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「社会の前進」に焦点をあてて切磋琢磨しよう(リディラバ安部)【A16-4 #8】

ICCxAIESEC 2016 Session 4

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「小さな一歩が社会を変える」【A16-4】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!15回シリーズ(その8)は、リディラバ安部さんに、リディラバ独自のスタディ・ツアーについてお話を頂きました。ユニークなツアーが多く登場します。ぜひ御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。
2017年も、秋頃に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo

 


【登壇者情報】

2016年9月13日開催
ICCx AIESEC カンファレンス 2016
Session 4
「小さな一歩が社会を変える」

(スピーカー)

安部 敏樹
リディラバ代表理事/
Ridilover代表取締役

三輪 開人
e-Education
代表理事

米良 はるか
READYFOR
代表取締役CEO

(モデレーター)

小林 雅
ICCパートナーズ
代表取締役

小さな一歩が社会を変える」の配信済み記事一覧

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社会問題への関わりを阻む「3つの壁」(リディラバ安部)【A16-4 #7】 「小さな一歩が社会を変える」【A16-4】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!15回シリーズ(その7)は、「社会の無関心を打破する」リディラバ安部さんに、社会問題に関わるのを阻む3つの壁についてお話を頂きました。是非御覧ください。

【本編】

安部 私達は社会問題の現場へのインフラになりたい。世界中、色々な社会問題の現場があるのですが、課題の現場にアクセスする仕組みがありません。皆さんが何か行動を起こしたいと考えていても、どう関われば良いのか分からない。

そういう中で非常に気軽に社会を知れるインフラになれればと思っています。

社会問題の現場に橋を架ける

Ridilover Slide

例えば、皆さんは休みの日に家族でどこかにいこうと考えたとき、いきなり鉈(なた)を持って野道を切り開き、山の奥にある集落に行こう、とはならないですよね。

あるいは、橋のかかっていない川にいきなり飛び込んで泳いで対岸に向かうということはしないですよね。

道路が通っていたり、バスが通っていたりする場所に「家族で一緒に行こうよ」という話になりませんか?

誰かがそこに道路を通さない限り、基本的に日常生活の中で人がそこに行くことはありません。

だからこそ、「社会問題の現場」にいかに道路を通し、橋をかけていくか、ということが私たちの役目なのです。

具体的には、関わりやすいきっかけを作ろうということから、「社会問題を学びに行くという旅行はどうですか?」という「スタディ・ツアー」を始めました。

Ridilover Slide

例えば、(上のスライドの)左上の写真は鹿肉を食べながら環境保全の問題はどうなっているかを学ぶツアーです。

隣の右上の写真は妊娠や出産を疑似体験していただく体験のツアーですし、左下の写真は小布施の街づくりを学ぶツアーです。最後に右下の写真は林業について学ぶツアーです。

どれも課題を楽しみつつ学ぶ、その現場にある複雑さを学ぶ、ということを大事にしています。

リディラバのツアーの特徴

Ridilover Slide

リディラバは現在、約200のテーマと学びのノウハウをコンテンツとして持ってます。
ツアーでは参加者同士がディスカッションしたり交流するように設計しています。

その結果、ツアー参加者の中でこのツアーの体験をきっかけに仕事を変えたり、大学を辞めて移住定住する人もいました。

またここで出会い、結婚する人たちもいます。このようにツアーでの体験をきっかけに人生観が大きく変わるという人がいることもリディラバのスタディツアーの特徴です。

今のところ、ツアー参加者は学生からファミリー層の方が中心です。特に家族が増えると社会問題に興味を持たれるということをおっしゃられる親御さんが増えています。

Ridilover Slide

全国のNPOと提携した「スタディ・ツアー」

次に「スタディ・ツアー」の仕組みを説明します。

リディラバは、日本全国にあるNPO法人と一緒に「スタディ・ツアー」を企画します。社会問題に関心がある参加者と社会問題の解決に取り組むNPO法人とを「スタディ・ツアー」を通じてマッチングするプラットホームです。

Ridilover Slide

社会問題の現場に人を送客するためには、まずどのようなコンテンツにしていくのかという企画立案も行いますし、実際にツアーを運営するためには旅行業の資格も必要です。また、それらに加えて決済・集客・CRMの提供・トレーニング・学びのマッチングなどあらゆるものが必要となります。

こういった必要な機能を私達が一括してNPOの方々と提携した上で、参加者の方々にスタディツアーを提供しています。

最近話題になったリディラバのツアーを紹介します。

ラマダンを通じて異文化を学ぶ

例えば、イスラムのテーマを扱う「ラマダン月限定!『”感謝”の食事』分かち合いツアー」がありました。

これは異文化理解というのをわざわざ海外に行かなくてもできる環境を作りたいという気持ちから始まったものです。

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街を歩きながら福祉を考える

地域の福祉活動を考える「千葉県多古町のおっちゃんと、街を歩きながら福祉を考えるツアー」というこのツアーは、福祉を地域全体の中でサポートする形のモデルケースとなるような現場を体験するツアーです。

