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「最近『面白い』と思っていることを雑談!」10回シリーズ(その5)の主役はDrone Fundの千葉功太郎さん。千葉さんのマニアック過ぎる“飛行機トーク”に、村上さんを除くメンバーは若干引き気味。そんな千葉さんが、思わぬ発言をきっかけに壇上から総ツッコミを受ける結果になりました。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。
本ッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーのリンクトイン・ジャパン様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 11A
最近「面白い」と思っていることを雑談!(シーズン2)
Supported by リンクトイン・ジャパン
(スピーカー)
井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO
千葉 功太郎
Drone Fund
創業者/代表パートナー
丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO
村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表
(モデレーター)
西脇 資哲
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部 業務執行役員 エバンジェリスト
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▶「最近「面白い」と思っていることを雑談!(シーズン2)」の配信済み記事一覧
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最初の記事
1.「LinkedIn」の正しい読み方とは? リンクト? リンクド? リンクトゥ?
1つ前の記事
4. 心拍数160×30分間の「有酸素運動」で体型維持(リンクトイン 村上さん)
本編
西脇 千葉さんは、最近始めたことは何ですか?
千葉 最近始めたのは「相対座標(そうたいざひょう)」です。
Drone Fund 創業者/代表パートナー 千葉 功太郎さん
西脇 すごいのが来た!
村上 またすごいのが来たね(笑)。
空の上では、「スピード」とは相対的なもの
千葉 皆さんは「絶対座標」で生きているんですよ。
それを僕は、昨年8月から「相対座標」に切り換えるようにしています。
絶対座標の世界って、緯度・経度とか高さとか、空間座標的なものがあるじゃないですか。
隣の部屋は隣の部屋じゃないですか。
だから……、何だろうな。伝わりますか?
(一同首をかしげる)
村上 絶対から相対に変わると、何が一番変わるんですか?
千葉 基本的に、僕はあまり地上にいません。
▶編集注:千葉さんは、エアモビリティ社会の到来に向けて自家用航空機ライセンスの取得を目指すパイロット候補生です。
上空にいて気づいたことがあって、空から見ると地上が動いているんですよ。
村上 ガリレオ的な話になってきましたね。
千葉 空には風があって上空6,000メートルには常に時速200キロくらいの風が吹いています。
要は風というのは、こうして絶対座標に留まっている人からすると「風が流れている」ようだけれども、上空にいると「空気ごと動いている」から風がないわけです。無風なんです。
無風で、じっとしているとむしろ地面が流れていきます。
西脇 あくまでも自分が中心なんですね。
千葉 しかも、風なので場所や高さによって流れ方や風速が変わってくるので、その相対座標系もどんどん変化していくわけです。
村上 確かに飛行機の計器を見ているとそういう感じがありますよね。
方向もヘディングで、要は方角でしかやっていないし、グラウンドスピード(対地速度)とエアスピード(対気速度)は違いますもんね。
千葉 しかも空気の密度が違うと、インディケイテッド・エアスピード(指示対気速度)も違うわけですからね。
マニアックな話になってしまったので解説すると、上空では速度という概念は相対的なものでしかありません。
皆さんは、地上と比較した時の速度を「速度」と言っていますが、上空では、空気が動いている中での自分の飛行機の相対的な速度を見るわけです。
村上 会場の皆さん、飛行機の速度に種類があるのはご存じですね?
千葉 今言ったもの以外にもトゥルー・エアスピード(真対気速度)とか色々あるんですけれど……
丸 すみません、今日は「飛行機」に関するセッションでしたっけ?
村上 いやいや、飛行機に関する雑談(笑)。
空間と時間に対して、心をフリーにせよ
千葉 つまり何が言いたいかというと、スピードひとつでも3〜4つの座標があるし、位置座標も全部ばらばらだということです。
僕は今年の元旦にFacebookに「東京にいるのをやめます。東京でアポをとるのは一切やめてください」と書きました。
村上 あと「人見知りに戻ります」というようなことも書いていましたよね。
千葉 それもありますが(笑)、東京でのアポをやめた理由は「自分がその日朝起きてどこにいるか分からないから」です。
皆さんだったら「今日は福岡から名古屋に飛行機で飛んで」というような予定がありますよね。
僕の場合はそれがありません。
なぜかと言うと、飛行場から飛んだら「どこへ行こうかな?」とそこから考えます。
風を見ながら、雰囲気で「なんとなく西日本かな」「アジアかな」とか。
村上 寅さん的な感じになってきましたね。
千葉 そこで気づいたのが「自分はずっと生まれてこのかた、絶対座標で生きていたんだな」ということです。
時間軸も含めて相対座標の中で生きた時に、「地球というのは、極めて絶対座標の中に縛られている生物の集合体だな」と思いました。
井上 時間と場所に縛られていますからね。
千葉 空間と時間軸に対してもう少し心をフリーにしたら、生き方や働き方が変わるのではないかということが、今年思い始めたことです。
千葉さん操縦の小型機は恐ろしくローテク!?
