【NEW】ICC サミット KYOTO 2026 開催情報詳しくはこちら

5. 10年続くRENEWが起こした産業革命!ものづくりのまち「福井・越前鯖江」の産業観光

カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

次に登場したのは漆琳堂 内田 徹さん率いる「福井・越前鯖江チーム」。10年続く人気のオープンファクトリーイベント「RENEW」を軸に、ものづくりのまちで起きている「小さな産業革命」を力強くプレゼンします。和紙や漆塗りといった伝統工芸を五感で味わい、職人と直接語り合える「産業観光」の圧倒的な魅力に、思わず今すぐ現地を訪れたくなるはず。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは中小企業基盤整備機構です。


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 6E 「ローカル・コネクテッド」(シーズン4) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!
Supported by 中小企業基盤整備機構

プレゼンター/メイン・スピーカー/モデレーター 一覧

(プレゼンター)

① 青森エリア(青森県)

中村 公一
クロックアップ
代表取締役

▶メイン・スピーカー

古井 茉香
Senbay
代表取締役

堀江 洋生
アワイ合同会社
代表社員

② 上諏訪エリア(長野県)

東野 唯史
ReBuilding Center JAPAN
代表取締役

▶メイン・スピーカー

宮坂 勝彦
宮坂醸造
社長室室長

③ 鯖江エリア(福井県)

内田 徹
漆琳堂
代表取締役

▶メイン・スピーカー

江澤 藍莉
SOE
RENEW事務局長

山田 美玖
SOE
工芸宿SUKU運営

④ 盛岡エリア(岩手県)

松田 文登
ヘラルボニー
代表取締役Co-CEO

▶メイン・スピーカー

板垣 崇志
一般財団法人ヘラルボニー財団
理事

(モデレーター)

荒木 珠里亜

白井 智子
CHEERS
代表取締役

『「ローカル・コネクテッド」(シーズン4) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!』の配信済み記事一覧


荒木 では、次は鯖江エリアのお三方です。

10分間、よろしくお願いします。

ものづくりのまちでの小さな産業革命を語る「越前鯖江チーム」

内田 徹さん(以下、内田) 3人で話します、よろしくお願いします。


内田 徹
漆琳堂
代表取締役

福井県鯖江市出身。1793年(寛政5年)創業の漆琳堂八代当主。大学卒業後、七代続く塗師屋家業に就き、祖父、父に漆器づくりの下地と塗りを習う。2012年越前漆器産地史上最年少で伝統工芸士となる。2019年漆琳堂代表に就く。2020年自社ブランド「RIN&CO.」2021年に「漆琳堂」を発表。福井県、国立法人福井大学と産学官で原料である漆を研究し、これまでの概念に囚われないカラフルで耐熱性・耐久性に優れた漆器商品を開発する。同連携により経済産業省ものづくり企業300社に選定される。漆塗りの技術を継承しながら、若手職人の育成や地域の産業観光にも取り組む。2022年一般社団法人SOE代表理事に就任し、福井県の伝統工芸などのものづくりを主体とした産業観光事業にも取り組んでいる。

