4.企業へのクラウド導入に対する反発や既存システムとの被りにどう対応するか? – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

4.企業へのクラウド導入に対する反発や既存システムとの被りにどう対応するか?

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「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」8回シリーズ(その4)は、クラウド・サービスの導入を阻む要因について。クラウド・サービスの提供側ならではの視点が議論されます。SmartHRの導入で働き方の変わった社労士さんの実例にもご注目あれ。

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ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、ジョブカン(株式会社Donuts)様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 1B
クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?
Supported by ジョブカン

(スピーカー)

大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部
グローバルソリューション事業ユニット長

倉橋 健太
株式会社プレイド
代表取締役社長

東後 澄人
freee株式会社
取締役COO

宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

(モデレーター)

山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役

「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
1.クラウド・サービスの注目プレイヤーがデータ活用のリアルを語り尽くす!

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3.クラウド・サービスを企業に導入して得られる付加価値とは?

本編


山内 昔は何億円、何十億円をかけてERPを導入しますという状況でした。

ロードマップとして、少し前だったら数億円単位のシステムがないとできなかったことが、月に数万円~数十万円でできるようになってきています。

これは、昔からIT関連の業界に携わっている者からすると驚くべきことです。

東後 そうですね、しかも自社だけで全て提供する必要もありません。

弊社の場合で言うと、Airレジさんとも連携させてもらっています。

山内 API連携ですね。

クラウドのAPI連携で価値あるデータを統合する

東後 API連携(※)により、複数のプロダクトが有機的に繋がることによって、先ほどお話ししたような複雑なサービス提供もできるようになるのかなと思っています。

▶編集注:API(application programming interface)とは、OSやアプリケーションソフトが、他のアプリケーションソフトに対し、機能の一部を利用できるよう提供するインターフェースのこと。(参考:デジタル大辞泉

山内 ユーザーすなわち利用者企業にとって、API連携というのは本当に嬉しいことで、どんどん進めていただきたいです。

1社で全てを提供するのではなく、それぞれの分野で特化されたサービスが連携して、痒いところに手が届くものになるというのは、ユーザー企業の立場からすると非常に有難いです。

東後 特に直近の2、3年というところでいうと、連携できることの付加価値というのがどんどん上がっていくのだと思います。

(写真右)freee株式会社 取締役COO 東後 澄人 氏

もう少し先になると、クラウド化されていることなんて当たり前になると思います。

たとえば、今は新設法人の50%以上はクラウド会計ソフトを導入しているというデータもあります。

必然的な未来として、バックオフィスはクラウド化されていて、データはクラウドに蓄積されているという状態はもう間違いなく見えていると思います。

そこから先の差別化として、より高い価値を生み出せるかというのは、いかにそのデータを活用するかです。

より有効なデータ、より価値のあるデータを統合的に所有しているプレイヤーが勝っていく世界に恐らくなっていくのだろうなと思います。

クラウド導入における大企業とベンチャーの温度差

山内 僕たちベンチャー企業にとってクラウドというのは本当に有り難くて、ほとんど人も雇わずに、システム投資することもなく大企業が持つバックオフィス機能を手に入れられます。

最近のベンチャーの盛り上がりに、クラウド・サービスがすごく貢献しているなという感じます。

一方で大企業へのクラウド・サービスの導入が進み、ある業務に掛かる人件費を削減できたとしても、その人材を解雇するわけにもいかないという事情があります。

「クラウドの導入によって既存業務から解放された100人をどこに配置すればよいでしょうか」というような相談をたまに受けることがあります。

「そんなこと言われても」という話なのですが、その辺りが、大企業がクラウドを導入するにあたってのハードルになっているのではないでしょうか。

大企業はレガシーを持っていますよね。

償却しなくてはいけないシステムを相当所有していたりしますし、特に人材が問題です。

ベンチャー企業は何も持っていないので、とにかく利用して、ガンガン固定費を安く抑えれば良いというだけなので、その点とても楽なんですよね。

でも大企業は少し事情が違うかなという気がして、特に会計系と人事系はそのような危惧があるのではと思うのですが、freee社さんはいかがでしょうか?