西脇 実は先日、千葉さんが操縦する飛行機の後ろの席に乗せてもらいました。
千葉 勇気ありますよね。
その前日に西脇さんから「ところで、ちゃんとした人が操縦するんですよね?」と聞かれて、「いや、僕が離陸から着陸まで責任を持って操縦します」と言ったら、「うわぁっ!」と驚いていました。
西脇 しかも空港から少し飛行して戻ってくるとかではなくて、3時間半乗っていました。
丸 すごいですね。
村上 ものすごく寒いですよね!
千葉 機内はマイナス10℃なので、スキーウェアを着て来てもらいました。
しかも小型機なので空気は薄いしという感じです。
高度が上がりすぎると、酸素が無くなってブラックアウトしてしまいます。
丸 何それ超怖いじゃないですか……。
井上 トータルの飛行時間が長い人は、身体に特徴が出てきたりするのでしょうか?
千葉 出てくると思います。低酸素になりがちだし、当然、被放射線量が多くなりますよね。
井上 かかりにくい病気とかもありそうな気がしますね。
千葉 少なくとも飛行時間が1,000時間や1万時間を超えた人たちは、地上で過ごしている人とは違うと思います。
旅客機は、「与圧」といって地上と比較的近い気圧で客室が保たれています。
でも僕が操縦しているのは小型機なので、与圧がないためそのまま酸素が薄くなっていきます。
いきなり10分くらいで富士山の山頂に行ってしまうスピードです。
丸 高山病になりますよね……頭が痛くなったりしないんですか?
千葉 なります。その微妙な頃合いを見ながら操縦して、ブラックアウトをしないようにしています。
西脇 3時間半ずっと千葉さんが操縦桿を握っていたので、僕は千葉さんに命を預けているわけです。
千葉 そう。手袋をして操縦するのですが、時々手袋を外して、指先が紫色になっていないかチェックをします。
村上 そういうルーチンがあるんですよね。酸素飽和度でブラックアウトを防止して……
千葉 村上さん、さすがに詳しいですね。
自分では(酸素が不足していることに)気づかないから、時々指先をチェックするというルーチンがあります。
丸 ずいぶんとローテクなんですよね。
西脇 飛行機も超ローテクでしたよ。
千葉 GPSも使いません。
丸 ますます乗りたくなくなってきました。
千葉 いやいや乗ってくださいよ!
丸 怖いですよ!
村上 実は僕もずっと小型機の免許を取りたいと思ってきたのですが、「危険だから」といまだに家族が納得してくれません。
西脇 飛行機は危険じゃないですよね。
村上 そういうことに関して言うと、『ファクトフルネス』という本を読みましたか?
『ファクトフルネス』は、世界を正しく見るための必読書
村上 『ファクトフルネス』は絶対読んだほうがいいですよ。
▶『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(ハンス・ロスリング他/著)、日経BP、2019
簡単に解説すると「我々が当たり前だと思っていることも、国連などの正しいデータをもとに分析すると全く違う」という内容です。
例えば皆さん「途上国」という言葉を使いますよね。
「世の中は先進国と途上国に分断されている」とか言いますよね?
あれは正しいデータで言うと「嘘」なんですよ。
丸 本当に?
村上 40年くらい前は世界は確かに分断されていました。
アフリカなどの貧しい国では裸足で1日1ドル未満の収入の人たちがいる一方で、先進国では1日40ドル以上の収入がある人たちが暮らしている、というように世界がきっぱりと2つに分かれていました。
それが今や、世の中は良くなってきていて、医療や教育も良くなってきました。
実は中流に属する人が、世界では6割もいるということです。
昔我々が見ていたような「1ドル以下の暮らし」をしている人たちは、全世界で数パーセントしかいないのです。
つまり二極化された世界というのは存在せず、中間層が全世界的に増えているというのが実際の姿なのです。
丸 でも、日本でも「二極化している」と言われているでしょう?
