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4. 既存のプレイヤーたちをまとめ、地元とのハレーションを解決するには

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上諏訪チームの質疑応答では、地域との関わり方の「リアル」に迫ります。文化度の高い店が集まる背景や移住支援の仕組みを解説する一方で、地元からの苦情やハレーションとどう向き合い、解決していったかという泥臭いプロセスが明かされます。すでに動いている様々な団体をつなげる工夫についても紹介されます。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは中小企業基盤整備機構です。


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 6E 「ローカル・コネクテッド」(シーズン4) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!
Supported by 中小企業基盤整備機構

プレゼンター/メイン・スピーカー/モデレーター 一覧

(プレゼンター)

① 青森エリア(青森県)

中村 公一
クロックアップ
代表取締役

▶メイン・スピーカー

古井 茉香
Senbay
代表取締役

堀江 洋生
アワイ合同会社
代表社員

② 上諏訪エリア(長野県)

東野 唯史
ReBuilding Center JAPAN
代表取締役

▶メイン・スピーカー

宮坂 勝彦
宮坂醸造
社長室室長

③ 鯖江エリア(福井県)

内田 徹
漆琳堂
代表取締役

▶メイン・スピーカー

江澤 藍莉
SOE
RENEW事務局長

山田 美玖
SOE
工芸宿SUKU運営

④ 盛岡エリア(岩手県)

松田 文登
ヘラルボニー
代表取締役Co-CEO

▶メイン・スピーカー

板垣 崇志
一般財団法人ヘラルボニー財団
理事

(モデレーター)

荒木 珠里亜

白井 智子
CHEERS
代表取締役

『「ローカル・コネクテッド」(シーズン4) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!』の配信済み記事一覧


Q1 ①「文化度の高い店が集まる理由」と②「今後の展望」は?

濱田 祐太さん 京都の丹後で、クラフトビール造りやまちづくりをしています、ローカルフラッグの濱田と申します。

▶︎生まれ育った地域の衰退を止めたい! 地産ホップの「ASOBI BEER」で京都・丹後から挑戦する「ローカルフラッグ」(ICC KYOTO 2024)

僕も一度諏訪に行かせていただいたのですが、めちゃくちゃ文化度の高いお店がたくさんあるまちなのです。

他の地域だったら、ちょっと尖りすぎていて集客が難しいのではというお店がたくあんあるのが一つの特徴です。

なぜ、文化度の高いまちになっているかについて教えてください。

もう一つは、お二人がこれから諏訪にどんな投資や仕掛けをしていきたいか、今後の展望も教えていただけたらありがたいです。

Q2 ツアーの内容は?

友安 啓則さん 友安製作所の友安です。

▶︎「友安製作所」は“描く・作る・見せる・売る”を全て行うものづくりで、技術力を発信する製造業を目指す(ICC FUKUOKA 2024)

多分皆さん聞きたいと思うので、ツアーの概要を教えてください(笑)。

東野さんはデザイナーであられると思いますが、70の事業が集まってくるのは、最初からデザインされていたものなのか、他の地方で自治体を含めて取り組めば、実現可能なのかも併せて教えていただけるとありがたいです。

Q3 長く住んでいる人は変化をどう受け止めている?

門田クニヒコさん 五島つばき蒸溜所の門田です。

まちの風景が変わっていっている感じがすごく伝わってきて、ぜひ行ってみたいと思いました。

もともと住んでいた方が、まちの風景が変わっていることに対してどう思っているのか、聞いてみたいです。

荒木 ありがとうございます。

文化度の高いお店が多いのはなぜか、お二人の今後の展望、ツアーの概要、70の事業をどうやって立ち上げていくのか、そしてもともと住んでいた方がどう思っていらっしゃるかですね。

A1①「人脈を持つ妻」と「移住支援の仕組み」が理由

東野 文化度の高いお店について話します。

この写真の右に写っているのが僕の妻で、リビセンの共同代表です。

彼女がフラフラ歩いていると、いい出会いをして帰ってきて、その人が移住してくるという流れがありまして…キャラクターが結構強烈なのです。

今日は子どもを見ているので、来られなかったのですが。

例えば、先ほど話したル ブルターニュというガレット屋から独立したのは、僕らが松屋銀座に出店していた際、たまたま銀座にある長野のアンテナショップに行ったついでに立ち寄ってくれたご夫婦です。

