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2月14日~17日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2022。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、2月14日に開催されたウェルカム・ディナー「Restaurant Sola」の模様をお伝えします。登壇者対象の限定人数で、ミシュラン・スターを獲得したシェフの料理を味わいながら、議論を交わした分散型前夜祭の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
福岡・博多港のベイサイドプレイス博多にある、「Restaurant Sola」。フランスのパリでレストラン「Sola paris」をオープンしてからわずか1年でミシュランの星を獲得したオーナーシェフ・吉武広樹さんが、創造性にあふれたフランス料理を提供する店で、ICC FUKUOKA 2021の美食体験でも大好評を博した店だ。
翌日からメインプログラムが始まる2月14日、登壇者たちを対象としたウェルカム・カクテル&ディナーが、ここで行われた。広々とした店を貸し切り、感染症対策に留意しながら着席型のディナーを行うというのが、ここ2年のICCサミットで定着してきた交流スタイルだ。
準備が進むウェルカムディナー会場。天井まで若葉で飾られている
以前はさまざまな人と交流することを目的に生演奏の音楽なども用意して、移動が容易な立食のパーティーの場を作ってきたが、昨今の状況からそれは難しくなった。その代わりに、ICCサミットの参加者に相応しい店を選んで貸し切るスタイルとなったが、むしろ落ち着いて話せる、深い交流ができると好評を得ている。
この日は42名が来場し、素晴らしい料理とペアリングの飲み物を楽しんだ。昼間はおそらくさまざまな場所で仕事をしていた経営者たちが、続々と集まってくる。福岡市の条例で飲食は20時までに切り上げないといけないため、ディナーは18時15分にスタートとなっており、それより早く着いた方々は、テラスやバーカウンターでカクテルを楽しんだ。
暖かな晴天だったこの日。参加者たちは日没までテラスで話し込み、やがて「寒い寒い」と、店内へ入っていった。
お馴染みのセッションスピーカーに加えて、新旧カタパルト登壇者たちの姿も見える。以前はもっと長い時間交流ができたが、カタパルト本番に備えて、途中退席する登壇者たちも多かった。20時終了ならば、最後まで参加することができる。
この日、この会場以外にも、同時に2会場でウェルカム・カクテル & ディナー、4つのレストランで美食体験プログラムが開催されていた。本来ならばICC代表の小林 雅がご挨拶しなければいけないところ、メイン会場で翌日のカタパルトのリハーサルを行っていたこともあって、運営スタッフの萩森 修平さんが、ディナー開始のご挨拶をさせていだいた。
一つひとつ工夫をこらした料理と、それに合うペアリングのドリンクが運ばれてくる。皿が行き渡ったら、お料理の説明が行われ、舌の肥えたICC登壇者の質問にも淀むことなく答えている。
議論に夢中なテーブルがあり……、
一口噛み締めては唸り、厨房を熱く見つめるカウンター席の人たちがいる。少し話を聞いてみよう。
結わえる荻野 芳隆さん「とにかくこの、白糠のエゾシカが絶品です…! 実は来週、ハンティングでこれを獲りに行くんですが、まさかそれがここで食べられるとは。最高に美味い。プロの料理人が扱うと全く違いますね」
COEDO朝霧 重治さん「一皿一皿いちいちうるさいくらい話しています。本当にびっくりしています」
荻野さん「ペアリングの、ナチュラルワインとクラシックなワインのバランスもいいですね」
朝霧さん「ICCがSolaというチョイスに痺れています。パリで吉武さんがやってらっしゃるレストランに行きたいとずっと思っていて、今日は行けていないふたり(荻野)がたまたま隣に座ったんです」
荻野さん「僕は閉店したパリの店の前まで行きました。今日は念願が叶いました!」
朝霧さん「パリのお店でCOEDOの瑠璃-Ruri-を使っていただいていたのですが、なかなかお会いできるタイミングがなくうかがえていなくて、いつか行きたいなとずっと思っていたんです。
まさかこうして出会えるとは……これが、僕が痺れた理由です。このエゾシカも、人生最高のシカです。今日はこうして特等席を取っちゃいました。感動体験です。
一流を目指す人達の真剣な現場の緊張感をこの席でいただいて、学んでいます。本当にICCに感謝です。今日はICCですけれども、次は家族で、福岡に戻ってくる理由ができました」
今回ソーシャルグッド・カタパルトに登壇する豆乳パティシエの鵜野 友紀子さんと、クラフテッド・カタパルト登壇の平川食品工業平川 大計さん
翌日のスタートアップ・カタパルト登壇を控えたDROBE山敷 守さん
クラフテッド・カタパルト登壇の先輩・後輩、横山工業(BIRDY.)の横山 哲也さんと、金楠水産の樟 陽介さんは、真剣な表情で議論している。面白そうに議論を聞いていたTHE KYOTOの各務 亮さんによると「タコ焼きをどうアップデートするか、新しいタコパ(タコ焼きパーティー)の提案について話し合っています」。
