5. JapanTaxiが試みるタクシー業界とITエンジニアのカルチャーの融合 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

5. JapanTaxiが試みるタクシー業界とITエンジニアのカルチャーの融合

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「ゼロから学ぶITエンジニアリング・チームの作り方」8回シリーズ(その5)は、“文化融合”がテーマ。伝統的な日本交通に対して、エンジニア中心のJapanTaxiはどのように歩み寄ったのか、JapanTaxi CTOの岩田さんが語ります。ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2018のプラチナ・スポンサーとして、ビズリーチ様に本セッションをサポート頂きました。

 

 


2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 4F
ゼロから学ぶITエンジニアリング・チームの作り方
Supported by ビズリーチ

(スピーカー)

岩田 和宏
JapanTaxi株式会社
取締役CTO

柴山 和久
ウェルスナビ株式会社
代表取締役CEO

竹内 真
株式会社ビズリーチ
取締役 CTO 兼 CPO

舘野 祐一
WAmazing株式会社
共同創立者 取締役CTO

(モデレーター)

松岡 剛志
株式会社レクター
代表取締役

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最初の記事
1. ゼロからITエンジニアリング・チームを作ってきた登壇者が集結!

1つ前の記事
4. CEOはITエンジニアリング・チームにどこまで権限移譲すべきか?

本編

松岡 セッションが始まってからもう45分消費していることに気が付いてしまいました。

これまで議論したトピックが2つなので、もう少し話せる気もするのですが、皆さんと話したいテーマがあるので次に進ませていただきます。

このトピックを話したいです。

「文化の違うビジネスサイドとエンジニアをどうやって融合させていくのか?」。

柴山 これは盛り上がりそうなので、まず岩田さんに水をいただいてもいいですか?

私が岩田さんの水を勝手に飲んでしまいまして、岩田さんが相当苦労されていると思うのでお話しされる前に水をお願いします (笑)。

松岡 これは、岩田さんにたくさんしゃべらせるぞ、という振りですね。察しました。

柴山 すいません、ありがとうございます(笑)。

JapanTaxiの文化融合への取り組みとは?

JapanTaxi株式会社 取締役CTO 岩田 和宏氏

岩田 そうですね、文化の違いはありますよね。

タクシーという業界自体が、ITエンジニアにとっては異業種ですから。

私も入社前は日本交通という名前すら知らなくて、タクシーって実はいろいろな会社があるんだ、みたいなところから始まっているので、やはり文化の違いは当然ありますよね。

タクシー業界はもともと労働集約型の産業なので、本当にピラミッド的な文化となっています。

日本交通だけでも今1万人ぐらいの乗務員がいて、1日22時間労働、隔日勤務で月13勤みたいなすごい勤務形態の中で仕事をしていたり、タクシー会社の営業所に行くと、整備工場があったりガソリンスタンドがあったりして、本当にザ・リアルな会社です。

なので、まずはやはり自分たちの方から歩み寄った方が早いと自分は判断しました。

現場を見学に行ったりしますし、今でもやっていますが、エンジニアが入社すると半日体験乗車をしてもらいます。

朝営業所に6時ぐらいに集合して、半日間ずっとタクシーの助手席で体験してもらうということをやっています。

さらに、無線センターと呼ばれるいわゆるコールセンターで2〜3時間程度、コールセンターマイクをつけ、どういうやり取りをしているのか聞いてもらい、課題解決に繋げるということや、定期的にエンジニアを朝の点呼から現場に行かせる取り組みをしています。

何が課題なのかを感じ取ってもらわないと、モノづくりに反映できません。

そのため歩み寄りをすごく大事にしながら文化を作っているところです。

柴山 歩み寄りとおっしゃいますが、そうすると最初におっしゃっていた月曜の朝8時半に出社して皆で唱和するところまで歩み寄るんですか?

CTOが文化融合の先陣となって取り組んできた

写真左から、松岡氏、岩田氏、柴山氏

岩田 そこは一瞬歩みよって、それから「何かこれちょっと違いますよね」という感じで始めました。

今はフレックスタイム制を採用しています。

やはりITにはITの文化があり、エンジニアにはエンジニアの文化があるので、そこは本当に1年、2年かけて変えていきました。

最初は9時出社だったのを、8時、9時、10時の選択制にするとか、いろいろな譲歩案を自分で考えて、その後に1年かけてフレックスタイム制の導入にようやくこぎ着けたのが2017年の12月です。

そのように段階的に進めました。

その間、エンジニアの中では、特にもともとバリバリのウェブ系の会社にいた社員などからは「なぜ朝3選択制などそんな無意味なことをするのか」というような反応が返ってきたりしたので、そういった説明も自分が1つずつやってきました。

そもそも遠隔勤務とか、リモートワークはないのかという声もありますね。

弊社は導入していないのですが、それについても、「オペレーションの世界なので現場と一緒にやっていくことが重要だ」ということを説明しています。

そういった取り組みを続けた結果、今ようやく双方の文化の歩み寄りが少しづつ出来てきたという状況なので、文化の融合には時間はすごくかかります。

エンジニアとビジネス、どちらかの力が強いとうまくいかない

舘野 お伺いしたいのですが、ビジネスサイドが強かった、あるいはエンジニアが強かったなど、会社の強さのバランスというのはいびつだったりしましたか?