山梨や長野に移住しようと思っているという話をしていたので、「良い物件があるから諏訪にしなよ」と話した1年後には、もうお店を開けていたという感じです。

後から本人に聞くと、ジェットコースターに乗っているようでしたと(笑)。

僕らは事業計画のサポートをしたり、信金を紹介したりしますが、保証協会に認めてもらってもいます。

最近は、「リビセンが大丈夫というなら大丈夫です」と保証してくれて、融資を受けられるようにもなってきました。

そんな感じで、トントン進んでいく流れができています。

あと、妻には、作家の知り合いがすごく多いのです。

ガラス作家、木工作家、服を作る作家などとのつながりがあるので、今年はもう毎月、誰かの個展をリビセンで開催しています。

作家の個展を開催するなら美味しいものがあった方がいいと考えているので、有名なお店のポップアップをリビセンのカフェで行って、両方を楽しめるイベントを開催します。

そういう仕掛けを、こまめに行っています。

リビセンでは毎月、「サポーターズ」という50~60人くらいのボランティアを受け入れているので、そのまま移住したり、働き始めたりすることもあります。

タッチポイントをたくさん作っているという感じでしょうか。

荒木 パートナーの存在と、移住時の支援ですね。

東野 諏訪に来たらぜひ、妻にも会ってほしいです。

妻がいなければ、リビセンはできていなかったと思うので(笑)。

荒木 ボランティアが50~60人来た時は、どこに滞在されるのでしょうか?

東野 社宅としてドミトリールームを用意しているので、無料で泊まれます。

賄いも提供していますので、遊びに行かなければ、お金を使わないで諏訪で暮らせますね。

荒木 ありがとうございます。お二人の今後の展望については、いかがでしょうか。

A1② エリアプラットフォームを活かしたまちづくり

宮坂 リビセンの周りには、カフェや昼間の時間を過ごすお店が多いですが、我々はお酒を飲んでほしいですし、温泉もあるので泊まってもらいたいと思っています。

ただ、料理人を抱えて2食付を提供するのは難しい旅館が増えていますので、我々はやはり、夜向けの美味しいご飯どころをたくさん作っていきたいですね。

蔵の周りの建物も空いてきたので、いよいよそれに取り掛かろうというフェーズに来ています。

東野 お店には、僕が大家をしている建物に入ってもらっている流れなので、僕以外のプレイヤーにも、もっと諏訪のまちづくりに入ってもらいたいと思っています。

ですので、(宮坂)勝彦くんにも「“諏訪企画”(※地域 × 地域リーダー × NEWLOCALで作るまちづくりモデルの諏訪版) を作ってよ」と話してはいますね。

僕の今後の展望についてですが、公民連携の諏訪市のエリアプラットフォームの企画にメンバーとして入っており、今年、社会実験を行い、一定の成果は出ています。

実は諏訪では、いろんな団体がいろんな取り組みをすでに行っていて、それが動いていくと思っていますので、そのエリアプラットフォームを上手に使いたいです。

何か事業や団体を作るのではなく、既存の団体をうまく編集、ディレクションでつなげていって、諏訪の取り組みをもう少し見やすい形にする、いわばソフト面の整備をしっかりしたいと考えています。

例えば、諏訪湖の掃除をする取り組みも、いろんな団体が行っています。

それらを整理すると、毎月誰かがしているということなので、1つの発信源として集約すれば見やすくなります。

池袋には、朝みんなで集まって街の掃除をしてコーヒーを飲んで帰る、Cleanup & Coffee Clubという集まりがありますが、それを諏訪でも取り入れて行けたら面白いかなと思います。

今後は、そういうソフト面の整備に力を入れていきたいと思っています。

荒木 既存の複数のプレイヤーを束ねるのは、ハレーションなど難しい部分があると思いますが、何か課題はありますか?

