「1on1ミーティング」を通じて自分を客観視できる環境を与え続けよ【K17-7C #6】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

「1on1ミーティング」を通じて自分を客観視できる環境を与え続けよ【K17-7C #6】

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「企業の『成長痛』と人材育成」【K17-7C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その6)は、1on1ミーティングや360度評価の効果や気をつけるべきことについて議論しました。是非御覧ください。

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【登壇者情報】
2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 7C
企業の「成長痛」と人材育成
Supported by 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

(スピーカー)
伊藤 羊一
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア 学長

溝口 勇児
株式会社FiNC
代表取締役社長 CEO

吉田 大成
株式会社エブリー
代表取締役

(モデレーター)
天野 徹
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
シニアコンサルタント

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最初の記事
【新】企業の「成長痛」と人材育成【K17-7C #1】

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Yahoo!アカデミア学長と考える「伸びる人材」とは?【K17-7C #5】

本編

溝口 最近はコンセプチュアルなスキルも、マインドフルネスやセルフアウェアネスやメタ認知等色んな言葉で語られていますが、言っていることは大体同じです。

それは、「自分の状態に気付けるか」ということです。

自分の状態を客観的に気づくことができるので、そこから自らを修正して成長する力がある。自分の状態を気づくことが出来る人は、他者の状態に気づく力もある。

こういう人が最終的に何かの道のプロになっていると思います。

伊藤 ヤフーで全社レベルでやっているのが、最近有名になっている「1on1ミーティング」という仕組みです。

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

1on1ミーティングとは、マネージャーとメンバーが1対1で週1回30分をめどにミーティングをしましょう、ということですが、マネージャーがメンバーに対して何か指示をするのではなく、コーチングとフィードバックを通じて、メンバーがこの1週間の経験から何に気づいたかとか、自分は何を考えているかというのを引き出します。

そうすることによって、さきほど話に出たような「気づき」を得て、経験を自分のものにすることができます。

また、自分のことはあまり自分で考えていないので、他者から問われると「はっ」と気付いて「自分はこんなことにわくわくするかもしれない」という気づきが得られる。そのようなことをやっています。

企業のステージにもよると思いますが、自分に気づく、自分自身を見つめることが大事だとすると、これが機能したら非常に強力です。マネジメントの手段として捉えられていますが、1on1ミーティングは育成に繋がるものなのです。

1on1ミーティングはマネージャー・メンバー双方に有効

吉田 会社の中でマネージャーになる人は、マーケティングのスキル等、日常の事業を回す中でのスキルベースで上がってきています。

そこで求められていたものと今後事業を作っていく上で求められるスキルは違うはずなのに、今までの延長線上でやっていると、「ここの作業はできていないからダメだ」として言えないと思います。

ですが、先程おっしゃったような1on1でコーチングしながらやると、違う側面をどうしても引き出さなければいけないですから、マネージャー自身にもメリットがあるなと思いますね。

伊藤 あと1つは、1週間に1回それをやっているので、メンバーが何を考えていて、先程溝口さんがおっしゃっていたようにメンバーの個別の状況は否が応でも知ることができます。

多分、評価やフィードバックは3ヶ月や6ヶ月の評価期間の中で1回やるのではなく、年がら年中やっている中でその人達の個性に認識を深めていく。

年がら年中喋るというのは大事かもしれません。1on1ミーティングは1週間に1回やるので、マネージメントとしては効果的だなと思います。

自分を客観視できる環境を与え続ける

溝口 そのような意味では、我々も育成には力を入れています。

以前、プロの野球選手のトレーナーをやっていたという話をしましたが、あの世界では年間10%は入れ替わりが起き、必ず組織の代謝が起こります。

ですから、わざわざ「自主練しろ、素振りしろ」と言わなくてもみんなやるんです。

それはある意味、環境が設計されているから、自走する状態になります。

1on1ミーティングや評価というのは、ある意味自分の状態を気付かせてもらう場で、多分ミーティングを通じて変化がなければ、毎週毎週同じ指摘を受けてしまい、いずれ見切られてしまうわけです。

先程言ったセルフアウェアネスやコンセプチュアルなスキルを上げていくのに必要なことは、自分が立っている状態を正しく理解することだと思っています。

我々も360度評価を取るのですが、非常に面白いことがあります。

当社のグレードは大体4階級ぐらいに分かれていますが、一番下の階層が一番自己評価が高いので、他者評価との乖離が一番あります。

そして下から2つ目のグレードが2番目に他者評価と自己評価の乖離があり、3階層になってくるとそれがより埋まってくる、といったことが起きています。

これは「ダニング=クルーガー効果」というものですが、能力の低い人程自分自身を正しく認識できていないが故に能力が上がらない、つまり修正できないということが起こります。

