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ICC KYOTO 2025、交流と共創が生まれるスピーカーズ・ナイト

9月1日〜4日の4日間にわたって開催されたICC KYOTO 2025。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、前夜祭の3つのパーティーのうちの1つ、エースホテル京都で行われたスピーカーズ・ナイトの模様をお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。公式ページのアップデートをお待ちください。


ICCサミット、3つの前夜祭

ICCサミットの前夜祭は、カタパルトやセッションなど、メイン会場でのプログラムが始まる前夜の9月1日、京都の3会場で行われた。

1つは6つのカタパルトや、3つのアワードに登壇・出展する挑戦者たちが集まるフォーチュンガーデン京都での「チャレンジャーズ・ナイト」、もう1つはザ ソウドウ 東山 京都で参加者たちが集う「ネットワーキング・ナイト」、そして今回レポートするレッドパスを持つ登壇者たちのための「スピーカーズ・ナイト」だ。

ここから始まる3日間は、自分たちの登壇セッションやプレゼンがあり、名刺交換する時間も惜しいほど議論や学びの多い時間が続く。そこで、こういったパーティーやCo-Creation Night、美食体験などが純粋に交流できる場となる。

この3つのパーティーでは、毎回盛り上がるじゃんけん大会に加えて、その場にいる”知らない人”を見つける「Co-Creationゲーム」が投入され、さらなる交流の仕組みが設けられていた。

エースホテル京都の「スピーカーズ・ナイト」

「スピーカーズ・ナイト」の会場となったエースホテル京都は、新風館の中にあり烏丸御池駅直結、京都の中心部にある絶好のロケーション。隈研吾とLAが拠点のコミューンデザインとのコラボによる建築デザイン、室内はアートと音楽をテーマに和洋折衷のカルチャーで彩られたパワフルな存在感を放つホテルだが、不思議と古都の雰囲気にもなじんでいる。

ここは世界一のレストランといわれるnomaのポップアップが開催されたり、様々なワークショップ、イベントなどが行われており、新たな文化発信地ともなっている。先取の雰囲気があり、さまざまな業種・業態の人々が集い交流するICCサミットの参加者たちとも親和性の高い場で、今回初めてICCサミットの会場のひとつとなった。

「スピーカーズ・ナイト」は、文字通りセッションに登壇して話すスピーカーたちが多く、ちょっとした同窓会の雰囲気もある。早々に到着した彼ら・彼女らは、知った顔を見つけて早速挨拶をしている。恒例の”ICCポーズ”の写真撮影にも協力的で、スイスイと撮影が進んでいく。

「事業が前進するような出会いがある」

そこで、この場に集まった方々に「出会い、交流」をテーマに話を聞いた。ECOMMIT川野 輝之さんは、ソーシャルグッド・カタパルトの審査員のほかに、セッション「インパクト・スタートアップ 経営のリアルと挑戦(シーズン2)」の質問者として参加する。

「私は普段鹿児島にいるのですが、ICCサミットでは新しい学びを求めていろんな方にお会いして、事業のアドバイスなどたくさんいただけるので、そういったところがとても魅力的ですし、勉強になります。

あとは、スタートアップやソーシャルなど、カタパルトは全部そうなんですけど、単純に見ていてすごく感動するし、勉強になるだけじゃなくて、共感するんです。自分以外にもこれだけ戦っている方々がいらっしゃると、勇気をいただける場です」

写真左が川野さん

カタパルト・グランプリで優勝を飾っている川野さんのICCサミットでの印象的な出会いとは?

