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「動画メディア時代のブランディング広告はどのように進化するのか?」8回シリーズ(その5)は、Facebookのアルゴリズム変更の背景がテーマです。「ユーザー同士の対話」を重視するアルゴリズムに対して、コンテンツ配信側はどう対処すればよいのでしょうか? ぜひご覧ください。
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ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナ・スポンサーとして、株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様に本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18-21日 福岡市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 10C
動画メディア時代のブランディング広告はどのように進化するのか?
Supported by 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
(スピーカー)
菅原 健一
スマートニュース株式会社
ラージアカウントセールス責任者 兼 アドプロダクトマーケティング責任者(当時)
菅原 千遥
株式会社エブリー
DELISH KITCHENカンパニー長 兼 編集長(当時)
高松 雄康
株式会社オープンエイト
代表取締役社長兼CEO
横山 直人
Facebook Japan
執行役員 新規事業開拓 兼 パートナーシップ事業(当時)
(モデレーター)
坂本 達夫
AppLovin
Business Development, Lion Studios(当時)
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最初の記事
1. 動画メディア時代に「ブランディング広告」はどう進化する? 注目デジタルメディア企業が真剣議論!
1つ前の記事
4. ブランディング広告は「コンテクストに沿ったコンテンツの配信」で価値が高まる
本編
横山 まず、この会場にいらっしゃる皆様、そしてこのアルゴリズムの変更によって少し大変な思いをされている企業様に大変申し訳ないなという気持ちです。
(会場笑)
坂本 謝ってしまいましたね。いいのですか?
横山 明らかにFacebookにとって大きな収益のロスですからね。
それをやるとなった時、僕や、今日そちらに綾尾さんというメディアのパートナーが来ておられますが、この2人でズッコケました。
Facebook Japan 執行役員 新規事業開拓 兼 パートナーシップ事業(当時) 横山 直人氏
改めて確認なのですが、アルゴリズムの変更に対して広告の部分で影響が出た時にという話がありましたが、今回のFacebookのケースに関しては、アルゴリズムの変更で影響を受けるのは広告ではなくて、オーガニックのコンテンツ配信です。
今日は少しこの貴重な時間を頂いて、今回の変更は何を目的にしていたのかということを、分かりやくお話させて頂きたいと思っています。
まず、我々Facebookのミッションは、創業以来、「人と人とを繋いで世の中をよりオープンにしていく」ということだったのですが、その会社の方針を初めて変えました。
変えたというより、進化させました。
それは、先ほどお伝えしたように、コミュニティ作りを支援して人と人とがよりオープンに繋がっていくようにするというところに我々のミッションを置いたのですが、それによって社内でも色々なことが変わってきています。
今回のアルゴリズムの変更に関しては、マーク・ザッカーバーグ(Mark Elliot Zuckerberg)の投稿を見て頂くと分かると思うのですが、我々は今まで以上に、「人と人とが対話をするような意味のある情報に注視して提供していく、そして展開していく」ということを大きく発表しました。
例えば動画を観ることって、一つのアクションですよね。
どれくらい長い時間観たかも、アクションだと思います。
もっと踏み込んで言えば、その情報を誰かにシェアしたり、そこにコメントしたり、メッセンジャーでそのリンクのことについて話し合ったりという行動を伴う、そういったコンテンツ提供が意味のある非常に大事なものだと、長い間のリサーチを通して気づきました。
「それが利用者の方々が大事にしているものだ」と、我々は考えて、そのチューニングを少し始めました。
ちょっと行き過ぎた部分で、そこで起きたネガティブなことというのは幾つかあると思います。
▶編集注:Facebookのアルゴリズム変更に関するザッカーバーグ氏のポストは「決算が読めるようになるノート」で詳しく解説されていますので、ご覧ください。
アクションを伴わない企業ページによるコンテンツ配信の減少
横山 もちろんメディアさんのコンテンツで、アクションが伴わないと思われるコンテンツ配信に関しては、利用者の方々の目に触れる機会が少し減ってきています。
かなり減ってきているという人もいらっしゃると思うのですが(笑)、それが事実としてあります。
そういうネガティブな影響が出てきたことに対して、これからまた調整をかけていくと思います。
