AIやデータの活用が意思決定の精度に大きな差を生む【F17-6C #5】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

AIやデータの活用が意思決定の精度に大きな差を生む【F17-6C #5】

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「AIやデータの活用が企業経営を変える」【F17-6C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その5)は、SAP(※当時)馬場さんに、SAPのデータ戦略についてお話しいただきました。グローバル規模でのデータ分析のダイナミズムに注目頂きつつ、ぜひ御覧ください。

ICCカンファレンス FUKUOKA 2017のプラチナ・スポンサーとして、IBM BlueHub(日本アイ・ビー・エム株式会社)様に本セッションをサポート頂きました。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日・22日・23日開催
Session 6C
「AIやデータの活用が企業経営を変える」
Supported by IBM BlueHub

(スピーカー)
麻野 耕司
株式会社リンクアンドモチベーション
執行役員

上野 勇
株式会社セプテーニ・ホールディングス
取締役

北川 拓也
楽天株式会社
執行役員

馬場 渉
SAP バイスプレジデント カスタマーエクスペリエンス担当 兼 SAPジャパン Chief Innovation Officer(当時)

(モデレーター)
山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役

「AIやデータの活用が企業経営を変える」の配信済み記事一覧

【前の記事】

【本編】

山内 続きまして馬場さん、SAPは今後どうなっていくのでしょうか。

むしろSAPの場合は、「どのように仕掛けてくるのでしょうか?」と尋ねるべきビッグプレイヤー、パワープレイヤーだと思いますが、いかがでしょうか。

馬場 そうですね、どのような話をすべきか考えていたのですが、まずは今の質問にそのまま答えたいと思います。

SAPの、今までのいわゆるパッケージソフトをばらまいて売るというビジネスは、クラウドがどうのこうのと言っている割にはそちらも伸び続けていまして、世界のGDPの76%は、SAPのソフトで動いていると言われています。

つまり、8,000兆円くらいの規模ですから、これを90%などに持っていっても仕方がないと言ってお過言でないほど、既にあらゆる産業に導入されています。

8,000兆円で、いわゆるオンプレミスと言われるソフトを渡して、後はそちらでやってくださいと、そしてトランザクションシステムでデータを作り、インメモリーデータベースを導入して、そのデータをロードして、Domo(ドーモ)やTableau(タブロー)、もしくは弊社のBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトなどを使って分析しましょうと。

これが昔の話、昔の世代です。

クラウドは「分析し放題」-SAPのデータ戦略

馬場 今やっているのは、クラウドです。

クラウドなんて、登場してからもう何年も経っていますが、それでもクラウドはやはり面白いなと改めて思います。

分析し放題なんですよね。

例えば弊社では、人事管理のクラウドサービスである「サクセスファクターズ」をはじめいくつかの会社を買ったり、孫さんが2000年頃に強い関心を示していたAriba(アリバ)という会社も買収しました。

サクセスファクターズはHRなので分かり易いと思いますが、例えば、企業の従業員数とレイヤーの数を比較することができます。

シンプリシティ・インデックスと呼んでいるのですが、もう少し分かり易く言うと複雑化インデックスですね。

例えば、たった100人しか社員のいない会社で、一番末端の社員から社長まで5階層だったらおかしい。そういうことが、簡単にすべて分かるわけです。

組織・人事のクラウドサービスには今5,000人くらいのサブスクライバー(サービス利用者)がいます。

このサブスクライバーが、同じシステムを使っているので、こういう業態だとマネージャーが何人の部下を見ているか、通常は7人~10人か、もしくは個々の社員が何個の目標を立てて、そのうちいくつを達成しているのか、そのサラリーレンジはどうなのか、数年後、例えば5年後の昇進速度はどうなのかということが全て分かります。

今までは分かりませんでした。

SAPのHRソフトは昔も売れていましたが、売れたが最後、どう使われているかを把握することはできませんでした。

今は、そのようなデータを分析して、結果をその次のソフトの開発にも使えますし、ソフトウエア会社からすると非常にいい時代になったなと思います。

クラウドを分析し、プロダクトやR&Dを最適化

馬場 クラウドでは、何がどう使われているかが分かるので、分析すると、例えば100億円くらいかけて作った新機能が実は全く使われていないということも明らかになるわけです。

マイクロソフトのエクセルでも同じで、気合を込めて作った機能を誰もクリックしていないということが分かります。

そのような機能は廃止すればいいと。

会計ソフトのような地味なソフトでも、決算にどの機能を使っているだとか、非常に優れた仕分け処理機能があるのに、実は誰も使っていないということが一目瞭然になります。

昔はそんなことは分かりませんでした。

ですから、R&Dの最適化もできますし、どのくらいの人に、どのような機能が求められているのか、どのようなレギュレーションを持った、どのような国にどの程度のユーザー数がいる、言い換えれば、何億かけていつまでに開発すれば、いくらのリターンがあるということが、ほぼほぼ分かります。