▶︎【速報】不要品の回収から選別・再流通まで一気通貫の循環インフラを構築する「PASSTO」(ECOMMIT)がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC FUKUOKA 2024)

「これからマーケティングを強化していきたいというときに、THE GROWTHの山代 真啓さんと出会って、事業の伴走をいただいています。それで劇的にいろいろなことが変わって、会社が新しいステージに向かえるようになりました。それが一番印象に残る出会いですね」

パーティーを彩るSAKEアワード受賞酒

今回ICCサミットのパーティー会場としては初のエースホテル、フードもとても魅力的だ。半年ぶりの再会となるスピーカーズを迎えるように、美味しいフードとお酒がずらりと並んでいる。

乾杯の挨拶はICC代表の小林 雅から。初日ということで、マイクを握りICCスタンダードを問うてみると……知っている!と手を上げてくださる人は多いものの、完璧に言える人はまだ少ない。一言一句覚えていただきたいICCとしては、まだまだ浸透不足を実感し、改めてスタンダードを読み上げた。

「一生懸命やりきる。挑む人の応援者たれ。全員対等、全員真剣。」、ICCサミットの3日間でも随所で繰り返された

運営チームのフード & ドリンク アワードスタッフ代表として藤田 志穂さんが、ICCドリンクブースからは、山本 舜也さんが、それぞれ今回の魅力的なメニューや、会場やブースに足を運んでほしいとPR。

またパーティーでは、第3回SAKE AWARDで入賞したお酒「Yii」や「HOLON」、ローカル・コネクテッドで優勝した五島列島の「GOTOGIN」(それにまつわるエピソードはこちらの記事で)を提供いただき、造り手たちや、代弁者である中村 直史さんがお酒を紹介。登壇者たちが集まるスピーカーズ・ナイトを盛り上げた。

入口ではKINS PRIMEのサンプルも配布された

競った仲間と語り合い、プログラムを楽しみ尽くす

前回、ソーシャルグッド・カタパルトで5位、フード & ドリンクアワードで感動的な優勝を飾ったジーバー永野 健太さんは、今回はそれぞれの審査員を務める。今回は交流や学びを最大限にしたいと意気込んでいる。

「今日一番多分話した時間が長いのは、前回アワードで一緒に出た、沖縄でカカオを作っておられるローカルランドスケープの川合 径さん。ここで初めて喋りました(笑)。前回話せなかったから話したかったんだよねと、お互いすごく話が盛り上がりました。

前回は1、2日目にアワード、3日目にカタパルトのどっちも出たので、色々なセッションがあっても1つも参加できなかったんです! 今回はプログラムをしっかり眺めて見たいものをカレンダーに入れました。それもICCの醍醐味だとだと思うので、今回はそこを体験させてもらえるのがめっちゃ楽しみです」

ここで今回投入された新企画、Co-Creationゲームがスタート。最初のミッションは「知らない人3人とグループになる」こと。スピーカーズ・ナイトはICCサミット歴の長い人も多いが、このゲームはむしろ新規参加者にとって有利なゲーム。”知らない人”を探して、一挙に会場は賑やかになった。

司会を務めた佐伯 亜紗美さんと宮﨑 能理子さん
Co-Creationゲームの勝者たち

一緒に旅する仲間との出会い

前回のSAKEアワードで2位のhaccoba佐藤 太亮さんは、今回は審査員としてだけでなく、セッション「「ローカル・コネクテッド」(シーズン3) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!」の福島代表プレゼンターとして挑む。

「ICCは、酒産業にもコミットいただいているので、普通に考えてめっちゃありがたいなと思っています。SAKEアワードは今回もすごいですよね。本当にジャイアントの人たちがちゃんと腰を上げてくださったことに心からの感謝です。僕らもアワードが始まったころから、ずっと出てくださいよって言い続けていたんです。

今回ローカル・コネクテッドに出ますが、僕ら福島チームとしては、どう考えてもこれは優勝しかないと思っています。以前はプレゼン時間に幅があったんですが、今回は時間厳守となり、慌ててもう1回準備し直しました。

僕らが福島で始めたのが4、5 年前ぐらいなんですが、ここ 1、2 年で一気にコンテンツとかいろいろなものが爆発した感じがしていて、なにか臨海点を超えた感じがあるんです。

地元で暮らしているのに、(OWBの)和田(智行)さんとか僕らとかが把握できないレベルでいろんなものが生まれてきてるみたいな感じで、ちょっと広域で見るともう本当に分からないぐらいのダイナミズムがある」

