7. 個が力を持つ時代、プロデューサーに求められるのは「育成能力」と「出口の確保」だ(SHOWROOM・前田) – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

7. 個が力を持つ時代、プロデューサーに求められるのは「育成能力」と「出口の確保」だ(SHOWROOM・前田)

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「エンタメ・ビジネスは今後どのように進化するのか?」8回シリーズ(その7)では、クリエイター個人が集客できる時代にプロデューサーが叶えるべき要件を議論します。SHOWROOMの演者が抱く「プチ夢」とは?ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 7D
エンタメ・ビジネスは今後どのように進化するのか?

(スピーカー)

岡田 一男
株式会社CAMPFIRE
執行役員

峠田 浩
TBSテレビ
制作局 ドラマ制作部

前田 裕二
SHOWROOM株式会社
代表取締役社長

(スピーカー&モデレーター)

新井 拓郎
株式会社Candee
代表取締役副社長 CBDO

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最初の記事
1. 次世代エンタメ業界をリードするプレイヤーを一挙紹介!

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新井 さて、時間もなくなってきたのでQ&Aタイムに入りたいと思います。

エンタメ業界全体の中で質問を絞るのも中々難しいと思いますが、ご質問のある方は挙手頂けると幸いです。

質問者1 コーポレイト・ディレクションの占部と申します。ありがとうございました。


占部 伸一郎
コーポレイトディレクション
パートナー

2001年東京大学経済学部卒。新卒で株式会社コーポレイトディレクションに入社し、17年間の間、一貫してコンサルタントとして活動。2012年にパートナー就任しCDIの経営に携わる。途中、三菱商事の金融事業本部M&Aユニットへの出向経験がある。ネット/通信/モバイル分野、アパレル/消費財、不動産関係向けに中期計画の策定、新規事業の立上げ、アジア展開、事業再生、組織改革などに取り組んでいる。大企業向けのプロジェクトを手掛けるかたわら、近年では成長ベンチャーの支援に力を入れている。Fringe81株式会社社外取締役を兼任。経済ニュースメディア「Newspicks」プロピッカー。

先ほどの前田さんの4象限の話が非常に面白いと思いました。

V字で上がっていくというのは、まさにインターネットでデビューして有名になっていくということだと思います。

旧来の出版社や映画会社、レコード会社などは左上で発掘して右上に持っていく、そのようなルートだったのが、下のルート(ファンとの「密度」を高めることでファン数を増やす)も新しくインターネットによって出来てきたということなのだと理解しています。

前田 おっしゃる通りです。

質問者1 今後も左上から右上に行く人もいるし、下を掘っていく人もいるという2ルートができたとすると、インターネットでいきなりヒカキンみたいになる人もいますが、一方で、それだけではないあり方もあるのではないかと思います。

ファンを発掘して育てるという点についてはおそらくインターネットが強いですよね。

たくさん人が集まった中で素人が出てきて、その中からスターが出てくるという4象限における左側の方はインターネットが強いです。

真ん中でファンをブーストさせるというところになると、もちろんインターネットだけで有名になる人もいると思いますが、映画など違うところに出た方が良いケースもあると思います。

そのように、1つのコンテンツをマルチユースをする、リアルとインターネットをうまく組み合わせてプロデュースをするような存在がおそらく出てくるのだと思います。

それが今までであれば出版社なりレコード会社なり映画会社なりが担っていた役割が、インターネットと組み合わせたときに、そういうことをうまくできる人は誰になるのかというところに1番興味があります。

旧来型の人がインターネットに対応していくのか、インターネット出身の人がリアルに取り組むのか、それとも独立型のプロデューサーがやっていくのかなど、その辺をどのようにお考えかお聞かせ頂きたいです。

リアルとネットを繋ぎ合わせるのは誰の役目か?

前田 これは先ほど3つ選択肢があった中の最後にあたります。

僕たちがやろうとしていることがあって、それこそオフラインやリアルで僕たちがフェスをやったりとか、今までレガシーな業界の方がやってきたことを僕たちのやり方で新しくやろうとしているということは実際にもう起きています。

SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田 裕二 氏

その過程で、僕たちにないノウハウをエッセンスとして振りかけてもらうというような形で、既存のレコード会社や事務所の人と協業するケースがほとんどです。

そのため僕たちが単体でやるというよりも、僕たちが主体としてリードしては行きますが、そこにエッセンスや、僕たちがやる施策の成功確度を上げるために今まで成功事例を持っている人たちの良いところをきちんと吸収させてもらって一緒にやるケースが非常に多いと思います。

先ほどの映像作品を作るのもそうですし、リアルのライブコンテンツを作るのもそうですし、基本的に僕たちも、先ほどマルチユースとおっしゃっていたように、多面展開してやっていった方がファンが色々なところで増えるというのは当然その通りなのでやっていきたいと思います。

その収益の源泉が、僕たちの中では爆発的に生まれてきています。

ですので、例えば渋谷の街中をアドトラックを走らせるといったことも簡単にできてしまうくらい演者がお金を集めてきています。

これは、今までのメジャーな文脈でCDだけ売っていたレコード会社がやりにくくなっていることです。

レコード会社にしてみたら、この子のアドトラックを街中で走らせて300万円失ってしまったらどうするの?という話なります。

しかし僕たちはその子たちの濃い支援者を先に獲得して、その子のアドトラックを何回でも走らせられるような収益を先に持っています。

本当にアドトラックという旧来のやり方がファンを増やすという意味でワークするのであれば、収益的にはやっていけるので、そのようなやり方をとります。

それができるとなったときに、どのようなアドトラックのクリエイティブで走らせた方が刺さるのかが分からないとしたら、それをレガシー産業、今までやってきた人たちと一緒に話し合いながらやるということはあると思います。

