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ICC FUKUOKA 2021 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき、見事2位に入賞した、クイッキン 山田 真由美さんのプレゼンテーション【宿泊管理のDX「aiPass(アイパス)」は、最適なオペレーション構築と顧客管理で旅行体験を変える】の文字起こし版をお届けします。動画も合わせて、ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。
▶【速報】スマホ養殖でサバの“生食文化”を創る!「フィッシュ・バイオテック」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICCサミット FUKUOKA 2021)
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【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICC FUKUOKA 2021
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル
山田 真由美
クイッキン株式会社
COO
1988年福岡生まれ。2011年、神戸大学発達科学部卒業。
新卒で株式会社フォトクリエイト入社。インターネット写真販売プラットフォーム事業に携わる。
2017年、株式会社通天閣入社。新規宿泊施設の立ち上げを行い、副支配人として従事。
宿泊業界の旧態依然としたシステムに疑問をもち、2018年から株式会社TRASTAで、ホテルのシステム開発にPMとして従事。
2020年1月より創業メンバーとしてCUICIN株式会社に参画。
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山田 真由美さん DXで宿泊業の経営を強くする、HotelStyle OS「aiPass(アイパス)」です。
よろしくお願いします。
「宿泊施設の非効率な運営」の変革にチャレンジ
まずはチームの紹介です。
宿泊施設の運営や開発経験が豊富なメンバーで創業しました。
何を隠そう、私もホテルのフロントで働いていたメンバーです。
宿泊施設では非常に非効率な運営が業界課題となっており、私たちはこうした課題にチャレンジしています。
チェックインは旅行者・ホテル双方にとって手間に
例えばチェックイン時に、皆さんもレジストレーション・カードを書いたことがありますよね。
ネットで予約したのに、なぜまた紙に書かなければいけないのでしょうか。
ものすごく面倒ですよね。
でも面倒なのは皆さんだけではないのです。ホテル側にも大変な作業が待っています。
下の画像は、皆さんが書いた情報を1枚1枚、手打ち入力している様子です。
私も担当したことがありますが、達筆な方もおり、文字が読めないこともあるので、入力は非常に大変でした。
1枚を入力するのに約3分かかるので、1日100名がチェックインすると約5時間、誰かが入力作業をしているわけです。不毛な作業ですよね。
しかもホテルの基幹システムはとても複雑で、操作方法を習得するのに時間がかかるのです。
こうした状況を続けるべきではないと思い、今、私たちはチャレンジをしています。
実は、予約サイトなどで入力する個人情報は、ホテルには部分的にしか送信されていません。
その場合、旅館業法の要件を満たせず、再度取得する必要があります(※) 。
▶編集注:第6条第1項に、「営業者は、厚生労働省令で定めるところにより旅館業の施設その他の厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があつたときは、これを提出しなければならない。」と記載されている。
複雑なホテルの基幹システム
また、顧客情報を管理できていない背景として、宿泊施設の基幹システムがかなり複雑ということも関係しています。
ある施設では44ものシステムを組み合わせて運用しており、かなり非効率な状況です。
チェックインからオペレーションを段階的にDX
この状況を変えるべく、私たちはチェックインからDXすることで顧客基盤を構築しています。
チェックインのプラットフォームを無償で提供し、スタッフの方をデータ打ち込み作業から解放します。
そして施設の運営に必要な予約や客室、売上の管理をプラグインとして機能追加して段階的にリプレイスし、最終的にチェックインベースのオペレーションシステムを提供することで課題解決していきます。
2020年11月に「aiPass」を正式リリース
事業状況ですが、SaaSのオペレーションシステムとして、「aiPass(アイパス)」を2020年11月に正式にリリースしました。
▶宿泊業のDXを推進するクイッキンが宿泊施設の経営を支援する HotelStyle OS『aiPass』を正式リリース(PR TIMES)
特許も取得しています。
▶宿泊業界のDXを推進するクイッキンが『aiPass』の『旅行業務を管理するための情報処理システム』に関連する技術について業界初の特許を取得(PR TIMES)
スマホ事前チェックインから始まる、豊かな顧客体験
アイパスを使った旅行体験についてはこちらのデモをご覧ください。
Smart Check-in|aiPass from aiPass on Vimeo.
