【新】”ゾーン”に入る(深く集中する)ための3つのステップとは?【SP-YI1 #1】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

【新】”ゾーン”に入る(深く集中する)ための3つのステップとは?【SP-YI1 #1】

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2016年に配信した、石川善樹さんご登壇記事を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス CONNECTION から、異分野対談「石川 善樹 X 中竹 竜二」を5回に再編集してお届けします。石川善樹特集(その1)は、初配信時も好評頂いた、ゾーンに入るための3ステップのお話です。ぜひご覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。参加者の募集を開始しました。

 

登壇者情報
2016年2月17日開催
ICCカンファレンス CONNECTION
異分野対談   「石川 善樹 X 中竹 竜二」
 
(スピーカー)
石川 善樹 
Campus for H
共同創業者 
 
中竹 竜二
公益財団法人日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター 
 
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

小林雅氏(以下、小林) (前のセッションの)バーチャルリアリティの話から、今度は人間を科学している石川さんと、ラグビーからフォローワーシップなど組織的なところを専門にされている中竹さんの対談です。

中竹竜二氏(以下、中竹) とてもアナログですね。

小林 アナログな感じで行きたいと思います。早速ですが簡単に石川さんから自己紹介をしてください。

「より良く生きる」ことの研究者、石川善樹

石川善樹氏(以下、石川) はじめまして。石川と申します。

石川 善樹
Campus for H 共同創業者
 
予防医学研究者、博士(医学) (株)Campus for H 共同創業者
広島県生まれ。東京大学医学部卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとした学際的研究に従事。
専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣(プレジデント)』『最後のダイエット(マガジンハウス)』、『友だちの数で寿命はきまる(マガジンハウス)』など。

予防医学というものを研究しております。世界の健康戦略というのは治療から予防、そして予防からウェルビーイング、どうしてより良く生きるのかという方向へ移っているのですが、私はそのウェルビーイングの研究をしてます。

最近とても熱中してやっている研究が、人はどうやって「ゾーン」に入るのか。(どうやって)いわゆる「フロー状態」というものに入れるのか。そういう研究をしています。そして、ゾーンに入るための3ステップというのがあるのですが、ちょっとその話はまたあとでお話したいと思います。

(編集注:中竹さんの自己紹介後、お話し頂きました!どうぞ最後までお読みください)

基本的には人間というものを対象に研究をしているのですが、朝ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りた気持ちで眠れるような人が一人でも増えたら良いと考えて、そのように人をサポートする研究をしています。

小林 それでは次に中竹さん、自己紹介をお願いいたします。

日本初の「指導者の指導者」、中竹竜二

中竹 中竹です。

中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター
 
1973年福岡県生まれ。
早稲田大学人間科学部卒業後、レスタ―大学大学院社会学部修了。
三菱総合研究所でコンサルティングに従事の後、早稲田大学ラグビー蹴球部監督を務め、自律支援型の指導法で多くの実績を残す。「フォロワーシップ論」を展開した人のひとり。現在、日本ラグビー協会コーチングディレクター(初代)を務め、2016年アジアラグビーチャンピオンシップにて日本代表ヘッドコーチ代行としての指揮をとり優勝を果たす。2014年に株式会社TEAMBOXを設立し、次世代リーダーの育成や組織力強化に貢献し、企業コンサルタントとして活躍中。主な著書に『自分で動ける部下の育て方—期待マネジメント入門』(ディスカヴァー新書)、『部下を育てるリーダーのレトリック』(日経BP)など。

僕自身は今、日本ラグビーフットボール協会というところの統括団体に所属しています。メインは指導者の指導、コーチングディレクターというのをやっています。これは日本では初めてなのです。他のスポーツ界にもあまりない。選手を鍛えるというよりは、その指導をする人を教えるという立場にいます。

代表カテゴリーは去年(2015年)のW杯で南アフリカに勝って盛り上がりましたけれど、日本ラグビー協会には代表というだけで実は10個くらいのカテゴリーに分かれています。