横山さん「家で友人を呼んで『すし哲』というのをやっているんですよ。魚屋さんで握り用に切ってもらって、シャリを仕込んで握るだけなんですけど、タコの握りって、薄さだと思う。刺身で薄切りで食べたときに、タコってあんなに面白いんだと思ったんです。薄切りタコ焼きってどう?」
樟さん「うちのタコを使ってくれている三宮の店が、まさに生、ミルフィーユのように薄くして超低温で使っていて、食べた時にこんなに旨味って解放されるのかと、自分でもびっくりするくらいでした。
タコミルフィーユ用のカッターを作るの、どうですかね!?」
横山さん「それ、気持ちが強すぎ(笑)。もっとマスに広げていかないと。自分の人生を賭けてやるのがライフワークで、ごはんを食べるための仕事がライスワーク。ライスワークはタコ焼きゾーンだと思うんですよ。魂をちょっと捨ててでもタコ焼きを……」
樟さん「ロマンとそろばんみたいな。いま横山さんとはちょっとした師弟関係なんです。(ICC小林)まささんに横山さんのプレゼンを見たほうがいいと言われて、150回見て前回のプレゼンができました」
▶磨きで味が変わる大発見! ミクロの研磨技術を活かし、世界のバーが選ぶカクテルシェーカーを創る「横山興業」(ICC FUKUOKA 2021)
▶100年にわたり磨き続ける匠の技術で、極上の明石だこを提供する「金楠水産」(ICC KYOTO 2021 )
写真だと真面目に見えるが、ユーモラスな師弟の掛け合いに周囲の席は大盛り上がり。今回のアワード会場でも近くのブースで、すっかり意気投合している模様だ。
翌日の会場リハーサルを終えた後、挨拶にやってきたICC代表小林 雅
カメラを向けると、言わずもがなでマスクを外し、”ICCポーズ”のガッツポーズをしてくれる皆さん。すでにエクストリーム・カンファレンスに入る準備は万端だ。
今回はRestaurant Solaの計らいで、こちらがお願いしていないにも関わらず、お店のエントランス床の投影や、最後のデザートにもロゴが入っており、運営スタッフ一同も感動した。美食体験の最初から最後まで、サービスというよりも、心を1つにこの場を作っていただけたのではないかと思っている。
次の会場で挨拶をするために店を後にした小林の代わりに、最後はICCおなじみのスピーカーの方々にご挨拶いただき、閉会となった。
ヤッホーブルーイング井手さん「小林さんに成り代わって言いたいと思います。『リスクをとってこそ、チャンスを掴む』その精神で行きたいと思います。ここからいい話は、きっと永田さんがしてくださいます(笑)!」
ユーグレナ/ リアルテックファンド永田さん「ICCは『御恩と奉公』のような関係性だなと、こんなにリソースを使って、成り立たせるイベントはなかなかないと思います。本当は皆さん、1セッション数10万もらってもおかしくない方々なんですが、自腹で来てただで登壇するという謎の構造で成立しているイベントですよね(笑)」
事前準備をするのは、カタパルト登壇者たちだけではない。セッション登壇が決定したら、資料を集めて投影用のスライドを作成したり、場合によっては参考書籍を読んだり、登壇者同士で議論の内容についてコミュニケーションを取ったりしている登壇者たち。心当たりがありすぎるのか、どっと笑いが上がった。
永田さん「でもそれができていること自体が、Co-Creationの本質なんだろうなと思います。
ICCに、ギブギブギブギブギブで、自分のリターンを何も考えず最高の登壇をして、NPSを最高にして、また次回呼ばれるということだけを真剣に全員が考えると(再び一同大笑い)、結果、この会もよくなって、みなさんも報われて、社会がよくなる」
ざっくばらんかつ、ICCサミットの原理原則にのっとった言葉に拍手大喝采が起こった。ちなみにNPSとは、終了後に行われるアンケートに対する言及。セッションを聞いて満足したかどうか、他人にも推薦したいかどうかは、毎回発表されて可視化される。
▶【評価レポート】ICCサミット KYOTO 2021 セッション評価など
永田さん「ICCは修練の場ですので、ぜひ、みなさんICCのしごきを全員体験しましょう! 明日から、最高のセッションを実現して、みんなで価値あるものを持ち帰ろうと思います。どうぞ宜しくお願いします!」
実績のある経営者であれ、起業したばかりのスタートアップであれ、おそらく運営するスタッフであれ、ICCサミットで求められるものは同じ。いかにこの数日間で自分を出し切り、学び、協力し、受け取ることができるかで、よりよい産業が生まれる場が生まれ、よりよい社会の実現につながる。
スタッフ用に提供されたテイクアウト用フルコースセットは、フードロスを考えた冷凍食品とのこと。まったくそれを感じない美味しさでした
井手さんと永田さんの音頭で、翌日からのエクストリーム・カンファレンスへの姿勢を再確認した一同、最後まで終わらない議論が続いていた。プライベート、料理、世間話、どんな話をしていても、最後は事業の話に落ちていく。
ここから始まる没入の3日間に、「修練の場、ICCのしごき」と永田さんは冗談めかして言ったが、一個人として自分を鍛え、貢献し、貪欲に学ぼうという年に2回の”修行”が始まった。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成
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