「平均寿命=健康寿命=120年」大学発"便"チャー・メタジェンが腸内デザインで目指す病気ゼロ社会とは | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

3.「平均寿命=健康寿命=120年」大学発“便”チャー・メタジェンが腸内デザインで目指す病気ゼロ社会とは

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「リアルテック・ベンチャーが世界を変える」7回シリーズ(その3)は、病気ゼロ社会を目指すバイオベンチャー、メタジェンを率いる福田真嗣さんの解説パートです。メタジェンの「茶色い宝石(便)」関連事業により、私たちは120歳の健康寿命を獲得できると言います。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月3〜5日 京都開催を予定しております。

ICCサミット FUKUOKA 2018のシルバー・スポンサーとして、内田・鮫島法律事務所様に本セッションをサポート頂きました。


【登壇者情報】
2018年2月20-22日開催
ICCサミット FUKUOKA 2018
Session 10D
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Supported by 内田・鮫島法律事務所

(スピーカー)
粕谷 昌宏
株式会社メルティンMMI
代表取締役

平田 勝則
コネクテックジャパン株式会社
代表取締役

福田 真嗣
株式会社メタジェン
代表取締役社長CEO

(モデレーター)

永田 暁彦
株式会社ユーグレナ 取締役副社長 /
リアルテックファンド 代表

「リアルテック・ベンチャーが世界を変える」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 注目リアルテック・ベンチャー「MELTIN」「メタジェン」「コネクテックジャパン」は世界をどう変えるのか?

1つ前の記事
2.「朝起きたら、別の体に“ログイン”して1日が始まる」MELTINのサイボーグ技術で変わる人間の暮らしとは

本編

永田 少しずつ、リアルテックがどうやって世界を変えるのか分かってきた感じがしますね。

では、次はメタジェンさんです。

▶編集注:本セッションでは、MELTIN、メタジェン、コネクテックジャパンが開発する技術について、「自社の技術が最終ゴールに近づくと、世界がどう変わるの?」を解説いただいています。

メタジェンの技術によって、世界は「億万長者ニートが現れる」、「平均寿命=健康寿命で1.5倍」と。

福田さん、なぜ億万長者が生まれるのでしょうか?

便が富を生み、健康長寿を支える未来

株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO 福田 真嗣 さん

福田 宝くじに当たった場合にもあり得るかもしれませんが、それよりももう少し高い頻度で億万長者ニートが現れると考えています。

これはどういうことかというと「便が売れる世界」がやってくるからです。

皆さんご存知かもしれませんが、特定の疾患の治療に、実は人間の便が有効なのではないかということで、今「便移植」が非常に注目されています。

それには、腸内細菌が重要な役割を担っています。

具体的に、便の中の何が重要なのかはまだ判明していないのですが、色々な研究分野で、「こういうタイプの人の便は、こういう疾患治療効果がありそうだ」ということが分かってきています。

この会場には数十人いらっしゃいますが、誰の便がいいかは、まだ分かりません。

しかし僕たちは、それを調べる技術を持っています。

永田 腸内細菌が影響している一番分かりやすい疾患には、例えばどういうものがあるのですか?

福田 身近な疾患で言えば、花粉症や食物アレルギーなどですね。腸内細菌が関与しています。

いわゆる免疫系が関連する疾患は、ほとんど腸内細菌が関係しています。

つまりこういう疾患は、腸内細菌を上手くコントロールすれば疾患の予防もできるし、究極的には治療もできるのではないかと考えています。

そして僕たちは、便を活用して皆さんの健康状態を作るということを目指しています。

それができれば、「平均寿命=健康寿命で1.5倍」が実現できると考えています。

皆さんご存知かもしれませんが、平均寿命と健康寿命というのは意味が違います。

健康寿命というのは、健康でいられる寿命です。

平均寿命というのは、最期、つまり死ぬまでの寿命なので、大体今だと健康寿命と平均寿命の間には男性で約9年、女性で約12年の差があります。

つまり多くの方がそれだけの長い間、病気で生活をしているというのが現状です。

そこを僕たちの技術を用いて腸内環境を上手くコントロールすることによって、病気にならない状態を作り、健康寿命と平均寿命の差を縮めていきます。

さらに「1.5倍」と書いてあるのは、今は80歳ぐらいの平均寿命も、腸内環境を整えることで伸ばしていけるのではないかと考えているからです。

▶参照:平成30年簡易生命表の概(厚生労働省)

これまでギネスブックに載っている最高齢は大体120歳ぐらいです。

▶参照:ギネス世界記録、存命の最高齢(男女)の記録、最長寿の記録について(Guinness World Records)

ということは、上手く腸内環境をコントロールすれば、その年齢まで平均寿命=健康寿命を延ばせるのではないかと思います。

なぜかというと、実は近年増えている様々な疾患というのは、必ずしも私たちの遺伝子が決めているものとは言えないからです

実は、多くの疾患は遺伝子のみならず環境要因が重なることで起きていることが示唆されていいます。

つまりもともとの遺伝的素因があった上で、何を食べるか、どんな生活習慣をしているかといった環境要因が、疾患発症に関係しており、実はここに腸内細菌が絡んでいることが、近年の研究で分かってきています。

近年増加している、例えば生活習慣病やがんなどを、我々のテクノロジーで腸内環境を上手く制御すれば予防できるのではないかと思っています。

あとは今、皆さんもご存知かもしれませんが、CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)という遺伝子を編集する技術が出てきていますから、倫理的な問題は別にして、いわゆる先天性の疾患もヒトの遺伝子を編集することで治療できる時代が来ています。

そうすると、本当に病気をなくせますし、寿命も1.5倍ぐらいまでは延ばせるはずです。

今のところ、計算上は1.5倍くらいだと思っていますが、そういうことができれば、我々は初めて病気にならずに自分がやりたいこと、楽しいと思うことをできる世界が実現すると考えています。

その手段として、便を活用するということです。

“いい腸内環境”から採った便が薬になる

永田 僕、健康になるためとはいえ、例えば平田さんから「ウンコあげるよ」と言われたらちょっと抵抗があるんですけど(笑)。

例えば、人工的に腸内細菌叢カプセルなどを作って、お尻から入れるようなことは不可能なのですか?