ものづくりのまちで起きた小さな産業革命、越前鯖江について紹介します。

福井県の鯖江市、越前市、越前町、この3市町を“越前鯖江市”と僕たちは呼んでいます。

風光明媚な山々に囲まれた、落ち着いた地域です。

鯖江といえばめがねで、めがねが基幹産業です。

めがね産業以外にも、漆器、和紙、越前打刃物、箪笥、越前焼、繊維の7産業が半径10km圏内に集積しているのが最大の特徴の地域です。

10年続くオープンファクトリーイベント「RENEW」

内田 そして、オープンファクトリーイベントRENEWが有名です。

「来たれ若人、ものづくりのまちへ」をコンセプトに、10年間続けてきました。

赤い丸がキービジュアルで、産地の工房見学をし、ワークショップをして直接商品を手に取り、購入できるというイベントです。

街の経営者を集めてトークショーを行うのも、RENEWの特徴です。

10年間の実績をお伝えします。

10年間、成長してきました。

昨年(2025年)は55,000人の来場者で、3日間で4,200万円を売り上げました。

この10年間の変化としては、鯖江でOEM依存からB2C向けの自社商品が増加しています。

43の新しい店舗ができて、日本一のファクトリーショップ集積地と言われるようになりました。

結果、移住者が激増しています。

RENEWをきっかけにした職人やデザイナーの就業は69名にのぼり、雇用を創出し、地元民の郷土愛が強まり、産地の意識が変わってきました。

産業観光を通した地域づくりに取り組む社団法人を立ち上げ

内田 そして、僕たちが作り上げたRENEWが次のステージへ向かっています。

それが一般社団法人SOE(ソエ)の立ち上げです。

今日はSOEから、僕たち3人が来ています。

自己紹介をさせてもらいます。

代表の内田です。

RENEWイベント事務局長の江澤藍莉です。

工芸宿「SUKU(スク)」コンシェルジュの山田美玖です。

どうぞよろしくお願いします。

SOEのビジョンは、「産業観光を通して、持続可能な地域をつくる。」です。

ものづくりの周りのこれら全てが僕たちの事業領域で、産業観光ツアー、宿泊施設、ふるさと納税の運営など、6つの事業が柱となっています。

ここからが本題です、ご提案は「越前鯖江の産業革命潜入ツアー」と名付けました。

Day 1:産業観光を知るショップ巡り

内田 ポイントを4つお伝えします。

新規開設されたショップ巡り、産地の意識変化の仕掛け、ショップ開設に踏み切った各企業の裏側を見ていただき、僕たちが作り上げた工芸宿SUKUも、見ていただき、泊まっていただきたいと思っています。

スケジュールはこんな感じです。

RENEWには100社以上が参加していますが、選りすぐりのお店を紹介します。

まず、KISSO(キッソオ)は、めがね材料商社が目指す、産業観光まちづくりの会社です。

この吉川(精一)さんは新しい会社を創り、めがね材料を使ったアクセサリーのブランドを立ち上げました。

若手雇用を生み出すお店も作りました。

KISSOの工場見学をしてもらいます。

2件目はLens Parkです。

めがねにはレンズが必要ですが、目を大事にしないと叱られる、to C向けに喜ばれる工夫をしているのが、この諸井(晴彦)さんです。

お店にカフェを併設し、レンズを選び、検眼をしてオリジナルのめがねを作ることができる施設を作りました。

3件目は柄と繪 etoeです。

山本夫妻が、問屋制からの脱却として、部品メーカーが店舗を持つ価値を創出しています。

包丁には必ず柄が必要ですが、その柄だけを作っている会社で、店舗があるので柄を作る様子の見学もしていただけます。

ワークショップを行うなどして、包丁の柄の可能性を広げています。

壁一面が越前和紙の宿「SUKU」に宿泊

内田 ここからは、工芸宿SUKUをご案内します。

山田 美玖さん(以下、山田) 私たちが2025年11月にグランドオープンした、越前鯖江を周遊するために整備した宿泊施設です。


山田 美玖
SOE
工芸宿SUKU運営

1995年 愛知県出身。大学時代に福井のオープンファクトリーイベント「RENEW」に訪れたことをきっかけに2021年福井に移住。RENEW事務局として活動し、一般社団法人SOEの立ち上げから宿泊事業開発に携わり、2025年工芸宿「SUKU」をオープン。

越前和紙を体感する工芸宿SUKU、その名前には、宿の「しゅく」の音と紙を「すく」の意味の2つを込めています。

暖簾をくぐるとレセプションルーム、壁一面に越前和紙が使われています。

おそらく世界で唯一の、紙すきができるチェックインカウンターになっており、ゲストにはまずここで紙すきをしていただきます。

和紙の原材料名にちなんだ、三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)という3つのお部屋があります。

宿泊(SUKU)

壁紙は全て越前和紙で、お部屋の至る所に工芸品が使われています。

例えば、楮のお部屋には、楮の繊維を使って和紙の道具をすき込んだアートパネル、和紙で作った照明や、残されていた箪笥に和紙を貼ってリメイクしたカウンター、和紙に漆を重ねて作った洗面カウンターなど、越前和紙の新たな使い方に挑戦しました。