3年前にICCで訪れたことがあったが、そのころとはどのくらい違うのか。

▶︎「小高パイオニアヴィレッジ」「haccoba -Craft Sake Brewery-」を訪ねる福島・小高ツアーへ出発!(2023年訪問時のレポート) 

「だいぶ違います! ツアーに来てもらってどうご案内するかを考えたときに収まらないほどで、超難しい。(注:ローカル・コネクテッドのプレゼンでは現地ツアーを軸に訪問すべき理由をプレゼンする)

これで勝てなかったら僕らのプレゼン力不足だよねと、和田さんと話していて、そのぐらいコンテンツがあるので、本当に勝つしかない。そういう地域になっているかなと思います」

ICCでの出会いについて聞いた。 

「1人挙げてといわれると難しい。めっちゃいるので難しいなあ……。昨日と今日、伊良コーラの小林(隆英)君と、旅してたんですよ。岡山行って倉敷の辺りや、僕がすごく好きな酒蔵が鳥取にあって、一緒に行きました。

コーラ小林さんと佐藤さんでポーズ

ドリンクという意味では一緒ですけど、ちょっと違うジャンルなのがいいんです。コラボレーションとか、色々仕事上の絡みもあるんすけど、どっちかというとものづくりのフェーズだったり、価値観の共有みたいなものとか、違うジャンルだけど、なんかこう通じ合う言語があって。

お互いビビっときた場所、倉敷は小林君に紹介しますと一緒に行って、鳥取は僕が紹介されて一緒に行ってみたいな感じになって、気づきや情報がたくさんあって、ずっと車の中で色々話していました。

ICCでの出会いで、ナチュラルに旅に行くことになったんです。小林君は、事業的にも年齢的にも先輩なんですけど、日常でもたまに、なんかこういう風にしようと思ってるんだけど、どう思いますか?みたいなのを軽めに電話して相談したりすることがあったりするんです」

そう話しているところへ、コーラ小林さんがやってきた。

「小林君は本当に疲れているね(笑)」

「昨日の夜は倉敷にいて、倉敷に泊まって、今日は朝の5時に起きて、岡山のワイナリーに行ってブドウを摘んで、鳥取に行って。でも(佐藤さんが)運転してくれたから助かった」

佐藤さんも小林さんも口を揃えて、「めちゃめちゃハードだったけど、心地よい疲れもあって、すごくいい旅でした」と笑った。それぞれが注目される経営者であるが、どこか青春な雰囲気も漂うふたりであった。

ICCでの応援が、ビジネスで本当の形になっていく

1年前のスタートアップ・カタパルトで優勝し、Co-Creationゲームで勝ち残った強運の持ち主、レコテックの大村 拓輝さんは、ICCでもお馴染みの方々に挟まれて写真に収まっている。大村さんのICCでの出会いとは?

▶︎廃プラを皮切りに、ごみが資源に変わるマーケットプレイスの創出を目指す「レコテック」(ICC KYOTO 2024)

写真左から、EVeM長村 禎庸さん、大村さん、リブコンサルティング権田  和士さん

「いっぱいいます。直近だと投資家の方々。ICCで出会って、そのあとスタートアップ界隈のイベントでもお会いして。

投資家さんもファンドレイズしたらすぐ出したいよっておっしゃっていただいたり、投資関係も何もないのにICCの出会いで、応援してるよとどんどんいろんな人と繋いでくれて、大村さんこの人と会ったほうがいいよと、紹介してくださる。

いいんですか? そんなにしてくれて、みたいなことがICCだと当たり前に起きるんです。

そうして紹介されてやっていることを話すと、すごく応援してくれる。まさに挑戦者を応援する、めちゃくちゃみんなに応援されてるなって感じますし、本当にリアルにビジネス上で、その応援が形になっていくというのを感じています」

大村さんは、ナイキに在籍していた時に痛感した課題を解決すべく起業した。大企業にいたころから、今の姿を想像できただろうか?

