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「最強の組織戦略〜アカツキ、クラウドワークス、ネオキャリアのすべて〜」8回シリーズ(その5)は、ネオキャリア代表取締役の西澤さんが同社の組織戦略を語ります。2009年のリーマンショックを大幅な事業転換で乗り越えたネオキャリア。その後、2011年の海外展開に伴って実行したある施策が、事業成長に効果をもたらしたそうです。ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 ダイヤモンド・スポンサーのMotivation Cloud(Link and Motivation Inc.)様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2019年9月3〜5日
ICCサミット KYOTO 2019
Session 3C
最強の組織戦略(シーズン3) 〜アカツキ、クラウドワークス、ネオキャリアのすべて〜
Supported by Motivation Cloud(Link and Motivation Inc.)
(スピーカー)
塩田 元規
株式会社アカツキ
代表取締役CEO
西澤 亮一
株式会社ネオキャリア
代表取締役
吉田 浩一郎
株式会社クラウドワークス
代表取締役社長 兼 CEO
(モデレーター)
田中 允樹
株式会社リンクアンドモチベーション
MCVカンパニー カンパニー長
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最初の記事
1. 人気シリーズ第3弾!アカツキ・クラウドワークス・ネオキャリアの組織戦略を徹底解剖!
1つ前の記事
4. クラウドワークスが実践する“エフェクチュエーション経営”とは?
本編
田中 では続いて、ネオキャリアの西澤さん、お願いします。
西澤 資料の趣旨が少し違ってしまったのですが、ハードの部分を示しながら、弊社がどのようなことをしてきたか、組織戦略をどのように考えているかについてお話しできればと思います。
組織戦略について言うと、まず経営者が「会社はどうあるべきか、どういう会社を作りたいか」という肝の部分を決め、次に明確な方向性・ビジョンを定めて、そのギャップを組織でどのように解決するか、それが組織戦略だと思っています。
個人に関しては、「採用」「定着」「育成」「活性化」という4つのフェーズに分けてアプローチしています。
それを組閣して、色々なデザインやルールを決めてどのように作るかが大事だと思います。
ネオキャリアは今、国内外に約100拠点あります。
正社員が3,000人を超えるくらいで、エンジニアが約600人います。
昔からある事業もあれば、最近流行りのSaaSやプロダクト系の事業も持っています。
2009年、リーマンショックを機に事業モデルを大転換
西澤 弊社は未上場なので売上を示しますと、このような形で伸びています。
成長のきっかけになったのは、2009年と2011年だと思います。
2009年は、我々古い経営者しか分からないと思いますが、リーマンショックがあった年です。
リーマンショックで売り上げが急激に落ち込んだ時に、ビジネスモデルを劇的に変えて、そこでビジネスが変わっていきました。
僕は、2007年〜2011年くらいまでは経営者としては頭打ちになっていました。
自分の経営者としての力、マネージメントや事業の戦略性などが、ある程度限界値に達していました。
僕は比較的マイクロマネジメント派だったので、組織は伸びないですし、事業展開もなかなかうまくいきませんでした。
2011年、社長不在による権限移譲が成長のきっかけに
西澤 加えて、2011年から海外展開を始めて、僕は1年の半分以上を海外で生活することになりました。
そうすると、今まで意思決定していたことから外れます。
当たり前ですが、物理的な時間が無いので、ナンバー2を中心に色々な意思決定がなされていきました。
国内の事業戦略や、採用、定着、育成、活性化の採用戦略に関しては、僕以外の役員で行うようになり、僕には役員会での報告だけになりました。
そうすると、面白いように伸びていったのです。
要するに、ボトルネックは僕だったという結論なのです。
それが、2011年以降の拡大・成長につながっているのではないかと思っています。
採用、定着、育成、活性化の部分や、組閣をどのようにするか、役割・責任をどのように分けていくのか、やること・やらないこと、何に注力するのか・しないのか、どのように仕組み化をするのか、さまざまな組織戦略があると思いますが、そこの意思決定に僕が関わらなくなったことが、この成長を生んでいるのだと思います。
ただ、どのような組織でありたいのか、どうなりたいのかという、僕のこだわりだけは守ってくれたことが、この成長につながっているのではないかと思っています。
組織成長に伴い「属人性に頼らない仕組み」が必要
写真左から、アカツキ塩田さん、ネオキャリア西澤さん、クラウドワークス吉田さん、リンクアンドモチベーション田中さん
西澤 そして組織の成長に合わせて、小さいうちは感覚的に面談で把握できた組織が、人が増えるに従い感覚的なものや属人的な動きでは対応しきれなくなってきますので、色々なところで仕組み化をしています。
吉田さんがよくイジる西澤塾は、「E-neo」という次世代経営者育成プログラムです。
吉田 西澤塾というのは、色々なところで聞くことが多いです。
西澤 いや、吉田さんからしか聞かないですよ(笑)。
吉田 どのようなことをやられているのですか?
