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3. 震災後の「能登」が今どうなっているか知っていますか?

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ICC KYOTO 2025のセッション「「ローカル・コネクテッド」(シーズン3) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!」、全9回の③は、石川県「能登エリア」チームが登場。鶴野酒造店の鶴野 晋太郎さんは、地震で被災した能登の復旧・復興状況を紹介。Mutubi加藤 愛梨さんは能登の力になりたいと集まった若者と地域課題のマッチングについてプレゼン、secca上町 達也さんは能登の伝統工芸の可能性とツアー概要を語ります。ぜひご覧ください! 

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜 3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。


【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 6E
「ローカル・コネクテッド」(シーズン3) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!
Supported by EVeM

プレゼンター・モデレーター・リングサイド席

(プレゼンター)

① 能登エリア(石川県)

加藤 愛梨
Mutubi
代表取締役

鶴野 晋太郎
鶴野酒造店
14代目蔵元

上町 達也
secca inc. (雪花)
代表取締役

② 南相馬・浜通りエリア(福島県)

佐藤 太亮
haccoba -Craft Sake Brewery-
代表

高橋 大就
東の食の会
専務理事

和田 智行
OWB
代表取締役

③ 那須エリア(栃木県)

山川 将弘
森林ノ牧場
代表取締役

宮本 吾一
GOODNEWS
代表取締役社長

④ 燕三条エリア(新潟県)

武田 修美
MGNET
代表取締役

水沼 樹
諏訪田製作所

山田 立
玉川堂
番頭

(モデレーター)

荒木 珠里亜
稲とアガベ株式会社
宿 ひるね事業 / 人事担当 / 食品加工事業担当

白井 智子
CHEERS
代表取締役

(リングサイド席)

東野 唯史
ReBuilding Center JAPAN
代表取締役

飯尾 彰浩
飯尾醸造
五代目当主 江戸前シャリ研究所 所長

石田 遼
NEWLOCAL
代表取締役

岩田 真吾
三星グループ
代表

太田 泰造
錦城護謨
代表取締役社長

岡住 修兵
稲とアガベ
代表取締役

各務 亮
電通
クリエイティブ プロジェクト ディレクター

門田クニヒコ
五島つばき蒸溜所
代表取締役

木村 祥一郎
木村石鹸工業
代表取締役社長

楠 泰彦
クスカ
代表取締役

久保 宏輔
砂谷
取締役副社長

桑田 隆介
ABUNZE
取締役

小林 兼
ファイターズ スポーツ&エンターテイメント
執行役員 開発本部 副本部長

齋藤 潤一
AGRIST
代表取締役CEO

齋藤 翔太
稲とアガベ
取締役CFO

高本 泰朗
リゲッタ
代表取締役

富山 浩樹
サツドラホールディングス
代表取締役社長CEO

友安 啓則
友安製作所
代表取締役社長

中川 淳
PARADE
代表取締役社長

中村 公一
クロックアップ
代表取締役

中村 直史
五島列島なかむらただし社 代表 / クリエーティブディレクター

濱田 祐太
ローカルフラッグ
代表取締役

坊垣 佳奈
マクアケ
共同創業者/顧問

福島 弦
SANU
代表取締役CEO

宮坂 勝彦
宮坂醸造
社長室室長

村野 麻梨絵
te to ba
代表社員

山本 典正
平和酒造
代表取締役社長

『「ローカル・コネクテッド」(シーズン3) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!』の配信済み記事一覧


荒木 それでは、次の地域、能登にまいりましょう。

ご準備はよろしいでしょうか? では10分間、よろしくお願いします。

復旧復興に向け途中段階の「能登」

鶴野 晋太郎さん(以下、鶴野) 皆さん、おはようございます。

チーム能登です。


鶴野 晋太郎
鶴野酒造店
14代目蔵元

1989年生まれ。石川県能登町出身。株式会社鶴野酒造店14代目。大学卒業後の2012年、IT企業・富士通グループに新卒入社。プログラマーとして、認証・認可をはじめとするセキュリティシステムの開発や、iOS/Android/Windowsなど多様なOSに対応したモバイル・Webアプリの設計・開発に従事。開発だけでなく、導入や運用といった現場の泥臭い工程まで一貫して携わる。次第に「能登の風土や祭りなどの伝統文化、日本酒文化を未来に残したい」「自分の手で日本酒を造りたい」という想いが強まり、2019年に家業である酒蔵にUターン。酒造りにすぐさま参画。しかし、2024年1月の令和6年能登半島地震により、酒蔵が全壊の被害を受ける。現在は、全国の酒蔵の協力を得て「共同醸造」という形で酒造りを継続しながら、能登での再建に向けて日々奮闘している。

チーム福島がすごすぎて、塩みたいなリセットアイテムを持ってくればよかったなんて思ってしまうほどですが、僕らの能登にも絶対に来たいと思ってもらえるよう気合いを入れていますので、よろしくお願いします。

早速ですが、令和6年の能登半島地震の後の能登がどういう状況になっているか、知っていますか?