何のためにやっているのかを改めてお伝えすると、Facebookがコミュニティをしっかり支援していくことに取り組んでいかないと、利用者にとってネガティブな影響が出たり、社会の問題になってしまうことが発生していくからです。
これはコンテンツの作り方や、コンテンツを作るという部分と広告を作るという部分とは違う話です。
菅原(健) フェイクニュースもありますしね。
横山 そうですね。
フェイクニュースなどの問題を解決するために、「指標としてどれが最も価値のある情報だと定義できるか」と考えた時に、「アクション・行動を伴うようなコンテンツ配信・広告配信というものへの評価が高い」と考えています。
その調整を少し行っていて、そこで少し行き過ぎている部分は戻していくと思います。
そのチューニングはずっとやり続けています。
高松 すごく不思議なのは、そもそもFacebook上で行われる会話や情報流通というのは、基本的に元ネタがあるものが多いと思っていて、そうではないプライベートなことって皆あまり投稿しないですよね。
「僕は今日サウナに行った」とか。
横山 投稿されているじゃないですか?(笑)
高松 いやいや僕はサウナに行ったと投稿しますが(笑)、そんなことは、ほとんどの人はしていない訳ですよ。
横山 国によって結構、差はあります。
高松 なるほど。
横山 おっしゃる通り、日本というのは周りの人との関わり方を気にする社会だと思うので、あまり投稿しないという面はあると思います。
高松 今まで僕がどのようにFacebookを使っていたかというと、自分がニュースを追いかけられないなかで、自分が信頼している人達が流してくれるニュースソースをシェアしたりコメントしたりという目的で主に使っていました。
チャットツールを目指しているのであればLINEでいいではないかという話になるので、コミュニティと言われると、Facebookをどう使っていいか分からなくなりそうです。
コンテンツ・広告配信者側も行動を変える必要がある
AppLovin Business Development, Lion Studios(当時)坂本 達夫氏
坂本 メディアの皆さんが「うちはこういうメディアです」とユーザーに約束するのと同じように、Facebookさんも「コンテンツを持っているB(企業)が一方的にC(ユーザー)にコンテンツを伝える場所ではなくて、あくまで人間同士がインタラクションするのに最適な場所になるように、これからデザインしていきます」といったユーザーへのメッセージを発信しているのだと僕は受け取りました。
そうすると、広告主がメディアに合わせて行動を変えるのと同じで、コンテンツや広告を流したい側がFacebookがそういう場所なのだと認識した上で、行動を変えなければならないということになるのでしょうか。
横山 そうですね。
ただ、冒頭に高松さんがおっしゃっていたように、あるコンテンツや広告を流すことで利用者の行動を変えていくというところは、まさに一緒です。
最終ゴールは一緒なのですが、そのアプローチの仕方として、今回Facebookがメディアさんにとっては少しネガティブに映るようなアプローチをとったというのは、事実かなと個人的には思います。
高松 経営のKPIとしてはとてもしんどいですよね。
菅原(健) がらりと変わってしまうから、ということですよね。
高松 昨今は分散型メディアなんて言われて、自分達でサイトを持たずにコンテンツをどんどんプラットフォームにぶら下げて、そこでファンを増やしてきたメディアからすると、経営上クリティカルな変更だと思います。
菅原(千) 私たちは元々分散型メディアとして始めたのですが、2, 3年前当時は、プラットフォーム側は皆、「動画を載せられるようになりました、載せて下さい、以上」でした。
株式会社エブリー DELISH KITCHENカンパニー長 兼 編集長(当時) 菅原 千遥氏
それが、それぞれにポリシーができてきて、「僕達はユーザーさんにこういうものを提供したいから、こういうコンテンツを入れて下さいね」となっていったことが、すごく面白いと思っています。
私達もメディアとして「誰でも簡単に美味しく作れるレシピを届ける」という約束があるのですが、プラットフォームによって見られ方が変わってきたのがまた面白いと思っています。
横山 今年が初めての変化の年なので、我々も正直どうなのかなというのを測りながらやっています。
今のようなコミュニティの部分を大事にしていくというのが我々の考え方なので、コミュニティが活性化するようなコンテンツ・広告を一緒に模索しながら作っていきたいなと思いまして、今日こういった形で話しております(笑)。
(登壇者笑)
菅原(健) 使われなくなるよりはいいですよね。
高松さんも、「そこまで投資してユーザーが増えて、でも届かなくなっちゃったよね」と思っていても、そもそもFacebookがユーザーが激減するようなものになってしまったら、結局困る訳ですよね。
だからそれは、ある程度ユーザーが楽しいなと思ってくれて、使い続ける前提の中で行われる行為ですよね。
明石 僕も、プロレスばかりではなくて、建設的なことを言わなければならないかなと思ってきました。
(登壇者笑)
菅原(健) さっきから(明石さんが)髭を触ったりマイクを持ったりする度に、こちらがすごくドキドキしているのが分かりますか?
