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「ベストモチベーションカンパニーの経営者が語る組織づくりの秘訣とは?」8回シリーズ(その5)は、さまざまな部門が存在するスーパーマーケットを経営する佐竹食品梅原さんのデータフル活用術です。是非ご覧ください。
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ICCカンファレンス KYOTO 2017のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 4E
エンゲージメントスコア ランキングトップ企業の組織づくりの秘訣とは?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)
(スピーカー)
石井 洋之
株式会社シーエー・モバイル
代表取締役社長
梅原 一嘉
佐竹食品株式会社/株式会社U&S
代表取締役社長
(モデレーター)
麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
取締役
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最初の記事
1.ベストモチベーションカンパニーの経営者が語る組織づくりの秘訣とは?
1つ前の記事
4.よりよい人間関係がよりよい成果を生み出す「成功の循環モデル」を創り出せ
本編
麻野 続いて梅原さんにお話頂ければと思います。
梅原さんはからは少し切り口を変えてたお話を聞きたいと思います。
もちろん先ほどの項目別の対策も佐竹食品さんではされていらっしゃるのですが、モチベーションクラウドの特徴としては、全社としてデータが出てくるだけではなく、部署別にもデータが出てくるというところです。
そこを活用されている事例として少しお話頂ければと思っております。
様々な切り口からデータをみてフル活用する
梅原 先ほどもお話にありました通り、弊社はスーパーマーケット事業を営んでおり、約38店舗あります。
そしてスーパーマーケットですから皆さんのご想像通り、八百屋、青果、精肉部、鮮魚部があり、また砂糖や醤油などの日付が長いものを扱うドライ部門や、パン、牛乳、卵などの日付が短いものを扱うデイリー部門など様々な部署があります。
そして最終的にはチェッカーであるレジ部門が存在します。お客様はレジ部門でお会計をしてお帰りになります。
先程少し質問させて頂いたように、全員専門分野が違う訳です。魚が切れるからと言って八百屋ができるとは限りません。
お肉を切るだけの技術を習得するのに長い年月が必要になってきます。
佐竹食品株式会社/株式会社U&S 代表取締役社長 梅原 一嘉氏
モチベーションクラウドを使うと部署ごとに結果が出てきますが、色々な切り口があります。
精肉部門全体としてのスコアはどうなのか、38店舗ある店ごとのスコアはどうなのかという切り口を色々使い分けながら、どういったところにどういったメスを入れていくのかということを行っています。
パート・アルバイトを含め1,800人程の従業員がいます。また年齢も10代から82歳までとバラバラです。
孫かひ孫かくらいの年齢差のこともあるので、文化が全く違えば、育ってきた環境も違うので考え方が全く違います。
しかしそれでも我々が目指すべきビジョンや理念はぶらすことなくやっていなければいけません。
そうなると、どういった考え方が違うのか、何が違うのかということを部署や人の年齢層であったり、色々な切り口で見ながら対応をとっていけるので、有意義に使わせてもらっています。
麻野 ありがとうございます。
店舗や部門等属性ごとに切りながら、データを有効に活用されているように思っています。
こちらは部署ごとのデータですが、Aというのは偏差値ランクがA、つまり一番エンゲージメントスコアが高い部署が何店舗あったかです。
そしてB、C、D、Eとなり2012年の時はCが一番多い分布で40部門がCランクでした。
また36部署がBランク、Aランクが23部署でした。
しかしなんと5年間でAランクの部署が130まで増えました。
部署の改善が相当進んだと思いますが、そのあたりについてどのような取り組みをされたかを聞いていきたいと思います。
部署ごとにこれだけのばらつきがあるとなると、全社の取り組みとしても部署ごとにやることが大事なのでしょうか。
部署ごとのエンゲージメントスコアが急激に改善したのはなぜ?