男子もあり、女子もあり、7人制もあり、それから僕が今見ているU20という20歳以下もあり、18、17とカテゴリーが組まれています。

本当はそこのコーチを鍛えるのがメインの仕事ですが、その一つ(U20)を自分でヘッドコーチとしてもやっているというのが現状です。

僕自身は早稲田大学時代もラグビーをやっていたのですが、卑下でもなんでもなく全然下手で、一回もレギュラーにならずに何故か4年の時だけ主将になった。

石川 すごいですね。

中竹 前代見聞と言われました。

小林 過去にそういう人はいたのですか。

中竹 いないです。今後も出てこないだろうと言われています。

ですから、本当に下手なのにキャプテンだけやり、しかもその後ラグビー界には一切関わらず、すぐに留学して三菱総研という会社で務めていたら突然僕の前任で先輩の清宮さん(現在 ヤマハ発動機ジュビロの監督)に「次の(早稲田大学ラグビー部の)監督をやれ」と言われて、まったくの素人で監督をしました。

そうしたら選手からかなり酷い目にあわされました。

毎日溜息や舌打ちを付かれて、最終的には選手から「死ね、辞めろ」と叫ばれた。そうして指導していたのですが、それが結果、僕の言っている「フォロワーシップ」、「自分たちで頑張ってね」というのが上手く行って全国大学選手権を連覇しました。

石川 監督が頼りないと選手がしっかりするということでしょうか。

中竹 「コイツに任せてられねえよ」という感じで選手が頑張る。それから選手が勝ってくれて、今、日本ラグビー協会で仕事をしているという感じです。

小林 最近は帝京大学がずっと勝ち続けていましたが、それの前のことですね。

中竹 そうですね。帝京大学がずっと勝ち続けていて、僕の時で早稲田大学が勝ったのは最後というくらいでしょう。

「ゾーンに入る」とは何か?

小林 ありがとうございます。さっそくパネルディスカッションを致しましょう。まずは石川さんのゾーンに入る3つの方法をお聞きしたく思います。これは経営者の方が聞きたいところでしょう。

経営者の方というのはゾーンに入っていると思うのですが、社員にゾーンに入ってもらいたいとかそういう思いはあるのではないでしょうか。

そもそも「ゾーン」とはどういう状態なのでしょうか。

石川 ゾーンの研究というのは最近すごく進みました。まず個人的な経験があったのでそのお話からいたします。僕は試験の時にゾーンに入るのが得意なのです。

ですから、試験になるといつも以上の力を発揮できる自分を知っているので、試験本番の自分をすごく信頼しているところがあるのです。

いつもより強い力が発揮できるはずだ、と。

そして、大学に入ってラクロスというスポーツをやったのですが、スポーツになるとなかなかゾーンに入れなかった。

緊張してしまったりする。そこで、何故勉強でできることがスポーツでできないのだろうというのがすごく不思議だった。

それから、人と話している時。特に女性と話している時です。僕は高校までずっと男子校で、大学から女性と触れ合うようになったのです。

そして、これは僕の偏見なのですが、女性というのはよく怒りますでしょう。よく怒るのです。

人というのはそういう恐怖を感じた時に火事場の馬鹿力が出るというか、脳がすごく働き、ゾーンに入りやすいのですが、女性が怒っているという状況で僕はなかなかゾーンに入れない。ついつい逃げてしまう。