「全然していないです! 出世はするかもしれないけど、未来はつまらないなと思って腐っていた。あのころは、できないことしかないと思ってました。いや、できることもいっぱいあるんですけど、できないことが明確にいっぱいあった。

それが分かったから出たし、出た方が超楽しい。

大変なこともいっぱいあるし、感情の起伏もすごいありますけど、超楽しいです! 100倍楽しい、起業は楽しい!

今、実はシリーズAへの調達をしていて、断られ続けています。なぜならトップラインがまだまだで、確実に成長するためのピースを抑えているけど、芽は出ているけど、まだ評価が難しいと言われています。

UntroDの)永田(暁彦)さんともいろいろ話していますが、まっすぐ応援してくれるんですよ。本当にそこまで言ってくれる?ってこともあります。ICCファミリーだからこそ、そのラウンドで合わなかろうがすごく親身に寄り添ってくれるし、投資領域が違えば話も聞いてくれないものだけど、聞くよ、ってめっちゃ言ってくださるんですよ。

本当に支えられてるなと思いますし、今ちょうどリードも決まって、出口もなんとか見えてきて、ようやく光が見えたみたいなタイミングです。

辛いことはいっぱいありますけど、 ICCの太鼓判を押してもらったおかげです。リードが決まったのは ICCでのプレゼンを見て、すごくよかったということで問い合わせくださった人なんです。明日会う予定です。

毎日投資の面談をしますけど、事業の難易度が高く、一体できるの?って言われ続けるんですよ。そんなのわからないけれど、やるしかないっていうスタンスです。ICC出てましたね、プレゼン見ました、何回もプレゼンを見ました。応援していますという前提があれば、めちゃくちゃやりやすいんです」

それこそがカタパルトが目指すところであり、素晴らしい事業や経営者を世の中に伝え、出会いや共創の機会を増やすICCサミットの試みである。

「優勝のおかげで、いままで見向きもしてくれなかった人が見てくれるようになったし、いい意味でプレッシャーでもあるけど、世間の見え方が変わりました。本当にありがたいです」

それから大村さんは、いつかグランプリで優勝する夢を語った。「実績を作っているところだから、まだ呼ばないでほしい」と言いながら、満を持して今回カタパルト・グランプリに登壇する(そしてその後優勝した)リージョナル・フィッシュの梅川さんを羨ましがった。

そこへ1年前にグランプリに登壇し、素晴らしいプレゼンで5位に入賞したエスマット林 英俊さんがやってきた。このときの優勝はヘラルボニーの松田 崇弥さん。「もういっぺん出ても勝てないと思います」と自虐的に笑うほど、入賞者は錚々たる顔ぶれだった。

「日本の製造業を”重さ”で変えるというプレゼンで、グランプリを絶対勝ちにいきますと登壇前に話しましたね。それでも人の人生を変えるというストーリーには勝てないなあ。ヘラルボニーがいるなら絶対出ちゃダメ(笑)」

▶︎IoT重量計でリアルタイムに在庫管理、日本式の製造DXを推進する「エスマット」(ICC KYOTO 2024)

事業に自信を持ちながらも先輩ならではのアドバイス!?に、こちら側にリサーチが始まった。「どうしたらICCに呼ばれ続けるんですか?」と知りたがるふたりに、社会に価値を創出し続け、事業を成長させるのが大切ではと言うと、大村さんは真面目な顔でこう言った。

「僕はまだまだ実績を作り続けなきゃいけないね。世界を変えないといけない、本当に!」

じゃんけん大会も全員真剣

宴もたけなわ、恒例の大じゃんけん大会が始まった。大人が大真面目に全員真剣参加である。

みんな力いっぱいじゃんけんに参加

勝者が絞られていくと、戦場はステージ前方に移り、おてつたびの永岡 里菜さんが勝者に決定。今回から導入されたアワード会場やドリンクブースで活用できるファストレーンパスと、今回の記念グッズであるヘラルボニーのサブバッグとクリアボトルが進呈された。

