「今の会社でしか通用しない人材」にならないためにすべき事 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

8.「今の会社でしか通用しない人材」にならないためにすべき事

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「人のつながり とは何か?」全10回シリーズの(その8)は、自分が活躍できる第二・第三の場所を求めるビジネスパーソンに読んでいただきたい議論です。社内異動、転職に対するの考え方、そして“プロフェッショナル・コミュニティ”LinkedInの活用法までもりだくさんの内容です。ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 7C
人のつながり とは何か?(90分拡大版)
Sponsored by リンクトイン・ジャパン

(スピーカー)

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

伊藤 羊一
ヤフー株式会社
コーポレートエバンジェリスト
Yahoo!アカデミア 学長

岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

(モデレーター)

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

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最初の記事
1. 今こそ議論したい!“人のつながり”とは何か?

1つ前の記事
7. 現代社会が求めるのは「JUMP」ではなく「SHIFT」のイノベーション

本編

村上 日本では特に、終身雇用が残っていますよね。

会社の中での暗黙知や独自のカルチャーを大事にしています。

一方で最近、20代、30代のエンジニアの方と話しをすると「今の会社の中でしか通用しない技術ばかり扱っているのが怖いです。転職した方がいいと思いますか?」みたいに聞かれることが多いです。

僕は「早いうちに一度転職しちゃえば」と言っていますが、こうした「そこでしか通用しない人材になっているのではないか」という恐怖が、20代や30代には非常に強く存在しているようです。

年を取ると動くのが怖くなってきますが、20代のうちに一度転職しておくと、周囲をがらっと変えて全然違う環境やカルチャーに適応するということを経験します。

その過程で色々なことに気づきことができますし、自分の中にも多様性が生まれます。

そういう人が組織に入ってくると、やはり強いですよね。

なんとなく暗黙知の中でなあなあでやってきているものが、いちいち説明しなくてはならなくなります。

それは面倒だなと思う方もいるかもしれませんが、そうやってお互いの意見をすりあわせることによって、何でも言えるような関係になっていくことが大事だと思います。

岡島 そうした異分野の経験がいくつもあるたちが集まってプロジェクトをつくっていくような世界観が、イノベーションを生んでいくことなのだと思います。

2010年「楽天の社内英語化」が同社にもたらしたもの

楽天株式会社 Co-Founder and Chief Well-being Officer 小林 正忠さん

村上 楽天は途中で社内公用語が英語に変わりましたよね。

これは究極的に社員の「視点」を変えさせるものだったのかなと思いますが、使う言語を変えるというのは、会社のイニシアティブとして非常に大きなことではないでしょうか。

正忠 これについて皆さんがどのくらいご存じか分からないのですが、意外とちゃんと出来ています。

村上 最初は色々な都市伝説を耳にしましたよね。

正忠 最初は「社内では『ここは重要な話なので日本語で』みたいな会話が交わされている」などと揶揄されていましたが、本当に普通に英語でやっています。

村上 そうですよね、クリムゾン(楽天本社)へお邪魔すると、色々な国の方がいらっしゃいますもんね。

正忠 4人に1人が外国人ですので、普通のミーティングもほとんど英語です。

岡島 昨日のセッションでも「オンボーディングの説明も英語でやっています」とおっしゃっていましたね。

正忠 はい、もちろん新人研修も全編英語です。

三木谷は当時、目の前の社員の90%は英語が出来ないと知っていました。

「でも10年後にこの会社はこのステージに行くんだから、今すぐやっておいた方がいいだろう」といきなり発表の運びになったのですが、みんなあっけにとられていました。

そもそも、言われている内容を理解することが出来ませんので……

村上 そのときの発表も英語で行われたんですね!

正忠 はい、その時点からすでに英語です。

でも分からないから、その瞬間の衝撃は非常に少なかったです(笑)。

私もTOEIC320点ほどだったので、完全に置いてけぼりになっていました。

本当に出来ないところからの戦いがあったわけです。それが2010年ですね。

伊藤 ということは10年近く経っているということですね。

今にして思うと、そこでシェイクされた感は強いですか?

正忠 あれをやっていなかったら、楽天はとっくのとうに終わっていたと思います。

村上 実際問題として、楽天はかなりの数の日本外からの採用を実現できていますよね。

特にIT人材、エンジニアやデータサイエンティストなどは、もはや日本には全く存在していないわけですから。

正忠 人口が少ないので仕方ない面もあるのですが、この国には理系が少ないですよね。

世界中からエンジニアを採用するには、圧倒的に早くから英語をやっておいた方がいいと思います。

村上 人材プールが10倍以上ありますから、当たり前ではありますよね。

正忠 英語がダメダメだった40歳過ぎの僕でも、2年もあれば英語は出来るようになりました。

伊藤 正忠さん自身の内面の変化は激しかったのでしょうか?

