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「創業メンタリティ」で組織の硬直化を防げ(ベイン火浦)【SP-MN1 #1】

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これまでに配信した、経営に関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス KYOTO 2016 から、「優れた成果を実現する経営者の仕事とは何か?」【K16-5A】を10回に再編集してお届けします。10回シリーズ(その1)は、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン火浦さんに、組織の硬直化を防ぐ「創業メンタリティ」についてお話しを頂きました。是非御覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 5A
「優れた成果を実現する経営者の仕事とは何か?」

(スピーカー)
熊谷 正寿
GMOインターネット株式会社
代表取締役会長兼社長 グループ代表

火浦 俊彦
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
会長 兼 パートナー

安渕 聖司
SMFLキャピタル株式会社(当時)
代表取締役社長兼CEO
(2016年9月5日より日本GEからSMFLキャピタルへ社名変更)

(モデレーター)
岡島 悦子
株式会社プロノバ
代表取締役社長

「優れた成果を実現する経営者の仕事とは何か?」の配信済み記事一覧

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【本編】

岡島 次に、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの火浦さんに伺ってみたいと思っています。「経営トップの役割3つ」いかがでしょうか?

火浦 3つということで言うと、弊社が最近出版しました「創業メンタリティ」という本とも関係します。

「創業メンタリティ」と何か?

これは、持続的に成長し続けている会社の特徴とは何なのか、ということを調べたものなのです。

スライドに出ていますように、ここに書いてある「革新志向」、「オーナーマインド」、「現場へのこだわり」、この3つを持っている会社が持続的に成長していることが分かりました。

ですから、これが1つの企業の羅針盤だと考えています。

スライドの中に、実は「創業メンタリティ」がある会社とない会社で、財務的な企業の価値が3倍違うのです。

これは実証的な研究の結果でもあるので、やはり創業メンタリティを持つということが、実は経済的にも財務的にも意味があるということだと思います。

この「創業メンタリティ」を羅針盤として持つこと、そしてこれをテコにして会社を動かすというのが1つ目だと思います。

2番目は、企業というのは、やはり社会の非合理や矛盾や構造的な課題というのを解決していかなければならないと思うので、トップが常に、今の業界であったり世の中にある色々な不条理や矛盾を解決しようという想いを持つことがとても大事だというのが2つ目です。

3つ目ですが、やはり会社は大きくなるにつれて複雑になるんですね。

ですから、経営者の仕事はこの複雑性と戦うことです。

フォーカスしてもらうこと、或いは複雑なものを単純にすること。

この3つが大事かなと思っています。

岡島 ありがとうございます。

この「創業メンタリティ」という本を、ベイン・アンド・カンパニーでお書きになったので、それについてもう少しご説明を頂けないでしょうか?

火浦 会社が創業する時というのは、社会に対してインパクト何かを与えようとか、色々な矛盾を解決しようという、ここの図で言うと右下ですが、「体制に対する反体制派」という形で出てくるわけです。

これは横軸が創業メンタリティがあるかないか、縦軸が、規模のメリットがあるかないかという、そういう観点で整理していますが、会社というのは右下から出ます。

段々と成長して大きくなると、一番上に上がってくるのが一番良いのです。

つまり、創業メンタリティを持ちつつ、規模とスケールもある、尖った大企業になる。

でも、なかなかそうはいかないわけです。

そうはいかない理由というのが、次のページあります。

我々が「東風」と呼んでいるのですが、東風が吹きます。

とにかく会社がどんどん成長してしまうので、人の成長より会社の成長の方が早い。

だから仕組みとかルールとかを入れて何とか回そうとする。

そうすると、元々の創業理念みたいなものがなくなって、何となく仕組みやルールだけが会社を回してしまうことになるのです。

例えば、トップと現場が離れて、現場の声が聞こえなくなる。

人が沢山いるので、誰が責任をとっているのか分からなくなる。

それから、会社が大きくなると今まで取れなかったとうな「プロ」と言われる人材、経理のプロ、人事のプロ、そういった人達が入ってくる。

そういう人達のメリットもあるんですが、ともすると、そういう方々が大企業で培ってきたようなカルチャーを中に持ってきてしまうのです。

それからやはり、会社が大きくなって、まあこんなものかなということで安定志向が出てきてしまう。

このように、本当は右上に上がりたいのに、左上の方に上げられてしまうんですよね。

更に左上に上げられると、今度は「北風」が吹きます。

ということで、次の表をご覧ください。

やはり、先ほども申し上げたように、とにかく複雑性に阻まれてしまい、色々な部署ができてそれらの調整に追われて、もともと会社が創業した時の理念などというものが忘れられてしまうのです。

そしてマトリックスの罠ですね。色々な製品や事業が罠になって、それらの調整がすごく重要になる。

そして、それぞれのマトリックスの長のところに、先ほど申し上げた、所謂優秀な、他の会社で経験を積んできた方が入ってくると、お互いエリートだという意識があるので、それぞれのエリート意識を守るために、中途半端な意思決定をするようになる。

相手の分野についてあまり反対すると、今度は自分の分野についても反対されてしまうから、この辺で収めておくかという風になってしまう。

そして遂には、健全なる対立が消失してしまう。

ほぼ大体どんな企業をスタディしても、このパターンでいって、左上に上がってしまって、下手をすると左下に落ちてしまう。

左下に落ちると、これはもう規模のメリットもないし、創業メンタリティも失われてしまっている。

こういう会社をターンアラウンド(再生)するのは非常に難しいことです。どの会社もほぼこのようなパターンで官僚化します。

ご参考までにご紹介しました。

岡島 ありがとうございます。

(続)

続きは 「ゴマすりを撲滅する」GMOグループが実践する”ガラス張り経営” をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子

【編集部コメント】

続編(その2)では、GMO熊谷さんを中心に、創業メンタリティを保ちつつ企業を成長させる経営術を議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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