地元のクリエイターや職人と一緒に開発をしています。

「工芸品を使う心地良さ」を体感する創作フレンチ

山田 夕食は、越前漆器や越前焼きなどSUKUオリジナルで作った地元の工芸品を使って、地元の創作フレンチをお部屋の中でお召し上がりいただきます。

SUKUに宿泊いただき、工芸品を使う心地良さを感じていただけたらと思います。

Day 2:紙の神様を祀る大瀧神社見学と和紙すき・漆塗り体験

内田 2日目は、散策していただきます。

日本で唯一と言われる、紙の神様を祀る神社である大瀧神社の見学です。

屋根が4層になっており、「(NHK夢の美術館)世界の名建築100選」にも選ばれています。

古い街並みを歩きながら鳥居をくぐると、人間国宝の九代岩野 市兵衛さんが待っています。

皆さん、人間国宝と会ったことはありますでしょうか。

越前和紙は、2025年12月にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

「越前鳥の子紙」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!(福井県)

その越前和紙を扱う五十嵐製紙にご案内します。

廃棄野菜からの和紙作り、伝統工芸士の技を直接習うことができます。

大河ドラマ『光る君へ』にも工房が登場し、社長が出演しました。

【光る君へ】スタジオセット制作秘話⑤ ―紙漉き農家― 地元の和紙職人が実演! 越前が誇る「紙づくりの現場」(美術展ナビ)

世界で1枚、あなただけの和紙をすく体験をしていただきます。

2件目の目的地は僕の会社で、僕が先生になって、皆さんに漆塗り体験をしていただきます。

あわせて読みたい

越前漆器の歴史を学び、知っていただく工程です。

特典① 産地の機運醸成の秘訣を共有

江澤 藍莉さん(以下、江澤) 私から、ツアー特典を2種類紹介させていただきます。


江澤 藍莉
SOE
RENEW事務局長

1998年 東京生まれ
2020年 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業
2023年 武蔵野美術大学大学院クリエイティブリーダーシップコース卒業
同年 福井県鯖江市 移住
オープンファクトリーイベント RENEW事務局長(2024年~)

1つ目は、RENEWのつくり方を大公開ということで、参加企業の巻き込み方、行政連携、お金のことなど、全て包み隠さず共有させてもらいます。

越前鯖江がこんなに変化してきている理由としては、外へ向けた発信作りももちろんですが、インナーブランディングと地域内への気づき作りも行ってきたからです。

我々が大事にしているのは、「できるという確信をつくること。」

職人が、人が来てくれることで誇りを取り戻し、まだやれるかもしれないという気持ちを持つことが、工房ショップの増加をはじめとした産地の機運醸成につながってきました。

これについて、具体的な手法を共有させてもらえればと思います。

特典② 職人・事務局交流会

江澤 ツアー特典の2つ目は、職人・事務局交流会です。

越前鯖江で一番クリエイティブな時間がこの飲み会です。

10年前は、同じ産地にいても、異業種であればほとんど交流がなかったそうです。

RENEWを通してフラットに話し合える場が、一緒に未来を考え、挑戦する機運を作ってきました。

この熱量を持った場を全国に広げていきたいので、職人と一緒に熱く語らいましょう。

内田 良いことばかり言いましたが、RENEWもSOEも10年前はこういう感じではなく、ある職人がこの言葉を発しました。

「この街の産業は終わりやざ。(この街の産業は終わりだ)」

僕たちの根底には、この言葉がずっとあって、この街を何とかしたいと思って、活動をしてきました。

これはRENEWの第1回目の会議の様子ですが、最初からうまくいっていたわけではありません。

これは1回目の決起集会の様子ですが、今では大きいイベントの始まりは、本当に小さいものでした。

コロナ禍に全国でイベントが中止になる中でも、僕たちは活動し続けてきました。

職人が若者に丁寧に語ることで、その若者が次のお客様を連れてきてくれるようになりました。

若者の移住者も増え、イベントは成功していますが、これからの鯖江の成果を皆さんに見ていただきたいと思います。

ものづくりのまちで起きた小さな産業革命を、ぜひ見にきてください。

どうぞよろしくお願いします。

白井 鯖江チーム、ありがとうございました。

(続)

カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!