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「愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る」8回シリーズ(最終回)は、メディアの規模と収益の関係について。メディアの収益を上げるためにはメディアの規模を大きくすればいいのでしょうか?それとも他に手段があるのでしょうか?登壇者が議論します。ぜひご覧ください。
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ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナム・スポンサーとして、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに本セッションをサポート頂きました。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018 は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
2018年2月20日・21日・22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 2F
愛だよ、愛。愛されるコンテンツ/サービスを創る
Supported by 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
(スピーカー)
青木 耕平
株式会社クラシコム
代表取締役
青木 優
株式会社MATCHA
代表取締役
明石 ガクト
ワンメディア株式会社
代表取締役
(モデレーター)
浜田 敬子
BUSINESS INSIDER JAPAN
統括編集長
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最初の記事
1.愛されるコンテンツ/サービスの創り方を徹底議論!
1つ前の記事
7.「愛あるサービスのために1億円あったらやりたいこと」を登壇者が語る!
本編
浜田 次の方、質問をお願いします。
質問者2 講談社で新規事業を担当している加藤と申します。
我々はメディアで、特に紙のメディアが落ちている中でスケーラビリティと事業の強さ、利益水準の変化が、必ずしもイコールでない場合とスケールがなければいけない場面というのがあるなと迷っている部分があります。
皆さんの事業の中で、規模が収益性に転化する条件となるポイントがあるのか、あるとすればどんなものがあるのかを伺いたいです。
愛の話から逸れてしまうのですが。
浜田 生々しい話ですね。
メディアのスケーラビリティと収益の関係は?
青木耕 何でマネタイズしているかということに大きな違いがあると思っていて、我々の場合は物販で7割5分から8割ぐらいの利益を稼いでいます。
物販と広告の収益性の違いというのが何に支えられているかと言うと、物販は直接販売、広告は間接販売です。
バリューチェーンの中で担当する分野が広ければ広いほどマージン(利益率)が大きくなるということで言えば、物販というのは基本的に仕事に対してマージンが大きくなる傾向があります。
その分固定費が増えるので、固定費のやりくり次第で大きなマージンが最終的に得られるというビジネスです。
僕らは全PVで我々の粗利を割った時に6円ぐらいあります。
PVが6円の広告費を稼いでいるのと同じと思っていただいて良いと思うのですが、それは何よりも物販でマネタイズしているからなんです。
物販でマネタイズしていることの良いことは1日目から利益が出る可能性があるということです。
これは物販のマネタイズの1つの強みだなと思っていて、スケールするといっても、必ずしも量的なスケールをしなくてもよい場合があります。
まず僕だけそこの立場が違うのでそこを明確にお話しした方が良いかなと思いました。
浜田 スケールは追っていらっしゃいますか?
スケールするために、メディアカンパニーを目指す
明石 会社である以上スケールしなければいけないのですが、講談社さんで言えば、講談社を構成する雑誌、コミック、書籍がすごくたくさんありますよね。
単一のもの、たとえば『少年マガジン』がすごく売れて成り立っているわけではないですよね。
漫画で言えば、『少年マガジン』だけ売れていてそれが下がったら会社がピンチですが、その時に『月刊アフタヌーン』が売れたりするわけです。
女性誌もそうで、いくつもブランドがあってそれが連携して成り立っています。
会社によって形が違うのですが、僕がONE MEDIAで目指しているのは、ONE MEDIAの中に色々な番組形式がある姿です。
まず番組はたくさん作りましょう、良くない番組は終わらせましょうということです。
“終わらせる”というルールが意外と会社には、スタートアップですら無いと思っていて、“終わらせる”ルールがきちんと設定されていないと、終わらせた方が良いコンテンツを作っているスタッフはすごく苦しいです。
だから終わらせるべきコンテンツは潔く終わらせて、次に進みましょうというスタンスです。
こういった新陳代謝を意識しているのは、講談社のようなメディアカンパニーがそれをやってきているからです。
それがもしプラットフォーム企業だとプロダクトが単一のものしかないので、mixiがモンストの会社に変わってしまったように5年経ったら栄枯盛衰があります。
違う何かを見付けなければいけないのですが、メディアカンパニーというのは同時並行で色々なものをやるからこそ、同じビジネスで20年継続できます。
それがメディアカンパニーにおけるスケールなのではないでしょうか。
浜田 1つのメディアの中でそれを作っていくということですよね。
ONE MEDIAの中でポートフォリオを組むのですね。
明石 ONE MEDIAというのは『少年マガジン』ではなくて、講談社なんです。
浜田 その中の1つ1つが『少年マガジン』だったり『週刊現代』だったり。
明石 そういうような発想で僕らはスケールを考えています。
収益源によってメディアのスケールの在り方は変わる
青木優 うちもどこから収益を上げるかによるなと思っています。
今は海外の人に対して情報発信していきたいところがメインですけど、それだけだと限界があると思っています。
考えとしてあるのは、いかに実際に読者である外国人が日本のその地域に行ったり、商品を買ったことを可視化できるかが大事だと思っています。
MATCHAはまだできていないのですが、毎月20万人ぐらいの人が日本にいてうちのメディアを見てくれています。
それは結構大きいと思っていて、訪日客の方だとだいたい14万円ぐらい使います。
そのうち1%でも取れるようなモデルが毎月還元できれば、そんなに数がなくても会社としては成り立っていくと思いますし、あとはどのフェーズで読者を獲得するかを仕組みで入れるかによるなと思います。
何かと言うと、スペイン語版を立ち上げようと思って、2017年にメキシコに1週間ほど行ってきたんですが、メキシコは今人口1億人ぐらいいて、日本に来ている数が去年6万人、一昨年4万人で、その前は3万人、2万人です。
これから伸びると思っています。しかし、中国からは700万人来ています。
とはいえ、メキシコの人が1万人ある町に来るだけでその町の観光収入が3億円になったり、日本全体で20億円になったりします。
インバウンドのメディアだからこそというのもあるのですが、どこをターゲットにして、どこの部分を会社の収益にするかによってスケールのあり方が変わるかなと思います。
浜田 先ほどのポートフォリオはそういうことですよね。
明石 僕は優くんがメキシコに降り立っている姿を想像して、じんわりきました(笑)
青木優 メキシコとキューバ行きましたけど、良かったです。
浜田 ありがとうございます。お時間になってしまいまいした。
これにて本セッションを終了したいと思います。
皆さんありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/浅郷 浩子/本田 隼輝/尾形 佳靖
【編集部コメント】
メディア・コンテンツの枠を超えて、あらゆるサービス・プロダクトの創出やブランディングに通じる大切な見方・考え方が学べるセッションでした。登壇者の皆様、貴重なセッションをありがとうございました!(尾形)
最後までお読みいただきありがとうございます!他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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