北川 拓也の主張①ともに「人間を理解するための研究所」を創ろう! | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

8.北川 拓也の主張①ともに「人間を理解するための研究所」を創ろう!

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「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン4 )」全10回シリーズ(その8)は、楽天の北川 拓也さんによる「作り方シリーズ」第2弾が登場。「人間の理解が遅すぎる」と業を煮やす北川さんは、みんなで研究所を作ろうと訴えます。その研究所では一体どんなことをするというのか? ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2020のプレミアム・スポンサーとして、Lexus International Co.様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2020年9月1〜3日開催
ICCサミット KYOTO 2020
Session 2C
大人の教養シリーズ人間を理解するとは何か?(シーズン4)
Supported by Lexus International Co.

(スピーカー)
石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

北川 拓也
楽天株式会社
常務執行役員 CDO (Chief Data Officer)

林 要
GROOVE X株式会社
代表取締役

(モデレーター)

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

大人の教養シリーズ人間を理解するとは何か?(シーズン4)の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

最初の記事
人気シリーズ堂々第4弾!過去3シーズン「人間の理解」はいかに深まってきたか

1つ前の記事
石川 善樹の「概念進化論」③「概念」を変える2つの方向性ーーあなたは「N」?それとも「Q」?

本編

北川 そろそろギアを変えていきましょう。皆さん、僕が楽天で働いていることを忘れていませんか?

村上 そうでしたっけ?(笑)

石川 忘れがちですね(笑)

北川 一応経営をしているということを、皆さん忘れていると思います。

人間の理解が遅すぎる! それならば……

楽天 常務執行役員 CDO (Chief Data Officer) 北川 拓也さん

北川 2年前ぐらいから、僕は楽天技術研究所の運営をしています。

そもそも僕は理論物理学者で、ハーバード大学でずっと理論物理を研究していましたが、ビジネスの世界に入ってきたのは、「人間の新しい理解を生みたい。その学問を作りたい」との思いからでした。

ですが、いかんせん桓騎さん(※)の言葉のとおり、遅すぎます!

▶編集注:漫画『キングダム』に登場する武将。

(集英社刊『キングダム』54巻P167より)

村上 また『キングダム』ですね(笑)。

▶編集注:北川さんはさまざまなセッションで『キングダム』から引用をしています。

北川 「人間の理解が遅すぎる」と、僕はすごく憤りを感じています。

これをどうやって早くすることができるか考えた結果、気づいたのが「ICCとは共創」ということで、共に創ることにポイントがあるのだと思いました。

「人間の理解」について僕たちは話し合いながら、「人間の理解」を毎回前に進めることができているのですが、僕たちだけではだめだろうと思いました。

みんなに研究所を作っていただきまして、みんなで進めていきたいと思います!

楽天 北川さんによる「人間を理解するための研究所の作り方」

北川 「作り方」第2弾、「人間を理解するための研究所の作り方」です。

「帝国」(※)の次は「研究所」を作っていきたいと思います。

▶「帝国」の作り方はシーズン3で北川さんに解説いただきました。
3. 帝国の作り方(前半):兵を挙げ、圧倒的な領地拡大で「実力」を証明する
4. 帝国の作り方(後半):インセンティブで士気を高め、ルールと秩序で統制する
5. 帝国の作り方(おまけ):地方有力貴族を生かしたまま、官僚を送り統治する

村上 これを聞いたら「みんなが研究所を作れる」ということですか?

北川 これを聞いていただいたら、みんなが当たり前のように作れるようになります。

確かに僕は楽天技術研究所の所長として運用をしていますが、2年目なのでまだ道半ばではあります。

ただ僕は20年前から、善樹さんに口酸っぱく言われ続けていることがあります。

「拓也よ、やったことがないことがあれば、“一番得意です”と言え」と。

石川 やったことがないことが、一番得意な可能性があります。

北川 だから僕の一番得意な「研究所の作り方」を皆さんに伝授しようと思います。

村上 すごい。大盤振る舞いです。

その1:ビジョンを描く

北川 まず第一にビジョンを描く。ただ、人間を理解するビジョンを描いていくときに、みんな違うビジョンを描かれても全然前に進みませんので、僕のビジョンを書いてきました(笑)。説明させていただきます。

「人間の理解とは何をすることなのか」ということで、僕は「皆さんでこの2つを理解しましょう」と提案させていただきます。

「お金」と「時間」の使い方を理解しよう

北川 1つは「お金の使い方」、もう1つは「時間の使い方」です。

なぜこの2つか説明しますと、「お金」というものは「客観価値経済」です。

世の中で、誰もが、「このモノ、サービス、コトというのは、これくらいの価値があるよね」ということを計るものとして、資本主義が創り出したイノベーションが「客観価値経済」です。