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炊き出しなどを体験し、ホームレス問題を学ぶ

ホームレス問題に関して学ぶ「都会に潜む貧困。~池袋でホームレス事情を知るツアー」は実際に現場で炊き出しなどを体験もしつつ、元当事者の方々のサポートを受けながら現場をパトロールできるツアーです。

興味深いのはこういったツアーにいくと、実は受け入れ側の元ホームレスの方が意外なほどにモチベーションを高めて、意欲的になってくれるということです。

誰かに関心を持ってもらうということは実は当事者や現場の支援者にとっても大きいのだ、と改めて思います。

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スポーツを通じて障がい者と交流する

パラリンピック選手と実際にパラリンピックの競技を疑似体験してみましょうという「パラリンピック日本代表選手と交流!汗を流して障がい者スポーツ体験ツアー」もあります。

障害というとなにかと「弱い、守らなければならない」というようなイメージを持つ人もいると思いますが、彼らのアスリートとしての一面を体感すると違ったイメージを持つことになると思います。

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デジタルデトックスでスマホから離れる

皆さんスマホ使いすぎですよねという問題意識からのツアーもあります。デジタルデトックスをしましょうという「スマホを捨てて鎌倉探訪。デジタルデトックスツアー!」というものです。

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ラブホで風俗と労働の問題を学ぶ

最後に紹介するのは少しディープなテーマになりますが、風俗と労働の問題です。風俗の問題は「性」の問題と捉えられがちですが、実は労働の問題なんです。

若い女性にとっては良し悪しは別として、セーフティネットとして風俗が機能しているという事実認識から始められればと思っています。

「風俗嬢とラブホでおしゃべり!大人な女子会ツアーin歌舞伎町」というツアーです。

Ridilover Slide

このようにユニークな「スタディ・ツアー」を個人の参加者に向けに提供しています。

社会問題解決をビジネスにする

安部 「日本は豊かだからそんなにたくさんの社会問題はない、海外の方が深刻だ」という方もいますが、このような社会問題の現場が、日本にも世界にも沢山あります。

ただ、自分たちで0からこのような問題を調べたり知ったりするということは難しいですよね?

そこを私達が間に入り、簡単に社会問題を知り、簡単に関われる仕組みにすることで、可能な限り多くの人と一緒に社会課題を考えるためのプラットホームとしての活動を行っています。

 

「社会問題を扱うことはビジネスになるのですか?」という質問を受けることもあるのですが、私が事業を始めた7、8年前位は、そもそも社会問題をビジネスにするという考え方がメジャーではありませんでした。

前のセッションで登壇している方々も「社会問題をビジネスで解決する」と話していらっしゃいましたが、こういう声を若い世代で上げて来てくれる人が少しずつ増えて来たという意味では、我々もちょっとだけ貢献したかなと思っています。

何かを変えていくには力が必要

e-Educaiton三輪さんの話の中で、国の政策についての話題がありましたが、一昨年前(2014年)、観光庁長官賞を頂き、去年(2015年)は安倍首相が議長を務める観光立国推進閣僚会議に私達のスタディツアーが推していくような政策として盛り込まれました。

学生の時始めた活動が、いつの間にか大きくなり、日本の方針として政策に組み込んで頂けたと思うと、すごく有難いです。

私は、学生の皆さんが「何かをしたい」、「社会を変えたい」と考えてくれるのがとても嬉しい。また、自分自身がまがりなりにもそういう気持ちで仕事をして来たので、ぜひ背中を押したいと思っています。

一方で、何かを変えていくためには力が必要であるというのも事実です。

「学生の割にすごいね」と言われるのではなく、「社会をどのように前進させたのか」ということに焦点をあてて切磋琢磨してもらえると、少し先を走る者としては嬉しいなと思っています。

今日はうまくいった話ばかりをしていますが、実際はそんなことばかりではありません。

もう少し事前に分かっていれば上手にできたのに、ということばかりです。

みなさんが同じ過ちを繰り返さないように参考になりそうなことを少しでも話せればいいなと思っています。

またリディラバにはインターンなどで実践的に机を並べて学んでもらうような環境もありますので興味がある人がいたら、ぜひどうぞ。一緒に社会を変えていきましょう。

Ridilover Slide

(続)

【参考資料】 2017年2月23日のプレゼンテーション動画も合わせてご覧ください。

 

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鎌田 さくら

続きは 「夢中になることがなかった」READYFOR米良氏が一歩踏み出したきっかけ をご覧ください。

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【編集部コメント】

続編(その9)では、READYFOR米良さんに、READYFORを創業するまでの自己紹介を頂きました。やりたいことがないと言う学生にも、勇気づけられるストーリーです。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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