福田 もちろん、海外のベンチャーも含め、まさに世界中がそれをやっています。

永田 そうなると、億万長者ニートは、リアルニートにまた戻ってしまうのではないでしょうか?

(会場笑)

福田 大丈夫です。なぜなら、便に含まれる微生物というのは“その人”からしか採れないのです。

永田 それは、腸内細菌に固有の種類があるということですか?

福田 そういうことです。

私たちは、ホモ属のサピエンス種という同じ種ですが、一人ひとり顔も形が違いますよね。

双子でも、ほくろの位置は違います。つまり全く同じ人間というのはいないんです。

それと同じで、全く同じ腸内細菌はいません。

つまりその人の便にいた菌は、その人からしか採れないのです。

研究レベルでは、一卵性双生児でも腸内細菌叢のパターンが違うことが分かっています。

腸内細菌に大きな影響を与えるのは、私たちの食文化なのです。

なぜかというと、腸内細菌のエサのほとんどは、私たちが食べた物です。

つまり生活習慣が微生物のバランスを決めていて、それが健康に寄与していますし、あるいは食べ物次第では病気に繋がってしまうのです。

このように、健康ないしは病気にすごく大きく影響しているということが分かってきたので、非常にいい腸内環境から出てくる便は、薬として使えます。

その便の中の微生物を上手く採ってきて特許を取ったら、薬として使えるわけですから、その人はもう億万長者ですね。

腸内細菌の“エサ”を変えれば、腸内環境は変わる

写真左から、メタジェン福田さん、MELTIN粕谷さん

粕谷 先ほど、腸内細菌は固有というお話がありましたが、あくまで、最小単位の構成要素は共通だけれど、その配合率やパターンが異なるという認識で合っていますか?

それとも、構成要素から違うのでしょうか?

福田 構成要素から違います。

人間のゲノムDNAの塩基配列にはわずかな違いがあるとされています。

それを「SNP(スニップ)」と呼びますが、しかし、一卵性双生児の場合は一緒です。

▶編集注:SNP(single nucleotide polymorphism:一塩基多型)とは、ゲノム多様性の1つ。一般的に、ある生物集団のゲノムにおいて、ある一塩基の変異が1%以上の頻度でみられる場合、その変異をSNPとよぶ。

しかし、腸内細菌に関しては、一卵性双生児でも違うのです。

腸内細菌というのは、私たちのお腹の中に住み続けようとします。これを「定着」と言います。

定着には2種類の方法があって、1つ目は実際に腸管の壁にベタッとくっつくやり方。

もう1つは、腸からその菌が出て行かないように、どんどん腸内で増殖して見かけ上、その菌が腸内に留まる方法です。

そして実は後者の方が、圧倒的にマジョリティなのです。

腸の中で増えるということは、つまり便として排泄される速度よりも速く増えるということです。

これによって見かけ上は、その種は腸内に存在し続けるわけです。

細菌が増えるときに何が起こるかというと、最初に遺伝子の複製が起こります。

遺伝子の複製が起こると、ある一定の頻度で必ずミューテーション(突然変異)が入ります。

つまり細菌が2つに分裂したときに、遺伝子にミューテーションが入った細菌と、入っていない細菌が生じます。

仮にミューテーションが入った細菌が腸の中で増えるのに有利な性質を持っている場合、そちらが勝ち残ります。

というように、私の場合だと40年ぐらい、ずっとお腹の中で細菌が培養され、ミューテーションを重ねながら増え続け、どんどん変化しているんです。

だから、腸内細菌は個人に固有なのです。

永田 ミューテーションというのは、僕たちにはコントロールできないですよね。

ということは、頑張って生活や食事内容をコントロールしても、どうしても健康になれない人が出てくる可能性があるのではないでしょうか?

福田 我々は何を食べるかによって、腸内細菌のエサを変えることができます。

例えば僕たちの研究で分かってきたのは、糖質制限をすると、人間側も辛いですが、腸内細菌側も滅茶苦茶辛くて、必要な栄養素が入ってこなくなるので、ガラッと腸内細菌叢のバランスが変わったりします。

だから、ある程度安定性はある一方で、変えようと思ったら変えられます。

我々は腸内細菌叢を「可変であるもう1つの臓器」と呼んでいて、ここを上手くコントロールすることが、実は色々な疾患を予防や治療できるのではと考えています。

永田 なるほど、面白いですね。ありがとうございます。

(続)

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続きは 4.「すべての〈モノ〉にCPUが実装される」コネクテックジャパンの世界初“超低温”半導体実装技術がIoTに革新をもたらす をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/浅郷 浩子/尾形 佳靖/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵

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