なぜ「時間」なのかというと、その「お金」では全く計り切れていない価値というものが、世の中にあるということです。

これはいろいろな測り方があって難しいのですが、例えばWell-beingなどがありますが、それは「主観価値経済」です。

「われわれがどれくらいの価値だと思っているのか」を計るものが必要です。これはやはり「時間」というところに、ある程度出てくるのではないかと思います。

石川 もう、このスライドだけでいいですね。

確かにGHQが日本に来たときに、彼らが日本人を理解するために最初にやった調査が、時間の使い方調査でした。

日本人は朝何時に起きて、日中どのような活動に何分時間を使って、夜何時に寝るのかという時間の使い方調査を徹底してやりました。それで当時発見した大きなパターンが、「かまどの前で女性が時間を使い過ぎている」ということでした。

理由が、「かまどの燃焼効率が悪いからだ」と。

北川 ご飯を炊いているときにコトコトと。

石川 そう、そう。かまどを改善したらその分労働時間が増えるじゃないかということで、GHQはかまどの改善から実は入ったのです。

日本人を理解するときに時間の使い方から調査したのですが、M&Aでも相手の会社の人たちの時間の使い方を調査するそうです。

北川 間違いないですね。ぜひSmartHRさんあたりにやっていただきたいです。

(会場笑)

この2つを理解しようということをビジョンとして描いていきたいと思います。

隠れている価値を見つけ実現する

北川 われわれが研究所を作る際には、当然会場にいらっしゃる皆様は会社の経営者が多いので、それを何かしら利益やビジネスにつなげていかないとサステイナブルではありません。

そこから何をするかというと、「客観価値」もしくは「主観価値」を見つけた後に、「値段」と「価値」の差分を見つけていただいて、このアービトラージ(裁定取引)を実現することによって、ぜひ稼いでいただきたいと思います。

ですから、ミッションは「隠れている価値を見つけ実現する」ということです。

石川 このスライドはいいですね。これだけでいい。

(会場笑)

北川 これを、ここICCサミットにいる皆さん全員でやっていきたいと思っています。

それをやる上で、お金の部分で言えば、僕はシーズン2でもお話ししましたが、その人の収入の内訳というものを理解していきます。

5. 自動車67兆円、医療47兆円…GDP550兆円の内訳を「産業の規模感」で語れますか?

それをしていくことによってAI時代のより顧客中心のサービスを提供したり、GDPそのものの内訳を理解することによって、今日も朝のピッチで皆さんがマーケットサイズについて話されていましたが、ああいうものはすぐネットで調べられる時代が来ます。

どんなに細かいニッチマーケットでもすぐ見られる時代が来ると、ビジネスの起ち上げ方が全然変わってくると僕は思っています。

そういったGDPの内訳も理解していくことを当面は目指していきたいと思います。

その2:戦略を立てる

北川 次に戦略です。このビジョンをどうやって実現していくか。

そもそも「人間を理解するとは何か?」ということに立ち戻って、何をしなければいけないのかという戦略を立てたいと思います。

まずは当たり前ですが、「計測」をしたいと思います。科学の基礎は「計測なくしては改善なし」です。

僕は何回も話していますが、次にやることは「分類」です。

これは数学における理解という言葉からきていますが、マーケティングに例えると「セグメンテーション」をすると、人はやたらめったら理解した気になります。

これは人間の脳構造にも理由があるのですが、とりあえずセグメントすることによって、先ほどのGDPも産業ごとに分類した瞬間に理解した気になるし、お金の内訳も単純に家賃とか食料とか分けた瞬間に理解した気になりますよね?

でも何もしていないんですよ、分けただけですから。でも、これが大事な理解の基礎になってきます。

「分類」できた後は、「予測」です。物理における理解という言葉ですが、相関や因果を見ることによって、何が起こるかを「予測」します。まさに「未来予測」の話(Part3参照)をしましたが、「予測」します。

次にそれをもとに作りたいものを作っていきます。それが工学における理解というものです。

この4ステップを実現していくというところが戦略になります。

石川 研究所ができそうな気がどんどんしてきましたね。

(会場笑)

北川 スーパー具体的に、ステップバイステップで。

井上 前提には仮説検証もあるわけですよね?

北川 もちろんです。それは非常に大事です。仮説検証がないと、これは全部やる意味がありません。

では、「執行」していきましょう。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 北川 拓也の主張②30の属性・要素を理解できれば、日本人を理解できる をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/星野 由香里/戸田 秀成/浅郷 浩子

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