怒られたときはゾーンに入れないのはどうしてなのだろうと思ってやり始めたのがキッカケです。調べてみると面白いことがわかりました。

これは心理学者が発見したことです。心理学者たちは基本的に変わった人たちを研究します。天才と呼ばれる人とか、少しメンタルが変わった人とか。

そして、1990年代から研究され始めたのが、すごくリラックスしている人と、すごく集中している人についてなのです。リラックスの代表はお坊さんなのです。

そしてちょうど90年代から技術的に脳が測れるようになった。

ダライ・ラマが協力してくれたというのもあり、お坊さんたちの脳をずっと調べていた。一方で、スポーツ選手もゾーンに入ると言いますね。

中竹 いい選手はゾーンに入るといいます。

石川 でも、毎回毎回ゾーンに入る人というのは少ないでしょう。

中竹 少ないです。それがもう課題なのです。

石川 ところが、毎回毎回ゾーンに入っている、極度に集中している選手たちが現れたのです。

それが、エクストリーム・スポーツというスポーツの選手たちです。彼らは毎回死ぬかもしれないという危機感でやっているのでゾーンに入りやすいということがわかった。

そして、これが面白いのですが、とてもリラックスしているお坊さんと、すごく集中しているエクストリーム・スポーツの選手たちは、脳内が一緒だとわかったのです。

つまり、リラックスも突き詰めるとゾーンに行く。それから集中も突き詰めるとゾーンに行く。つまり、集中しつつもリラックスする。

中竹 極右翼と極左翼は同じだということと一緒でしょうか。

石川 そうなのです。

「ゾーンに入る」ための3つのステップ

石川 そして、3つのステップというのがわかった。第一が、極度のストレスを感じるということなのです。

そして、お坊さんというのはストレスを感じないように見えるのですが、実はストレスを感じている。

彼らは、「思いやり瞑想」というのをやります。これはどうやるかと言うと、脳内で可哀想な人たちのことを思い浮かべるのです。

脳にストレスをかけているわけです。そして、この人たちを何とかして助けてあげたいという瞑想をする。

ですから、一回脳に負荷をかけているのです。

それから、一回脳へ負荷をかけた後に、ステップ2に一気にリラックスするというのがある。これがなかなかできない。

リラックスというのは、呼吸をゆっくり吐くことはできるのですが、なかなか呼吸法を習わないのでリラックスができない。

中竹 そうですね。選手たちもずっと緊張しているケースもあります。

石川 例えば、3・2・5法というのがあります。3秒吸って、2秒溜めて、5秒ゆっくり吐くと、もう一気にリラックスできるのです。

何故2秒溜めるかと言うと溜めた方が酸素の交換が上手くいくのです。だから、崖の上から飛び降りる時には「うわー」となるはずでしょう。

そこでフーとゆっくり吐くとリラックスできる。そして、ステップ3が、やるべき行為に集中するということなのです。

「勝ちたい」とか「アイツ倒すぞ」ということではなく、今この行為をするのだと集中する。すると、ゾーンに入れるとわかりました。

ストレスをすごくかけて、一気にリラックスすると、脳にいろいろな快楽物質がでるのです。

セロトニンとかドーパミンとかノルアドレナリンといったような。その状態で行為をすると、学習がすごく早いということがわかった。

それを勉強でやっていたのが、そこにいる(楽天の執行役員の)北川拓也くんだと思います。

彼はなかなか勉強し始めない。ハーバードの物理学者だった時に知り合ったのですが、彼の勉強というのはすごく変わっていて、自分が何か知りたいという意欲が極限まで高まらないと決して教科書は開こうとしないのです。

辛抱たまらんという状態までストレスをものすごくかけてから、パッと勉強し始める。すると学習がすごく早い。

小林 それはテストの一日前から勉強するというようなことなのですか。

石川 近いです。ただ、「ヤバイ、ヤバイ」だけではゾーンに入らないのです。

「ヤバイ、ヤバイ」の後に「仕方ない、やるか」と開き直った人だけがゾーンに入って勉強ができたり仕事ができたりする。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

続きは 〔石川善樹〕五郎丸選手に学ぶ、”ゾーン”に入るルーティーン をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その2)では、ラグビーW杯でも活躍した五郎丸選手を例に取り、やらないことを決める重要性やゾーンに入るためのルーティーンについて議論しました。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。

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