先端テクノロジーを取り込み、ビジネス化できる組織をつくるには?【K17-5D #7】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

先端テクノロジーを取り込み、ビジネス化できる組織をつくるには?【K17-5D #7】

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「先端テクノロジー X スタートアップのCo-Creationを徹底議論」【F17-5D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その7)では、技術ドリブンなビジネスのフェーズの時に経営者はどのように事業機会を見つけていくべきか、について議論しました。「戯れる」という言葉がキーワードです。是非御覧ください。

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【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 5D
先端テクノロジー X スタートアップのCo-Creationを徹底議論
Supported by IBM BlueHub

(スピーカー)

尾原 和啓

菊池 新
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 兼 最高技術責任者

西條 晋一
株式会社WiL
共同創業者ジェネラルパートナー

森本 典繁
日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員 研究開発担当

(モデレーター)

高宮 慎一
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
パートナー/Chief Strategy Officer

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最初の記事
【新】量子コンピュータなどの先端テクノロジーのビジネス化を徹底議論!【K17-5D #1】

1つ前の記事
大企業の「眠っている」知財をスタートアップはどう活用すべきか?【K17-5D #6】

本編

高宮 少しまた技術の方に振れてしまいました。

ここで菊池さんにお伺いしたいのですが、ナビタイムジャパン社はベンチャーというステージは超えているものの、IBM社と比べるとまだ「大」企業というわけではありませんが、技術の「Make or Buy」のような話はどのように考えられているのでしょうか。

「Buy」するとしたら、外とどのような連携をされるのでしょうか。

ベンチャー側、もしくは更に大きな大企業とどのように連携していくのか、どのようにお考えですか?

菊池 そうですね、弊社は今まで技術を買うということは考えてきていません。

ナビタイムのコア技術である経路探索アルゴリズムは自社開発にこだわっています。
一方で、AIにしては、機械学習を自分たちでは作らず、ツールとして他社の技術を活用しています。

今は、クラウドシステムやIBM社の量子コンピュータなどを活用して、何かより大きなビジネスができないかということを考えています。

高宮 AIなり量子コンピューティングなりが、今後サービス化していくから、それの使いこなし方をビジネス側としては考えていくと。

菊池 それらを活用するということだと思います。

量子コンピュータの話に少し戻りますが、今後どのように発展するかについてもきちんと考えながら、技術トレンドを追い、ビジネスを展開していかなくてはならない、と強く感じています。

逆にお伺いしますが、今後の量子コンピュータの発展というのは、マイルストーンなどがあるのでしょうか。その場合どのようなマイルストーンで考えていらっしゃるのでしょうか。

量子コンピューティング実用化に向けたスピード

森本 もちろんありますが、公開できるものと、できないものがありますので……。

(会場笑)

後ほどオフラインでご相談させていただければと思いますが(笑)、確実に言えることは、IBMが本格的に量子コンピュータに投資を始めたのは2005年頃で、かれこれもう12年くらい経過しています。

当初、始めたばかりの頃の想定に比べると、実現のタイミングが10年以上前倒しになっているということははっきり言えます。

数年前に大きなブレークスルーがあったことが非常に大きかったのです。

いわゆる量子状態にすることで量子計算ができるのですが、その量子状態にしておく時間、コヒーレント・タイムというのですが、従来短かったこの時間を、長く安定して量子状態をキープできるようになる目途がついたんですね。

それによって急激に、実用化に向けて進んできています。

今は量子コンピュータを作る側の話が日本ではホットになっているのですが、それとあわせて、量子コンピュータをどう使うのかについても研究開発をして、国としても、もっとそちらの方に予算を付けてほしいと思っています。

「日の丸量子コンピュータ」だけではなくて、もう実際に出てきますから、それをどのように使うかという方により多くの研究予算を付けてもらいたいのです。

尾原 昔はエンジンをかけるのにも、手回しで非常に時間をかけてやっていましたし、エンジンを回してもすぐにオーバーヒートして止まっていたのが、今は瞬間湯沸かし器のような感じでアルファ碁くらいの計算量が計算できます。

しかもそれが長続きしてくれるので、極端な話、今リアルタイムのデータで起こっている変化を常に最適化し続けるくらいまで、だいぶ視野に入ってきているということだと思うんですけれどね。

