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7. 現代社会が求めるのは「JUMP」ではなく「SHIFT」のイノベーション

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「人のつながり とは何か?」全10回シリーズの(その7)は、現代の企業が求める“現実的なイノベーション”の形を議論します。岡島 悦子さんは「JUMP」と呼べるような大革新ではなく「SHIFT」が求められていると語ります。そのためのキーワードとなるのが、社会における多様性(ダイバーシティ)です。ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 7C
人のつながり とは何か?(90分拡大版)
Sponsored by リンクトイン・ジャパン

(スピーカー)

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

伊藤 羊一
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア 学長

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

(モデレーター)

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

「人のつながり とは何か?」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 今こそ議論したい!“人のつながり”とは何か?

1つ前の記事
6. “離れた者どうし”からバリューを引き出す「越境者」が求められている

本編

岡島 ここからは、皆さんと議論にどんどん入っていきたいと思います。

私は2008年に『人脈力』という本を書きました。

その中で「キャリアのタグ®」という概念を紹介しています。

ハッシュタグのようなもので、コピーライトもきちんと取得しています。

株式会社プロノバ 代表取締役社長 岡島 悦子さん

これからの時代、イノベーションを起こす、つまり誰かと新結合していくときは、境界者のような人に選んでもらうことが非常に重要になってきます。

そのためには「誰かに紹介したくなる人」になる必要があります。

越境者が紹介したくなるには、その人のタグ、強みが重要ですが、強みが1つだけだと十分ではありません。

強みの「掛け算」が必要で、例えば動画に強くて、そこからかけ離れている金融にも強くて、しかもヘルスケアにも強いといったような、比較的お互いが遠い関係にある掛け算のタグになっていると、これで一挙にレアキャラ化することができます。

リンクトインの話と関係してくると思いますが、タグが立っていると、「この人をちょっと仲間に入れてみようかな」とか「プロジェクトに呼んでみようかな」「相談してみようかな」といった話になるからです。

想起される人になるし、脳内検索に引っかかってくる人になります。

ウィーク・タイズ(Weak Ties:弱いつながり)と言っているのですが、これがあると想定外の機会に声をかけてもらえるようになります。

ICCにいらっしゃっている方々も、それぞれタグを3つくらいずつ書いて来てもらえるといいんですよね。

村上 確かに、頭に帽子をかぶって、そこに吹き出しでタグが付いていると分かりやすくて良いですよね。

オンラインでは、リンクトインに書いてもらいつつ。

岡島 皆がタグ付けしていると、弱いつながりが生まれやすくなるのではないかと思っています。

企業が求めるイノベーションは「JUMP」ではなく「SHIFT」

岡島 次のこのスライドは、濱口秀司さんの『SHIFT:イノベーションの作法』を元に作成した図です。

横軸が成長の連続性で、右に行けば行くほど非連続的な成長、つまり「革新」になります。

縦軸は調達するべき経営資源で、上に行けば行くほど、新しい経営資源が必要となります。

私たちも含めて、このICCに参加している全ての皆さんは、「TUNE」つまり自分のビジネスを改善したくてここに来ているわけではないですよね。

村上 右側ですよね。

岡島 はい。自分たちのアセットも使ってなんとか、「JUMP」しないまでも「SHIFT」したくて来ているはずです。

飛び地すぎるものではない、TUNEから染み出せるけど革新になり得る、そんな何かを探したいのではないでしょうか。

そのようなことを考えると、やはり強いつながりではおそらく何も起こらず、弱いつながりで、かつ皆さんのタグが立っている状況だと、その革新を起こすことが出来るのではないかと思っています。

正忠 なるほどね。面白いですね。

ダイバーシティは「属性」→「視点」→「個の中の多様性」へ

岡島 この話をすると、飛び地、異分野という話になっていくので、少しだけダイバーシティにも触れさせてください。

ダイバーシティは皆さんも「女性活躍推進をどうしようかな」とか、「年代をどう若返らせようかな」といった話が出てきていると思います。

私は、そうした「属性」の多様性の話は平成に置いてきてほしいと思っています。

今は「視点」の多様性の話になっています。

「こうした経験をした人が組織にいると、ダイバーシティがあるよね」という風潮になってきています。

それこそ、スタートアップへの出向経験があるかどうか、のような話ですね。

左から順に、村上さん、伊藤さん、岡島さん

村上 そうなんですよね。

岡島 そして今多くの会社で注力し始めているのは、「個の中の多様性」です。

先ほどの「タグを3つ」もそうなのですが、丸井の事例で言うと、「小売ができて、FinTechをやって、クリエイティブもやっている人たちをどうつくるか」ばかりに取り組んでいます。

そうやって会社の中でも越境させていく取り組みをやっています。

ダイバーシティを推進するリーダーに必要な「4つのTwo」

正忠 まさに今のお話に関係して、この間あった面白い話がありました。

日本でも非常に大きい製薬会社のCHRO、つまり人事のトップがインド人なのですが、彼女が言っていたのは、「リーダーに求めるのは、“Two, Two, Two, Two”だ」ということです。

「最低2つの国で経験していること」

「最低2つのサイクル、アップサイクルとダウンサイクルを経験していること」

「最低2つのカンパニー、全く異なる会社・領域を経験していること」

最後に、「全く異なる2つのファンクション、例えばセールス・マーケティングとコーポレートなどを経験していること」です。

こうした個の中の多様性を持っていると、ダイバーシティをさらに推進できるリーダーができあがると言っていました。

(続)

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続きは 8.「今の会社でしか通用しない人材」にならないためにすべき事 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/道下 千帆/戸田 秀成

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