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「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン6)」全8回シリーズ(その7)は、楽天北川 拓也さんにスピーカーがバトンタッチ。「人間を理解するために自分を理解する」という北川さんが、現代人の客観的ウェルビーイング要素の2つであるお金と健康、そして『Die with Zero』という本から学んだ大きな示唆を共有します。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プレミアム・スポンサーのリブ・コンサルティングにサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICCサミット KYOTO 2021
Session 2B
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン6)
Supported by リブ・コンサルティング
(スピーカー)
石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO
北川 拓也
楽天グループ株式会社
常務執行役員 CDO(チーフデータオフィサー) グローバルデータ統括部 ディレクター
深井 龍之介
株式会社COTEN
代表取締役
(モデレーター)
村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表
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▶「人間を理解するとは何か?(シーズン6) 」の配信済み記事一覧
連載を最初から読みたい方はこちら
最初の記事
1. シーズン6突入! 前シーズンまでの「人間の理解」を振り返る
1つ前の記事
6. 「よく移動する人」がパフォーマンスが高いのはなぜか
本編
人間を理解するために自分を理解していく
北川 人間を理解するというテーマのディスカッションの中で、我々が一番興味があるのは、そもそも自分を理解することだろうと思いました。
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北川 拓也 楽天グループ株式会社
常務執行役員 CDO(チーフデータオフィサー) グローバルデータ統括部 ディレクター
ハーバード大学数学・物理学専攻、同大学院物理学科博士課程を修了。物性物理の理論物理学者として、非平衡のトポロジカル相の導出理論を提案し、『Science』などの学術雑誌へ20本以上の論文を発表。楽天ではCDO(チーフデータオフィサー)としてグループ全体のAI・データ戦略の構築と実行を担っており、日本を含む、アメリカやインド、フランス、シンガポールを含む海外5拠点の組織を統括している。楽天技術研究所の所長、楽天データマーケティング株式会社取締役を兼任。データ基盤作りからプロダクト開発、AIとデータを使ったDXコンサル事業を立ち上げ、データによるビジネスイノベーションを推進している。Well-being for planet earthの共同創設者、理事。
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そこで、人間を理解するために自分を理解していこうと思いました。
移動の話も嗜好品の話もそうですが、我々自身がどうやったらウェルビーイングな状態になれるかという原点に立ち返り、人間への理解を深めたいと思います。
僕は前回、統合理論を紹介しました。
▶6. 北川拓也が解説「人生を豊かにする感情の使い方」(シーズン5より)
これはあくまでも、分析的な観点で人間を理解しようとする場合は、こういう構造で考えて理解するのがいいですよということでした。
もっともっとみんなで深掘りしたい理論体系ではありますが、(石川)善樹さんの話にもあったように、結局、自分自身が本当にウェルビーイングな状態になろうとした時に大事なのは、実は環境だということです。
今日は、人間の産業はすべからく、この環境を作るためにできていたのだという読み換えをし、その上で、我々は何をすべきかということを話したいと思います。
村上 北川さんのスライドは、たいていこういう引用が出てきますね(笑)。
客観的ウェルビーイングの二大要素、お金と健康
北川 いくつかウェルビーイング要素を挙げていきましょう。
まずは、皆さんが気にかかって仕方がない、お金と健康の話を終わらせておこうと思います。
これが「人を制限する」と書きましたが、これは我々の産業では散々やりつくされてきた観点なので、簡単に行きますね。
お金と健康という環境は、我々の行動をどう規定しているのでしょうか。
第一に我々自身が理解すべきなのは、我々のお金と健康がどうなっているのかを意外ときちんと見つめていない、という事実です。
それに気がついている人がたくさんいて、これが最近の、マネーフォワードなどの金融サービスにつながっていると思います。
資産をどうやって作っているのか、どうやって増やしているのか、どうやって使っているのかを見える化するサービスが、それぞれ大きい一大産業として成り立っていて、我々を支えています。
皆さんご存知だと思うので割愛しますが、スライドで上げているそれぞれ4つの項目のうち、我々のウェルビーイングのためにもっと貢献できるのではと思われるところを、スタートアップが見出してビジネスにつなげていると理解しています。
世界の大富豪の行動に影響を与えた一冊
これは、(石川)善樹さんに教えてもらった、『Die with Zero』という本にあった示唆です。
お金と健康を時系列でプロットすると、健康というものは60歳くらいから一気に下がり始め、お金というものは線型的にどんどん増えていきます。
『Die with Zero』を書いたのは、空港でブランド品などの免税品を売る事業を立ち上げ、何千億円ものお金を作った人です。
ビル・パーキンスという人ですが、彼が心に誓ったのは、自分が死ぬ前に資産をゼロにすることです。
死ぬ前に少し残っていないと不安なので、普通なら、少しは残しますよね。
でもこの人はゼロにすると決めて、3年ほど前に達成したのです。
石川 でも、お金を使うのがこんなに大変だったのかと、使えば使うほど増えていくというジレンマもありそうですね(笑)。
北川 彼ほどの人になるとね(笑)。
井上 でも、死ぬことをよく予測できましたね。
北川 おそらく、何歳までに全てなくすというプランを立てていたのでしょうね。
これを見習って、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットは、財産の95%から99%を寄付することに決めたのです。
彼らはチキンなので、99%で止めたのですが(笑)。
村上 ゼロにはできないと(笑)。
北川 彼らの財産の1%は、我々が人生で稼ぐ金額より多いですよね(笑)。
村上 確かに(笑)。
井上 そうですね(笑)。
「資産より経験を最大化すべき」
北川 ビル・パーキンスは本当にゼロにしました。
そしてそんな彼が気づいたのは、人々は若い頃にお金を使わなさすぎだということです。
資本主義にとらわれすぎている、いつまで金を貯めているんだ、使い切れ!ということですね。
村上 なるほど。まあ、言うは易し行うは難し、の典型ですよね(笑)。
北川 典型ですよね(笑)。
25歳くらいの、お金がないなと感じる時代でもお金を使っていないというのが、パーキンスさんの示唆です。
(壇上、苦笑しながら口々に「無理だよ〜」の声)
村上 示唆は分かる……。
北川 お前ら何を貯めているんだ!と。
村上 使え、と。経験を増やせ、と。
北川 体験を最大化しなさい!と。
一同 なるほどね~。
北川 ですから、ぜひ、ICCサミットに参加して、参勤交代すべきだということです。
石川 昔の殿様たちは、どれだけお金を使っていたかということですよね。
北川 そうですよ! それはもう、昔は国がつぶれるくらい使っていたわけですからね(笑)。
井上 でも僕なんかは、奨学金でギリギリの生活をしていましたからね。
北川 まあ、本当にない時は仕方ないです。だからこそ、今ですよ!
(一同笑)
井上 もう人生、半ばにさしかかってきましたからね(笑)。『Die with Zero』だと。
北川 もっと派手にお金を使いなさい、ということです。
この思想、つまり、30代、40代の時にお金を持ちすぎているという彼の気づきは間違いない事実です。
この会場にいる方はすべからく、お金を持ちすぎなので、ぜひ使っていただきたいです。
(続)
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続きは 8. 「自分の街」「ちょっとした相談相手」「カレンダー」がウェルビーイングの役に立つ!【終】 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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