まずはチェックインです。
旅行者はスマホからの事前チェックインが当たり前になります。
予約確認メールなどからリンクを表示したら、チェックインボタンをクリック、チェックイン情報と登録者情報を確認して、チェックイン情報を送信する、3ステップでチェックインできます。
アイパスのアカウントを作るため、アイパスを導入している全ての施設でスムーズなチェックインが実現します。
宿泊施設での受付は鍵を渡すだけなので混雑状況は解消され、コロナ対策としても活用いただけます。
滞在中に必要な館内などの情報をスマホから確認でき、施設がおすすめする周辺の観光情報も見ることができます。
もちろん、チェックアウトもスマホからできます。
このように、旅行者のスマホを活用してチェックインからチェックアウトまでを一気通貫でDXすることで、業務効率化はもちろん、顧客体験そのものも大きく変えることができるのです。
プラグイン追加で施設ごとに最適なオペレーションシステムを提供
次に実績のご紹介です。
チェックインは既に50施設で導入しており、業務負荷の軽減と詳細な顧客データ取得を実現しています。
オペレーションシステムとしては、マーケティング、ホスピタリティ、業務効率化の3つのカテゴリからプラグインを追加し、利用することができます。
例えば業務効率化プラグインを追加すると、予約や客室の管理が簡単になるほか、旅行者がチェックアウトをすれば清掃担当に自動で通知が届きます。
もちろんデータは一元管理されており、分析も可能なので、経営効率や運営効率を高めることができます。
滞在の付加価値向上という意味では、旅行者向けプラグインも開発しています。
例えばモバイルリクエストでは、アメニティやルームサービスのオーダーがスマホで簡単にできるほか、モバイル決済も可能です。
何がすごいかと言うと、支払いが全てスマホで完結することです。
チェックアウトの時に並んだ経験はありませんか?
このプロセスがなくなるので、チェックアウト後すぐに出かけることができます。
そして、今までご説明してきたプラグインを施設ごとにカスタマイズすることで、最適なオペレーションシステムを実現します。
「戦略からソリューションまで一気通貫」が強み
コストメリットも、明白です。
アイパスに切り替えた場合、既存システムに比べて、イニシャルコストは98%、ランニングコストも86%削減できます。
ポジショニングについて見てみると、チェックインからチェックアウトまで一気通貫して提供している会社は他になく、競合はどこも部分的なソリューションにとどまっています。
また、DXの知見を蓄えているのも私たちの強みです。
運営や経営に関わっていたメンバーが、オペレーションまで落とし込み、戦略からソリューションまで一気通貫して提供できるのは我々だけなのです。
国内大手ホテル運営会社と業務提携・福岡市で実証実験を開始
次にトラクションのご紹介です。
リリース後わずか1カ月で、国内最大手のホテル運営会社との業務提携が決まりました。
▶宿泊業界のDXを推進するクイッキンが国内大手のホテル運営会社ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツと業務提携(PR TIMES)
国内50カ所全てで事前チェックインを導入し、オペレーションシステムとして採用するための取り組みも進めています。
また、福岡市では、実証実験フルサポート事業に採択頂き、宿泊事業者のコロナ対策としてスマートチェックインを活用頂いています。
▶宿泊業のDXを推進する『aiPass』が福岡市とコロナ対策の取り組みとして全国初のスマートチェックイン機能の実証実験を開始(PR TIMES)
宿泊施設の規模・ニーズに合わせ柔軟に対応
現在、事業会社向けにDXコンサルを行うカスタマイズプランに注力し、小規模事業者向けにはフリープランで、スマートチェックインの導入を推進しています。
カスタマイズプラン・フリープランで獲得した施設に対しては、スマートチェックインにプラグインを追加するベーシックプランを用意してアップセルを狙います。
ベーシックプランの中では施設の規模やニーズに合わせ、6万円から45万円まで柔軟に対応可能なパッケージをご用意しています。
宿泊施設を「地域観光のハブ」へ
私たちは、「Making trip better for everyone(すべての人により良い旅を提供する)」をミッションとしています。
そのためにまず、チェックインから入り込んで顧客基盤を構築し、さらにオペレーションシステムを導入することで行動データやレベニュー(収益)データを取得します。
そして最終的にはデータを活用して旅ナカ領域に入り込み、その取り組みとして、施設が独自のクーポンを発行できるような仕組みを展開していきます。
旅行者はお得な体験ができますし、宿泊施設は、客室を販売するのみならず周辺施設に送客する、新しいビジネスモデルにチャレンジすることができるようになります。
またこうした機能を追加することで、顧客の行動データを蓄積し、サービス改善に役立てることもできます。
さらに私たちは、周辺施設と宿泊施設のリレーションを生かした予約販売エンジンの提供を予定しています。
周辺施設と連携した予約エンジンを提供することで、地域に根ざした宿泊施設が、地域の体験を丸ごとプランして販売できる世界を目指しています。
これはまさに、旅行代理店モデルの再構築だと考えています。
このように宿泊施設が新しい地域観光のハブになっていくことで、新しい旅行体験が実現していくと私たちは考えています。
宿泊業のDXで旅行体験を変えていく
私たちは今後も宿泊施設と手を取り合い、業界を前に進めるチャレンジをしていきます。
DXされた宿泊施設が街全体に波及することで、シームレスな旅行体験を実現していきたいと考えています。
コロナの影響で、宿泊業は大きな変わり目を迎えていますが、このピンチを大きなチャンスに変えることで、業界構造だけではなく旅行体験自体も変えていきます。
「宿泊業のDXで旅行体験を変えていく」
アイパスです。応援どうぞよろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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