正忠 幸いにして海外に住むことで視座が物理的に変わったいうこともありますが、かなり変わりました。

だから先ほどの“Two, Two, Two, Two”の話を聞いたときに「それ僕だな」と思ったんです。

3つの国に行って全て違うことをやっていますので。

これを実践すると全く違う人たちと繋がることが出来るようになるので、本当に皆さんやった方がいいです。

英語が使えるようになった瞬間に、何十億人という人と自分の言葉でコミュニケーションができるようになりますから。

左から順に、石川さん、伊藤さん、岡島さん、正忠さん、村上さん

部署異動は、視座・視点を変えるチャンスになる

岡島 正忠さんのお話のヒントはそこにあると思っています。

皆さん「英語やらなきゃ」と思ったりはしますが、実際はやりませんよね。

強制的に、Day1から三木谷さんが英語でしゃべり始めて、「こうでないと偉くなれない。全て英語だ」と言われることが必要なんだと思います。

正忠 人はやはり弱いですからね。

岡島 それと、私は異動も同じかなと思うんです。

異動を強制的にさせるのは社員の権利を蔑ろにしているのでよくないと言われますが、私はむしろ、20代のうちに3部署くらいジョブローテーションしてくださいと言っています。

そうやって動かされることで初めて、そのタイミングで自分の中に多様性が生まれたなと、振り返って後から気づくことができるんです。

正忠 僕は個人的にこの事象を「メガネ」と言っているのですが、視座・視野・視点が違うというのは何かというと、メガネの掛け替えなんだという話をしています。

例えば日本人メガネを外して、アメリカに住んでアメリカ人メガネをつけてみたり、シンガポールに行ったらシンガポール人メガネかもしれないし、それがエグゼクティブのメガネかもしれないけれども、現場と話す時には新卒メガネでものを見てみたり、というようなことです。

石川さんが解説「人のつながりのサイエンス」

(写真左)株式会社Campus for H 共同創業者 石川 善樹さん

岡島 善樹さんに伺いたいのですが、「こんな個の多様性がある人の方が繋がりやすい」というような特徴ってあるのででしょうか。

石川 それはどうでしょうか。つながりやすさですか。うーん。

遺伝子レベルで友達を作りやすい人とそうでない人というのはあります。

Fowler JH et al:Correlated genotypes in friendship networks. PNAS, 108:1993-1997, 2011

村上 へー!そうなんですか。

石川 逆に、孤独になりやすい遺伝子もあるのですが……。

McGuire S & Clifford J:Genetic and environmental contributions to loneliness in children. Psychol Sci, 11:487-491, 2000

ちなみに友達を作りやすい遺伝子を持っている人の特徴は、お酒を飲むことが好きということです(笑)。

正忠 さみしがり屋はそれに当たりますかね?

石川 さみしがり屋はそうかもしれないですね。

後はどうでしょうか、自分と違う人と出会ったときに人とうまくやれるかは、パーソナリティというか、その人のタイプによって違ってきます。

例えば、好き嫌いで物事を判断する人と分析的に物事を判断する人がいた場合、おそらく、分析的に物事を判断する人の方が、まだ色々な人とやりやすいでしょうね。

村上臣さん直伝「“プロフェッショナル・コミュニティ”LinkedIn活用法」

リンクトイン・ジャパン株式会社 日本代表 村上 臣さん

岡島 ここで言っている弱いつながりとか、今日話に出ている「人のつながり」というのは、 決して仲良しを作ろうという趣旨ではないですよね。

一緒に仕事を進めるとか、新しいものを生み出すという趣旨ですので、おそらくジャニーズのメンバーのようなことではないでしょうか。

皆仲良しじゃなくてもよくて、プロフェッショナルとして繋がっていればそれでいい、という。

正忠 それ、まさにリンクトインじゃないですか!

▶編集注:村上さんによると、日本では「ビジネスSNS」と呼ばれることの多いリンクトインですが、米国では「プロフェッショナル・コミュニティ」と呼ばれるようになってきているそうです。