東野 人は集まりますが、全体を仕切る人がいなかったのです。

エリアプラットフォームに集まったとしても、団体として来るので、団体としてできることしか話が進まないので、うまく調整しづらかったのですが、東京と諏訪の2拠点を構えている、企画ができる友人がいるので、彼らがプロジェクトマネージャーとして入ることで、これはできるという感覚になってきましたね。

荒木 そういう方が入ることで、全体がまとまっていくということでしょうか。

東野 そうですね、僕よりもプロジェクトマネジメントがずっと得意な人なので、その人に任せたいと思っています。

荒木 東野さんは、仲間集めが本当にお上手なんですね。

Q2 諏訪大社、藤森建築、リノベーション界隈を回るツアー

白井 どんなツアーなのでしょうか?

東野 ありがとうございます(笑)。

先ほどご紹介した、諏訪大社や藤森建築を案内します。

人と神をつなぐ守矢家の子孫であるアーティストがいるので、彼に一緒に回ってもらえたら面白いのではないかと思っています。

真澄の蔵とショップがあるので見学していただき、リビセンを中心としたエリアリノベーション界隈を回ってもらいます。

地域のプレイヤーとして個人事業主がたくさんいるので、彼らと交流会ができたらいいなと思います。

それぞれ、なぜ移住したかというリアルな声を聞ければ、自分の地域に移住してもらうフックを作るきっかけになるかもしれないですし、人口5万人に満たない小さなまちなので、そこで投資をして事業をすることの悩みや決断理由についても話し合えると面白いのではないかと思います。

素敵な宿と食事も案内

東野 麻婆豆腐とガレットも用意したいなと思っています。

素敵な宿がたくさんあるのですが、ここに案内したいなと思っています。

江戸末期の歌舞伎の劇場をリノベーションした宿(mawari)で、リビセンが経営しています。

わざマートの上のマイクロホテル(mitaya micro hotel)に泊まれば、わざマートで買った美味しいものをホテルで食べ、飲むということもできます。

稲とアガベのお酒やGOTOJINも売っています。

マスヤゲストハウスという、HOTTA CARPETのカーペットを使ってデザインした、素敵なゲストハウスもありますし、藤森建築の中で、世界で唯一泊まれる建物もあります。

予約確定しないと住所が明かされない、特別な建物です。

泉質が良すぎて武田信玄に毒と呼ばれた、毒沢鉱泉 神乃湯という温泉も含め、いろんな楽しいところがあるので、ご案内予定です。

白井 ありがとうございます。

荒木 ワクワクしてしまいますね、素敵な写真で行きたくなります。

もともと諏訪に住んでいた方がどう感じられているのかについては、いかがですか。

A3 地元からの苦情は一つ一つ解決

東野 どの地方でも起こる問題だとは思いますが、リビセンの場合、釘を抜くなどの作業で音がすごくうるさく埃も出るので、苦情がすごく来ていました。

20年間空いていた1,000平米のビルを借りており、それまでの生活とは変わってしまうので、ハレーションは起こすだろうなという感じですが、一つ一つ丁寧に対応していたら、ここ数年はそういう苦情がようやくなくなりました。

エリアプラットフォームなど、公民連携の会議に参加すると、地域のNPOを運営している方や商店街の組合長などが今、「リビセンに任せればいいよ」と言ってくれるようになっています。

それは嬉しいことですが、僕らが前に出すぎる、つまり諏訪がリビセンのまちになるのは僕の本意ではないので、うまくバランスを取りながら進めたいということも伝えています。

僕らが移住者だからそういうハレーションが起こっていたのかとも思いましたが、地元の高校の校長先生をしていた方が、NPOという形で諏訪に中高生の居場所を作った時も、町内会出身じゃなければうまくいくわけがないと散々言われたらしいです。

諏訪出身ではなく、町内会出身でなければ認められないのかと思ったので(笑)、もう仕方ないなと。

で、あとはもう真摯に向き合っていくしかないんだという気持ちに最近なりました。

荒木 諏訪エリアは人口5万人に満たないとおっしゃっていたと思うのですが、今、移住者の割合はどれくらいなのでしょうか。

東野 人口の自然減には到底敵わないですね。

2、3年前は、お店を経営するために移住してきている人が多い印象でしたが、最近はお店なしの移住者もすごく増えてきた感じがします。

宮坂 雰囲気はすごく変わりましたね。

以前は、週末にはまちに人が歩いていなかったですが、今は徒歩圏内に店があるので、移動が起こって酒蔵街に来てくれる人もだいぶ増えたと感じています。 

東野 花屋ができたので、花束を持って歩いている人がいる景色は最高です。すごく良いですね。

Q4 諏訪について語れる人と会うには?