東後 実際に、最初はその辺りを懸念として持たれるケースもあるのですが、ただ全体感で言うと、やはり今は人材難なんですよね。

特にバックオフィスの人材というのは、意外とそんなに余っているような環境はなくて、今は結構逼迫しています。

まずその人材難を解消したいという思いがあったりするので、実際にお客様に対峙していて、その点が大きな課題になるということは、そこまでないと思います。

山内 なるほど、「今のうちにガンガン導入してしまえ」ということですね。

東後 目の前について言うと、そうですね。

ただ、更に先の将来を見据えて、これを導入したら、その業務に従事している人たちは全て要らなくなってしまうのではないか、という不安を覚えていらっしゃる方は確かにいて、それについて質問されることはあります。

けれども、別の業務といいますか、より付加価値の高い業務をしましょうというのが解決策になります。

「この人はそれしかできない」と思ったとしても、別にそこまで難しいことをやってくださいということではないと思います。

たとえば今までは単純な入力作業をしていた人が、レポートをまとめてわかりやすく報告する業務を担当するとかです。

そんなに難しい作業ではないと思うのですが、そのように変わるだけでも、だいぶ付加価値は異なってくると思います。

「単純作業がなくなることにより、ものすごく高い能力を求められるようになるので、今いる人材の活かしようがなくなってしまうのではないか」という恐怖感は、相当長い将来であればあり得るかもしれませんが、直近で言うと、そこまでの懸念は必要ないと思います。

やりたいけれどもまだやれていない業務は実はたくさんあって、実際、人事労務や会計の担当者などに「本当にやりたいことはどのくらいできていますか」と聞くと、大半の人はやりたいことが全然できていないとおっしゃいます。

ですから、実はもっとやりたいことはあるのだけれども、時間を割けていないという状況の方が、今の時点では多いのではないかと思いますね。

山内 なるほど。

人事系については結構抵抗がありそうな気がしますが、宮田さんはいかがですか?

API連携で既存システムとの被りを防ぐ

宮田 そうですね、人事系システムについて述べれば、おっしゃる通り大企業ほど、レガシーなシステムを持っています。

山内 持っていますよね。

宮田 ただ、弊社のジャンルについては、既存のシステムと被らないことが多いです。

株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田 昇始 氏

社会保険や雇用保険手続きなど、役所への申請機能によって便利さを感じていただいているので、APIでつながって、既存のシステムに「SmartHR」を追加させるような運用をしていただくケースが非常に多いです。

既存のシステムと被ってしまい導入できない、という反応はそれほどないです。

山内 上手いやり方ですね。

宮田 そうですね、APIはかなりモダンなAPIを用意できていると自負しています。

それを使って既存のベンダーのシステムと重複するようなこともありません。

人材の話については、全体としてはfreeeさんと同感ですが、東京と地方だと若干受け取られ方が違うように思います。

東京の方だと、「自分たちの仕事が効率化できる」という印象を持っている方がほとんどなのですが、地方に営業に行くと、「私の仕事がなくなってしまいますね」とおっしゃる方は、少なからずいます。

山内 地方の方がそのように捉えるのはなぜなのでしょうか。

宮田 おそらく雇用の需要が関係しているのではないかと思います。

山内 流動性とかですね、なるほど。

クラウド労務は社労士から仕事を奪ったのか?

宮田 ただ東後さんがおっしゃったように、より付加価値が出せる仕事というのはたくさん眠っているはずです。

「クラウド・サービスを導入したからといって仕事がなくなる」かというと「そうではなかった」というような事例が増えていくと、地方であろうと「自分たちでも活用できる」と思っていただけると考えています。

私たちのジャンルだと、当初は、会社の人事労務担当の方たちだけでなく、社会保険労務士(社労士)の仕事を奪うのではないかと言われていました。

結論を言えば、そうではなくて、むしろ最近は社労士側から歓迎する声が増えてきています。

というのは、社労士の皆さんも、誰がやってもアウトプットが同じペーパーワークは、あまりやりたくないんです。

月末・月初の入退社の手続きなどは、非常に面倒で手間のかかる仕事です。

そこで、社労士がSmartHRを顧問先企業に入れて、お互いの業務を効率化している事例が最近増えてきていて、顧問先を増やすことができた好例もあります。

「SmartHRを手続きや管理に使って効率化して、さらに相談業務もできます」といった感じですね。

山内 それは有り難いですね。

宮田 そうですね、SmartHRなどクラウドの活用によって50社以上も新規開拓されている社労士さんや、売上が3倍になったという社労士さんも出てきています。

写真左から、宮田氏、山内氏

山内 もはや優秀な営業マンと化していますね。

宮田 そうですね (笑)。

ですので、「クラウド・サービスを入れたから自分たちの仕事がなくなる」ではなく、より価値のある、人にしかできない仕事に取り組んだり、自分たちがスムーズに運用できる方にシフトして、よりたくさんのクライアント企業を囲い込める、という良い利用の仕方をされていると思います。

クラウドを用いることで、これまで手が回っていなかった仕事にも、取り組めるようになっていると感じています。

(続)

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続きは 5.売上データの共有でスタッフの行動が変わる をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/本田 隼輝/尾形 佳靖/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

自分はいま何がしたい(できていない)のかと考えるのが、クラウド導入の第一歩なのかもしれませんね。次回は、クラウドによるデータ共有がもたらすメリットを、リクルートスタイルの大宮さんが語ります!(尾形)

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