高宮 最後に西條さんに一つお伺いした後に、会場から質問をいただきたいと思いますので、ぜひ皆さん質問を考えておいてください。

尾原さんが先ほどおっしゃっていたモーターの話や、インターネットにしてもそうですが、最初に技術が登場した時というのは、非常に技術ドリブンなイノベーションで、技術そのものがビジネスになるというようなフェーズだと思います。

インターネットがここ5年、10年くらいそうだったように、技術がこなれてくるにつれて、極めてサービス業的になってきて、サービス業になってくると、ビジネスサイドの経営者としてはアイデアや市場の問題を起点として、非常にビジネスが立ち上げ易くなるようになります。

その中で、最初の技術ドリブンなイノベーション、技術ドリブンなビジネスのフェーズでは、経営者としては、どのようにビジネスを作っていくべきか、事業機会を見つけていくべきか、もしくは一番強い技術、普及するだろう技術を見極めていくようなところが、重要なポイントになってくると思います。

それは決して、理系だからできる、文系だからできない、というような話ではないと思っています。

経営者としてどのように技術をコアにおいてビジネスを組み立てていくべきか、また経営者自身何を機能として持つべきだと、西條さんは思われていますか?

新技術に即座に対応できる「遊び」を組織に持つ

西條 そうですね、先ほど別のセッションでもお話しさせていただいたのですが、やはり新しい技術やイノベーションが生まれた時に、酷い目にあったというようなケースは珍しくありませんよね。

圧倒的なシェアを持っていたのに、全く失ってしまっただとか、あるいは驚くほど利益の出るベンチャーが急に出てきたりだとか、2000年頃からそういうことが起こっていますし、少なくとも、ネット企業にいる皆さんは結構経験していると思います。

大して重要視していなかった事業が、突然非常に儲かるようになったり、10年くらい前に成功していた会社がいつの間にか消えていたりだとか、結構あります。

最近であれば仮想通貨まわりであったり、今は手を出さないにしても、結構大きなネットベンチャーの経営者などは、常に何か起きたら動くぞというスタンスで、組織に余裕というか、ブレーキやアクセルでいうところの遊びの部分を持たせているケースが多いですし、逆にその遊びの部分がないと、対応できません。

常に最適化をして、皆が100%パツパツのパフォーマンスを出しているような組織よりは、優秀なエンジニアなのだけど活躍していない人もいるというくらいの遊びのある組織を維持し、かつ経営者が何か新たなトレンドが来た時にそこに体重をぐっと乗せられるような準備はしておくべきなのかなと思います。

逆に、それができている会社は、この十数年を見ていても適応して、生き残っています。

たとえばスマホへのシフトができた会社、できなかった会社がありましたが、そのような準備ができていた経営者の会社は、大体トレンドに乗れているかなと思いますので、同じような感じではないでしょうか。

「シーズと戯れる」余裕を

高宮 トレンドに乗って、技術ドリブンな会社であり続けるグーグルは、まさにその20%の余裕を常に持たせ続けている、そのような感じなのでしょうか。

尾原さん、グーグルでの経験からお話しいただければと思いますが、その20%というのは、技術トレンドをとらえきるためにはやはり大事なのでしょうか。

尾原 正確に言うと、20%ルールというのは、時間の20%ではないんですよね。

実は自分の達成すべきミッションのうち、20%を好きに取り組んでいいという話なので、八割のミッションを二割の時間でやってしまう人は、八割の時間を使ってその20%を追いかけています。

もう一つ大事なことは、もともと20%ルールというのは3M(スリーエム)社から始まったものなのです。

結局、3M社にも、先ほどお話のあったIBM社と同様に、社内に、山のように訳の分からない特許と、そのデータベースのようなものがあり、それをひねくり回して何をやってもいいよ、というのがもともとの密造酒ルールだったのですね。

その成果として、貼り付かない接着剤ができ、ポストイットが生まれたわけです。

ですから、シーズと戯れるということを、どこまで余裕をもってできるかという話なんですよね。

高宮 戯れる、ですね。まさに。

いい言葉ですね。いい言葉が最後出たところで、最後に会場の皆さんからご質問いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(続)

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

大学は、シーズと戯れる余裕がある組織で、それゆえ、大学から新発見やイノベーションが生まれているのだと思います。企業にも企業内大学があると良いという話なのだろうと思いました。(横井)

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