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トップリーダーたちが、尊敬する”MY偉人”についてプレゼンする「世界の偉人伝」、前回の大好評を得て、シーズン2の書き起こし記事の登場です。全8回シリーズの(その2)は、リバネス丸 幸弘さんが、ノーベル化学賞を現在までで唯一2回受賞した「フレデリック・サンガー」博士を紹介します。どんな功績があり、現在に影響を及ぼしているのか? 丸さんのプレゼンでわかります。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 ダイアモンド・スポンサーの<ノバセルにサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICCサミット KYOTO 2021
Session 10C
世界の偉人伝 (シーズン2)
Supported by ノバセル

(スピーカー)

朝倉 祐介
シニフィアン株式会社
共同代表

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

出雲 充
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長

高田 修太
一般社団法人HLAB/株式会社エイチラボ
共同創設者COO / プロマジシャン

丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO

(モデレーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
パートナー

「 世界の偉人伝 (シーズン2)」の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

1つ前の記事
1. 経営者が「偉人」を語る好評シリーズ第2弾!

本編

コロナの変異型株名「N501Y」「L452R」は何を意味するのか

 この新聞の切り抜き、分かりますか?

「N501Y」などと書かれており、シーズン1とまた同じかよと思われているかもしれません。

変異株「N501Y」ってなに? 従来のウイルスとどう違う? 対策は?<新型コロナ>(東京新聞)

これは、コロナの変異型株のニュースです。

皆さん、新型コロナウイルスが流行し始めて2年ほど苦労されていると思いますが、変異型株が出てきていて、これは何なのだろうと思いませんか?

変異型株かそうではないか、どうやって解明しているのでしょうか?

みんなが、それは科学技術のおかげだと言います。

ということは、裏でそれを発見した偉人がいるのではないか。

これが、僕が今回の偉人について話したいと思ったきっかけです。

さらに、コロナに関する知識を深めていきましょう。

デルタ株、「L452R」、この文字の意味、分かりますかね?

写真左から、リバネス丸さん、ベイン・アンド・カンパニー井上さん

井上 言われてみると、確かに全く分からないですね。

 分からないのに、皆さん、知ったかぶりをしています。この文字には、大きな意味があるのです。

さあ、今日は勉強です、明日から周りにドヤ顔ができます。

井上 それぞれの文字に意味があるのですよね。

 はい。では、いきますよ。

「L」はロイシン(アミノ酸)です、分かりますよね。

筋トレをしていれば、きっとアミノ酸を飲んでいますよね。

そして「452」というのは、スパイクタンパク、つまり一番機能しているウイルスのタンパク質の452番目のアミノ酸という意味です。

そして「R」はアルギニンです。

つまり、「452番目にあるロイシンがアルギニンに変わると、強力な感染力を持った株になった」ということです。

分かりやすいですね。

井上 (やや間をおいて)だいぶポカーンとなっていますが…(笑)。

 シーンとしていますね。

石川 この沈黙は皆さん、明日からドヤ顔しようと心に決めているんですよ(笑)。

公益財団法人Well-being for Planet Earth 代表理事 石川 善樹さん

 ですよね! 今もう、たぶん必死に携帯にメモしている。

石川 胸の中で、「これでドヤ顔できるぞ」と思っています(笑)。

 何が言いたいかと言うと、配列に意味があるということです。

アミノ酸配列の重要性を発見したサンガ―博士

 こちらは理科の教科書ですが、少し復習しましょう。

アミノ酸は20種類あり、タンパク質を作る部品、材料です。

タンパク質になると機能するので、「スパイクタンパク」のように攻撃するタンパク質もあります。

ではアミノ酸はどういうふうに設計されているかと言うと、皆さんご存知の「DNA」ですね。

前回お話ししたマリス君は、PCR法でDNAを増幅させているわけです。

▶編集注:PCR法については、6. リバネス丸さんが選ぶ偉人は、PCR法の生みの親「キャリー・マリス」に解説動画があります。

スライドにあるような感じの設計図になっていて、このアミノ酸の配列が非常に重要だということを発見したのが、フレデリック・サンガー博士なのです。

「Sequences, sequences, and sequences.」

石川 これ、名言なんですね(笑)。

 名言です(笑)。

今、鳥肌立ちませんでしたか? 立ったよね? すごいですよね?