梅原 当時はちょうど偏差値が50でした。部署は店舗ごとの部門数なので、今は約300くらいあります。
精肉部門だけでも38箇所に、つまり38部署あります。そして鮮魚部門などもありますので、全部で300くらいあります。
その各部署ごとの数字がばっと出てくる訳です。
2012年の時のEランクは、6.3%で8部署あります。
これはどの店舗のどの部門なのか、明確に見ることができます。というわけでここの主任や部下が誰かは明確ですよね。
Eランクというのは社内の言葉で言えば、組織としては「完全に崩壊」しています。機能していない状態です。
働いている人が、ただ言われたことを、作業しているだけというような状態です。
麻野 気持ちが乗っていない状態ですね。
(左)株式会社リンクアンドモチベーション 取締役 麻野 耕司氏
梅原 まったく乗っていないです。OBライン(編集注:ゴルフのルールで越えるとペナルティが課せられる境界線)だけにはいかないように仕事をしています。怒られないよう怒られないようにやっているだけです。
この取り組みは今でも続けていることですが、そのような部門には役員クラスが入っていきます。
そして、先程 石井さんがおっしゃっていた面談と同じように、働いていている人1人ずつと面談していきます。
そこで全員に数字が悪かった理由を聞いていくと原因が見えてきます。
原因が見えると、飲み会を開いて解決するときもありますが、それによって解決できるのは僕の経験ではDランクくらいまでです。
Eランクの部署は難しいので、弊社の場合は解体します。
悪者を作ることになってしまいます。
「上司の麻野にはちょっとついていけないです」と残り5人が言っていると、その人を外せばいいのかと思うかもしれませんが、そのようなことをしても意味がありません。
そのため、弊社はその場合6人全員に違う店舗に行ってもらいます。
そして違う店舗に新たな6人を編成して新しいチームで頑張ってもらいます。
麻野 それはドラスティックですね。
梅原 意外に楽しいですよ。
(会場笑)
石井 組織でそれが習慣化されているのですね。
梅原 はい。「解体!」と言って。
石井 その時間軸はどれくらいなのでしょうか。サーベイをしてスコアが出て1ヶ月後に解体するとか。
梅原 もっと早いです。フィードバックに関しては、Eの部署が1つあると、誰が行くか役員の中で決めてその部署に行って、「解体してきた」と言って帰ってきます(笑)
麻野 「解体!」と言われる方はどんな雰囲気なのですか。
梅原 それが、言われた方は意外にハッピーなものです。
麻野 そうなのですね。ちょっとほっとする感じなのですか。
梅原 例えば6人で1人の主任をやっつけたり、1人の部下をやっつけたりすると、やはり胸にわだかまりが残ります。
そしてその人が辞めることになってしまったら変な責任などを感じてしまうことになります。
それは良くないですよね。全部解散することにすれば、後は困るのは通勤だけです。
それだけ考えてあげて、今日やって来週の月曜から新たなメンバーでやろうということにしています。
石井 次に連れてくるリーダーはAやBのリーダーですか。
梅原 そうですね、その辺りはやはり考えますね。
同じ店の同じ部門で2、3連発でスコアが低いと他に問題が転移していってしまう可能性があるので、次は失敗できません。
だからエース級など良い人たちを集めていくことに取り組みます。
石井 やはり精肉担当は精肉の部門の中で異動するのですか。それとも野菜のリーダーを精肉のリーダーにすることもできるのですか。
梅原 さすがにリーダーにはできないです。
しかしそこは、実はもう少し取り組んでいきたいところです。
先程も少し質問させて頂きましたが、そういった技術的なところは補えないにしても、商売的な感覚であったり、マネジメント力であったりは、部門にはあまり関係ないのではないかと思います。
次はそのフェーズに行きたいです。Aになればいけると思って頑張ってやってきました。
麻野 面白いですね。スコアが悪い部署を解体するというは非常にドラスティックですね。
(続)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝
【編集部コメント】
誰が残る、誰がいなくなる、といった話は禍根を残すというのは分かる気がします。大本の組織やチーム自体がなくなってしまえば、また1から気を新たに頑張れる、というのは「心理(真理?)」だなと思いました。(榎戸)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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