明石 マイクが汗で滑るくらいまで……
菅原(健) この人は、いつ本当に喋り始めるのかと思って。
メディアはプラットフォームに頼らず自信を持てるコンテンツを作ろう
高松 Facebookがどう、スマートニュースがどうということではなく、僕はメディアが弱気過ぎると思っています。
株式会社オープンエイト 代表取締役社長兼CEO 高松 雄康氏
本当に自分たちが自信を持ってメディアをやっているのだったら、プラットフォームなどに頼らなければいいと思います。
自分たちが使うくらいの気持ちでやっていかないと、結局、アルゴリズムがドーンと変わっただけで、皆やられてしまう訳です。
動画はやはり貴重なコンテンツで、皆欲しいと言ってくれたので僕たちも始めた当初はキュレーションさんを含めて30プラットフォームくらいに提供していたのですが、今は4つくらいに絞っています。
「弊社のコンテンツは貴重だから、別にあなたたちに頼らなくてもいい」というくらいのスタンスで、メディア側が自信を持ってコンテンツを作っていかないと、プラットフォーム依存型のメディアはこれから厳しいと思っています。
その上でFacebookさんとはどう付き合うのかや、スマートニュースさんとどう付き合うのかということを考えていくべきです。
菅原(健) そうそう。
どちらが手綱を握るのかが、すごく大事だと思います。
高松 プラットフォーム側があまりにも手綱を握っていると。
菅原(健) 当然、それはメディア側が持つべきですよ。
明石 高松さん、それをやろうと思ったら動画業界組合みたいなものが必要で、例えば菅原(健)さん、ある日突然、僕らが「スマートニュースから一斉に引き上げます」となったら嫌ですよね?
菅原(健) それは当たり前です。
明石 プラットフォーム側は、それがすごく嫌なんですよね。
Facebookは嫌ではないかもしれないから置いておきますが…
菅原(健) 自分たちはコミュニティでいいですと言われてしまったりしてね(笑)。
明石 プラットフォームにコンテンツを配信する側の悩みとして、いくら良質なコンテンツを作っても、DELISH KITCHENにもオープンエイトにもONE MEDIAにも全然お金が入ってこなくて、そんなに稼がせてくれない訳です。
そういうところが変わるのではないかと思っています。
高松 そう思います。
Facebookだって、嫌に決まっています。
オーガニックでファンは、昔と比べて伸びなくなってきている訳です。
結局メディアもお金を投下してしないと(リーチやファンが)伸びない中、今回、日本はともかく全世界的に、広告費がかなり落ち込んでいると思っています。
動画のみならず、メディアがそういうことをきちんとやっていくというのは、大事だと思います。
(高松氏、坂本氏にアイコンタクトを送る)
坂本 ……まとまった感じですかね?(笑)
菅原(健) なかなか「動画メディア時代のブランディング広告」の話になっていきませんね(笑)。
坂本 プラットフォームとの付き合い方、がここまでのテーマだったかなと思います。
(続)
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続きは 6. 動画メディアの役割は「購買促進」よりも「ファンづくり」? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/Froese 祥子
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