村上 岡島さん、良い仕事してくださってありがとうございます(笑)。

プロフィールを書いて人となりを示したり、持っているスキルを自分で書いたりするわけですが、リンクトインではさらに、それを他者に承認してもらうことが出来るわけです。

あなたはマネジメントスキルを持っていますね、と押すと、プラス1ポイントとなり、皆の意見で自分のプロフィールが強くなっていくという仕組みがあります。

さらに誰と繋がっているかも見えてきますので、僕はすごくそこに意味があるなと思っています。

先ほども岡島さんからありましたが、「タグがあること」と「想起されること」は別の話ですよね。

どうやって第一想起される人になれるのかは、キャリア形成の鍵になってくるだろうと思います。

掛け算というのは分かりやすくて、あの人はとても面白い、ユニークだよね、と言われるような存在は、タグの掛け算で考えることができます。

100人に1人のスキルや経験があったとして、それを3回掛けたら100万人に1人になり得ます。

欧米人のビジネススタイルに見る「人のつながり」

村上 それをどういう形で出していけば良いのかというのは、主語が大きいですが日本人はシャイな人が多いと言われています。

セルフブランディングのような話をすると、リンクトインでも欧米人はすごく主張してメッセージを出してきます。

正忠 彼らは本当にすごいですよね。ガンガンきますよね。

村上 全然出来なくても、少しでも出来そうな可能性がある限り「俺に任せろ、できる、自信がある」というんですよね。

そこでやらせてみると出来ないのですが、「いや、ちょっと今回はうまくいかなかったな」なんてことを平気で言い放ったりします。

それでも「次はうまくやれる」と自信満々なんです。

僕は外資系に勤めるのは、このリンクトインが初めてでした。

野村総研、ヤフー、ソフトバンクというドメスティックな企業を経て、自分で選んだとはいえ、言語も英語に変わって初めての「ボスが外国人」という状況です。

言っていることが全く通じない世界です。

この2年弱、アピールの仕方もよく分からない状況の中で試行錯誤しながらやってきまして、なんとか生き延びてはいます。

非常にフラットな組織ですので、上司とか部下とか関係なく、プロジェクトメンバーそれぞれに対して自分のやりたいことをきっちりと伝えなければなりません。

皆にも聞かれるんです。「ストラテジーは何だ?」「おまえのやりたいことは何だ?言え!」と。

「何が必要なんだ」「これが必要です」となると、日本の場合は○○準備室みたいなのができます。

新規事業準備室のようなものが発足して、とりあえず5人くらいメンバーが確保されて、予算も少しもらえて、そこから考え始められますよね。

リンクトインではそれが全くありません。

ヒト・モノ・カネの前に、ストラテジーとプランがないと何も起こらないのです。

それをようやく皆に説明して、「おお分かった。じゃあメンバーをアサインしよう」とか、「じゃあ予算ををつけよう」のような形です。

伊藤 前職では、そういうことをリクエストしたらヒト・モノ・カネをもらえるという立場にいましたよね。

村上 というよりか大きい部署にいて、そうした部署の良いところは余裕があるところなんですよね。

日々80%ほどの稼働率で定常運用している中で、皆から20%くらいを集めると何かが出来るんです。

予算繰りもそれぞれバッファを見ていますから、こっそり何かをやろうとしても、そのバッファからちょっともらってやってしまおう、というようなことができます。

そういうのがありきだったのですが、特にシリコンバレー系の企業は皆そうだと思いますが戦略が非常に大事で、何をやって何をやらないのか、ということをロジカルに明らかにしない限りは、事が起こせません。

正忠 社内でもタグ付けをして、つながるために周りにアピールしておく必要があるということですね。

皆さんに対して、岡島さんから、どうやって自分のタグを他人に伝えるのかというテクニックのようなものはないのでしょうか?

人のつながりは「マーケットイン」であるべき?

岡島 それはねぇ、『人脈力』という本に全部書いてあるんですよ。

まあそれは冗談として、一番大事なことはプロダクトアウトではなくマーケットインであることなんだと思います。

つまり、あなたのことを購買したくなるような要素が「タグ」としてあるのか、ということです。

私はこんなこと出来ます、というアピールではなく、仲間の輪に入れてもらうときに「あ、あいつ入れておかないとな」と言われるような要素があるかどうか。

私でいうと、例えば、“ベンチャー業界のゴッドマザー”などと呼ばれたりすることがありますが、自分でいうと非常に恥ずかしいのですが、ゴッドマザーのような方が他にいらっしゃらないので、割とユニークにレアキャラ化出来ています。

「ああ、ゴッドマザーの岡島さんね」というような感じで初対面の方ともお話が出来るので、そうした要素が流通していることが大事なのかなと思います。

だからどのように想起されたいのか、という視点で自分のタグを考えた方がいいかもしれません。

正忠 今日にでもすぐに実行できそうな例で言うと、このセッションが終わった後にランチ時間がありますよね。

聴衆の皆さんはどうやって、ご自分のタグを周りの人に伝えれば良いのでしょうか。

岡島 「AIやってます!」ではおそらくダメで、AIと何かの掛け算、のような形で伝えることが大事ですよね。

村上 そういうのを1秒で自己紹介するとどのような感じになるんでしょうか。

伊藤 1秒じゃ無理ですって(笑)。

(会場笑)

『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』(伊藤羊一/著)

(続)

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続きは 9.「この人と一緒にいたい」と思われる人になる をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/小林 弘美/道下 千帆/戸田 秀成

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