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まるで”砂漠のルンバ”?「未来機械」の砂漠地ソーラーパネル向け清掃ロボットが凄い【F17C-MRK #1】

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未来機械 三宅徹さんのプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その1)は、三宅さんらが開発したソーラーパネル清掃ロボットの特徴と解決する課題についてお話頂きました。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2017スタートアップ・コンテスト「カタパルト -リアルテック特集-」Supported by リアルテックファンド プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひ御覧ください。

本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
CATAPULT(カタパルト) -リアルテック特集-
Supported by リアルテックファンド

三宅 徹
未来機械
代表取締役社長

1980年岡山県に生まれる。香川大学工学部在学中にはロボットコンテスト世界大会での入賞経験をもつ。学部時代の2001年には移動ロボットの機構が世界8か国で登録される。研究だけでは飽き足らず自ら次世代ロボットを実用化するため、同学大学院修士課程在学中の2004年に当社を設立、創業者。その後、同大学大学院工学研究科博士後期課程(知能機械システム工学専攻)単位修得満期退学。博士(工学)。2004年には史上最年少でNEDO委託事業の研究開発責任者を務める。2008年からは海外乾燥地域向けソーラーパネル清掃ロボットの開発に乗り出し、この分野における世界的なプレーヤとして認知されている。専門分野はロボット工学、特に作業移動ロボットの機構と制御に興味をもつ。グッドデザイン賞、計測自動制御学会SI優秀講演賞等、受賞多数。

ソーラーパネル清掃ロボットを開発する「未来機械」の配信済み記事一覧

三宅徹氏(以下、三宅) アッサラーム・アレイクム(السلام عليكم)(※アラビア語でこんにちは)。

皆さんこんにちは、未来機械の三宅です。

こう見えても日本人ですので、安心してください。

(会場笑)

そして、我が社は大学発のベンチャーです。

砂漠の太陽光発電所が抱える課題

私は今、毎月このような砂漠、特に中東に行っています。

中東は、太陽光を使った発電が増えていて、1か所が非常に大規模です。1か所で1ギガワット、原発1基分という規模の発電所も建設中です。

更に詳細に見てみますと、このパネルが何百万枚と並んでいます。

更に近づくと、なんだかちょっと様子がおかしいんです。パネルが真っ茶色になっていて、触ってみると、下の写真のように砂にまみれています。

砂漠の砂でパネルがすぐに真っ白になってしまい、1か月放置すると15%ぐらい発電能力を失ってしまうという課題があります。

私たち未来機械は「未来の街に存在する課題を先進のロボットテクノロジーで解決しよう」ということを掲げていまして、まず中東、北アフリカ、インド等の課題にソーラーパネル清掃ロボットという形で解決を図っています。

世界初!砂漠に適したソーラーパネル清掃ロボット

我々のロボットは、中東のサウジアラビア、カタール、UAEで実証試験を行ってきました。そして、2年以上このマーケットで動いてきたという実績があります。

今一番一生懸命掃除しているのは、中東のパネルで、下の画像はカタールのドーハです。

このロボットには特徴が2つあり、まず水を使いません。水を使わずにドライで掃除ができるんです。中東は当然水がないですから、水を使ってしまうと、石油を使うのと同じなんです。

つまり石油を燃やして淡水化して作っている非常に貴重な水なのですが、それを使わずに掃除できるというのが大変好評です。水を使わずに、回転するブラシだけで綺麗に掃除することができます。

もう1つの特徴は、自動で走行できることです。

後ろで従来の清掃方法と比較していますが、従来の方法は人が必要で、夏になると50度近い気温の中、手作業で掃除をしていますが、このロボットは50度の環境でも動くことができ、2年以上稼働している実績があります。

リモコン操作ではなく、置いてスタートボタンを押すと、このようにセンサーを使って自動で走ります。

今まで、非常に砂が多く高温といった過酷な環境下でセンサーで動くロボットは世界のどこにもありませんでした。

それを実現したのが我々の技術です。

このようにセンサーを使うことで、パネルの枚数等をプログラムすることなくパネル全体を自動で清掃します。中にバッテリーが内蔵されていますので、2時間おきにバッテリーを交換してあげると、ロボットが常に動いています。

1つのブロックの掃除が終わると、次のブロックに乗せ換えてスタートボタンを押すだけで勝手に掃除ができるという優れものです。

この、水を使わずパネルに合わせて自動走行できるロボットは、日本では既に特許が登録されており、現在世界各国にて特許を出願しています。

このように自動で走行し、水を使わないロボットというのは我々しか実現し得ていない技術です。

三宅 今、中東やインドというようなマーケットに注力していますが、これらは砂がたくさん飛んでいて、且つ雨がほとんど降りません。日本は雨が降るので、ソーラーパネルの掃除の必要はありません。

日本をはるかに上回る乾燥地域の太陽光発電市場

このような場所でどれだけのマーケットがあるかというと、まずアフリカ・中東では、2020年までに7ギガワット、原発7基分ぐらいです。

インドは約12ギガワット、合わせて約20ギガワットぐらいになります。

日本でこれだけ太陽光発電が叫ばれていますが、トータルのメガソーラーとして導入されたのは7ギガワット弱なので、日本をはるかに上回るマーケットが乾燥地域で生まれていくのです。

未来機械・三宅徹さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。

(続)

続きは 「未来機械」は、未来の街の課題を先進ロボットテクノロジーで解決する をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/城山 ゆかり

【編集部コメント】

国外の課題を解決するロボットを開発している点が面白いです。国外にも目を向けて課題さえ見つけられれば、日本のロボット技術を活かすフィールドはいろいろありそうです。(横井)

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