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【CRAFTEDカタパルト登壇決定】コーヒーと人をつなぎ、日本各地のロースターのスペシャルティコーヒーを紹介する「KURASU」を訪問しました

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2021年4月某日、ICCサミット KYOTO 2021の下見として京都を訪れた際に、「美味しくて、ちょっと面白いコーヒーショップがある」と聞いて、ICCチーム一行は「KURASU 京都 Ebisugawa店」を訪問しました。並みいるサードウェーブ系のコーヒーでも「KURASU」は何がユニークなのか? 代表の大槻 洋三さんにお話をうかがいました。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


私たちが「KURASU」を知ったのは、そこでインターンをしているというICCの運営スタッフ浜田 凛さんの紹介から。前回ソーシャルグッド・カタパルトで優勝したヘラルボニー、CRAFTEDカタパルトに登壇した山西牧場も、じつは感度の高い運営スタッフからの紹介だったりします。

京都のコーヒーショップ Kurasu Kyoto

京都でも家具屋の多い夷川通にある「KURASU 京都 Ebisugawa店」。家具屋が続く通りを少し抜けた静かなところに、お店はありました。閑静な通りながら、人がそこだけ集まっています。

外に出ていた看板をパチリ。店のコンセプトを、外の看板にも出しているところは珍しいですね。

Kurasuの名前は日本語の「暮らす」からきています。
歴史ある京都の街から高い品質の焙煎されたコーヒーだけではなく、器具やコンテンツを通し、世界へ日本のスペシャルティコーヒー文化を発信し続けています。そして美味しいコーヒーは誰でもどこでも淹れることができると私たちは信じています。コーヒーとKurasu生活を。

とあります。店に入るとすぐに低めのオープンカウンターがあり、ここでコーヒーをオーダーするようです。

カウンターの対面には、雑貨店のようにコーヒー器具がずらり。コーヒーショップというと、コーヒー豆が並んでいるところが多いですが、ここはやや道具の存在感が強め。ここまで道具が並んでいるコーヒーショップは見たことがありません。

ウェブサイトでは道具を丁寧に紹介。コーヒー好きは、かなり物欲を刺激されるはず

店に入ると、早く到着したICC小林がKURASU代表の大槻さんと、すっかり話し込んでいました。

日本のコーヒー文化を伝える存在になろうと起業

大槻さんは、ゴールドマン・サックスを退職後に、同社に勤める奥様の転勤に伴い、オーストラリアのシドニーに移住。現地で日本の職人が作った家庭用品が愛されていることを知り、2013年に現地でKURASUを立ち上げました。

当初は扱いがほんの一部だったという日本製のコーヒー器具が、そのうち売上の6割を占めるようになったことや、両親がジャズ喫茶を経営していたことから、大槻さんは日本のコーヒー文化を伝える存在になろうと決心します(詳しいストーリーはウェブサイトへ)。

KURASU代表の大槻 洋三さん

その日本のコーヒー文化とは、他に類を見ないくらいに一杯を淹れる作業に手間暇技術を惜しまないというもの。大槻さんは「世界を席巻しているサードウェーブを見てみると、日本のコーヒー文化から発展したもの」と言います。

現在KURASUは京都に3店舗、シンガポールとタイにそれぞれ1店舗を展開しています。

大槻さん「店ごとにコンセプトが違うのですが、この夷川店のコンセプトが、”おうちコーヒー”。提供しているものはすべて、家で作れるのがコンセプトです。

美味しいラテを作るために、ちゃんとした器具を買おうとすると、エスプレッソマシンが数百万円したりして、気軽に買えないですよね。この店のラテは手で、エアロプレスで作っています。もちろん高いクオリティのラテができます。それをみなさんに発見していただいています」

サーバーとエアロプレスで合わせて8,500円の「ラテセット」

写真の左に写っているのがそのエアロプレスで、プラスチック製の税込み5,500円と、マシンとはいえないような手軽なもの。注射器のような要領で、粉を入れてお湯を注いで、ギューッとプレスするだけです。果たしてお味は……。

フレンドリーに接客してくれるバリスタのHitomiさん

素敵なカップになみなみたっぷり

美味い!