実は復旧復興は、まだほとんど進んでおりません。

例えば宿泊施設は109軒ある中で、63軒しか営業を再開できていません。

その中でも、和倉温泉地域では6軒のみで、本当に泊まる場所がないです。

飲食店は99軒です。

疲れた心を癒すためにお酒を飲む場所も、なかなかありません。

ただ、ポジティブな話もたくさんあり、60の漁港が被災したのですが、そのうちの58港では既に漁に出ています。

輪島塗も、8割以上が営業再開できています。

公共の情報ですが、75%以上が公費解体完了しており、残りも既に計画の目処が立っております。

私は酒造りを生業としておりますので、ピックアップしてお話しさせていただくと、自分の蔵で酒造りができているのは3軒しかありませんが、委託醸造、共同醸造という形で100%続けられています。

共同醸造とは、被災した私たちの蔵と全国の酒蔵をマッチングさせていただき、私たちが造っていたお酒とのコラボレーションの酒を造る仕組みです。

自然災害大国の日本において、どこで災害が起きても酒造りが止まらない、銘柄の流通を止めない仕組みです。

全国の30以上の酒蔵に助けていただきました。

私も、ここにいらっしゃる稲とアガベには本当に助けていただき、酒造りをさせていただきました。

志を共にする作り手たちと出会えたおかげで、私たちは酒造りを続けられています。

外からの、皆様の助けのおかげでございます。

ただ酒造りをするだけではなく、交流を通じてさまざまな知見を習得し、私たち自身が進化できております。

力になりたいと若者が集まってきた

加藤 愛梨さん(以下、加藤) 次に、人口について見ていきましょう。


加藤 愛梨
Mutubi
代表取締役

神奈川県横浜市出身。高校時に阪神淡路大震災の聞き語りに参加し防災の道へ。慶應義塾大学卒、東京大学大学院修士課程修了。BCP/BCM国際資格保有。災害に強く持続可能なまちづくりを企画・監修し「グッドデザイン賞」「ジャパン・レジリエンス・アワード最優秀賞」など4賞を受賞。令和6年能登半島地震では、発災直後から被災地域内外のコーディネーターとして従事。「被災地から日本の防災を変える」を掲げ、発災4ヶ月後に株式会社Mutubi設立。被災地メディア「MuTube-被災地と未災地をよくするメディア-」運営。被災した過疎地の未来を創る若者集団「RevRiv(リバリバ)」プロデュース。2025年1月より、能登官民連携復興センター広報/PRストラテジストに就任。「青年版国民栄誉賞(JCI JAPAN TOYP 2025)準グランプリ」受賞。

能登半島はもともと過疎がかなり進行している地域で、今回の災害によって人口流出がさらに加速していまいました。

一方その裏側で、実は増えた人口グループもあります。

多くは復旧事業者で、私自身も転入者の一人です。

私は、地震前は東京を拠点に、災害、防災を生業にしていましたが、地震の3日後に災害支援のために能登に入りました。

当時は東京都千代田区のマンションにいましたが、今は石川県輪島市の仮設コンテナで暮らしています。

地震の後は、情報がないと外の方の関わりしろ、支援の仕方が見えないので、情報発信の支援のために能登に行きました。

そこで被災地メディアを新たに立ち上げ、これまで600人以上の能登の方に取材をしてきました。

ただ、取材を重ねていくうちに、未解決の課題がだんだん溜まっていくのです。

600人いれば、600の被災ストーリーがあるからです。

そういう未消化の課題が自分の中でもやもや残っていました。

災害がきっかけとなって、私のように何か力になりたいと能登に集まってきた若者や学生はわんさかいます。

彼らの多くはボランティアとして関わっており、関東でバイトをかけもちで頑張って、稼いだお金で能登に通うということをしていました。

であれば、この課題にコミットし、仕事として携わってほしいと考えました。

復興イベントの企画をサポート

加藤 そこで弊社は、Reverse of Riversという考え方で、人口流出が進む流れにあえて抗って逆流してきた若者たち、クリエイティブ集団をプロデュースしています。

この方は穴水町でガソリンスタンドを経営しているのですが、去年の夏に地域の復興イベントを企画しました。

ただ、収益モデルができておらず、イベントの存在を知ってもらうためのノウハウもなかったため、Reverse of Riversの“リバリバちゃんたち”がサポートをし、イベントに付加価値をつけました。

