ミライセルフの人事支援サービス「mitsucari」のプレゼンテーションを2回シリーズでお届けします。(その1)は、mitsucari開発の背景となった、ミライセルフ表さんの米国UCバークレーMBA留学時代の出会いと気づきについてお話し頂きました。2016月9月6日・7日に開催したICCカンファレンス KYOTO 2016スタートアップ・コンテスト「カタパルト」プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひ御覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。
登壇者情報 2016年9月6日・7日開催 ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC SUMMIT」 Session 1B CATAPULT(カタパルト) - スタートアップ・コンテンスト- Supported by IBM BlueHub (プレゼンター) 表 孝憲 株式会社ミライセルフ 代表取締役CEO https://mitsucari.com/ 京都大学法学部卒。新卒でモルガン・スタンレー証券株式会社債券部に新卒入社。債券統括本部のセールスとして金利商品からクレジット商品、顧客も幅広くカバー。同時に採用活動に力を注ぎ入社後半年目から面接官として週末は面接に従事。その後2010年からはリクルーティングコミッティーリーダーを務める。2013年6月に退職し、UC Berkeley Haas Business Schoolへ留学。在学中にシリコンバレーの教育系2社とモバイルセキュリティ1社の計3社でインターン。また多くの会社へ訪問し企業文化に関するインタビューを行う。在学中に、Google USに勤務していた井上と株式会社ミライセルフを設立。代表取締役CEOに就任。カルチャーフィットを数値化および解析し、人工知能でマッチングの精度を高めるテクノロジー転職ベンチャーをスタート。2015年7月に資金調達し現在に至る。
表 孝憲氏(以下、表) ミライセルフ 表と申します。本日は宜しくお願い致します。
適正テストとAI(人工知能)を使い、人と組織の最適なマッチングを行う「mitsucari」というサービスを展開しています。
さっそくですが皆さん、このような経験はないでしょうか?
採用面接でとても魅力的に感じた面談者を採用したはずが、実際に一緒に働いてみると「今一つだな」と感じる経験です。
採用に携わる多くの方が経験しているのではないかと思います。
面接はバイアスや思い込みに支配されている
私自身、前職で採用試験の面接官を務めていましたが、その時感じていたことです。
ここに恐ろしいデータがあります。
「面接時のパフォーマンス」と「採用後の仕事におけるパフォーマンス」との相関は極めて0に近いというデータです。
これがそのレポートです。
面接は多くのバイアス(先入観)や、想い込みによって支配されています。
なぜこのようなミスマッチが起き、どうすれば解決できるのかということに私自身悩まされました。
その後、ある出会いをきっかけに疑問の答えを導き出すことができました。
米国MBA留学でのアンダーソン教授との出会い
アメリカ留学時代のキャメロン・アンダーソン教授との出会いです。
「社内政治」や「産業心理学」といった組織マネジメントに関する講座の教鞭を執っていらっしゃいました。
先生は、面接に起こりうるバイアスをいくつか説明して下さいました。
例えば、面接で「おべっか(お世辞)」を言う人は、言わない人の1.45倍内定を得やすいということです。
「おべっか」は言えば言うほど面接官は不快に感じ、内定数は減ると思いませんか?
それがバイアスです。実際は言えば言うほど内定数は増えます。
その他にも一度発見した仮説を信じようとする確証バイアスや、大きな特徴の影響を受けるハロー効果などのバイアスがたくさん存在ことを説明してくださいました。
この様にバイアスがあるにも関らず面接は昔から同じ手法です。
なんだかおかしいと感じませんか?
バイアスを排除した採用や人事を行うグーグル
この様に考えた会社、例えばグーグル社等が新たな試みを始めています。
グーグルは「ピープル・アナリティクス」(社員の行動データを収集解析し職場管理の効率化を目指す手法)や、「構造化面接」(面接時の質問内容や評価基準等をあらかじめ設定し、決められた手続きに従い実施する面接手法)という手法を用いてバイアスを排除した採用活動や人事評価を行っています。
【参考】 『ワーク・ルールズ!-君の生き方とリーダーシップを変える』ラズロ・ボック著(東洋経済新報社、2015年)
弊社の「mitsucari」は、これらの手法を簡単に利用することができるようにしたサービスです。
テストを通じ、求職者と企業双方がどのような価値観や企業カルチャーを重要視するか分析する仕組みです。
さらに、お互いのマッチングの度合い(相性の良さ)を可視化することができます。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鎌田 さくら
続きは AIで採用のマッチング度を可視化する”mitsucari”- 注目のベンチャー特集「ミライセルフ(mitsucari)」(2) をご覧ください。
【編集部コメント】
続編(その2)では、社会心理学と人工知能を用いて採用のマッチング度を可視化する”mitsucari”の仕組みと、そのビジネスモデルについてお話し頂きました。是非ご期待ください。感想はぜひNewsPicksでコメントを頂けると大変うれしいです。
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