永岡さんは記念品以外にスピーチの機会も獲得。これは各会場でも行われていた。

二次会「PIOPIKO」

二次会は、エースホテル内にあるメキシカンレストラン、PIOPIKOで。ここではチャレンジャーズ・ナイト、ネットワーキング・ナイトといった別会場のパーティーに参加していた人たちも合流した。スピーカーズ・ナイト会場からは同じフロアでの移動、バー仕様となったムーディーな会場にたくさんの参加者たちが吸い込まれていった。

PIOPIKOはバーカウンターのほかにもDJブースやゆったり座れるソファ、スタンディングのテーブルやVIPルームなど、非日常的な空間があり、参加者たちは思い思いの場所に散らばり、交流を楽しんでいた。

初参加での忘れられない思い出

最後に紹介したいのは、先の会場で聞いた錦城護謨の太田 泰造さんの話だ。初参加でクラフテッド・カタパルトの優勝を飾り、その後カタパルト・グランプリでも優勝している。ICCサミットの参加も9回目を数えるが、今回楽しみにしていることを3つ聞いた。

▶︎見た目はガラス! 機能性と美しさを備えたシリコーンゴムで唯一無二のものづくりに挑む「錦城護謨」(ICC KYOTO 2021 )

「1番は一期一会の出会いじゃないですか?  その回の、その時の本当にたくさんの人の情熱やパワーを感じられる。そのパワーを感じて、僕自身もどんどんアップデートできる。このエネルギーをもらえるところがまず1番です。

2番目は、僕自身もクラフテッド・カタパルトとカタパルト・グランプリ、自分自身も本当の本気になって、真剣に向き合ってやりきりました。やり尽くしたっていうぐらいやれて、それをその後に出てくる子たちが同じような思いを持ってやってる姿を見ることが僕はすごく大好きなんです。

定点観測じゃないけど、あの時の自分に重ねながらそうやって新しいチャレンジャーたち、世の中を変えていくであろうチャレンジャーたちを見てるっていうのもすごく僕は楽しみにしています」

賑やかに記念撮影する太田さん(写真左)

「3番目は美食体験ですね。なかなか普段自分が行かないようなところで、スペシャルなディナーを食べながらいろんな交流ができる素晴らしい企画で、僕はすごく大切に思っていて、毎回申し込みさせていただいてます」

それには、太田さんが初めてICCサミットに参加したときの忘れられない体験があるからだと言う。

「よく覚えているんですけど、初めてICCに参加して右も左も分からなかったとき、美食に行ったんです。お鮨屋さんで、カウンターのたまたま隣の方にめっちゃ楽しく喋っていただいて、あとで名刺交換したらビズリーチの多田 洋祐社長だったんです。

かしこまって偉そうなわけでもなく、でも普段からなかなかそうやって喋れないようなすごい方が、本当にフラットにフランクに接していただけるというのがすごく印象に残りました。このICCの来ていらっしゃる方の層、参加されてる方々が本当スペシャルだなとその時、すごく思ったんです。

クラフテッド・カタパルトを前に、緊張しているところをすごく助けていただいたし、そこで素晴らしい時間を過ごしたことが、今もICCに来続けている原点です。

たまたま鮨屋のカウンターで隣に座ったという本当に一期一会の偶然だけど、それがICCの本質を表していると思うんです」

 *    *   *   *   *

素晴らしい起業家が集い、数多の可能性があるなかで、出会い、言葉を交わす。それは日常の1コマにすぎないが、親身なアドバイスであれ、たとえ何気ない一言であっても、それに向き合い、二度とないメッセージを受け取り活かすことができれば、起業家の行動や運命は大きく変わっていく。

おそらく太田さんが今は逆の立場となって、美食の席で緊張する初参加者を和ませているであろうように、役割を交代しながら、限られた時間で「ともに学び、ともに産業を創る。」ことにベストを尽くすのが、ICCサミットの4日間で参加者に求められることである。

挑戦者が挑戦者を応援することで、さまざまな種がたくさん撒かれ、数多くの出会いを生み、芽吹いていることをこの夜、たくさん聞いた。それが枯れないように、お互い支え合って競い合って、大きな森となることを目指して、いよいよICCサミットのコミュニティが充実していることを感じた前夜祭であった。

(終)

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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