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「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」【F17-5B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!12回シリーズ(その2)は、ヤフー川邊さんと日本ラグビーフットボール協会の中竹さんを中心に、組織風土と組織文化の違いについて議論しました。ソフトバンクの独特な組織文化はとても興味深いです。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017のプラチナ・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
▶「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論を徹底議論」の配信済み記事一覧
岡島 先ほどの打ち合わせの時に、組織風土と組織文化について少し中竹さんとお話したのですが、ソフトバンクさんでは組織風土と組織文化がどう違うかについても少し教えて頂けますか?
川邊 まず、それを知りたいです。
中竹竜二 氏(以下、中竹) 中竹です。
中竹 竜二 (公財)日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター/株式会社TEAMBOX 代表取締役 1973年福岡県生まれ。 早稲田大学人間科学部卒業後、レスタ―大学大学院社会学部修了。 三菱総合研究所でコンサルティングに従事の後、早稲田大学ラグビー蹴球部監督を務め、自律支援型の指導法で多くの実績を残す。「フォロワーシップ論」を展開した人のひとり。 現在、日本ラグビー協会コーチングディレクター(初代)を務め、2016年アジアラグビーチャンピオンシップにて日本代表ヘッドコーチ代行としての指揮をとり優勝を果たす。 2014年に株式会社TEAMBOXを設立し、次世代リーダーの育成や組織力強化に貢献し、企業コンサルタントとして活躍中。主な著書に『自分で動ける部下の育て方—期待マネジメント入門』(ディスカヴァー新書)、『部下を育てるリーダーのレトリック』(日経BP)など。
専門的な話で言うと、「クライメイト(Climate)」と「カルチャー(Culture)」という風に、組織風土と組織文化を結構明確に分けているのです。
「クライメイト」の方が少し手前にあって、言語化されているんですよ。
例えば、「イノベーションするぞ」や「挑戦するぞ」や「失敗はいいんだ」のように。
言っている段階ではまだ「クライメイト」の状態で、「挑戦しなかったら、いる意味がないよな」ということが暗黙化された状態になると「カルチャー」になる。
本当に目指すところとしては、多分「カルチャー」までもっていかないといけないんですよね。
「Good to Great」な組織を目指す
中竹 実は、コーチングの世界でも最近は「グレイトネス(Greatness)」というのが結構流行っていて、「ビジョナリー・カンパニー(Visionary Companies)」ではないですけれども、「Good to Great」で、まあまあいい組織ではなく、本当に最高の組織を目指すのです。
(参考資料: ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則 )
特に我々スポーツ界では、「Good to Great」の「Good」は要するにドメスティック、国内ナンバーワン、国内ベストのことです。
「Great」というのは世界でベスト。
そういう意味で言うと、「Great」というのは必ずよい文化、つまりよい「カルチャー」を持っていて、そのカルチャーをどう作っていくかというのが、コーチングの中でもすごく研究されています。
僕はコーチのコーチが専門なので、その文化を作るコーチをどう育てるかということに取り組んでいます。
要するに、その文化を作るコーチをコーチしないといけないので、僕が別に文化を作る訳ではなくて、文化を作ろうとしているコーチを…
岡島 Teacher of Teachersのようなことですよね。
中竹 そうですね。
役職的には、コーチのコーチのコーチという資格まで持っているのですが、
(会場 笑)
岡島 それ、取るのがすごく大変なんですよね?
中竹 そうですね。
時々頭が混乱するのですが、一応メソッド化されているものではありますね。
文化を作るというのは実はすごく大事で、やはりThe Power of Cultureというか、要するに、
スポーツのコーチやビジネスのリーダーは、カルチャーのパワーをもっとしっかり理解した方がいい。
実はこれは、ナレッジとして、知恵として学んだ方が良いということは最近すごく言われてきました。
ソフトバンクの「会議でゲラゲラ笑う」文化
岡島 今の話で言うと、ソフトバンクさんのようなところは、風土というより、孫(正義)さんのDNAがもう文化のレベルまで染み渡るという感じですか?
川邊 それはそうですよね。
孫さんが一代で築いたというか手塩にかけて築いた考え方、チームの作り方、話の落とし方というか。
孫さんって、会議が面白いんですよ。必ずオチをつけようとするんですね。
岡島 落語みたいな感じですか?
