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「産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論」【K17-5E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その5)では、SPACETIDE石田さんとリバネス丸さんが、業界と業界・会社と会社を繋ぐ人材の必要性について議論しました。丸さんはそのような人材を「コミュニケーター」や「触媒」と表現しています。是非御覧ください。
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2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 5E
産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論
(スピーカー)
石田 真康
A.T. カーニー株式会社 プリンシパル / 一般社団法人SPACETIDE代表理事
各務 亮
株式会社 電通
プロデューサー
榊原 健太郎
株式会社サムライインキュベート
代表取締役
丸 幸弘
株式会社 リバネス
代表取締役CEO
(モデレーター)
西村 勇哉
NPO法人ミラツク
代表理事
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最初の記事
【新】産業を創るためのエコシステム作りを徹底議論【K17-5E #1】
1つ前の記事
産業エコシステムにあるべき「つながり」と「お金の循環」【K17-5E #4】
本編
西村 循環が起こり始めているという実感が、例えば、石田さんとか各務さんの中にあれば具体化して教えてください。
石田 丸さんのところは日本中の研究者のところに行くわけですが、エコシステムをうまく創るためには、そのようなクローラーになる人が必要だと思います。
壁を壁と思わずひとまず土足でどんどん入っていくような人です。
ステークホルダー連携、言葉は良いのですが、色々なミーティングをやっても中々進みません。業界の「あっちとこっち」をどうつなげるか。投資家と起業家というのもありますし、宇宙産業では大手企業とベンチャー企業とか、政府機関と民間企業などがあります。
それを越えるクローラーみたいな人が繋げていくのが1つなのですが、一番良いのは先程丸さんがおっしゃられたように、あっちの人がこっちに来て、こっちの人があっちに行くことです。
例えばアメリカですと、NASAを辞めた後に宇宙ベンチャー企業のアドバイザーをやっている人が非常に多いです。現役の時に辞めてそちらに行く人も多いです。
このようにあっちとこっち、こっちとあっちというように人の異動が始まると段々境目がなくなり歩調があってくるようになります。
西村 今面白いと思ったのは、先程のTakram田川さんの「関わり方は色々ある」というお話です。今のお話は関わり方が起業家ではなくアドバイザーということですね。関わり方が色々あるなと思いました。
石田 そうですね。NASAを辞めてアドバイザーになる人だけでなく、途中で辞めて起業する人もいます。例えば、国際宇宙ステーションのプログラムマネージャーだった方が、起業して将来の宇宙ホテル建設を目指しています。
西村 どちらでも良いのですね。起業しろという話ではなく、何かしら関わってこちらにきてくれると間を繋いでくれるのでやり易くなると。
石田 逆もあります。シリコンバレーの投資家の方がNASAのアドバイザーをやったというのもあります。両方あります。
触媒としていろんな会社や業界をくっつける
丸 生命科学的には、僕たちのようなコミュニケーターという職業は触媒です。重要なタンパク質が2つあったとして、我々がいなかったとしてもそれらがくっつく可能性はありますが、速度が遅かったりします。
水みたいな仕事ともいえるかもしれません。なくても大丈夫な状態は作れますが、あったら反応が速いとか、繋がっていられやすいとか。とてもファジーな職業です。我々の職業は分かりにくいです。
そして、その分かりにくい職業をプロとしてやる人が、日本にはあまりにも少ないです。
分かりやすさというのは、つまり壁を切って御社弊社に分断することです。「御社と弊社」というのは僕の一番嫌いな言葉です。御社と弊社の間は駄目なのですかと思います。
ベンチャー企業を70社も支援していれば、自分の一部はそれらの企業にも入っている訳です。
そのような人たちもプロとして堂々といられる日本を作らないと、中々うまくいかない気がします。
西村 何個同時に加わっているかみたいなランキングを出したりとかですね。「丸さん70個なのにまだ1つなの」みたいな感じですね。
丸 「大丈夫?21世紀終わっちゃうよ」という話をしたいです。
西村 丸さんの話が面白かったのでもう少し聞きたいのは、触媒もあるし、密度みたいなものもあると思います。
密度が薄いと全然反応しないというようなこともあると思うので、一定の密度を作っていないといけないと思います。
そのためには一定の密度を保たないといけないと思います。常に拡散している状態だと入った分からどんどん出て行くような状態になってしまうと思います。
どうやって密度を保つためにそこに関わってもらうのか。このエコシステムがちゃんと機能するまでどうやっていてもらうようにしているのかを考えたいなと思います。
どなたでも良いですが、このように上手く吸引していますというのがあれば教えてください。
エコシステムを機能させるために「殺す」
丸 エコシステムで大事なのは、どれだけ排出するかです。「Leave a Nest」のとおり、非常に多く輩出しています。
死ぬことを前提としているのがエコシステムなので、基本的には死んでもらいます。しかしその「死に方」というものがあります。ベンチャー企業が駄目だったらリバネスに入社すれば良い訳です。これがエコシステムです。
丸 皆博士で、そこに投資している訳ですから、自分がメインでやることを辞めても、サポートする側に回れば良い訳です。逆に言えば、辞めることによって次の人をサポートできるようになります。
だから僕は、人材についても基本的には溜めるという発想はありません。溜めることはエコシステムとしては最悪です。回すことが大事なので、輩出する側を強化します。
癌化した細胞は最初に見つけて切り離して捨てなければいけません。
西村 今日エコシステムの話をするためにもう1つ持ってきていたのが「崩壊と再生をどうデザインするか」ということでした。しかしこの話題はややこしすぎるからやめようと思っていました。
しかしエコシステムなので基本は崩壊と再生のサイクルですね。それが色々なところで部分的に残っていて全体としても崩壊と再生をするという話です。
崩壊をどう受け止めるかというところをどのようにデザインしているのでしょうか。
榊原 先程もベンチャーキャピタルのセッションに出て思いましたが、ベンチャーキャピタルも職人技です。
インキュベーターもそのようなところがあり、僕も10年くらい経ったのでそろそろマニュアル化しようと思っています。起業家が成功する再現性の確率を高くしようと思っています。
先程 丸さんがおっしゃったように失敗の事例の中にノウハウとなるような事例があると思います。そこの体系化です。
起業家が0からアイディアを創ってそれをマーケットに持っていく、その辺について共通の部分をそろそろマニュアル化できる気がします。
マニュアル化して開放して誰でも楽に起業ができるというものを作りたいと思います。
自営業者の子供や、親が起業していなかったらやめた方が良いという話とか、親がどのようなストレスに関わってきたか、自分がどれだけストレス耐性があるのかを把握して起業するとかですね。そういうところを工夫してマニュアル化していこうと思っています。
西村 面白いのは、ベンチャーキャピタル等では1つの会社の点しか見えていないのが、その周囲をどうやって動かしているのかということまで考えると動き方が変わってくるものです。
投資をして一点だけに関わるのではなくて面に対して自分は何を動かしているのかと考えると今のようなマニュアルの話もようやく出てきます。
(続)
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続きは 産業エコシステムづくりを継続するための大切なモチベーションとは? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸
【編集部コメント】
丸さんが、生物学や化学の視点でエコシステムを解説してくれていて興味深かったです。大学1・2年生の時に生物学を真面目に学んだ身としては懐かしいところもあります。(横井)
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