村上 それも雰囲気なんですよね。
西脇 要は今の政治は、良いものと悪いものをいっぱい見せるんですよ。
村上 そうそう。悪いものは記憶に残りやすいし、ジャーナリストもそのほうがPVを稼げるので、かわいそうな写真が流通するということがあります。
西脇 ボリュームゾーンは中間層なんですよね。それはもう間違いのないことです。
井上 そのように世界が変わってきたことが、報道されていないということですね。
村上 世界平和とともに、特に冷戦が終わってからは世界的な協力体制ができて、チームワークで色々な取り組みができるようになりました。
丸 やはり、人類は豊かになったということですね。
村上 豊かになっています。
千葉 良かったですね。
丸 良かったですねぇ……。
西脇 昔はテレビCMや色々なところでユニセフを目にしましたが、今はそうした機会はすごく減ってきていますよね。
今課題としてあるのは「食料」くらいです。
村上 そうですね。真水、食料とか。
千葉 それから、人権などのより社会的な問題ですね。
村上 この本には、「きちんとデータを見よう」「今の『当たり前』を疑って、正しい認識を持とう」ということが書かれているので、ぜひ読んでください。
丸 研究者は読まないといけませんね。
「インフルエンザ予防にお茶うがいが効く」は嘘?
井上 そういう都市伝説的なものって結構ありますよね。
例えば「お茶でうがいをすると、インフルエンザになりにくい」とか。
千葉 え、違うんですか?? 僕やっていますよ!
丸 千葉さん、それは……(笑)。
千葉 ちょっと待って、PhDのお二人に言われると……。
西脇 千葉さん、本当にやっていたんですか?
千葉 僕は「お茶うがい」のおかげで今年インフルエンザにかかっていませんよ。
西脇 これは会場の皆さんに聞いてみたい。
お茶でうがいをしている方はいらっしゃいますか?
丸 お茶は飲んでくださいよー(笑)。
西脇 ほら、いないですよ。
村上 「紅茶を飲むとインフルエンザにかからない」とかはどうなんですか?
井上 紅茶は分かりませんが、少なくともお茶は静岡県の760人くらいの高校生を対象にした研究結果が2014年に出ていて、水でうがいした群とお茶でうがいした群とで違いは出ませんでした。
西脇 でもほら、高校生はインフルエンザにかかりやすいからとかね。
井上 もちろん対象が高校生でしたが……いや変わらないですよ(笑)。
(腰を折ってうなだれる千葉さんを全員で笑っている)
千葉 今年の冬ずっとこれをやっているのに……。
丸 それは単に「うがい」が効いているだけですよ。
村上 日本有数の個人投資家の千葉さんが、お茶でうがいしていた(笑)。
丸 もしかすると、すごく良いお茶なんですよ。
千葉 いや、普通の安いお茶です……。
井上さんと丸さんは、そうやってすぐ科学的に否定してしまって、もう……。
信じることが、薬になる
丸 お茶は確かに、伝統的に身体に良いものと言われていますよね。
そうしたものは日本だけではなくて、インドネシアには「ジャムウ」という民間薬があって、現地のおじいさんが「これとこれがあれば、お腹が痛いのが治るから」と言って、それで本当に治ってしまうんです。
科学的な根拠は一切無いにもかかわらず、です。
薬の再発明というのはすごく面白くて、薬は効かなくても効くんですよ。
プラシーボ効果はその際たるものですが、「考え方を変えると身体が強くなる」ということが論文にもなっています。
さっきはお茶のうがいの話で笑いましたが、それでオーケーなんです。
各人がそれぞれ信じることが薬になるのです。
西脇 本当にそうですよね。
私は子どもの頃、バスや船の乗り物酔いをするのですごく悩んでいました。
あるとき、遠足が憂鬱だったので母親に相談したところ「すごくいい薬があるわよ」と言われて、その薬を飲んで出かけました。
家に帰って「酔わなかった!」と母親に言ったら「うどん粉を丸めて作ったのよ」と言われました(笑)。
井上 それがまさに、プラシーボ効果ですね。
西脇 不思議と、すごく効いたんですよ。
千葉 プラシーボ効果は科学的に証明されていますよね。
井上 証明されています。
千葉 だったら僕にはお茶は絶対インフルエンザに効きますよ!
丸 これで千葉さんが明日インフルエンザにかかったら面白いですね(笑)。
西脇 それでは、そろそろ次の話題にいきましょう(笑)。
ここまでは、スピーカーの皆さんが「新しく始めたこと」でした。
ここからは、「実際は何に一番時間を使っているのか?」を伺いたいと思います。
(続)
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続きは 6. リンクトイン村上さんが指摘 「インターネットは『イントラネットの塊』になってきている」 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成
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