ダニング=クルーガー効果

組織が、1on1ミーティングや360度評価などの仕組みで、(自己認識から)なかなか逃げられない、受け止めざるを得ない状況にして初めて人は変わろうとすると思います。

また、変わろうとする意識のない、はしごをかけてものぼる意識がない人に対しては、何をメッセージとして伝えても変わらない。

こういう環境を企業として整えるのは非常に重要だと思います。

天野 「育成」というトーンではなく、気付きを与えられる環境をいかに社内で作り続け、その中で自分で変わっていく人だけがある意味生き残っていく、伸びていくという世界ですかね。

伊藤 その頻度をなるべく高めるのは大事だと思っていて、ヤフーで評価のプロセスは半年に1度ですが、毎週1on1ミーティングを通してフィードバックをしているので、評価の結果が出る時には「(当然)そうですよね」と何の反論も起きません。

毎週毎週コーチングしてフィードバックをしていますが、このサイクルをいかに早くできるかが重要で、その人が毎週気付いていれば半年に1度気付くより育成されていきますよね。

天野 仕事の中でも仕事の割り振りでも、気付いて自分で形にしていく機会をどれだけ与えられるか、というのが大事かもしれないですね。

伊藤 ギリシャの神殿に、デルフォイの神託所という神のお告げを聞く場所があり、昔から人は神のお告げを聞きに行くそうですが、そこには「汝自身を知れ」と書いてあります。

つまり古代から同じことが言われている。自分自身を知れば自分が何をやるべきか、どうしたら成長できるかは分かるということですが、現代も同じだということですよね。

「数千年も、何を悩んでいるんだろう、俺達は」みたいな気がしますよね(笑)

天野 自己評価と他者評価の一致ができればできるほど伸びる要素が出てくる、といった感じでしょうか。

溝口 先程の自己評価の話で内容を端折ってしましいましたが、実は上から2番目の階層は自己評価が低く、他者評価の方が高いんです。

上の階層にいくと、自己評価のほうが低いのですが、その評価幅がより埋まってきて、役員のレベルになるとほぼ一致しています。

他者評価に対して、自己評価が高いわけでも低いわけでもなく、一致しているんです。

我々も3ヶ月に1度ぐらいデータを取っているのですが、これが明確に出ます。

伊藤 360度評価は色んな観点からそれが得られるので、とても大事ですね。

天野 そういうものを1つの目安にして、今のその人の成長余力があるのか、マインドがちゃんと置けて、自分なりに変わっていける力があるかを判断できますよね。

360度評価で気をつけなければいけないこと

溝口 我々は360度評価をかなり重要視していますが、気をつけないといけないのは、組織のサイズが小さい分、ボラティリティ(変動率)が大きくなります。

また、我々の会社だと外国人が10%ぐらいいますが、外国人は全体の平均に対して1ぐらい高くつける傾向があるんです。

さらに、コンセプチュアルスキルが低い部署は他者評価を高くつけていたりして、そうすると非常に不平等な状態が起きます。

我々はこれを補正するアルゴリズムを作っているのですが、そこは結構真剣にやらなければいけないです。

360度評価がちゃんと機能し始めるのは最低100人を超えてからだと思っていますが、とはいえ我々の場合は50人ぐらいの頃からやっていました。

100人超えていきなり機能する仕組みは作れない一方で、50人ぐらいの時から修正を重ね、ようやく今、まともになってきた、という感覚です。

そこに投資する価値は非常にあると思っています。

伊藤 360度評価の補正ですが、僕等もすごく時間をかけて人力でやっています。

評価の点数が出てくるとマネージャーがみんな集まります。360度評価には10人ぐらいが参加しているのですが、誰かが少しでも異議がある場合、その1つ1つのデータを見ていって、「やっぱり彼は他の人と比べて非常に高い点数をつけてる、非常に低い点数をつけている」というのをピンポイントで探していくんです。

これには膨大な時間がかかりますが、それをやっていくことによって初めて補正ができていきます。

吉田 補正する活動自体がマネージャーを育成しますよね。

伊藤 そうなんです。

吉田 自分と観点が違う事がわかるので、やはりその集まりは大事ですよね。

伊藤 まさにそのとおりで、そのプロセスを通じで、「360度評価を直接担当してないけど、彼のことをよく見なきゃ」と感じたり、色んな人に声をかけるということをやっていく中で状態を把握するようになるので、すごく時間がかかりますよね。

天野 ありがとうございます。

実はあっという間に時間がきてしまっていますが、「育成」ということに関してこれだけの広さで話しができてよかったです。

(続)

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続きは 【終】社員育成のための権限移譲はどこまで任せるべきか? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/城山 ゆかり

【編集部コメント】

1on1ミーティング制度は私の内定先にもあります。マネジメントされる側の人間からすると、与えられるフィードバックをいかに自分の行動に反映させられるかが勝負だな…と身の引き締まる思いがしました(立花)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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