ですので、クラウドをやっていると、儲かり続ける気はします。

セールスフォースにしろ、他のクラウドの企業にしろ、いつか弾けてしまうのではないかと言われながらもずっと伸び続けているのは、自分たちも当事者になってみて納得感があります。

このように、我々のコアビジネスは今ではクラウドになって、来年、従来のソフトウエアライセンス・ビジネスとクラウド・ビジネスが逆転する見込みです。

一方で、これはシリコンバレーですが、IoT関連などのプロジェクトも走っています。

地味な会計ソフトだとかサプライチェーンマネジメントとか、そのようなものは終わった話です。

もちろん、AirbnbやUberのようなサービスが出てきていますし、デジタルでもう一度完全にビジネスモデルを作り変える、というよう取り組みは、それはそれであります。

伝統的産業ですら、どこから敵が突然やってくるか読めない世界になっている中で、伝統的なサプライチェーンしかり、生産、物流、調達、決済、諸々の、会社の基本的な挙動をもう一度ゼロから考え直すというのは、あると思います。

AIやデータの活用が意思決定の精度に差を生む

山内 冒頭で私が、ビッグデータやAIというのは極めて大きな波なのではないか、(HAiKという)社名にも入れてしまいましたと申し上げましたが、それは正にその辺りの観点でした。

実は家に籠って一つ一つチェックしていったのですが、ビッグデータやAIに関係のないインダストリー、もしくは関係のないファンクションは存在しないという結論に個人的に達し、これはもうやるしかないと思ったという経緯なんです。

古い産業から新しい産業まで、サービス業は特に影響を受けると思います。

やはりデータとAI、後はファンクションですね、マーケティングだけに使えばいいというような話ではなく、人事、組織、それこそM&Aや意思決定、あらゆることに絡んでいます。

これは私の感覚ですが、ビッグデータやAIを活用できている会社経営者と、そうではない会社経営者ですと、意思決定の精度が10倍くらい変わるのではないかなと思います。

先ほどセッション開始前にIBM社のプロモーションが流れていましたが、AIで予測精度をX倍にしますというような話でした。

あれはあながち嘘ではないなと感じています。

一方に、直観、勘と度胸で盲目的に意思決定している経営者がいて、他方でデータに基づいて5倍、10倍の精度で意思決定している会社があり、両社が5年、10年戦い続けたら、どちらが生き残るかは自明のことでしょうという感覚です。

金銭的価値にならなかった価値をデータが可視化する

北川 なぜデータやAIが、それほどまでに幅広いインダストリーに影響を与えるかということを、私なりに考えているのですが、データやAIというのは、今まで金銭的価値に変えることのできなかった価値を、「見える化」してくれるものではないかと思っています。

ですので、新卒の育成や採用の話を伺っていて確かにそうだなと思ったのは、人材の価値というのは全くもってあるはずなのに、それが全然具現化していなく、お金に変わっていないケースが多々あります。

この人材のポテンシャルはこんなにも価値があるのに、と。

例えば、FinTechでも、それまでお金の貸し借りをしたことがない人の場合、信頼できる人であったとしても、今までのクレジットカードの作り方では、その信頼・信用価値が計れませんでした。

しかしデータがあれば、それを明示することができるわけです。

皆が感じている、「ほんまは価値なのに、なんでビジネスになってへんねん」という苛立ちは、全てデータに関わってくるというように思います。

データさえあればそれが具現化できる。更にブロックチェーンを組み合わせると、それを流通させることができると思っています。

そのような世界が来るからこそ、より広く、あらゆる領域に関わってくるようになるのではないかなと思います。

山内 いや、自信が湧いてきました、ありがとうございます。

麻野 社名に「AI」入れてよかったですね(笑)。

山内 北川さんの話を聞いて良かった(笑)。

馬場 AIとかIoT、ビッグデータというと、カスタマーフェイシングの(顧客と接する)華々しい部分にばかり目が向きがちですよね。

それはそれで面白いですし、いいと思うのですが、今言われたような地味な世界も、関係ないファンクションはないんですよね。

調達や人事など、正にやられている方がいるのに地味と言っては失礼かもしれませんが、そのような分野もやはり新しくなっています。

そのことが結構、過小評価されている感はありますよね。

今まではデータを取りようがなかったので、やりようがなかったわけですが。

(続)

続きは バレーボールの日本代表監督が試合中タブレットにかじりつくワケ を配信予定です。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/Froese 祥子

【編集部コメント】

SAPが携わる産業全体の規模8,000兆円という数字に驚きました。米国の国家予算が4.1兆ドル(450兆円)だそうですから、恐るべき数字です!(榎戸)

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