西澤 「経営とは?」「心とは?」などですね。
吉田・塩田 (声を揃えて)経営とは何ですか!?
西澤 それは、1時間くらいかかりますね(笑)。
(会場笑)
というわけで、オンボーディングさせたところに機会を与えたり、自主的に参加してもらったりしています。
ここは全部話すとちょっと長くなるので、また別の機会とさせてください。
2つのサーベイで、エンゲージメントを科学する
西澤 次に、「エンゲージメントを科学する」施策を2つやっています。
組織に関しては、「モチベーションサーベイ」を半年に1回定期的に入れています。
以前は個別面談で行っていたのですが、今はアンケートに自由に記載してもらって、それを全部回収しています。
そして、ある一定の水準以下の場合には人事が入る、ということを繰り返しています。
これは仕組みとしてずっと回しています。
「ワークバイタル」というのはウチの社内の仕組みで、いわゆるパルスサーベイです。
「雨」から「晴れ」までのスコアで、「上司との関係」「仕事が楽しいか」「健康かどうか」の3つについて聞いています。
一番関係するのは「上司との関係」だったりするのですが、そのようなことを科学しながら、組織と個人について取り組んでいます。
その他にも色々な仕掛けや仕組みを行っていますが、ここでは割愛させていただきます。
塩田 このスライドは出した方が良いでしょう。
西澤 ああ、これですね。
田中 ありがとうございます(笑)。
先ほど、ご自身が一番の課題だったというお話をされて、マネジメントのスタイルを切り替えたということでしたが、具体的に変える上でのポイントになったことや、どのようなことに取り組まれたのかについて、ぜひお聞かせください。
「意思決定に介入しない」という意思決定も必要
西澤 僕が取り組んだというよりは、それまでは、創業メンバーやプロパーの優秀な人間が部長などに就いて事業を創っていたのですが、僕が海外へ行く頃から、優秀な中途人材を積極的に採用するようになりました。
基本的に、優秀な中途の人に事業を立ち上げさせて、若いメンバーをアサインしていきました。
そうして事業がどんどん生まれるようになっていった時期が、2011〜2013年あたりになります。
それまでは、僕が「この人材はどうなのだろう?」と思って最終選考で採用しなかった人材がいたわけですが、その最終選考に僕が入らなくなりました。
そのような人材も国内側で意思決定して入ってきたのですが、その人たちは、3〜4年で事業を創った後に、また卒業していっています。
つまり、事業を創って一定の規模まで大きくする段階に必要だった人材を、僕は自分のこだわりがあって採用していなかったということです。
そのフィルターが無くなって採用するようになり、結果として2011年以降に生まれた事業で売上の半分を占めるようになりました。
それは面白いなと感じています。
田中 よくカンファレンスなどの採用に関するテーマで、トップが目利きしながら、合わない人材は採用しないようにしているという話を聞きますが、西澤さんは自ら見ることをやめて、逆に仕組みとして、フィルタリングするためにこだわっていることや意識していることはありますか?
西澤 リンクアンドモチベーションの小笹(芳央)さんとも話しましたが、当時、そこはトップとして捨てなければいけないところだと思っていました。
経営として捨てなくてはいけないところは捨てて、何を優先するかを常に考えながらやっています。
田中 一定レベルで、経営者が何を捨てるか、手放すかを意思決定していかなければいけないということですね。
西澤 今でも、一定役職者以上の選考の場合は、僕も最終選考に顔を出します。
そのあたりのルールは決めてやっています。
田中 一定のターゲティングをして、ここは外せないというポジションや主要なところに関しては、最後に目利きをするということですね。
ありがとうございます。
冒頭お伝えした3つのアジェンダのうち、1つ目のフレームワーク、2つ目の各社の施策についてお話しいただきました。
(続)
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続きは 6. エンタメを創出する組織に「不合理性」が必要な理由 をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美
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