新井 補足しますと、今は左上(発掘前の人材)の状況も結構変わってきていると思っています。

株式会社Candee 代表取締役副社長CBDO 新井 拓郎 氏

僕らの方で日本のインスタグラマーで10万フォロワー以上いてそこそこアクティブな子達をリサーチしてみました。

そうしたら、9割以上がどこかのタレント事務所に入っていることが分かりました。

事務所の人たちも旧来的な人の集め方だけではなく、そもそもSNSで活動してファンを作れている人たちからスターを作っていこうという発想になってきています。

だから実はここは完全分離ではないと思います。

前田 もう集客があると「ぐうの音もでない」というのが正直なところです。

実力と人気のどちらを持っていて欲しいかといったら人気となってしまいます。

実力とは上の、「C」の世界で認められる芸術的なスキル。

一方で、人気というのは「B」の(ファンとの「密度」が高くファン数が多い)世界で、リアルの世界で講演やライブをやったらちゃんと人が来るという動員の部分です。

ビジネスですから、どちらかを選べと言われたらやはり集客を選んでしまいます。

個人で集客できる時代にプロデューサーに求められるもの

質問者1 今おっしゃっていたのは、Instagramを使って事務所がスカウトするというお話です。

でもそれは皆が見ています。

そうするとそこに所属するかは自分を一番大きく育ててくれそうなところ、そこの競争になります。

そうしたときに一番うまくプロデュースしてくれるところが競争に勝つと思いますが、それはどのような人になるのか? ということです。

新井 そうですね、それがおそらく今後求められることです。

結局、個人の人たちは自分だけで集客できてしまいます。

プロデュース側の方が集客ではなくその集客を増幅できるかどうかというセンスがないと、あなたは必要ないですと言えるようなポテンシャルを持っている子たちです。

だからこそ企業側も相当なパフォーマンスを出していかなければいけないという時代になっていると思います。

前田 そういう意味では、今の質問に対する答えは2つあると思っています。

1つはスキルを引き上げてくれることがきちんとできる、集客はあるけれども実力はないという子は非常にたくさんいます。

その子たちを「C」の世界に引き上げようとするとさすがに歌がうまくなってもらわないと困るというときに、本当に歌をうまくさせることができる、トレーニングの技術を持っている人たちが求められるというのが1点です。

もう1点は、峠田さんのように「C」の世界でヒットコンテンツを作れている人たちとのつながり、そこにきちんと導くことができるプロデューサーです。

きちんとマスコンテンツを持っている人たちときちんとアライアンスを組んでいて、そこに自分たちの「B」(ファンとの「密度」が高くファン数が多い)の世界のコンテンツを出していくことができるということも2つ目としては求められていると思います。

出口を持っているということです。

現実的にはこの育成能力と出口ということが求められていると思います。

峠田 今でもテレビは観ていただいていますが、収益的な話で言うと「B」の世界で完結できるわけですよね。

TBSテレビ 制作局ドラマ制作部 峠田 浩 氏

昔みたいに国民的スターになりたいとか、皆に知られたいとか、昔で言うとテレビや映画に出たい、そのようなものが今後どれだけ続くのかなと思いました。

僕たち昔の人が、色々な人に認知があって多くの人たちが知ってくれるからテレビに出られたからこそ、多くの人の認知を求めていたのです。

しかし今後はどんどんそれが必要ではなくなったときに、そういう人たちでさえも憧れて出たいとか目標であるというような、コンテンツ、魅力を作り続けないといけません。

YouTuberのヒカキンさんとかがCM出てくれたりとかテレビの番組に出てくれるのは僕たちはありがたいと思っています。

そこで成功した人たちでさえもテレビに出てやろうかと思ってもらえる時代は良いのですが、そこには危機感を感じています。

僕たちが魅力的でいなければいけないと思います。

それが崩れたときに僕たちがどこにいるのかということは凄く意識します。

演者アンケートから分かった「プチ夢」という願望

前田 最近、大々的に演者のアンケートを取ってみました。

「皆どうなりたいか?」ということについてです。

僕たちの仮説としては、「C」に行きたい、「逃げ恥」に出たい、というのがメジャートレンドだと思っていたら微妙に違っていました。

さすがに「逃げ恥」に出るのはちょっと違う、そこまで自分はクオリファイされていないという感覚のようです。

地元のカレー屋さんのイメージガールとかならやりたい、しかし「逃げ恥」はさすがにプレッシャーが重すぎると言ってます。

これを僕たちは「プチ夢」と呼んでいます。

それが多数派でした。

地元のカレー屋さんのイメージガールをやりながら100人くらいのファンに支えられて食べていくことができたらそれで良いかな、という子たちの数がボリュームとして多いことにびっくりしました。

新井 僕たちはマネージメントの仕事もやっていますが、まさにおっしゃる通りで「東京にでなくて良い」という子がいます。

「東京進出」というのが死語になる時代が来るかもしれないと思っています。

前田 インターネットで進出できている、地理的な制約はインターネットで超えられるますし、確かにおっしゃる通りですね。

(続)

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/立花 美幸/尾形 佳靖

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