岩田 いびつ……そうですね、JapanTaxiという会社はゼロから作ったようなものなので例外ですが、日本交通は現役員もほとんどがドライバーからの叩き上げ組ですし、タクシー事業自体が公共交通であるという所もあり、平均年齢がかなり高い環境だったので、本当に完全に異文化でしたし、ビジネスサイドが強いと言えば強い会社でした。

最初はもう、「川鍋がCTOというのを連れてきた」「何だこいつは?」という感じでした。

「俺はお前が嫌いだから」と最初の一言で言われたこともありました。

自分も、さっき竹内さんが言ったように、「何でここにいて、何でこんなに頑張らないといけないんだろう」と思うことも正直ありました。

やはり自分がドMなのか分からないですが、この体験はなかなか自分しかできないし、この業界自体をアップデートできるチャンスなので、「自分がJapanTaxiでタクシーをIT化することによって国全体を押し上げられる」といったやりがいに変えていって乗り越えましたね。

舘野 何社かで僕も技術顧問をやっているのですが、会社を見ていて個人的に思うのは、ここの部分の力関係のバランスが取れておらず、どちらかが上というような会社だと、融和までがすごく難しいです。

WAmazing株式会社 共同創立者 取締役CTO 舘野 祐一氏

たとえば皆さん経営トップの立ち位置にいて、もしこれが課題になっているとした場合、逆に並列の立場に上げると結構上手くいくことが多いと思っています。

そうするとやはりエンジニアも活気づきますよね。

要するにどちらかが上みたいな話では全くなくて、もしトップダウンで両サイドの歩み寄りが可能だとすると、話が非常に早く進んでいくパターンが多いと思っています。

それができるとだいたい上手くいくように感じています。

例えば収益を上げているからという理由で営業にプレッシャーがかかっていて、営業が強い組織では、「そもそもエンジニアってどうやって価値を発揮していくんだっけ」ということになりかねません。

エンジニアもそもそもビジネスサイドの理解をしないといけないので、そのための社内文化の融和の取り組みは必要になります。

お互いの歩み寄りがないと、やはり上下関係になってしまいます。

逆の例で、エンジニアが強い会社だと、ビジネスサイドはエンジニアが作っているコアのシステムを売ってくるだけの存在になり、「自分たちが作った価値があるものをその人たちが売ってくるよね」という感覚のいびつな組織構造になり、やはりそこには融和が生まれないと思います。

両者が同じぐらいの目線になれると、本当にやるべきことがどんどん見えてくるようになると思っているので、その辺で何かできないかなと考えています。

JapanTaxiさんは難しいところを頑張って切り抜けてきたなと思っていますが、どうでしょうか。

岩田 そうですね、本当に今ようやく、役員ともフランクに話し合えるようになりました。

「ここをこういう風に作って欲しい」といった議論も週次で定例化してやっていますし、「ここもうちょっとこういう風にやってよ」という要望に、「えーっ」とか冗談で言いながら協力するという関係性をようやく作れたという状況です。

マイノリティになりがちなエンジニアに対して経営レベルでバランスをとる

株式会社レクター 代表取締役 松岡 剛志氏

松岡 パワーバランスの話になると、だいたいtoBのビジネスに多いと思うのですが、「最初にいいプロダクトを作って、営業が売ってきてくれて」ということが繰り返されるうちに段々と営業のパワーの方が強くなってきて苦労するケースが多いのではないかという気がします。

竹内 そうですね。

BtoBのビジネスは、グーグルにもかなり大きい営業組織が存在するというぐらいなので、ことさら日本においては、営業組織がなくなるBtoBビジネスというのはなかなか収益の観点からすると厳しいのではないかなと思っています。

ではどうするかですが、営業活動を考えたらどうしても人数の差は出てきますよね。

営業は、直接お客様とコミュニケーションをとって仕事を進めるので、人数が増えないとそもそも攻めの力が弱まってしまいます。

他方、エンジニアは1人、2人、3人、6人、12人いたら、結構優秀な人だったらそれだけでプロダクトを作れてしまいます。

ですが、営業活動というのはそうはいかないので、人数的には絶対にマジョリティとマイノリティが生まれ、エンジニアの方がマイノリティになりやすいです。

先ほどの話にもありましたが、これを経営のレベルでバランスを取っていくというのは、僕も大賛成で、ビズリーチでもずっとやってきています。

(続)

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続きは 6. ビジネス部門と開発部門のパワーバランスを保つ「社員表彰」の工夫 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

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