3.社員の9割が元お客さん!「北欧、暮らしの道具店」が考える顧客を理解する仕組み – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

3.社員の9割が元お客さん!「北欧、暮らしの道具店」が考える顧客を理解する仕組み

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「ファンとの”絆”をどのように構築するのか?」【K17-4C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その3)は、クラシコム青木さんに、運営する「北欧、暮らしの道具店」においてお客さんの気持ちを理解するために取り組んでいることについて語っていただきました。ぜひ、御覧ください。

ICCカンファレンス KYOTO 2017のダイヤモンド・スポンサーとして、Motivation Cloud (Link and Motivation Inc.) 様に本セッションをサポート頂きました。

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 4C
ファンとの「絆」をどのように構築するのか?
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)

(スピーカー)

青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役

佐渡島 庸平
株式会社コルク
代表取締役社長

嶋 浩一郎
株式会社博報堂ケトル
代表取締役社長 共同CEO

戸田 宏一郎
CC INC.
Founder & CEO/Creative Director/Art Director

(モデレーター)

小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

▶「ファンとの”絆”をどのように構築するか?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】ファンとの”絆”をどのように構築するか?【K17-4C #1】

1つ前の記事
ビール広告を考えるクリエイティブディレクターが朝ゴミ捨て場を見る理由とは?(CC戸田)【K17-4C #2】

本編

小林 では、青木さんにもお聞きしたいと思います。

まずは、どんなことをしておられるのかという簡単な自己紹介をして頂き、その際にファンとの絆についてどうお考えになり、それをどう構築されてこられたのかズバリお聞きしたいです。

仮説が外れたことがあったり、その他にも色々な経験をされてこられたと思いますが、是非そういった事例もご紹介頂ければと思います。

青木耕平 氏(以下、青木)  はじめまして。

北欧、暮らしの道具店」という雑貨のECサイトを運営しています、株式会社クラシコムの青木と申します。

我々のサイトの利用者は、97パーセントが女性という媒体です。

今日の参加者は圧倒的に男性が多く、もしかしたらご存じない方もいらっしゃるかもしれません。

基本的にはウェブマガジンのように、コンテンツを沢山作ってその力で沢山の人に来て頂いて、結果的にお買い物をして頂くという形で商売をさせて頂いていています。

「絆」で購入してもらうEC(クラシコム青木)

青木 我々のサイトの商品には競争力がなく、価格にも競争力がありません。

商品は楽天でもアマゾンでも買える商品がほとんどで、恐らく価格という面で言えば、どこを選ぶよりも一番高い価格で販売していると思います。

出所:北欧、暮らしの道具店

今回の「絆」というテーマに関して言えば、何らかの絆ということ以外に選好動機がないサイトです。

そういう意味ではお客様との繋がりをどういう風に作っていくのか、我々のサイトで買って頂く理由をどういう風に作り続けていくのかということを、人一倍心がけてきたところもあります。

今日登壇される皆さんとは、その辺について色々と議論して、新たな気づきを持って帰りたいと思っています。

よろしくお願いします。

小林 よろしくお願いします。

「お客さんのことを本当に理解する」のが大事

小林 青木さんは、お客さんをイメージしながら雑誌を作ったり、箱を作ったり、色々とされていますが、前回も、ファンの絆という観点からそれは非常に大切なことだとおっしゃっておられましたよね。

青木 ファンと言ってよいのか分かりませんが、濃いリレーションを持つお客様あるいは読者の方とどういう関係性を作っていくかということを考える時に、何を以て選ばれようとしているかによって、やることが随分変わってくると思うんですよね。

僕らがコンテンツを作る時に、そのコンテンツを作って、そのファンになってもらおうと思う時に、
相手は「驚かされたい」と思っているのか、それとも「癒されたい」のか、「笑いたい」のか、「泣きたい」のか。

我々に何を期待しているのかということをはき違えて、何となくすごそうなことをやるという風にやってしまうと、そこには驚きはあるかもしれないけれども、継続的な関係性というのは生まれてこないなと思っています。