会場となる寺院で、体験料金として6,000円を取るデトックス体験を企画しました。

また、主催者の課題を伝える動画を制作すると、20万回再生されました。

この動画がきっかけとなり、当日は人が訪れ、ランタンを買ってもらい、売上は8,000円が20万円になりました。

2024年は、100個用意したランタンが、真面目に販売しても4個しか売れなかったのですが、2025年は全部はけました。

廃寺の危機から再生 復興の灯 石川・穴水町 | 石川県のニュース| (MRO北陸放送)

この他にも、能登にはたくさんの豊かなコンテンツがあります。

例えばお祭りや自然ですが、これらの多くは、外の人がお金を落とせる土壌になっていないという課題があるため、能登のポテンシャルを再生につなげるため、お金に変えていく取り組みを行っています。

私は、仕事も収入も、当時付き合っていた彼氏も全て東京に置いてきてコミットしていて、狂っていると思います(笑)。

普通ではないので真似しないでほしいのですが、被災地のために何かできることがないかなと思っている方は、結構いるのではないかと思います。

仮設住宅の課題を解決する、新しいビジネスを作りたい

加藤 俯瞰して見ると、能登の外にいる方は、今行ってもいいのかな?と遠慮されていると思います。

能登の人たちも、誇りだった故郷がこんな状況になってしまっているため、来てほしくてもそう言えず、お互いに遠慮している関係になっていると思います。

今日、はっきり言いたいと思います。

「来て!!」と。

今日、これを伝えに来ました。

福島の話が先ほどありましたが、能登は今、より真っ白です。

正直、何もないです。

既存のコミュニティ、価値観、文化など、いろんなものが壊れました。

だからこそ、ICCに関わっている方のものづくり、クリエイティブの力が必要になると思います。

例えば、仮設住宅から始まる新しい物語を作れないかなと思っています。

日本は災害大国で、大きな災害が起こる度に仮設住宅ができるわけですが、課題は毎回同じです。

仮設住宅に住む高齢者の健康、コミュニティ分断、買い物に行けなくなるなどで、これらの課題を解決する、仮設住宅から始まる新しいビジネスを作れないかと思っています。

伝統工芸の先の新たなものづくりで産業復興を

鶴野 能登には発酵文化が根付いているので、皆さんのアイデアで強烈な発酵コンテンツを創りたいと思っています。

上町 達也さん(以下、上町) 僕は工芸のアップデートに取り組んでいるため、能登にあるさまざまな伝統工芸の先に、新たなものづくりで産業復興できるのではないかと考えています。


上町 達也
secca inc. (雪花)
代表取締役

1983年 岐阜県可児市生まれ、2006年 金沢美術工芸大学卒業後、株式会社ニコンに入社し、主に新企画製品を担当。2013年 手にした人の心を動かす持続的な価値を目指したものづくりをカタチにし、価値を丁寧に手渡し合えるような世界を取り戻すことを目指し、secca inc.を設立。自社ではデザインの視点でsecca独自の経営を推進しながら、各作品のコンセプトメイキングを主に担当。デザイナーとしてはパートナー企業の経営に寄り添ったデザインコンサルティングから具体的な企画、デザインを担当。

山中漆器という伝統工芸の先にARASが描けたという成功体験もあるので、ICCの皆さんと産業を創れたなと思っていますし、壊れた寺社仏閣を復興して工芸プレイヤーの活躍の場を作ってみることもできるかもしれません。

能登コネクテッドには南相馬が応援体制で参加

上町 ここから3分を予定していましたが54秒しか残っていないので、めちゃくちゃ飛ばします(笑)。

最初にご紹介いただいたように、フライングとなりますが、今月の22、23、24日で皆さんに来ていただける機会をご用意しております。

その告知は最後にさせていただこうと思っています。

今すぐにでも来ていただきたいので、フライングで私が企画させていただきました。

ツアーのメインとなる2日目の9月23日は、まず被災地を見ていただき、挑戦する現地プレイヤーのプレゼンを(小林)雅さんにチェックいただくイベントがあります。

ランチ交流会の後は、南相馬の方にもコミットして応援体制に入っていただいているので、南相馬での経験を還元していただくためにお話を頂いたり、コネクテッドイベントを実施したりなど用意しています。

皆さん、ぜひお越しください。

お待ちしております。

▶︎編集注:「石川・能登コネクテッド」として2025年9月22日~24日の3日間、10月に能登の食材を使ったコラボレーションディナーを開催しました。

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荒木 能登地域の皆さん、ありがとうございました。

(続)

カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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