産業エコシステムにあるべき「つながり」と「お金の循環」【K17-5E #4】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

産業エコシステムにあるべき「つながり」と「お金の循環」【K17-5E #4】

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「産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論」【K17-5E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その4)では、サムライインキュベート榊原さんに、起業家とVC(ベンチャーキャピタル)が敵対関係を築かずにエコシステムを創るために取り組んでいる事についてお聞きしました。是非御覧ください。

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2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 5E
産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論

(スピーカー)
石田 真康
A.T. カーニー株式会社 プリンシパル / 一般社団法人SPACETIDE代表理事

各務 亮
株式会社 電通
プロデューサー

榊原 健太郎
株式会社サムライインキュベート
代表取締役

丸 幸弘
株式会社 リバネス
代表取締役CEO

(モデレーター)
西村 勇哉
NPO法人ミラツク
代表理事

「産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論【K17-5E #1】

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産業エコシステムづくりのケーススタディ – 宇宙産業&伝統工芸産業【K17-5E #3】

本編

西村 少し視点を変えて丸さんに伺いたいのですが、エコシステムを創るというような変わったことをする組織についてです。

組織もガチガチのトップダウンというよりは、変わった形態の方が上手くいくイメージがあります。

例えばリバネスはどのような組織形態でエコシステム創りをこれまでされてきたのでしょうか。

 もともと宇宙の産業にいたわけではない人たちが旗揚げしてフォーラムを創って違った方法で人を呼び込むというのは1つの方法論だとは思います。

しかし、僕たちが思う更なる近道というのは、もともとそこにいた産業の人たちが自ら新しい職業を生み出すことです。それを僕たちはコミュニケーター職と呼んでいます。

コミュニケーターという新しい職業を創る

 例えばもともと研究者で博士まで行っても、研究産業がないのでどんどんシュリンクしてしまい、大学でもポストがないというポスドク問題が起きています。要は、社会から「博士は要らない」と言われてしまっている状態なんですね。

それを見ていて思ったのは、研究という経済圏ができれば、つまり、研究を探究した人が新しい職業としてコミュニケーターをやれば、そこでネットワークをつくって新しい知識を経済に持っていく形ができるということです。つまり、知識研究経済圏ができ上がります。

だから僕たちの会社は全員研究者です。約70人の社員のうち半分以上が博士で、ほぼ全分野にわたっています。その人たちのバックにはその分野の学会があり、恩師をはじめとする先生方がいます。

ですから例えば「この課題を解決するのだったらこのロボティクスとこの人工知能とこのバイオロジーを組み合わせればできる」というような発想を持って、コミュニケーターとして先生たちを口説きます。

 ただ、分野の異なる先生たちは概して仲が悪いものです。機械工学のトップとバイオロジーのトップがお互いのことをデタラメだと言い合っている――なんてこともあり得ます。

しかし、その間をとりもちながらつなぎ合わせていって、僕たちコミュニケーターが、その上位概念である「ナレッジ」を創造します。

これをベンチャーキャピタルや起業家につなげ、ここに銀行からお金を借りたり、ベンチャーキャピタルからお金を入れたりして、まさにメンターを付けて世界に羽ばたかせていきます。

大本を作り込む時に、その大本を体験した人をどう口説き落とすか、そのときに僕達は「新しい職業を創れば新しいエコシステムが繋がる」と言えるのか、というのが非常に重要だと思います。

もちろん外部から入るというのは勇気がいることです。

また、僕たちは。研究分野には捏造もたくさんありヒエラルキーもあり、お金で私腹を肥やしている人だっていることも知っています。こんな世界ですが、その中の若手が新しい職業を創れば良いと思っています。

これも言ってみれば起業家精神で、今日話していてやはり教育が必要だと思いました。自分で話してて気づくっていう(笑)

(会場、笑い)

 榊原さんもやっぱり教育だよね!という顔をしてますが(笑)

課題がたくさんある中でなぜそれに飛びつかないのかという話に戻ってしまいますね。

起業家に「お金の回し方」を教育をする

榊原 教育に関しては投資する時にもいつもお知らせするようにしています。起業家さんとベンチャーキャピタルはなぜか敵対関係にあることがあります。

それは目の前のことしか考えていないからです。

「なぜ投資家さんにお金を返さなければいけないのか分かるか」と問うと、ベンチャーキャピタルは「儲からないと僕たちは生きていけない」という話をされ、「僕らを生かすために資金を戻さなければいけない」というお話をされますが、そうではなく次の起業家のためです。

僕たちが儲けられないと次の起業家にお金が回らないのです。そのことをあまり考えられていない方もいます。

また投資契約の際にお願いしていることは、成功したらかならずインキュベーターになってくださいということです。

今嬉しく思っているのは、サムライが持っているファンドにも僕たちが投資した会社にも長いところですと9年、10年位投資して頂いています。

100社に投資して30社くらいにインキュベートして30社程にエンジェルとして投資して頂いています。

そこをきちんと教えてあげないと自分たちのところでお金儲けしてそこで止めてしまいます。そこを回すという教育です。

未だに敵対関係があります。

榊原 失敗したらその体験をフィードバックすることでそれはお金として返せることなので良いという話はしているのですが中々それを分かってもらえません。

またもう1つ教育の部分についてですが、両親がストレスの高い仕事をしていたり起業していると、その両親のストレス体質が遺伝するらしいです。そのため将来自分の子供が強くなります。そのような繋がりを皆考えていません。

自分が失敗したとしてもストレス体質は遺伝するので子供が成功します。

 エピゲノムですね。

榊原 そうです。ご両親が起業家や自営業者だと成功する確率は高いです。

将来の起業家にお金を回す

西村 起業家と起業家を繋ぐというのは、サムライインキュベートを通してくれというのではなくて、お互いがエコシステムの中で相互関係を作っていくというのが面白いですね。

榊原 繋がった関係にあることを皆さん知りません。それを知ってほしいということがあります。

前に出てしゃべれば良いのに、ベンチャーキャピタルの方は何のためにやっているかということを皆さん言いません。雇用を創って社会貢献したい等は話さずに、リターン等テクニカルな話がメインになるからそうなってしまっていると思うのですが。

そうではなくて、将来の起業家にお金を回すために儲けさせてくれという話だと思います。

 まさに長期的なビジョンの中で、リアルテックファンドも、誰も投資してくれなかったところに出資しています。

色々なベンチャー企業がいますが、競合しないで一緒に育てて、その人たちが成功したらまたこのエコサイクルをもっと大きく回したくて、結局最後は研究に戻ってくるような、そういうサイクルにしたいと思ってリアルテックもチャレンジしています。

榊原 結局丸さんも僕たちもインキュベーターと言われますがインキュベーターではありません。

要は保育として、子供を育てるようなものです。エコシステムのベースで、そこなのです。起業家だけではなく子供もそうですし、色々なところにインキュベーションしなければいけません。

僕も結婚して父親が一番大変なインキュベーターと思っていますが。奥さんのインキュベーションも本当に大変です。もうクリアしましたが相当辛かったです。

(続)

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続きは 産業エコシステムの発展に必要な「触媒」とは? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

今の起業家への支援が、次世代の起業家の支援にも繋がっていると思うと、ロマンがありますね。(横井)

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