香り高くて超本格的! コーヒー豆の美味しさもあるかもしれませんが、あんな簡単な器具から出てきたものとは思えない美味しさです。それをバリスタが目の前で、いとも簡単そうに作るのを見ると自分でもできそうな気がします。東京に戻ってきてもその美味しさを思い出せるほど。コーヒー好きには、ぜひお試しいただきたい一杯です。

スペシャルティコーヒーのシーンを底上げしたい

店内にはmuiのサイネージ。徒歩5分ほどの距離にオフィスがあるご近所さんだそう

【動画版】上質な”IoT”体験を創るインターフェイスデバイス「mui」(ICC KYOTO 2017)

KURASUが目指すものは、日本ではまだマーケットシェア10%のスペシャルティコーヒー(※)を盛り上げていくことだと大槻さんは言います。

▶編集注:トレーサブルでサステナブル、高品質な豆の管理が行われ、かつ素晴らしい美味しさをもつコーヒー。スペシャルティコーヒーの定義(日本スペシャルティコーヒー協会)

大槻さん「海外での経験から、日本のスペシャルティコーヒーをもっと盛り上げられるはずだと、ずっと考えていました。

KURASUのコーヒー事業としては、日本全国のロースターさんの豆を紹介して、日本のスペシャルティコーヒーのシーンを底上げしたいと思っています」

その一環として2021年の3月末に始まったのがアプリ事業。このコロナ禍で大阪の実家へ戻り、コーヒーの魅力に目覚めたエンジニアの太田 優成さんが、自分のスキルと好きを合わせたものを考えていたところ、大槻さんと出会って開発したサービスです。新事業としてKURASUが出資する形で株式会社KOHIIを立ち上げ、太田さんは現在KOHIIのCTOとなっています。

京都からコーヒーと人をつなぐ、コーヒーコミュニティアプリ『KOHII(コーヒー)』2021年3月31日(水)にiOS版正式リリース(PRTIMES)

現在はiPhoneのみのアプリですが、日本各地の焙煎所と提携したコーヒーサブスクリプションで、新たなスペシャルティコーヒーとの出会いを提供したり、コーヒー愛にあふれたコンテンツを日々紹介しています。ゆくゆくはAIをを使った日本全国のロースターのコーヒー豆や器具のパーソナルレコメンドサービスも予定しているそうです。

なおコンテンツの一部は、ウェブサイトの「KURASU JOURNAL」でも見ることができます。ドリップパックでの美味しい淹れ方や、新商品ドリッパーの使用感を紹介したり、美味しく飲めるレシピの数々など、おしげもなくコーヒーを楽しむティップスが紹介されていて、コーヒー好きにはたまらない内容になっています。

ウェブサイトの販売サイトでは、コーヒー好きのレビューが集まり、すでにコミュニティ化が進んでいるように見受けますが、ここからどのようなものが生まれていくのか、スペシャルティコーヒーが今後どのように広まっていくのか、KURASUの挑戦は続きます。

現在は休止中ですが、店内ではカッピング体験なども行っています

大槻さんは9月7日、KOHIIのプレゼンテーションとしてCRAFTEDカタパルトに登壇する予定です。それに加えて、KURASU焙煎所のロースター見学ツアーや、カッピング体験も企画することになりました。

ICCサミットのメイン会場では、様々なコーヒーの味わいの違いや、なぜスペシャルティコーヒーが「スペシャル」なものなのか体感していただく予定です。

一足早くKURASUのコーヒーを体験したい方は、ICCサミット KYOTO 2021にお越しになる際に、京都駅から徒歩5分のKURASU京都Standへ足を運んでみてくださいね。大槻さん、突然のアポにも関わらずどうもありがとうございました。以上、現場から浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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