ですから、僕らがどういう風にコンテンツを作っているかというと、女性向けのメディアなので、いい美容師さんや、いいエステティシャンや、いいマッサージ師だと思われるように意識しています。

株式会社クラシコム 代表取締役 青木 耕平氏

その人たちのファンになる人達がどういう動機づけでファンになるかというと、一つには、「相手が自分のことをよく理解していてくれている」ということがあると思います。

自分の痛いところを分かってくれている。

自分はこういう風な髪形にしたいとか、こういうくせ毛なんだということを分かってくれている。

つまり、お客さん自身が「私のことを理解してくれている」「私のことを大事にしてくれている」と感じられるようなメッセージがどう発せられることによって、僕らの場合はお客さんとのつながりを作れるのだろうなと思っています。

それとは関係のない、例えば驚かせようとか笑わせようとか、あるいはニュース性が高いコンテンツは全く扱おうと思っていません。

我々はお客さんのことを本当に理解しているのですよということの発信と、その理解の下に、コンテンツを通して密接な「グルーミング」のようなことが行えるのかどうかということを、いつも意識しています。

センセーショナルなものや、ものすごく強い印象をお客さんに与えるということはないかもしれないけれども、日々我々と接触することによって、ある種の癒され感や、自分が大事にされている感じを得たい時には我々のところに来て下さるようになります。

刺激を得たい時には、どこか別のところに行って頂ければよいと思うんですよね。

皆さんもご経験があるかもしれませんが、作り手側は、どうしてもつい驚かせたいとか、面白がらせたいとか、今までと違う新機軸を見せたいという気持ちを持ってしまうんですよね。

でも、お客さんが我々に何を期待していて、継続的にそれにお応えできるのは何なのかということをまず理解してからではないと、どういう取り組みをしてその方達をファンにしていくのか、ということは考えられませんよね。

ですから、何で選ばれているのかというところに対しての深い理解をしてから取り組むということを、すごく重要視しているなと思います。

小林 すごく深いお話ですね。

具体的に、どのようにお客さんを理解されているのでしょうか?

「お客さんを理解する」仕組みとは?

青木 先ほど、戸田さんにも触れていただきましたが、弊社では、社員の90パーセント以上が元お客さんなのですよ。

自分がお客さんだった時にどうして欲しかったのか、どういうメッセージが欲しかったのかというのを考えてくれます。

また、社内で色々なプロトタイプが出てきた時に、皆に集まってもらって、「これって自分がお客さんだったらどう思うの?」とヒアリングすることでほとんどのことを決められる環境があるということが一番大きいかなと思います。

逆に、僕自身はお客さんの属性からは離れているので、そういう意味ではお客さん向けのサービスの詳細を決める権限自体がほとんどないんですよね。

どちらかというと、そういう権限を持っている人をサポートするための仕事をしているという感じなので、お客さん自身がサービスの発信側になり、お客さん自身がサービスの内容を決めるという、そういう仕組みになるように会社を作っているという感じですね。

小林 なるほど。

会社の作り方からファンとの絆を意識したというか、ファンと一緒に作っているというか、元々ファンだった方達が会社を運営しているということですね。

青木 そうですね。

雑誌「暮しの手帖」の初代編集長である花森安治さんの言葉で好きなのは、「なかのひとりはわれにして」というもので、要は読者も、「なか」(編集部)の一人なのだということですね。

『花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部』 小榑 雅章

やはり長持ちするブランドや、長持ちするメディアの中に、読者・ファンとブランドの「なか」の人達とがいかに一体感を持てる構造を作ることができるかというのは、すごく重要なのではないかと思っています。

小林 ありがとうございます。

続きまして、コルクの佐渡島さんお願いします。

(続)

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続きは コルク佐渡島氏が挑む、コミュニティの「絆」づくりの形式知化 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝/Froese 祥子

【編集部コメント】

クラシコムさんの採用ページも自社メディアでしっかり発信されていて、どこかで求人を見てとかエージェントを通じて知って応募する、ということよりも、普段からメディアを見ている人がそのまま応募するような流れなのではないかと推測しました(榎戸)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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