水沼 樹さん 日本町工場濃度ランキング1位、燕三条の諏訪田製作所、水沼と申します。

▶︎感動の切れ味を誇るつめ切り!「諏訪田製作所」は若い職人があふれる工場で、燕三条の鍛冶屋の技術と革新に挑戦する(ICC KYOTO 2023)

諏訪の話を聞かせていただいて、すごく感銘を受けました。

諏訪田製作所とは名前に共通点があるので、仲良くしていただけると嬉しいです。

食事や建物の話は素敵でしたが、文化や神事とのつながりを最初に説明いただいたからこそ、内容が頭に入ってきやすかったです。

旅行者に何を食べてもらうか、してもらうかはすごく大事な一方、根っこにあるものを理解してもらうと、満足度に直結するのだと思わされました。

質問ですが、住むとまでいかなくても、諏訪に行ってみようと思う人に対して、今日聞かせていただいたような話を語る人がいるのか、聞く場所があるのか教えてください。

A4 ぜひ店のオーナーと話してみて

東野 諏訪は、個店オーナーが自ら店に立つお店ばかりであるのがすごく良いと思っています。

彼らにとって、2店舗目はないのです。

そうすると、全ての店のオーナーが諏訪のことを話せます。

いろんなつながりを作る仕掛けもしています。

例えば、地域内のシェアタンブラーである「ぶらぶらタンブラー」は、テイクアウトカップを使わずにコーヒーをテイクアウトできる取り組みです。

このタンブラーは、花屋や古本屋でも返せますので、「どこでこれを借りてきたんですか?」という会話が生まれ、お客様とお店を超え、少し踏み込んだ関係性を作るソフトになります。

また、サポーターズについても、「ボランティアに来ている」とお店の人と話すと、会話が深まることもあります。

そういう会話のきっかけになるフックを諏訪の中で仕掛けているので、諏訪のことを知るきっかけが増えていると思います。

荒木 では終了時間となりましたので、最後に、諏訪に関する思いを皆さんに伝えていただけますか。

東野さんの裏テーマは「宮坂さんの意識変容」

宮坂 日本全国に酒蔵はあり、同じような悩みを持つ地域がたくさんあると思います。

ヒントの一つが諏訪にあると思うので、ぜひお越しいただき、見ていただき、一緒にお酒を飲んでいただければと思います。

ぜひよろしくお願いします。

東野 今回、勝彦くんと一緒に登壇したのですが、彼は、THE地元の人です。

しかも、諏訪の中では伝統ある大企業の、悪く言えばボンボンです(笑)。

勝彦くんの意識が変わって、諏訪にもっとコミットしてもらえると、諏訪はもう1ステージ上に行けると思うのです。

諏訪の真ん中にすごく大きい6階建てビルが空いているのですが、何とかできればいいという話になり、先日もNTT基地局の支店長に勝彦くんがつないでくれました。

今回、僕が持っていた裏テーマは彼の意識を変えることです。

そのためにも皆さんに諏訪に来ていただければ、もっと彼がコミットしてくれて、一緒に“諏訪企画”を作ることもできるかもしれませんので、ぜひよろしくお願いします。

ありがとうございます。

白井 上諏訪チームのお二人、ありがとうございました。

荒木 そんな裏テーマがあったとは知りませんでした(笑)。

雅さんにもその意図があって、アサインされたのかもしれません。

白井 事前に資料を見て、創業364年はすごいなと思っていましたが、それよりもっと前、5000年以上前の縄文時代からつながっているのだなと。

たまたまリビセンが諏訪にできたのかなと思っていましたが、真澄や諏訪大社には、全てのものに神が宿るというアニミズムの考え方があって、その場所にリビセンがまちを作っているというのは、悠久の時代を超えた物語だと感じました。

社員を連れて諏訪に行こうと思いました、何より近いですしね。

荒木 ありがとうございます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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