これを日本語にしたら、「配列、配列、そして配列」です。

石川 (客席を見て)爆笑している人がいることにびっくりです(笑)。

 1人だけ爆笑していますね(笑)。

これ名著なんですよ、フレデリック・サンガーの総説なのですが。

石川 これ、トラトラトラくらいの…。

 そうそう(笑)。

石川 繰り返し(笑)。

 1988年に、『配列、配列、そして配列』という名著を出しています。

Frederick Sanger: SEQUENCES, SEQUENCES, AND SEQUENCES: Annual Review of Biochemistry, Vol. 57:1-29,July 1988.

つまりフレデリック・サンガーは、生き物にとってアミノ酸やDNAの「配列」はめちゃめちゃ意味があることを発見した偉人でございます。

石川 なるほど。

 メモっていますね、明日からドヤ顔できますね(笑)。

皆さん勉強してください、これはすごいことなのです。

これが分かっていなかったら、PCR法もなかったということなのです。

ノーベル化学賞を唯一2回受賞した研究者

 フレデリック・サンガーのすごいところは、イケメンであることだけではなく、ノーベル賞を2回受賞している点です。2回受賞した人は、過去に4人しかいません。

▶編集注:フレデリック・サンガーは、1958年にインスリンの構造研究、1980年に核酸の塩基配列決定法によって、ノーベル化学賞を受賞した。

アミノ酸配列の決定だけではなく、アミノ酸からRNA、そしてDNA塩基配列まで、「Sequences, sequences, and sequences.」で人類や生物はコードされていることを発見したのです。

やばくないですか?

「配列」なのです。

石川 ノーベル賞すら配列してしまった男、ですね。

 またうまいね~(笑)。

(一同笑)

その通りです。

しかも、他の部門でノーベル賞を2回受賞した人はいますが、ノーベル化学賞を2回受賞したのは彼だけです。

素晴らしいですね。

フレデリック・サンガー博士の偉業

 では次のスライド、これも配列っぽくしてみました。

フレデリック・サンガー(1918-2013)(DNA入門)

井上 これ、単なる年表ですよね(笑)?

石川 確かに(笑)。

 配列です!

前回のキャリー・マリスはアメリカ人でしたが、サイエンスの発祥はアメリカではないのです。

ケンブリッジとオックスフォード、つまりイギリスがサイエンスの本当の発祥地なのです。

▶編集注:フレデリック・サンガーはイギリス人。

フレデリック・サンガーが配列に意味を見出してから、バイオサイエンスに大きな革命が起きたと言われています。

彼は2013年、ついこの間、亡くなったのです。

井上 結構最近なのですね。活躍した時代は、戦時中くらいですよね。

 そうです、その時代背景において、配列に意味があるということにこだわった男です。

2回ノーベル化学賞を受賞したこの男は、確実に偉人です。

タンパク質とアミノ酸のサンガー。

後進の研究者に道を開いた偉人

 前回話したPCR法のマリス君も、サンガーがいなければノーベル賞を受賞していません。

質量分析でタンパク質を研究する道を開いた、田中 耕一さんも同じです。

ゲノム解析をする方法の一つが「サンガー法」ですが、新型コロナウイルスでさえ、PCR法でDNAを増幅させた後にSequenceにかけてみなければ、変異型株であるかどうかは分からないのです。

ということで、偉人とは!

井上 出た。

 出雲さん、読んでください!

写真左から、ユーグレナ出雲さん、HLAB高田さん、リバネス丸さん

出雲 …世にインパクトを与え続ける。

(一同笑)

 いやいや(笑)、「死してなお、」世にインパクトを与え続ける。

ということで、私の偉人についての報告は以上です。ありがとうございました。

話し切りましたよ、今日も。

井上 素晴らしかったですね、きちんとストーリーがつながっていましたね。

 今回ICCサミットに対して言いたいのは、前回のマリス君の話と今回のサンガー博士の話を是非、1つの教科書にして全ICCサミット参加者に配っていただきたいということです。

結構良い話をしたと思うんですよ。

井上 次も気になりますね。

 あ~!

井上 マリス、サンガーと来て、次は誰なのか……。

 次回はちょっと休憩させてもらっていいですか(笑)。

ネタ切れです(笑)、ありがとうございました。

井上 では続いて、先ほど、「知っている」という手が誰からも挙がらなかった、田邉 朔郎さんを、高田さん、お願いします。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 3.HLAB 高田さんが紹介するのは“母校の大先輩”「田邉 朔郎博士」 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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