川邊 そうです。
考えなくてもいいのに、その場にいる人を楽しませようという精神が強いんですよね(笑)。
必ず話のオチをつけようとするので、皆でゲラゲラ笑うのですけれども、あれだけ笑いがある会議というのがまさに、ソフトバンクの企業文化なのではないでしょうか。
石川 多分、それは文化ですね。
川邊 普通、真面目な会議であんなにゲラゲラ笑わないですよ。
Yahoo! JAPANなんて、全然笑わないですから。
岡島 何かもっとすごくプレッシャーを感じる場面なのかと思ったら、笑いが。
川邊 どちらかというと、笑いですね。
中竹 かといって、会議室に「笑いましょう」と書かれているわけではないですよね。
川邊 書かれてはいないです。
中竹 書かれていたら、多分、まだ「クライメイト」ですよ。
川邊 まさに非言語化ですね、そこは。
岡島 どこかで皆がメタ認知していて、孫さんだったら何と言うかなといった感じがもう染みついているっていう。
川邊 そうですね。
この会議、孫さんだったらどうオチをつけるのかな、といった感じで、その前提に立って皆が行動しますよね。
Yahoo! JAPANにはYahoo! JAPANの組織文化があって、文化がチームワークの全てだという可能性はありますよね。
「ビジョナリー・カンパニー(ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則)」にもそう書いてありますしね。
岡島 そうですよね。
だからチームを作るといった話をする時に、もちろん個々の力を強くするという考え方もあると思うのですが、結局は現場に任せるといったことになってくると、最後に意思決定をする時の羅針盤のようなものが「文化」になるという理解でよいのでしょうか?
中竹 よいと思います。
岡島 なるほど。
岡島 安渕さんは、その権化のようなGEという会社にいらっしゃると思うのですけれども。
「最高の成果が何か」をチームで共有する
安渕聖司 氏(以下、安渕) 今お話を聞いていて思っていたのは、最高の成果を出すチーム作りということで、今、チーム作りの話ばかりしているのですが、そもそも最高の成果が何かということが共有されていないチームが多い訳です。
安渕 聖司 SMFLキャピタル株式会社 代表取締役社長兼CEO *当時 三菱商事株式会社、リップルウッド・ジャパン、UBS証券投資銀行本部を経て、2006年、GEコマーシャル・ファイナンス・アジア入社。2007年GEコマーシャル・ファイナンス・ジャパン 社長 兼 CEOに就任。2009年、GEキャピタル・ジャパン社長兼CEOに就任。2016年、事業売却に伴い、社名をSMFLキャピタル株式会社に変更し、現職に就任。 著書:「GE世界基準の仕事術」(新潮社2014)、「GEの口ぐせ」(PHP研究所2015) 社外活動:経済同友会幹事、HBS Club of Japan会長、一般財団法人KIBOW評議員、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事。インターナショナル・スクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)ファウンダー、アジア女子大学(バングラデシュ)日本支援委員会委員、等多数。 熱心な歌舞伎、文楽ファン。早稲田大学政経学部卒、米ハーバード大学経営大学院卒(MBA)
多分、「カリスマリーダー型」でいく際に、カリスマのリーダーだけが何が最高の成果なのかが見えている。
だから突っ走って行くけれども、周りの人はよく分からないままで、ただ彼の言う通りについていく。
ところが、「集団天才型」の形にいくためには、どこに行きたいかについて、皆がもっと分かっていないといけない訳ですよ。
だから「集団天才型」というのは、きちんとゴールが共有されていて、俺たちはここに行くんだというところに持っていけば全員の力がすごく出る訳です。
チームの作り方というのはそのチームばかり見ていては分からなくて、そもそも俺たちはどこに行きたいんだっけということを皆が分かっているかというところを、常々確認するというのが、チーム作りにおいて大事なことだと思っています。
岡島 それはもうミッション、或いは数値目標というビジョンのようなことなのでしょうか。
安渕 そう、そこに時間をかけるということですよね。
そこにすごく時間をかけて、チームを作る時に「チームチャーター」というのを作るじゃないですか、これは何のためのチームですかという、そこにものすごく時間をかけてこれだよねということをやっていく。
でも、そこを皆で考えてやれよという風にスッとスタートさせてしまうと、実は皆が考えていることが違うということがよくあるのだと思います。
ビジネスでもきちんと「練習」をしましょう
岡島 中竹さんが見ていらっしゃるスポーツの世界、もちろん企業も沢山見ていらっしゃると思うのですが、その目標や最高の成果というものは、ビジネスよりももう少し分かり易い感じですか?
中竹 断然分かり易いと思いますね。
それから、スポーツでよいのは、練習と試合がはっきりと分かれているところだと思います。
けれども最近は、ビジネスでもきちんと練習しましょうという風潮が、結構アメリカから来ていますね。
僕もずっと思っていたんですよ。
ビジネスってきちんと練習をすれば皆伸びるのに、ビジネスの人は、「いや、いつも本番だから」と言うのです。
いつも本番ではないじゃないですか(笑)。
岡島 それ、面白いですよね。
確かにビジネスの世界って、練習と試合を分けていないというか。
安渕 その割にお客さんのランク分けなんかをしているじゃないですか。
岡島 そうそう。
中竹 ですよね。
そういう意味では、本当に安渕さんがおっしゃる通り、ゴールは何かということもそうですけれども、自分達が今何をやっているのか、どのフェーズにいるのか、練習なのか試合なのかミーティングなのかを分けると、多分、どこで力を抜いてどこで出すかというのが分かってくるのではないかなと思いますね。
岡島 さて石川さん、ここまで聞かれて、新たな論点を。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/Froese 祥子
続きは 上野動物園の猿から学ぶ組織作りの本質 をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その3)では、予防医学研究者の石川さんに、動物の最も原始的な組織作りの方法ついてお話いただきました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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